平成23年度第3回教育委員会定例会 会議録
平成23年度第3回日野市教育委員会定例会
開催日時
平成23年(2011年)6月23日(木曜)午後2時から午後2時59分
開催場所
教育委員会室
議事(要旨)
開始午後2時
[田口委員長]
ただいまから、平成23年度第3回教育委員会定例会を開会いたします。
議事に入ります前に、本日は傍聴希望者がいらっしゃいますので、傍聴を許可したいと思いますが、異議ございませんか。
(「異議なし」の声あり)
[田口委員長]
異議なしと認め、傍聴を許可いたします。
(傍聴者入室)
[田口委員長]
本日の会議録署名は、千葉委員にお願いいたします。
本日の案件は、追加案件も含めまして、協議事項2件、請願審査2件、報告事項2件です。
会議の進め方ですが、まず請願を審査し、その次に協議事項を協議したいと思いますが、それでよろしいでしょうか。
(「異議なし」の声あり)
[田口委員長]
異議なしと認め、まず請願を審査し、その次に協議事項を協議いたします。
それでは、議事に入ります。請願第23‐2号・「文科省等制作の原発副読本」を日野市立小中では授業で安易に使用しないことと、「文科省等政府機関に対し、原発副読本の発行と学校への配布等に反対する意見書を出して頂きたいこと」との、請願、について事務局より説明をお願いいたします。
請願第23‐2号 「文科省等制作の原発副読本」を日野市立小中では授業で安易に使用しないことと、「文科省等政府機関に対し、原発副読本の発行と学校への配布等に反対する意見書を出して頂きたいこと」との、請願
[中島庶務課長]
議案書15ページをご覧ください。
請願審査。請願番号、請願第23‐2号。
受付年月日、平成23年5月19日でございます。
件名、「文科省等制作の原発副読本」を日野市立小中では授業で安易に使用しないことと、「文科省等政府機関に対し、原発副読本の発行と学校への配布等に反対する意見書を出して頂きたいこと」との、請願、でございます。
請願者の住所、氏名につきましては、記載のとおりでございます。
また、本日、210名の方の追加署名がございました。
次に、16ページ、17ページをご覧ください。
請願の要旨等につきましては、記載のとおりでございます。
以上でございます。
[田口委員長]
請願者より申し出がございましたので、請願の事情を述べていただきますが、よろしいでしょうか。
(「異議なし」の声あり)
[田口委員長]
それでは、請願者は5分程度で請願の事情をお述べください。
[請願者]
よろしくお願いします。
それでは、請願の趣旨のほうは、そこに書いた大きな2つですが、1つ目のほうの、日野市の小中学校のほうで、あまりこの原発の副読本、これが中学校用ですね、こういったものを使ってほしくないということについては、調査をなさる場合は、あくまでも私は学校への介入に反対ですので、1947年教育基本法に基づいて、学校への不当な支配がないような形の柔らかい調査をしていただきたい、それで、使わないようにしていただきたい。
もう一つのほうは、文科省は今後、作ることに、私、文科省に2回取材に行って参りましたけれども、作ろうと非常に躍起になっておりますので、危険性をきちっと盛り込むように意見書を出してほしい、そういうところでございます。
まず、具体的にものに即していきたいので、請願の3ページ以降に実物のコピー、小学校用、こちらは中学校用ですが、ございます。
大変高いですよ、これ。皆さんの税金で、3000万円かかっています。データ代がすごいし。またこれを全国の小中学校と教育委員会に配布していますからね。3000万円です。あと、ワークシートというのが2500万円。私どもはこういうのを是非、福島の子どもたちの運動場の土の入れ換え、汚染されていますからそっちにまわしてほしいということも是非、日野市の教育委員会から堂々と言ってほしいと思います。
まず、3ページのほうの小学校用のほうの副読本でございますが、3ページというのは、これは火力発電ですね。どうですか見て、非常に長所を少なく書いて、短所をたくさん書いていますよね。1対3で短所を多く書いて火力発電だめですよとひっぱるわけです。
