認定農業者インタビュー
認定農業者制度:農業にやる気と意欲があり、職業として農業に取り組んでいる農業者を市が認定し、支援する制度です。
平山地区の農業者紹介 3
馬場裕真さん(ばばひろまさ)※直売所マップ18・21

何を生産していますか?
トマトをメインに生産しています。そのほかに給食用の人参、ネギ、キャベツ、小松菜、ジャガイモを育てています。
農業を始めたきっかけは?
両親が畑で働いている姿を見て始めました。
母の病気をきっかけに就農しました。大学卒業後は会社に勤めていましたが、将来的には継ぐつもりでした。
トマトはご両親の代からですか?
両親の代から育てていましたが、市場のみ出荷をしており、直売は行っていませんでした。手間のことを考えると、市場出荷のほうが楽だとは思いますが、出荷したトマトがどこへ届いているのか分からないという面もあります。その点、直売では、実際に買ってくださる方と直接お話しすることができるので、直売のほうがやりがいを感じます。
農作物を栽培するうえで気を付けていることやここだけは譲れないことはありますか?
土づくりにこだわっています。9月から10月ごろの2カ月間は、土壌の消毒を行ったり堆肥、肥料を入れたりして土づくりに力を入れています。トマトをうまく作れるかは土にかかっていると思うので、一切妥協しません。
馬場さんのこだわりトマトの一番おいしい時期はいつですか?
4月~5月です。1月の寒さを耐え抜いて春の寒暖差を乗り越えたトマトはうまみが凝縮しています。
学校との連携について教えてください
給食用の野菜を学校に納品しています。父の代から続けているので、30年くらいは取り組んでいると思います。現在は給食に合わせて野菜を栽培しています。4月に大まかな出荷予定を共有し、その後毎月、地域の農家で集まって出荷の調整をしています。給食用に合わせて作っていますが、たくさん収穫できている野菜があるときはコーディネーター(※)にたくさん採れているものがあるから使ってほしいと伝えて給食のメニューを調整してもらうこともあります。
また、野菜を納入している学校の児童・生徒が農業体験や職場体験に来ることがあります。そこで作られた野菜が給食に使われています。さらに、毎年、同じ地区の農家さんと一緒に学校で講師を務めています。人参はしっかり水やりをしないと発芽しないことや、トマトは夏だけではなく1年をかけて育てていることをお話ししています。作るところから食べるところまでさまざまな形で子どもたちに体験してもらっています。
※コーディネーター:学校給食事業において、農家と学校の連絡をサポートする人。
農業をしていて楽しいと思うことや大変だと思うことは?
農業をしていると、失敗することがあります。その失敗の原因を分析して振り返り、対策を考えたり、必要なものを導入したりします。その結果次の年にうまくいった時は嬉しいです。20年前は気候への対策を考えなくても作れていましたが、今は暑さや異常気象により今までのやり方が通用しなくなっています。農業は難しくなってきていますが様々な対策をして良い結果が出ると嬉しいですね。来年がどうなるかはわからないので、毎年対策をしています。あきらめることは簡単ですが、続けていけるように頑張っています。
一方で、失敗したときは厳しいと感じます。農家は今年失敗したら次に挑戦できるのは来年です。つまり、年に1回しか挑戦できません。農業を20年続けていてもトマトを育てたことがあるのは20回だけです。そのため、失敗したときの経験を全部記録して忘れないようにしています。ただ、去年の失敗を活かすにも、毎年状況が変化しているので難しいなと思います。農業は粘り強くないと難しいですね。
市内で初めて指導営農士を取得されるとのことですが、どのようなことを行うのですか?
新規就農を希望している研修生の受け入れを行います。今年、同じ地区の農家さんと一緒に申請しましたが、指導営農士の資格を取得する前から、研修生の受け入れは行っています。研修では、実際に農家のもとで実地研修を行い、農業のノウハウや農家の大変さを体験してもらっています。また、農家さんによって栽培方法や仕事の進め方が違うので、いろいろな農家さんのやり方を知り、その中から自分に合った方法を見つけてもらえる場にもなっています。後継者を育てることにもつながりますが、自分自身にとっても人と作業をすることで気づきを得られることもありますし、成長していると感じます。
都市農業は多くの人とかかわりを持つことができることが特徴だと思います。同じ地区の農家さんとのつながりはもちろんですが、小学校の畑の指導や各学年が育てている野菜の育て方の指導など地域全体でかかわりを持てることがいいところだと思っていますし、これからも大切に残していきたいです。
今後の意気込みを教えてください
おいしくて、質の良い野菜をたくさん生産したいです。現状維持だけではなく、新しいことにも挑戦していきたいと思っています。
新規就農を目指す研修生を受け入れるだけでなく、地域の農家さんから頼られる農家になれるように、これからも技術を磨いていきたいです。
最後に一言お願いします!
農業をしている中で、土埃などにより近隣の方にご不便やご心配をおかけしてしまうことがあることは、私たちも十分に承知しています。そのため、日頃から周辺環境への配慮を大切にしながら、できる限りご迷惑をおかけしないよう努めています。
一方で、都市農業は市民の皆様の理解があってこそ価値ある農産物が提供できますし、地産地消や畑の多面的機能(防災や景観保持など)も生み出すことができると思っています。土埃などへの対策はもちろん、学校とも協力し、子どもたちへの農業・食育にも力を入れています。これからも地域の皆様への配慮を大切にしながら、日野市の農業を守り、続けていきたいと思います。今後もできる限りの配慮を続けていきますので、これからも日野市の農業へのご理解・ご協力をよろしくお願いします!

