コロナ禍後に向けて(広報ひの令和2年7月1日号)

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ページID1016941  更新日 令和3年4月13日

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緊急事態宣言が解除されましたが、「新しい生活様式」の下、以前の生活にはなかなか戻れないようです。この間、さまざまな識者や新聞コラムなどが新型コロナウイルス感染症の下での出来事を考察し、コロナ禍後の社会と世界の在り方の提言をしています。

 その中で、特に私が大切であると思う問題を採り上げてみます。一つ目は、ウイルス感染者やその治療にあたった医療従事者などに対する差別のまん延です。5月15日付の産経新聞「産経抄」では昨年亡くなった田辺聖子氏の言葉「人は、刃物や天災や戦争によって傷つき死ぬのではない」「人の言葉。人の仕打ち。人の感情。それだけが、人を活いかしもし、殺しもする」を引用し、「差別がはびこる、社会の風潮」に警鐘を鳴らしています。6月1日付の日本経済新聞では詩人・社会学者の水無田気流氏が、「ウイルス流行がもたらした最大の「敵」は、社会の分断」、自粛警察という言葉を生み出す「他者への不寛容」は「同調圧力と逸脱者への排撃を生む」と述べています。今後に向けて差別解消の取り組みが問われています。

 二つ目は、食事です。「新しい生活様式」では対面は避け会話をせずに食べることが推奨されています。これに対して5月11日付の読売新聞では京都大学長の山極寿一氏が、「言葉が登場する前に人と人をつなぐ役割を果たしたのが食事である」「古くから人間は、食事を社会的手段として活用することによって信頼できる人間関係を拡充してきた」と述べ「共食の大切さ」を強調しています。食事についての「新しい生活様式」は一時的なものであってほしいと願います。

 三つ目として、地球温暖化。5月10日付の日本経済新聞は、2020年のエネルギー関連のCO2排出量が前年比約26億トンの減少になるという試算とともに「フランス政府は航空便の停止で経営難に陥ったエールフランスに対し、支援の条件として高速鉄道TGVと競合する国内の短距離路線の廃止を求めた。航空機の温暖化ガスの排出を抑制するための措置」という温暖化ガスのリバウンドが少ない方向での復元を紹介。新型ウイルス発生の遠因が都市化による自然破壊だとすれば、地球温暖化と根は同じであり、その克服は「SDGsを実質化した姿」としての「新しい生活様式」に求められる(5月29日付の日本経済新聞「大機小機」)のではないか。

 まだまだたくさんの論点があると思いますが取りあえず。

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