4ページのほうの原子力発電は、長所はたくさん書いて、放射性物質という危険が今、福島で大変子どもたちに迷惑をかけている、そしてまたガン患者になる危険性のある作業員を生み出しているあの放射性物質は、安全に取りあつかう必要がありますと言っているだけで、危険ですと書いてないんです。これが4ページに書いてあるインチキ。
5ページのほうは水力発電、風力発電。やはり短所をたくさん書く。原子力発電が必要だということを誘導するためなんです。どうですか、短所のバカらしさ。風がないと発電できませんて、小学校の1年生の子だってわかりますよ、風力発電が風なしで発電できないなんて。
それから6ページの太陽光発電。やはり短所、太陽が照っていないときは発電量が少なくなって発電できない。当たり前じゃないですか、こんなこと。書かなくていいですこんなことは。長所は少なく書いて短所をたくさん書く、こういう誘導ですね。戦前の国定教科書と一緒です、これ。地熱発電も短所をたくさん書いています。
ということで原発をさんざん宣伝した後、7ページのところを見てください。原子力発電所の安全を守る工夫、これがかの有名な5重のかべというやつですね。原発は安全です、枝野長官が最初は建屋しか壊れてないと言ったけど、全部壊れました。5重のかべなんてウソっぱちです。
24ページの地震対策というところ、津波にも耐えられるとかいろいろ言っていますけれど、とんでもない事実が明らかになったとおり、戦前の国定教科書を墨塗りした世代の方、特に今回、この副読本はひどいということを是非、文科省に言ってほしいと思います。
9ページが問題でして、これは事故の教訓から学ぶというところですが、他の教育委員会の学者の方から聞いたんですけれど、ひどいのがあって、スリーマイル島とかチェルノブイリ、それから茨城の事故、ああいったものが何か人のミスで起こったんだと、原発自身には問題ないですよと、こういうふうに誘導するんですね。これがまず9ページの大きなウソ。
もう一つ大事なことは、スリーマイルアイランドのところですけれど、1人当たり0.01ミリシーベルトと書いてあるけれど、これってわかりますね皆さん、おかしいってこと。この部屋で仮に1人0.01ミリシーベルトでも、これだけ人数がいて、40人ぐらいいて0.01ミリシーベルトなんて、変わらないんですよ、こんなことは。こういうようなことはウソというよりは基礎ができてないんです。基礎学力がないからこういうでたらめな本を書いている。1時間当たりとかそういうふうにやらないと、放射能のたまる量にはならないですね。
10ページ以降は中学生用です。ここまで小学生用で、よくまあ小学生をだますなと思うんですが、中学生用、今私が手に持っているこれですね。ここはだいたい同じようなウソを書いてあるんですが、非常に気になるのが12ページの原発に役立つ情報源ということで、今の子はみんな携帯を持っていますので、ホームページなんかもパッパーと携帯で調べれるわけですね。ちゃんと正確なものを出しているかというと、ここに載っているのは、そこに書いてある文科省とか経団連の関係の電気事業連合会とか、原発推進の勢力のサイトしか載せない。じゃあ、例えば、高木仁三郎さんという有名な、原発の危険性なんかをいろいろ書いた著書のあるあの方の原子力資料情報室なんというのも、電話番号なんか一切載せてない。これじゃあ全体主義国の教科書と一緒ですよ、これ。本当にイラクとか、昔の、旧ソ連の教科書と一緒です。ひどい。
その後ワークシートが最後に13ページに付けてありますけれども、これもまた誘導的ですね。ガンになることを書かないで、放射性物質を安全に取りあつかう必要がある、そういうウソを書いている、ひどいです。
ちなみに、12ページのさっきの情報源のサイトについては、育鵬社という会社の、今後話題になるけど、公民教科書は、やっぱり自衛隊については自衛隊、防衛省しか書かないとか、中央省庁とかそういうのしか書かないというその手法と似ていて、反対の人のは載せないというのと似ているということは言っておきたい。概要はだいたい今ご説明したとおりなので、私どもとしては、こういうウソのものに対して、一つ、子どもたちが本当に放射能の汚染にさらされずに生きていけるためにね、是非。
