みんなのふるさとこぼれ話 55 勝五郎江戸へ行く
みんなのふるさとこぼれ話55
みんなのふるさとこぼれ話55 勝五郎江戸へ行く
文政6年(1823)4月5日、前世の記憶を語って「ほどくぼ小僧」と評判になった勝五郎と父の源蔵は、中野村(八王子市)から江戸へ向かいました。勝五郎の語った生まれ変わりの物語が江戸でも評判となったので、領主で旗本の多門伝八郎(おかどでんはちろう)が、事情を聴くために呼び寄せたのでした。
中野村から江戸まではおよそ10里(約40キロメートル)で、1日の行程です。父の源蔵は、目籠の仲買を家業としていて江戸には度々出かけていたので、慣れた道のりでしたが、8歳の勝五郎が江戸に行くのは初めてだったかもしれません。
取り調べは、4月19日に根津七軒町(台東区池之端)にあった多門の屋敷で行われ、父源蔵が事情を説明しました。この時の、詳細な取り調べ記録の写しが残されています。
その後勝五郎は、国学者平田篤胤の学舎気吹舎(いぶきのや)に招かれて、22・23・25日の3日間、生まれ変わりの顛末の聞き取り調査が行われました。この時は、勝五郎がたどたどしく自分で話をしました。
多門の屋敷も、湯島天神男坂下にあった平田の学舎も、上野不忍池の周辺にありました。春爛漫の上野の山は、勝五郎の目にどのように映ったことでしょう。
父子は4月26日に中野村へ帰りましたが、2年後の文政8年、勝五郎は気吹舎の門人となって、1年ほど寄宿して学ぶことになりました。
今年11月で、勝五郎が生まれ変わりを語って200年を迎えます。郷土資料館では、様々な記念の事業を計画しています。
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