東光寺地区の農業者紹介 1
東光寺地区の農業者紹介 和田洋介さん(わだようすけ) ※直売所マップ4.和田農園 5.和田ブルーベリー園

何を生産していますか?
ブルーベリーとトマトをメインに生産しています。
農業を始めたきっかけは?
代々、農業を生業としていました。農業は人々の暮らしを支える仕事であり、父親が続けてきた仕事を受け継ぐことに、大きな意味があると思っています。以前は会社員として勤めていましたが、弱っていく父の姿を目の当たりにしたことをきっかけに、農業を継ぐことを決意しました。
人が誰かのために自分のできることを尽くすことは尊いことで、それが農業にも通じていると思っています。農業は大変なこととは思っていないですが、誰かのために何かをすることが大事だと思います。
農業を始めたときは大変でしたか?
農業を始めたばかりの頃は、「何をすればいいのだろう」と感じることもありました。会社員時代は、組織の中で人間関係などにストレスを感じることもありました。一方で、農業を始めてからは、仕事をする中で自由を感じられるようになりました。会社員時代とは異なり、決まった日に給与が振り込まれるわけではない寂しさはありますが、それ以上に自由を感じながら仕事ができることは、何物にも代えがたいものだと思っています。
以前は籠の中の鳥のようにそこから出ることができない感覚がありました。しかし、農業を始めてからは、籠から出た野鳥になったような気持ちです。自分で考え、自分の力でもの後を進めていけることに、大きなやりがいを感じています。
始めたときからの気持ちの変化はありますか?
今は、農業を始めた頃のような自由は感じていません。仕事はやればやるほど増えていきますし、やらなければ減っていきます。だからこそ、自分の中で無理なく続けられる落としどころを見つけながら、仕事と向き合っています。長年、品質をより良くするために、小規模で手をかけた栽培を続けています。大きな施設で今より多くのトマトを作ることもできますが、規模を大きくすると品質を保つことが難しくなります。もう少し作ってほしいとの声をいただくこともありますが、おいしいトマトを作り続けるためには今くらいの規模がちょうどいいと思っています。毎年楽しみにしてくださる方を、これからも大切にしていきたいです。
ブルーベリーを始めた時期・きっかけは?
平成10年から苗を植え始め、自分の代からブルーベリーの栽培を始めました。区画整理によって畑の面積が減ったことをきっかけに、限られた広さでも付加価値のある作物は何かと考えていたときに、知人に声をかけてもらい、ブルーベリー栽培を始めました。また、ブルーベリーはほかの農作物と比べて農薬の使用量を抑えやすい作物です。住宅街で農業をしていることもありやっているので、農薬の使用には配慮しています配慮をしています。ブルーベリーは、虫が発生した年には防除のために使うこともありますが、基本的には使わずに栽培しています。
農作物を栽培するうえで気を付けていることやここだけは譲れないことはありますか?
食べ物は味が何より大切だと思っているので、味にこだわっています。どうしたらもっと味が良くなるかを考え、様々な工夫を重ねています。例えば、毎年、肥料の調合を工夫したり、トマトは土耕栽培で多くの有機物を吸わせることで、味の濃いトマトができるようにしています。
おいしいものを作るために、毎年試行錯誤しながら栽培を続けています。
農業をしていて楽しいと思うことはありますか?
農業をすることで自分の健康を維持することができ、前向きに生活できていると感じます。自分で設計して作ったものをお客様に喜んでいただいたたり、反応をいただけたりすることが、大きな励みになっています。
以前、お客様が地方発送で贈り物として利用してくださった際に、贈られた方からお客さんへお礼の電話があったそうで、その時の声がいつもより明らかに嬉しそうなトーンで話していたとそのお客さんから教えていただき、「来年も送りたい」と言っていただけたことが、とても嬉しかったです。
学校との連携はどの程度行っていますか?
ブルーベリーを学校給食用に納品しています。
給食以外では、小学生の農業体験や見学があります。子どもたちには、自分たちが普段食べているものがどこで、どのように作られているのかを身近に感じてほしいと思っています。農地を「自分たちが食べているものができる場所」として知ってもらえたら嬉しいです。
これからの農業に対して思うことはありますか
食糧問題など、世界には様々な問題がありますが、まずは自分にできることをしていきたいと思っています。年齢を重ねるにつれて、理想を追求することよりも、現実を見据えながら自分にできることに真摯に、向き合うことが今の務めだと考えるようになりました。自分にできることを一つ一つ着々と続けていきたいです。
みなさんにひとことお願いします
日野の農作物をできるだけ食べていただきたいです。遠くから運ばれてくる野菜だけでなく、地元の野菜を食べることで、農業を身近に感じてほしいと思います。

新井地区の農業者紹介 1
株式会社ネイバーズファーム 代表取締役 梅村桂さん(うめむら けい) ※直売所マップ 13.ネイバーズファーム(川名桂さん)