最後に西田先生がいらっしゃるので一言だけ。4年生、3年生の学習指導要領を調べたんですが、2ページに書いていたんですけれど、水と電気とガスを勉強しなさいと指導要領に書いてありますが、水しか勉強しません。だって見学とセットだから。10時間しか配当時間がないんだから。こんな副読本は電気をほとんど扱わない指導要領の下でやる必要はない。10時間しか学習しない中で、この電気のことをやる時間はないということを最後に言って終わりたい。是非、採択してください。どうもありがとうございます。
[田口委員長]
この件につきまして、まず、ご質問ございますか。教育長。
[米田教育長]
本請願に取り上げられている冊子の今年度とか昨年度までの状況はいかがでしょうか。
[大野教育部参事]
4月15日の記者会見におきまして、高木文部科学大臣は、「今回の震災と合致していない。見直すべきものは見直す」と述べられております。
それから、発行元の文部科学省原子力課立地地域対策室に今年度の発行状況について確認いたしましたところ、今年度は検討中との回答を得ている状況でございます。
また、昨年度の状況でございますけれども、財団法人日本生産性本部・エネルギー環境教育情報センターに確認いたしましたところ、本冊子は、市内小中学校に各1冊ずつ、児童生徒用1冊、教師用1冊の2冊が直接学校のほうに配布されている状況でございます。各学校のほうに電話で確認いたしましたところ、授業では使用していない状況であるとのことでございます。
[田口委員長]
ほかにご質問ございませんか。
[田口委員長]
ご質問がないようです。なければ、ご意見を伺います。渡辺委員。
[渡辺委員]
今回の福島第一原発の事故は、歴史的にも記憶されるような悲惨な出来事で、国内だけではなくて国際的にも、例えばドイツやイタリアの国民投票の結果等を見ても、大変大きな影響を与えた事故だと思っています。個人的には、これを奇禍として我が国のエネルギー政策は脱原発に舵をきっていくべきだとは思いますし、今後の政策を単に専門家や政治家だけに任せるのではなく、国民一人ひとりが自分の生活のあり方も含めて議論していく、そういう機会だと思っております。
事務局のただいまの報告では、本市においては、学校現場でこれを使っているということはないということですが、それを踏まえて、今後、文部科学省が手直ししたこういう資料を作って配布するのかどうかわかりませんけれども、たぶん、当日野市の学校でそういうものが使われることはないと信じています。
なお、副読本やこの資料について、教育委員会がこういうものを「使え」とか、あるいは逆に、「使うな」というような指導は行うべきではないと思っております。
[田口委員長]
渡辺委員からご意見がございましたが、ほかにご意見ございますか。西田委員。
[西田委員]
今、説明にもありましたように、各学校に配布された冊子は、児童生徒用に1冊、教師用に1冊ということでございますが、それでは学校で授業に使用するということは現実的に不可能です。実際に使用されていないという報告も今伺いました。
4月15日の記者会見、私も繰り返し見ましたけれども、事実に反映しなくてはならない、見直すべきものは当然見直さなくてはならない、ということをはっきり高木文部科学大臣は繰り返し述べておられました。私も実際に被災地に参りまして、正しく事実を伝えていくことの大切さを感じました。今後、冊子が出されるか出されないかわかりませんけれども、出されるとすれば、記述内容等について十分検討されるべきものと思っています。
副読本は学校が主体的に十分に調査研究、検討をして、適切かどうか判断して、使用していくものです。教育委員会が「こうすべきである」というような指導をするものではないと考えます。
[田口委員長]
千葉委員。
[千葉委員]
今、お二方の委員からご意見がありましたが、基本的には私も同意見です。今回の冊子、あえて冊子と申し上げますが、この内容において、請願者がご指摘のように、不適切であったり、事実関係が誤認した内容が含まれていたりすることは事実だと思いますし、そうしたものが教育の場で使用されるべきでないと個人的に考えます。
