市民のジョブを理解しているか(広報ひの 平成30年3月1日号)

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ページID1016964  更新日 令和3年4月13日

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 ある商品の売り上げを増やすため、その商品の性能・特長をどう高めるかに腐心し製品の改良を行っても、売れ行きが増えるわけではないことがよくあります。その時欠落しているのは、なぜ顧客はその商品を買う選択をしたか、についての分析です。

 クレイトン・M・クリステンセン教授ほか3人の共著「ジョブ理論~イノベーションを予測可能にする消費のメカニズム」では、「顧客が商品Aを選択して購入するということは、片付けるべき仕事(ジョブ)のために商品Aを雇用(ハイア)すること」であり、顧客の抱えるジョブによっては商品Aのライバルは同業他社の類似製品ではないかもしれない。「新しいプロダクトを成功に導くのはそのプロダクトに付随する『体験』が優れているからだ」と説いています。

 例えば、アマゾンでは、顧客にとって価値ある体験が何かを正確に把握し、その体験を滞りなく届けることを中心にビジネスを構築しています。自分の求める体験を参照できるカスタマーレビューの存在なしに「どんなものでも買える店」の実現はあり得なかった。顧客の片付けるべきジョブに注目して顧客に価値ある体験を準備し、商品・サービスを創意工夫することがイノベーションを可能にする。それを実現している例と言えます。

 ただし、顧客の片付けるべきジョブとは、ある特定の状況下でその顧客が遂げようとしている進歩であり、複雑な状況の中で真のジョブを見つけ出すのはかなり困難な作業です。

 今後、市役所は、市民の片付けるべきジョブを理解しそれに結び付けるかたちで行政サービスを行っているかが問われることになるでしょう。

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