何を生産していますか?
主に施設でトマトを栽培し、その他コマツナやナス等の野菜を栽培しています。
トマトは何を育てているのですか?
カラフルミニトマトと中玉のフルティカを栽培しています。カラフルミニトマトは食卓をカラフルに、おいしそう!って思えるようなトマトを作りたいこと、中玉トマトは味など全体のバランスが良いことからこの2つを選びました。
出荷先はどちらですか?
みなみの恵み、自販機、ヤオコーやダイエーなどのスーパーに出荷しています。自販機では10月から翌年の6月までトマトを販売し、トマトの販売がない時期はナス、ジャガイモなどの季節の野菜を販売しています。
農業を始めたきっかけはなんですか?
大学で農業について学び、実際に農業経営者のもとを訪れてお話を伺う機会がありました。その際、経営者の方々が生き生きと元気に活動されている姿を見て、私もそのような環境で働きたいと思いました。実際に野菜を栽培してみると、とても面白く感じたため、その経験を地元である日野に持ち帰り、野菜を栽培してみたいと思うようになりました。
大変なことが多いのではないですか?
最初に勤めたところで栽培が失敗したときは、大変な思いをしました。勤めていた会社は加工会社だったため、栽培に関する技術や知識があまりなく、他の農家さんのやり方を見よう見まねで取り組んでいたので、野菜が枯れてしまうことが多くありました。
また、独立して農業経営をしようと考えた際にも、当時は貸借の制度が整備されたばかりで、なかなかお借りすることができず、とても悩みました。さらに、近年は猛暑が続き、以前のような農業経営が難しくなってきているため、経営の方法を大きく見直す必要があると感じています。
どうやって乗り越えましたか?
必死に野菜を毎日見続けていると、次第に野菜の表情が見えてきました。その様子をよく観察し、試行錯誤を繰り返しました。土地の貸借については制度の認知が進んでいなかったため、複数の市役所やコミュニティに何度も足を運び、約2年かけて探し続けました。現在も気候の変動により経営体制の見直しをしなければならない状況ですが、一年に一度しか試せないことが多い中で変革を求められるのは非常に難しい状況です。
大変なことも多いですが、これほど素晴らしい仕事は他にないと思っていますし、農業は社会的意義の大きい仕事であると考えているので、大きなやりがいを感じています。
農業を始めた時と現在で何か変化はありますか?
就農したばかりの頃は、「自分で野菜を栽培してみたい」という気持ちから農業経営を始めましたが、今では、今ある農地をいかに次の世代へ残していけるかを考えるようになりました。東京で農業を続けることの意味やその貴重さを感じ、また、農地を守っている方々の言葉を聞く中で、次世代へどう引き継ぐかに意識が向くようになりました。
農業経営には人それぞれのスタイルがあると思いますが、私は作業のマニュアル化や内容の可視化によって、技術を習得していない人でも野菜を栽培できる環境づくりに取り組んでいます。「農業は誰でもできる」という考え方が広まれば、農業に携わる人も増えていくのではないでしょうか。みんなで力を合わせ、長い目で見て、30年後、50年後に農地を残していく方法を考えていけたら嬉しいです。
最後に一言お願いします!