ただ、既に委員もご指摘のように、私ども教育委員会としては、教育現場に対して、この教材を副教材もしくは参考教材として「使いなさい」とか、「これは使ってはならない」という形で教育内容への介入をすることは不適切と考えます。それぞれの学校長並びに各授業担当教諭の適切な判断の下に適切な教育をしていただく、また、それをサポートすることが私たちの役目と思っております。
そういうわけで今回の件に関して、教育現場に対して「使うな」という指示を出すということはすべきではないと考えます。
[田口委員長]
教育長。
[米田教育長]
私も、各学校がいろいろな状況の中で調査研究して、最も良い教材、副読本を選ぶということについては、本当に一生懸命にやっていると思います。昨年度までのこの冊子の状況から見ても、その点については全く心配ないと思います。
請願者のお気持ちはわかりますけれども、ここはやはり原則どおりでいいと思いますので、不採択というふうに考えます。
[田口委員長]
ほかにご意見はございませんか。
[田口委員長]
ご意見がなければ、ここでご質問、ご意見は終結いたします。
今、教育長から不採択というご意見が出ました。学校の自立的な調査研究や、教材選択という面や、昨年度までのこの冊子の使用状況というものを見て、また、文部科学大臣の言葉にもあったように、見直すという今年の状況から見て、不採択とする方向のご意見が多いようです。請願第23‐2号に関しまして、不採択とすることに異議ございませんか。
(「異議なし」の声あり)
[田口委員長]
異議なしとのことですので、請願第23‐2号については、不採択とすることに決しました。
[田口委員長]
次に請願第23‐3号・学校教科用図書の採択制度の改善を求める請願、について事務局より説明をお願いいたします。
請願第23‐3号 学校教科用図書の採択制度の改善を求める請願
[中島庶務課長]
19ページをご覧ください。
請願審査。請願番号、請願第23-3号。
受付年月日、平成23年6月15日でございます。
件名、学校教科用図書の採択制度の改善を求める請願。
請願者の住所氏名につきましては、記載のとおりでございます。
なお、本日2名の追加がございました。
21ページをご覧ください。
請願の趣旨等につきましては、記載のとおりでございます。
[田口委員長]
事務局から説明が終わりましたが、請願者より申し出がありましたので、請願の事情を述べていただきますが、よろしいでしょうか。
(「異議なし」の声あり)
[田口委員長]
それでは、請願者は5分程度で請願のご事情をお述べください。
[請願者]
よろしくお願いいたします。時間を守るために朗読をさせていただきます。
学校教育活動におきまして、児童生徒と教師が年間を通して使う教科書は、子どもたちにとっても教師にとっても極めて重要な存在です。民主教育研究所というところが、子ども教師2,000人に教科書に関する意識調査ということをやったそうですが、そこで勉強に役立っていると答えたのは小学生の70.3%、中学生で64.7%。気に入っている教科書の第1位に社会科を挙げているのは、それぞれ第1位だったんですけれど、小学校39.7%、中学生で33.4%でした。
この教科書を採択するというシステムについては、日野市は1966年制定の採択要綱を2001年4月に変えております。改正ポイントは、教育委員会に採択権限があることを明確にする。採択希望教科書を学校からは報告させない。委員会委員には公募の教員枠を設けないという趣旨で改正がありました。その後、何回かの改正があります。
この改正は日野市の採択において、何かトラブルや支障があったからというのでなく、都教委の通知をそのまま受け入れたというような印象を私は持っております。この都教委通知は、実は特定の教科書を作成し、全国的に採択させることを目指す政治運動的なことをしている団体が、国政や地方議会に働きかけて現実化したというものでありました。この運動体が作成し、この運動に同調するごく一部の市長や教育委員の政治的影響と数の力によって、つまり教育現場の要請からではなく、政治的、行政的な力によって全国的にはごく少数でありますが、採択使用されてきた教科書を引き継いでいるものが、今年採択に付されるJ社、I社の歴史的分野、公民的分野の教科書です。
