ケアラー支援は急務(広報ひの令和3年6月1日号)

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ページID1017222  更新日 令和3年6月3日

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 介護保険制度の創設により日本の介護は家族介護と自己責任から、社会で支え合うものに変わりました。介護保険は介護される人への支援についてさまざまな制度改正を積み重ねていますが、介護する側への視点が十分とは言えません。サービスがいくら充実しても、サービスを補完するための家族などによるケアがなくなるわけではありません。障害者の介護においても同じことが言えます。
 このような家族などのケアの担い手は「ケアラー」と称され、ケアラーへの支援は大きな課題です。高齢化率が40.2%の北海道栗山町は、同町社会福祉協議会と連携し10年かけてケアラーの実態調査から始め、今年3月に「ケアラー支援条例」を策定しました。この条例において、ケアラーの人格を尊重しケアラーを孤立化させない、介護する側の人生もしっかり守ることを理念として謳(うた)っています。
 一方近年は、家族の介護を担う18歳未満の子ども=ヤングケアラーが大きな問題となっており、厚生労働省が昨年12月から今年1月にかけて全国の教育現場に対する初の実態調査を行いました。その結果、中学2年生の17人に1人、高校2年生の24人に1人が「世話している家族がいる」と回答し、ケアの対象は「きょうだい」が最も多く「父母」と「祖父母」が続きます。ケアについて誰にも相談できず健康・学業・進路に深刻な影響が出ていることが浮き彫りになりました。この調査の回収率の低さから、今回の結果は氷山の一角とも言われております。
 ヤングケアラーの問題は、介護の場として可視化されず見えていないこと、それ故に孤立度合いが高く相談先もないこと、ケアの対象が置かれている状況が多様であり必要とする支援が多岐にわたることが特徴です。
 行政としての取り組みは立ち遅れており、全国に先がけてヤングケアラー支援の条例を策定して取り組みを始めた埼玉県にも学びながら日野市としても対応を進めてまいります。その際に、北海道栗山町の「ケアラー支援条例」に掲げた理念が基軸となることは間違いありません。

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