トマトフェスをさらに盛り上げたいですし、農業に関するイベントも開催したいと考えています。これからもどんどん新しいことや面白いことに挑戦していきたいです。

新井地区の農業者紹介 2
馬場寛明さん(ばば ひろあき) ※みなみの恵みやインターネットで販売

何を生産していますか?
主にお米を栽培しています。
お米は何を育てているのですか?
現在、約11種類の品種を育てていますが、主にハツシモやノウリン22号を栽培しています。自然栽培野菜の流通、販売を行っている会社に勤めていた際、関係者の方とお話をする中で、これらの品種を知りました。また、黒米や緑米は15年ほど前から育てています。小さな田んぼでお米を育てていたところ、ご縁があり、こちらの種を譲り受けることができました。昔の品種は背が高いものが多く、倒れやすい傾向がありますが、毎年繰り返し自家採種することで種が土地の特性を記憶し、徐々に倒れなくなっていきます。種屋さんで種を買うことも大事ですが、昔からの種をつなげていくことも大事だと思っています。太陽と水、土の力を活用して種をつないでいきたいと考えています。
出荷先はどちらですか?
みなみの恵み、自然食品店、インターネットで販売しています。加工品はふるさと納税の返礼品としても出品しています。
なぜお米を育てようと思ったのですか?
前職で自然栽培農家の方々に出会い、自分でも自然栽培を実践したいという思いからはじまりました。なぜお米なのか? と言いますと、小さな頃から感じていた疑問が、主食となるお米栽培をやってみたいという思いに繋がっているのかも知れません。幼少期に見たユニセフのポスターに、大きなお腹をして痩せ細ったアフリカの子どもの写真が写っていました。なぜ世界では様々な技術が進歩しているのに、貧困問題を抱えている国では、食べ物をまともに食べることができない人々がいるのかという、技術が進歩しても無くならない貧困問題について、今でもその答えを探しています。
苦労されたことも多いのではないですか?
会社に勤めながら田んぼを始めた時は、土地をお借りするのもそうでしたが、機械もお借りしたりと、ゼロからのスタートでした。機械も壊れたら直していますが、その次の年も別の箇所が壊れてしまうなど、とても苦労しました。今年、田んぼを始めて17年目でようやく新品の田植え機を購入することができましたが、ほどんどが中古や頂き物なのでトラブルの連続でした。
お陰様で、失敗してもなんだかんだ乗り越える前向きな気持ちを養うことができました。もちろん失敗したときは落ち込みますが、失敗する度に対処方法を学べますので、失敗経験は有難いことですね。
稲作は天候にも左右されますし、100%自分の思い通りの結果にはなりません。農薬や肥料を使用しない栽培方法を選んでいるので、その分難しさもあります。
これからの農業に対しての思いは?
就農したての数年は、稲作農家として最低限の栽培面積を栽培出来る様に取り組んで来ましたが、小さい面積から、より大きい面積を栽培できるようになってきた今は、どうしたら未来の日野市に田んぼを、美しい用水路を残せるか?と考えています。
千年後の東京にも田んぼが続くように、「東京千年田んぼ(とうきょうちとせたんぼ)プロジェクト」というイメージが今年、湧いてきました。少しづつ見えるかたちにしたいと思っております。興味のある方は、お気軽にご連絡ください!