この私たちの請願は、この教科書の内容の当否を直接、問題にはしておりません。しかし、そのような運動体の政治的圧力を背景として変えられた日野市の教科書採択要綱について、教育の条理に立って、その運用の改善を求めたいという趣旨であります。
請願の根幹は、教科書は教師にしか選べないということを根幹にしています。もちろん、教育について保護者や一般市民が関心を寄せ、意見を述べ合うことは大切なことです。しかし、子どもたちへの教育責任は直接の、以下、最高裁の判決の中にある言葉ですが、直接の人格的接触を通じて行われなければならないという教育の本質的要請に係わる教師、管理職、校長さんも含めてですけれど、が負っていると思います。
この教師にとって年間を通して使用する教科書を選ぶことができず、選定プロセスにも係わることができないということは、いかがなものかというふうに考えます。国際常識にも反しているというふうに思います。せめて学校から教科委員会に提出される調査研究報告書には、採択を希望する教科書名を記載してもよいように運用の変更をしていただけないでしょうか。
また、審議会の構成に関しては、条項中何の記載もないのに、別表第3という形式的なことを取り扱う場所で市民公募の委員をなくし、保護者委員枠を増やすという形がとられています。市民参画というのは現市政の目玉であったはずですし、変更の理由について、聞いたところでは、保護者が一番子どもたちの近くにいて、教科書を検討することがふさわしいからというご説明があったようですが、もしそうであるならば、採択手続きで作成されるすべての文書から採択希望教科書を書かせない、日野の学校で学ぶ子どもたちに日常的に人格的接触をしているとは言えない教育委員の皆さんだけで教科書採択権限を行使するということは、やや適合性がないというふうに考えています。
今のご議論を聞いておりまして、ここの学校で使う副読本について、教育委員会がこれを使え、これを使うなと言うことはふさわしくないというご議論がされていることには私非常にスタンスとしてふさわしいあり方だというふうに思いますが、そうするとこの教科書についてはどうなんでしょうかというふうな疑問を感じます。
最後ですが、この日野市に深く係わりのある都立七生養護学校の2003年の事件について、教員、保護者らが都教委、産経新聞を訴えた裁判において、2010年5月、日野市出身都議会議員を含む3人の都議と都教委に、47年教育基本法違反行為があったと東京地裁は判決しております。特に都教委に対しては、不当な支配から教員を守る保護義務があるのにそれをしなかったということで、保護義務違反というふうにしております。校長の金崎さんに、都教委は降格処分という重い処分をしましたが、処分取消請求裁判では完全に勝訴し、処分取消が確定しております。
日野市教育委員会におかれましては、教育の条理に立った教科書採択要綱の運用の改善を切にお願いし、説明を終わります。
[田口委員長]
この件につきまして、まず、ご質問がございましたらお願いいたします。
[田口委員長]
ご質問はございませんか。それではご意見を伺います。教育長。
[米田教育長]
教科書採択にあたっては、多様な角度からいろいろ調査研究をして、そして総合的に判断していくことが大切だと思います。各委員会とか審議会の段階で、それぞれの教科書の特徴や特色をまず調査研究して報告をしてもらう。我々教育委員会がその報告を受けて、教育委員として調査研究を行って、そして最終的には合議を行って総合的な見地から、公正、適正に採択していくのが最もいい方法だというふうに私は思います。ですから、今の方法が適切な方法というふうに判断をしております。
それから、教科書についてですけれども、やはり授業で使用するものですから、教師という見方も大事だと思いますが、もう一つは、保護者という見方が大事だと思います。子どもがランドセルから教科書を出して、例えばその本を保護者の前で読むとか、保護者と一緒に考え合うとか、保護者としては今この年齢、この学年の子に、こういうのが大事だなというふうに思っていて、その教科書を通して、その子に何が育つのかということを保護者としてよく見ていると思います。まさにお子さんを通して教科書の中身まで見ているということだと思います。そして教科書に極めて関心の高い存在だと思います。
