賃貸住宅の退去時のトラブルにご注意を!
新しい年を迎えました。これから春に向けての時期、賃貸住宅の退去時の貸主と借主(入居者)による原状回復費用の負担をめぐるトラブルの相談が多く寄せられます。
事例
4年間居住した賃貸アパートを退去したら、原状回復費用として15万円を請求された。内訳は、2つの部屋全体のクロスの張替え代金、そしてハウスクリーニング代だ。借主がクロスの張替え費用を全額負担する必要はあるのか。
アドバイス
国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」では、借主が不注意により付けてしまった傷や汚れなどの原状回復にかかる費用は借主負担になりますが、賃借物の年数の経過による損耗(経年劣化)や借主の通常の使用によって生じた損耗(通常損耗)については貸主の負担とされています。
また、2020年4月1日に施行された改正民法では、経年劣化と通常損耗について、借主の負担義務がないと明記されました。これについては、改正法施行後に締結された賃貸契約と、合意更新された賃貸契約に適用されます。
原状回復費を請求された場合はその内容を確認し、納得できない点があれば家主側に十分な説明を求めましょう。
退去時のトラブルを未然に防ぐには、賃貸住宅の入居契約をする際に原状回復などの契約条件をしっかりと確認し、納得したうえで契約することが大切です。また、入居前に部屋に傷や汚れがないか、日付入りの写真やメモなどに記録しておきましょう。
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