川辺堀之内地区の農業者紹介 1
増嶌正夫さん(ますじま まさお)※直売所マップ 11.岸野農園 25.自動販売機

生産している野菜は?
溶液栽培(樽栽培)でのトマトがメインです。その他にブロッコリー、大根、ジャガイモ、カリフラワー、キャベツ等。今ちょうどトマトを定植して1段目の花が咲き始めたところです。年間を通してほとんど休みが取れませんが、9月はトマトに手がかからない時期で余裕があり、他の野菜の準備をしています。
農業をはじめたきっかけは?
38歳で会社を辞め、農業に就いて17年になります。
そろそろ親父と一緒に農業をやってみようかなと思い始めました。
最初は大変だったのではないですか?
ネクタイが苦手だったので、それほど大変とは思わなかったです。
始めた当時は親父のオマケみたいな感じで一緒にやれたので、今思うと気楽でした。
現在はどうですか?
作物を育てているため休みが取れなく、天候の影響を受けやすいですが、これからは働きやすさを工夫しながら、いかに今の経営規模を維持管理するかを考えています。援農ボランティアの方に来てもらってとても助かっていてありがたいです。来年はトマトを中心に、春夏はトマトが最盛で多少他の野菜も栽培しながら緑肥を、秋冬はブロッコリーなどを作付けしようと考えています。
出荷先はどちらですか?
庭先販売と、豊田にある自動販売機、それとJA東京南の「みなみの恵み」へ出荷しています。
学校給食は農協経由での出荷を考えています。
農家としての思い
自分はアレルギーがあるので、安心して食べられる野菜を作っていきたいです。東京都エコ農産物認証「東京エコ25」を受けていて、なるべく化学合成農薬は使用を控えています。もともと親父も使わない方でしたので、自分も最低限に抑えています。エコ認証の品目は、最初はトマトだけだったのを昨年12品目まで増やしました。農協へ出荷する時は、認証シールを貼っています。エコ認証制度について関心のあるお客さんがもっと増えてくれると嬉しいです。
昨年は東京都主催のエコ農産物販売会にも出荷しPRしています。
トマトの品種は?
トマトは父の代は土耕で「日野ファーストトマト」を作っていました、私が始めた頃から「桃太郎」に切り替えました。その頃、東京都のフレッシュ&Uターン農業後継者セミナーを2年間受講し、その時の卒業テーマがトマトの食味調査でした。何種類かのトマトを栽培してお客さんに食べ比べてもらったのですが、その時「一番これいいね」と言われた品種が「桃太郎」でした。「桃太郎」といっても20種類以上の品種があります。今年新しい品種「桃太郎ブライト」に挑戦します。栽培期間が8月中旬から翌年の7月中旬頃までなのですが、長期栽培に向いている、スタミナがあって、日焼けしにくく、あまり大きくならない品種を条件に選びました。うちのお客様は小ぶりのトマトが人気です。9月だけは気温が高いのでトマトトーンというホルモン剤(成長調整剤)を使っていますが、10月からはハウス内にクロマルハナバチを放して受粉をしています。長期間の栽培ではトマトの背が高くなって手が届かないので、人間の代わりにハチに働いてもらいます。農協から購入する巣箱に入った40匹ほどのハチをハウスの中に設置しますが、とてもよく働いてくれます。トマトの果肉を見ると分かるのですが、ハチが受粉したトマトは種がしっかりありますよ。
これからの農業について思うこと
気温や雨の変化は感じています。気温の上昇、夏の高温の影響です。生育や収穫量を見ながらこれからの気候に合わせた品種を見つけていこうと思います。
新しい自動販売機はどうですか?
令和4年11月に豊田二丁目に新しく「見えベジ」カメラを設置し、アプリを使って自販機の最新情報をリアル配信しています。ぜひアプリを使って興味をもっていただければ嬉しいです。「見えベジ」を使っている農家さんの直売所の情報もわかります。どうぞよろしくお願いします。