もう一つ、今お願いしている方々は、PTAの役員ということで、保護者の多様な声を受け、そういった視点の中でいろいろなことが考えられる方だと思っております。しかも今は小学生と中学生、連続性ということを大事にした構成になっております。過去、この構成で小学校の教科書採択を2回、中学校の教科書採択を1回既にやってございまして、この方向で順調にきておりますので、この方法で適切であると私は考えております。
[田口委員長]
ほかにご意見ございますか。渡辺委員。
[渡辺委員]
現行の日野市の採択制度、いろいろ様々な経過を経て適切な方法として今日に至っているわけですが、もとより、どんな制度も完全なものはないわけですので、広く市民の皆さんや識者の皆さんの意見を聞いて、よりよいものにしていくことは当然のことだと思います。そして請願の趣旨についても、一つの見識だとは思っています。
ただ、今回の中学校での教科書の採択に向けて、既に作業が進められていることを考えても、物理的にも制度を変更するということは不可能だと思います。
[田口委員長]
渡辺委員からご意見がありました。ほかにご意見ないでしょうか。西田委員。
[西田委員]
この教科用図書の採択について、まず各学校が各教科書について十分な特徴や特色やそれぞれの違いについて調査研究を行います。現実に私も学校におりましたが、学校では非常に真剣に研究し検討します。その学校から出された報告書をもとに、教科委員会が専門的な見地から調査研究をして、調査研究報告書を審議会に出すわけです。審議会は、教科委員会からの報告書をもとに総合的に審議して、その審査結果を、各学校の調査研究報告書と教科委員会の調査研究報告書を添えて、教育委員会に答申されるわけです。この方法は、今に至るまでには十分に検討が尽くされ、適切な方法であると考えます。
それから、市民公募の件ですが、審議委員の14名の内、保護者が6名審議委員になられています。これは本当に高い比率で、約43%、半数近くの方が保護者としてそこにおられるということであり、これは私が現職でいたときにはなかった方法だと思いました。その保護者はPTAの代表ということで、広く保護者の方々の意見を聞いて、意見として集約されるでしょう。
先ほどの説明にありましたように、保護者は毎日毎日、子どもたちの教科書に接しておりますし、それについての深い思いもありますので、保護者の意見が十分に生かされるということは、市民の意見が生かされていくことではないかと思います。
そしてなお、展示場のところでアンケート用紙も置かれていて、意見を書くようになっているということですので、アンケートに十分書いていただけば、保護者に限らず広く市民の意見が反映されていくのではないでしょうか。
また、小学校と中学校のそれぞれの教科書採択にあたって、小・中学校の連続性を視野に入れて、小学校、中学校両方の保護者が審議委員に入っています。長い歴史の中で、子どもと学校を中心にすえた適切な採択方法に至ったのだろうと考えます。
[田口委員長]
ほかにご意見ございますか。
[米田教育長]
一番初めに申し上げさせていただきましたが、現在の方法でよしと私は思っておりますので、不採択と考えます。
[田口委員長]
今、不採択という言葉が出ました。皆さんのご意見をまとめると、総合的な見地から公正、適正に採択していく現在の方法が適切な方法だと思われるので不採択としたい、ということになろうかと思いますけれども、請願第23‐3号につきましては、不採択としてよろしいでしょうか。
(「異議なし」の声あり)
[田口委員長]
異議なしとのことですので、請願第23-3号については、不採択とすることに決しました。
ここで休憩いたします。
休憩午後2時37分
≪休憩≫
再開午後2時44分
[田口委員長]
再開いたします。
次に協議事項第1号・日野市生涯学習推進計画の策定について(諮問)、を議題とします。事務局より提案理由の説明をお願いいたします。
