気候市民会議とデシディムに学ぶ(広報ひの令和4年9月1日号)

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ページID1018486  更新日 令和4年8月31日

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 市では、計画などを策定する場合に、公募市民を含む会議体での討議を経て、ある程度まとまった素案をパブリックコメントに付す、というのが定番の市民参画のやり方です。  

 このやり方の欠陥は、時間に余裕があり、そのテーマに関心がある人からの意見聴取に偏り、ほぼ出来上がっている施策への意見募集であり、知識がなければ意見を寄せることは困難であることです。  

 本来の市民参画は、代表性民主主義の限界や機能不全を補うためにあり、今のやり方では不十分である故、ヨーロッパ発の二つの手法が注目されています。一つは脱炭素社会への転換を市民参画で目指す気候市民会議の手法、もう一つは市民参加型合意形成プラットフォームであるデシディム(Decidim)です。  

 気候市民会議は、(1)参加者の属性が対象エリアの縮図となる工夫(無作為抽出・くじ引き)(2)議論に先立った参加者への情報提供(3)熟議の保障(4)投票などによる結果の取りまとめ、という特徴があります。気候危機対策には正解がなく、すべての人に関わり、施策実現のためには、 従来のやり方を超えた政治的意思決定(民主主義の手法のイノベーション)が求められることからこのような動きが生まれたとのこと(三上直之著「気候民主主義〜次世代の政治の動かし方」より)。イギリスやフランスでは国レベルの取り組みがあり、日本でも札幌市や川崎市で同様の手法による気候市民会議が開催されています。  

 一方、デシディムは自治体がオンラインプラットフォーム上でさまざまなテーマで意見を募集、一方通行でない参加者相互のやりとりも可能で、何が多数意見かを可視化できる仕組みです。スペイン・フィンランド・台湾などが先行し、日本でも兵庫県加古川市や高知県土佐町など複数の自治体で実施されています。用意された原案に対する意見出しではなく、初期段階から意見表明 を可能とするのが特徴です。  

 気候市民会議は日野市でも令和5年度に実施予定であり、デシディムについては地方自治DXの実現であり、ぜひ活用したいこれからの市民参画の手法であります。

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