川辺堀之内地区の農業者紹介 2
阿川 暁史さん(あがわ さとし)※直売はJA「みなみの恵み」

農業に入ったきっかけは?
日野の東豊田で育ち、現在は川辺堀之内の母親の実家で生活しています。24歳でじいちゃんとばあちゃんの養子になりました。農業は祖父が免許返納したことがきっかけでしたが、他の人がやっていないことをやるのが好きで始めました。珍しいものを作ればお客さんがつき作った分だけ売れる面白い事業だと今でも思っています。農業を始めてから13年、認定農業者は令和5年になりました。東京都や日野市から補助金をいただき、アスパラを拡大するためのハウスを建てることを計画中です。祖父から農業を引き継いだので必要な農機具は何でもそろっていましたが、初めて自分の大きな買い物をするためにチャレンジ中です。
生産している野菜は?
珍しいところではハウス栽培のアスパラ。作る量は少なくなりましたがお米。今年の稲はカメムシ被害があったので、これから刈り入れて精米してみなければ出来は分からないです。昨年は2万2千本のタマネギ、今年は2万4千本作付け予定です。長ネギは1万5千本、その他ニンジンや大根など、だいたい20種類の野菜を作っています。よくトマト嫌いのトマト農家さんの話を聞きますが、自分で味見ができない野菜は作りません。
野菜の出荷先は?
給食、JAみなみの恵みを中心に出荷しています。JAみなみの恵みに出荷したアスパラは、午前中で売り切れてしまうと聞いています。そちらに出せないB級品も、家族のネットワークで、すぐに売り切れてしまいます。アスパラのお勧めの食べ方は、天ぷらです。
現在、力を入れて取り組んでいることは?
アスパラと玉ねぎですね。アスパラを始めるにあたっては、祖父のつてで牛糞を頂いている市内の酪農家さんの存在は大きかったです。あと祖母が次女の出産祝いにユンボ(油圧ショベル)を買ってくれたこともありますね。JAの直売所でアスパラは人気が高く、もっと増やせないかと言われたこともきっかけとなっています。自分で食べることはあまりないですが、安い外国産のものと比べて柔らかくて美味しいと思っています。ウエルカムという「えぐみ」が少ない品種を作っていて、ハウスでの半促成栽培は雨に当てないということが一番の目的です。アスパラは雨に当たるとすぐ病気になってしまう。収穫時期も露地栽培(4月~7月)より1カ月早く、3カ月長く採れます。早いものは2月上旬から出始め、本格的な収穫は3月から10月、その間毎日休まず採り続けなければいけない。アスパラは10月半ばになるとパタリと芽が出なくなり、黄色く枯れるまでの間に貯蔵根といって根に養分を貯めこみます。12月末に根を残して土の上の部分を全部刈り取り、御礼肥として牛糞を山ほど撒きます。アスパラは「畑の豚」というくらい肥料を食います。牛糞以外にも化成肥料や液肥も使います。玉ねぎは、農家に嫌われる野菜です。苗が高い、苗を育てるのが難しい、収穫が重たい。収穫コンテナに満杯入れると普通に25キログラムいくことも。年をとると重くてやめる農家が多く、需要がある野菜なので作れば売れます。玉ねぎ専用の植付機が欲しいのですが、今は援農ボランティアをお願いしています。援農ボランティアがいなければ成り立ちません。
今年は天候による影響はありましたか?
ゲリラ豪雨で、大根畑が水没してしまいました。アスパラは高温になると芽(先端の生長点)が破裂してしまいます。ハウスの遮光率を上げると今度は生育に影響が出てモヤシのようにヒョロヒョロの軟弱徒長となってしまう。現在はハウスの上に遮光ネットをかけていますが、新設ハウスでは遮光率を10%上げてかける予定です。
これからのことは?
子どもたちは手伝ってくれますが、相続税の事を考えると、子どもが農業をやるだけの土地を残せるかどうか分かりません。税理士に相談していますが、土地の評価に対する将来の相続税の金額を聞くと本当に驚いてしまいます。区画整理が進んで、畑が小さくなってしまうのも心配です。
チャレンジしたいことは?
「しいたけ」をやりたい。自分が好きだし、アスパラと同じく作っている人が少ないから。どんな荒れている土地でも、防草シートを引いて、ハウス内に棚を作って日陰と湿気を与え、糠と木片を固めたもので菌床栽培ができます。それも畑に戻せば有機肥料になります。
学校給食への供給について
堀之内地区で始まった日野市の給食への運搬支援は助かっています。堀之内地区の農家さんはプライドを持って良い野菜を作っているので、応援してほしいです。今年は七小の5年生の総合学習の時間で、子供たちに畑での玉ねぎの収穫体験をしてもらいました。これから、種まきや植付をして給食に使う予定です。
これからの農業について思うこと
資材や燃料等の物価が上がっているのに、米や野菜の価格が上がらないことがおかしいと思います。都市農業はうまく作ればすぐ売れ、消費者の反応が早いですが、どうしても出てしまうB級品が何とかならないか日野市にも考えてほしいです。