協議事項第1号 日野市生涯学習推進計画の策定について(諮問)
[清野生涯学習課長]
協議事項第1号・日野市生涯学習推進計画の策定について(諮問)。
日野市生涯学習推進計画の策定について、日野市社会教育委員の会議に諮問するため、協議願います。
日野市生涯学習推進計画は、平成24年度に策定することになっております。また、策定の内容については、日野市社会教育委員の会議の委員の方々にご意見をお伺いするものです。
次のページをお開きください。諮問事項でございます。
日野市生涯学習推進計画の策定に当たっての重点事項について。
以下諮問理由でございます。
以上、よろしくご協議願います。
[田口委員長]
事務局からの説明が終了いたしました。これは協議事項ですので、ご意見、ご質問承ります。ご質問、ご意見ございませんか。
[田口委員長]
千葉委員。
[千葉委員]
こうした生涯学習というのは、市民が成長していくために非常に大切なことだと思います。ただ、計画が計画だけで終わってしまったり、行政の中のペーパーとして存在するだけで、実際に一人ひとりの市民が充実した学習生活を送るということに結びつかない恐れも多分にあろうと思いますので、今回、これから10年先、20年先、そしてまた、学習の範囲というものも単に日野市におけるものではなく、より広く、ひいてはグローバルな視点から、私たちが学びを実現できるようなものに昇華できるような内容のものの計画を、是非立てていただくよう強くお願いしたいと思っています。
[田口委員長]
ほかにございませんか。
[田口委員長]
では、ご質問、ご意見はこれで終結いたします。
協議事項第1号を終了いたします。
[田口委員長]
次に協議事項第2号・市指定有形文化財の指定について(諮問)、を議題といたします。事務局より提案理由の説明をお願いいたします。
協議事項第2号 市指定有形文化財の指定について(諮問)
[清野生涯学習課長]
協議事項第2号・市指定有形文化財の指定について(諮問)。
このことについて、日野市文化財保護条例第39条第1号により文化財保護審議会へ諮問するため、協議願います。
この内容に関しては、真慈悲寺推定地出土の中世瓦(42点)について、市指定文化財候補として文化財保護審議会に提出し、ご意見を伺うものでございます。
なお、文化財保護審議会からの答申は、平成23年7月中と考えております。
添付の資料は、5ページに文化財保護条例(抄)、6ページから8ページ、指定説明書(案)、9ページに位置図、10ページに出土地点の地図、11ページに42点の一覧、12ページと13ページにその写真となっております。
以上、よろしくご協議願います。
[田口委員長]
事務局からの説明が終了いたしました。ご質問、ご意見を承ります。渡辺委員。
[渡辺委員]
資料の瓦を見せていただいたのですが、日野の土地であれだけのものが発掘されて驚いています。どうか指定されるように是非、諮問をしていただきたいと思います。
[田口委員長]
西田委員。
[西田委員]
私も瓦等を見せていただき、説明も受けまして、子どもたちが日野市を理解して、また、日野市の歴史とか文化とか、日野市に対する愛着とか、そういうものを身に付けていくためにも非常に有効なものだと思いました。瓦が夢を語ってくれているような気がいたしました。是非、指定されることを願っております。
[田口委員長]
鎌倉時代の出土品だといいますが、東京都内にはほかにもあるのでしょうか。
[清野生涯学習課長]
中世の瓦ということに限定してであれば、府中の大國魂神社の周辺で、同じような時期の中世の瓦が出ています。ただ、大國魂玉神社の周りは建物が立て込んでおりまして、この百草園では5,000点近い瓦が出ていますけれども、そういう意味での全貌が明らかになるような点数は出てないということが言えると思います。
また、吾妻鏡に真慈悲寺という寺院が出てきます。その吾妻鏡に出てくるときに、後白河法皇の法要のときに真慈悲寺から3人僧侶が出ています。それとともに、有名な浅草の浅草寺でも3人の僧侶が出ております。浅草寺というのはそういう意味で観光のメッカです。あの周りで大規模に掘るとかはできません。
