みんなのふるさとこぼれ話30

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ページID1009378  更新日 平成31年4月5日

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ふるさとこぼれ話30

幕末の麻疹大流行

 今年、麻疹の流行がニュースになりました。麻疹はウイルス性の感染症で、高熱と赤い発疹ができ、重い合併症を引き起こすと命にもかかわります。

 幕末の文久2年(1862)にも、江戸で麻疹が大流行しました。夏から秋にかけて、その死者は江戸の町だけで1万4千人以上になったといわれます。一度麻疹にかかると免疫ができますが、免疫のない子供や若者は麻疹になりやすく、若き日の沖田総司も多摩へ出稽古に来て麻疹にかかり、門人たちに心配をかけました。

 甲州道中の日野宿も、八王子宿と並んで麻疹の患者が多く、死者がたくさん出たといいます。

 しかもこの年は暴瀉病(コロリ=コレラのこと)の流行も重なり、麻疹で弱った病人が、さらにコレラにもかかることがありました。

 日野宿名主の佐藤彦五郎は、貧しい人に薬を与え、独り暮らしの者へ米銭を与えた行いが奇特(感心なこと)であるとして、その年の暮れに江川代官から褒められています。

人々は医者や薬だけでなく、祈祷や祈りにも頼り、麻疹の流行が過ぎるのを待つしかありませんでした。

現在はワクチン接種で、麻疹の予防ができます。

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