「スマホ脳」~スマホ依存症のメカニズム(広報ひの令和3年7月1日号)

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ページID1017427  更新日 令和3年7月1日

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「スマホ脳」~スマホ依存症のメカニズム(広報ひの令和3年7月1日号)

 SNSの活用はもちろん、新型コロナワクチンの予防接種予約やPay Payでのお買い物キャンペーンなど、スマートフォン(スマホ)は手放せないものになっています。

 デジタル化の波には乗らなければならないけれども、スマホの功罪をしっかり考えることも必要ではないか、そんな警鐘を鳴らす書籍「スマホ脳」(アンデシュ・ハンセン著)を紹介します。スウェーデンでベストセラーとなり日本でも4カ月で11刷となった人気作品です。

 2010年から2016年の時期に精神科を受診する若者が急増し、睡眠不足、ストレス、うつ症状、他人への共感力の低下などが広がり、その時期に起きた最大の変化はスマホからインターネットにアクセスできるようになったこと。精神科医である著者は、脳科学の立場から、その背景には太古の昔から時間をかけて人間の脳に備わった機能が、デジタル化の環境とミスマッチを起こしていることがあると指摘。

 身体のストレスシステムが危険な世界で私たちを守るべく進化してきた脳の機能。その中でも見返りの欲求と情報を欲する本能がデジタル情報の餌食となる。パソコンやスマホが運んでくる新しい知識や情報に対してドーパミン(人間が何に集中するかを選択させる脳内代謝物)が放出され、それらの情報が「もしかして大事かもしれない」という「不確かな結果への偏愛」と結びつき、人間はデジタルのご褒美へ飛びつく。本来は人間を守るはずの脳の機能がスマホによってハッキングされ、人はスマホを手放せなくなる、スマホ依存症になる。それを察知していたスティーブ・ジョブズやビル・ゲイツらのIT企業トップは自分の子どもにスマホを与えなかったとのこと。スマホ依存について、なぜこの依存症が発生するのかを、脳のメカニズムに踏み込んで説明していて、説得力がありました。

 著者はスマホ依存からの脱出にも言及。デジタル・デトックス(なるべくスマホを遠ざける、利用時間を制限する)、体を動かす運動、スマホを持たずに人と会うことなどが改善につながるとのこと。上手にスマホと付き合うことが大切です。

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