平山・豊田地区の農業者紹介 1
勝毛 勇一さん(かつげ ゆういち)※直売所マップ 26

生産している野菜は何ですか?
平成22年から主にトマトを栽培しています。
農家としてのご自身の思い
- 近所の方がお客様なので、安心・安全で新鮮なものを提供することで喜んでもらえるようにしたいと心がけています。
- お客様から美味しかったと感想を聞いたり、トマトが苦手な子どもが食べられたという話を聞くと、励みになります。
力を入れて取り組んでいること
- 農薬・化学肥料の使用量を減らすなど、安心・安全な野菜を作れる土づくりに取り組んでいます。
- 地域とのコミュニケーションを大切だと感じているので、仕事以外でも自治会活動や行事に積極的に参加しています。
地域の中の農業として(市や地域との関わりについて)
- 行政の物価高騰対策は、肥料価格が2倍近く高騰する中、野菜の値段は変わらないため大変だったので、とても感謝しています。物価の急激な高騰は予測が出来ないので、こうした支援があると安心して農業ができます。
- 援農ボランティアは、車の運転と消毒以外はすべてやってもらう大きな戦力です。10年以上続けて下さっている方もいます。作業前になるべく具体的に作業内容を説明してから作業してもらい、翌週の作業を事前に伝えておくことで、気持ちよく仕事をしてもらえるような工夫をしています。
これからの農業振興に向けて
- 農地をどう守っていけるかが一番です。自分の子どもや若い人たちが「農業をやりたい」と言った時のために、できるだけ畑を残して行きたいです。※認定農業者制度:農業にやる気と意欲があり、職業として農業に取り組んでいる農業者を市が認定し、支援する制度。
平山・豊田地区の農業者紹介 2
馬場 清治さん(ばば きよはる)※直売所マップ 19