やはり同じような瓦は出ていますけれども、瓦の種類、点数、また、その瓦の葺き方を物語る資料としては、都内では唯一といいますか、誇れる資料だと思っています。そういう意味で、指定文化財の候補として非常に意味があるものだというふうに考えております。
[田口委員長]
ほかにございませんか。
[田口委員長]
ご質問、ご意見がないようですので、ここで協議事項第2号を終了いたします。
次に報告事項に入ります。報告事項第4号・行政情報の公開請求、について、事務局より報告をお願いいたします。
報告事項第4号 行政情報の公開請求
[福島学校課長]
23ページをお開きいただきたいと思います。
報告事項第4号・行政情報の公開請求。
公開請求のあった行政情報について、次のとおり決定したので、報告するものでございます。
24ページをお開きいただきたいと思います。
今回は校務支援システムの関連の情報公開請求、3件でございます。
1番及び2番につきましては、システムの保存データの公開請求でございます。
請求の行政情報は、画面のハードコピーによる出力しかできないことが確認されておりまして、日野市情報公開事務取扱要綱によりまして、画面のハードコピーによる交付は行わないこととされておりますので、非公開としたものでございます。
3番につきましては、会社の印影部分を除いて公開する部分公開としたものでございます。
以上でございます。
[田口委員長]
事務局からの報告が終了しました。ご質問、ご意見がございましたらお願いします。
[田口委員長]
ないようですので、ここで報告事項第4号を終了いたします。
報告事項第5号・平成23年第2回日野市議会定例会の報告、について事務局より報告をお願いいたします。
報告事項第5号 平成23年第2回日野市議会定例会の報告
[中島庶務課長]
追加議案書をご覧ください。
報告事項第5号・平成23年第2回日野市議会定例会の報告、でございます。
第2回定例会の会期は、5月30日から6月17日までの19日間でございました。
一般質問につきましては、質問者22名、うち教育委員会関係は9名でございます。
質問の件数34件、うち教育委員会関係の質問は12件でございました。
教育委員会関係一般質問等要旨を3から9ページ、別表1のとおり取りまとめてございますので、ご参照ください。今回は震災後の対策、原発事故後の対応等についての質問を受けたものでございます。
続きまして議案でございます。市長提出議案が14件、議員提出議案が7件でございます。うち教育委員会に関するもの4件を下のとおり書いてございます。
1番目に、平成23年度日野市一般会計補正予算でございます。
補正総額5億1918万2千円、うち教育費につきましては1億7656万7千円でございます。
予算総額が、歳入歳出合わせまして539億9918万2千円、うち教育費が74億6184万7千円となったものでございます。教育費の内訳につきましては、一番最後のページ10ページ別表2のとおりでございます。後ほどご確認ください。
2番目に、日野市教育委員会委員の任命についてでございます。
3番目に、市内の児童施設や学校などで放射線測定を行うことを求める決議、でございます。
4番目に、子ども「放射線年20ミリシーベルト」基準の見直しを求める意見書、でございます。
請願でございます。教育委員会に関するものは1件でございました。
図書館にプリンター、ワード、エクセル、パワーポイント等の設置に関する陳情、でございます。
第1回の定例会で継続となっていた案件でございますが、不採択となりました。
以上でございます。
[田口委員長]
事務局からの報告が終了いたしました。ご質問、ご意見がございましたらお願いします。
[田口委員長]
なければ、報告事項第5号を終了いたします。
次に平成23年7月の行事予定について、事務局より説明をお願いいたします。
※平成23年7月行事予定については省略
[田口委員長]
以上をもちまして、本日の案件はすべて終了しました。これにて平成23年度第3回教育委員会定例会を閉会とします。
閉会午後2時59分
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