生産している野菜は何ですか?
- 平成22年の夏から(13年目)就農し、主にトマトを生産しています。直売は父の代から始めて40年くらいです。
農家としてのご自身の思い
- 先祖代々の畑を守りたいです。
- 直売所に来てくれるお客様に満足してもらえるような「良いもの」を作り提供して、リピーターになってもらいたいです。
力を入れて取り組んでいることは
- 気候に適した栽培を模索しています。
- 先代からの味を守りつつ、肥料などを見直して栽培の改良を図っています。
地域の中の農業として(市や地域との関わりについて)
- 十数年やってきて、近所の小さかった子供大きくなって来たり、畑の周りに家が増え、お客様も新しい方が増えています。美味しい野菜を提供する形で地域との良好な関係を築いていきたいです。
- 消防団の活動を30年以上続けており、他分団の農業者や市民などの地域との関わりを持ち続けています。
これからの農業振興に向けて
- これからは、気候変化に左右されない農業が必要になると思っています。
- 相続があっても農地をどうやって残していけるかが課題です。
百草地区の農業者紹介 1
大木聡さん(おおきさとし)日野市で唯一の酪農家

大木聡さん(おおきさとし)
モットーは「毎日牛舎に行くのがワクワクするような牛を育てる」
昭和32年に先代が酪農を始め、後継者として就農して今年で21年目、認定農業者。※1
私は毛並みが綺麗でスタイルが良い牛が好きなので、そのためには牛が健康なことが大事なんです。牛舎の環境を整えて清潔に保つと、牛にストレスにかからず健康になります。そうすると“ワクワクする牛“も育つし、結果的に美味しくて高品質な牛乳ができるんですよ。消費者から見える場所で生産することを大事に思っています。秋には子牛が7頭産まれます。牛舎に是非見に来て下さい!直営のジェラート販売店(アルティジャーノ・ジェラテリア百草329)では、この農場で作搾乳した牛乳と地元の果実等を使った直営ならではの新鮮で濃厚な味を楽しめます!
地域のためにしていること
・牛糞を肥料として市内の野菜農家へ供給、小学校の社会科見学実施
百草地区の農業者紹介
由木 勉さん(ゆぎつとむ)日野市で唯一の養鶏、リンゴ栽培農家

由木 勉さん(ゆぎつとむ)
こだわりは安全安心の「国産」
500年くらい続いた15代目の農家。認定農業者。※1 養鶏は、父の代昭和35年頃から純国産鶏だけを飼い、最近は米や魚粉など国産の原料を使って自家配合飼料で育てています。完全配合飼料(出来合いの配合飼料)と自家配合飼料は卵の味が全く違います。学校給食で子供たちに安全な食べ物を食べてもらうためにも、面倒だけど自家配合飼料にこだわっています。物価高騰に対する国の支援は、完全配合飼料しか対象になっていませんが、日野市は独自に自家配合飼料を対象にしてくれているので、ありがたいです。
リンゴ生産は、平成4年当初は7人で、昔この辺りにあったお寺の名前をとり「萬蔵院台リンゴ生産組合」を立ち上げましたが、現在は3人で収穫量も減ってしまいました。最近始めた収益性、効率化を高める「高密植栽培」という方法を成功させて、大勢の方にリンゴ狩りに来て頂くことが目標です!
地域のためにしていること
- 近隣農家とともにブルーべリー摘み取りを通じた地域交流、学校給食へ供給
援農ボランティアについて※2
- 敷地が広く、大変なので助かっている。果樹の知識も学んでほしいです。
※1 認定農業者制度:農業にやる気と意欲があり、職業として農業に取り組んでいる農業者を市が認定し、支援する制度。
※2 援農ボランティア制度:「農の学校」の卒業生が、希望する市内農家へボランティアとして派遣される制度。
このページに関するお問い合わせ
産業スポーツ部 都市農業振興課
直通電話:農産係 042-514-8447 農業委員会事務局 042-514-8456
代表電話:042-585-1111
ファクス:042-581-2516
〒191-8686
東京都日野市神明1丁目12番地の1 日野市役所3階
産業スポーツ部都市農業振興課へのお問い合わせは専用フォームをご利用ください。
