令和3(2021)年度 市政運営の基本

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ページID1016570  更新日 令和4年3月31日

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日野市長 大坪 冬彦

令和3年第1回日野市議会定例会に当たり、2期目4年間の総括を含め、市政運営の基本と新年度予算の概要を申し述べ、議員各位ならびに市民の皆さまへ一層のご理解とご協力をお願い申し上げます。

4年間の振り返り

私が幅広い市民の皆さまからのご支援をいただき、平成25年に市長に就任して以来、まもなく8年の歳月が経過します。市政の運営にご理解、ご協力をいただいた議員各位ならびに市民の皆さまに心から感謝し御礼を申し上げます。

私は就任以来、

1.住み慣れた地域で生き、看取られる、暮らし・福祉・医療の展開
2.日野市の良さである恵まれた社会的・自然的資源を生かし、地域の個性を伸ばすまちづくりの推進
3.厳しい財政状況を踏まえた経営戦略に基づく市政の運営

の三つを基本姿勢として掲げ、全力で市政運営に取り組んでまいりました。

市長就任時からの大きな課題の一つであった可燃ごみの広域処理化については、令和2年4月に国分寺市・小金井市との三市共同による新可燃ごみ処理施設を稼働させることができました。併せてリサイクル率向上のために、日野市単独のプラスチック類資源化施設も稼働させました。また、保育園の待機児童問題については、この4年間で1,017人の定員拡大を実現し、待機児童解消に向けた取り組みを大きく前進させてきました。

限られた財源・資源の有効活用も図りました。平成24年の耐震診断で補強が必要とされた市役所本庁舎については、建て替えではなく免震工事・改修工事を行うことで、建物の長寿命化と機能向上を実現しました。

さまざまなことに取り組んでまいりましたが、特にこの一年は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大を踏まえ、医療体制の構築や市民生活への支援などに力を注いでまいりました。今後も引き続き、市民の命を守り、市民生活と市内経済活動を支えることを最優先に取り組んでまいります。

一方で、市として長期的に取り組まなければならない課題もあります。団塊の世代が75歳を迎えるいわゆる「2025年問題」が目前に迫る中、介護・医療などの社会保障関連経費が増加しています。近年はまちの高齢化に伴う公共施設などの耐震化やインフラの更新による投資的経費も増加するなど、複合的な要因によって大幅な財源不足が生じています。基金の取り崩しや市債の借り入れを行うことで財源不足を賄っており、厳しい財政運営が続いています。このような状況から、将来に渡って安定した財政運営が行えるように、令和2年2月に財政非常事態宣言を行い、取り組みを進めてまいりました。

厳しい財政状況ではありますが、新型コロナウイルス感染症という未曽有の危機を乗り越え、持続可能な自治体を目指さなければなりません。今後策定予定の「(仮称)財政再建計画」を基に、財政健全化に取り組んでまいります。

また、元副市長が日野市立病院に勤務しながら土地区画整理事業組合でも業務を行い、双方から報酬を受けていた兼業・二重報酬受け取りの問題と、市立病院におけるハラスメント問題については、それぞれ第三者委員会を設置し、全容解明に取り組んでまいりました。私自身、市立病院の設置者としてその責任を痛感しております。二度とこのようなことが起こらないよう、再発防止策を講じ、市民の皆さまからの信頼回復に向けて全力で取り組んでまいります。

いくつもの大きな課題がある中で、取り組みを発展させるべきものは発展させ、変えるべきものは変えるといった取捨選択をしながら、新たな行政サービスの提供やその土台となる行財政改革を推進し、市民協働によるまちづくりを進めてまいりました。2期目4年間の総括として、主な内容を申し上げます。

4年間の事業の総括

1.参画と協働のまち

諸力融合を掲げ、多様な担い手によるまちづくりを推進いたしました。

8中学校区ごとに地域懇談会とアクションプランを推し進め、多様な居場所づくりに取り組みました。カワセミハウスを開設し、地域の方や子ども、高齢者、子育て世代や大学生にもご利用いただいています。旭が丘地区センターでは、建て替えをきっかけに障害のある方と共に地域交流を生み出す居場所が実現しました。

官民連携の考え方を発展させた価値共創の取り組みを進め、社会課題に取り組むことに合意した企業7社と協定を締結し、新たな取り組みをしてまいりました。

令和元年度には、市の取り組みが評価され、内閣総理大臣から自立的な循環モデルづくりを目指す自治体として「SDGs未来都市」に選定されました。

市政を支える経営基盤の強化や効率的な行政運営の実現に向けて、第5次行財政改革を進め、財政健全化と市民サービス向上の両立に取り組んでまいりました。また、「日野市公契約条例」を施行し、適正な労働環境の確保や事業者の経営環境の維持改善と公共工事・公共サービスの質の向上を目指しています。

2.子どもが輝くまち

急務となっていた待機児童解消を強力に推し進めました。4年間で認可保育所の開設7園、地域型保育所の開設4園、公立保育所の民営化による定員拡大1園のほか、既存保育所の受入枠拡大も行い、1,017人の定員拡大が実現しました。

子どもの貧困対策では、子どもの学習支援を無償で行う団体に対する支援やフードパントリー事業を実施するとともに、市内4カ所の「ほっとも」で、子どもの学習・居場所支援なども進めました。

小・中学校のトイレ改修と中学校体育館のエアコン設置に取り組み、教育環境の充実と避難所機能の向上を図りました。児童の増加と施設の老朽化に対応するため豊田小学校の改築事業に着手しました。

また、「第三次学校教育基本構想」を策定し、「一人ひとりに合った多様な学び」「語り合いながら生み出す学び合いと活動」を大切にした教育活動を推進しました。

生活や学習の場面で困難を感じている家庭や子どもを支えるため、スクールソーシャルワーカーの体制を充実し、全小・中学校に特別支援教室「ステップ教室」と学習の保健室「リソースルーム」を設置しました。

一人1台端末を活用した新たな教育活動の創造を目指す「GIGAスクール構想」を実現するため、ネットワーク環境と端末を整備しました。

利用ニーズの増加に合わせて放課後の居場所の充実に取り組みました。学童クラブでは新設2カ所、増築1カ所のほか、改修・移転などさまざまな方法で定員拡大を図るとともに民間委託を開始し、育成上の質の向上にも取り組んでいます。放課後子ども教室を夏休みに拡大実施するスーパーひのっち「なつひの」の実施校を12校に増やしました。

3.健やかでともに支えあうまち

障害をお持ちの方や関係者、事業者の参画を得ながら「障害者差別解消推進条例」の制定を進めました。また、障害の有無にかかわらず誰もが安心して暮らせるまちづくりを実現するため、障害福祉課に差別解消推進係を設置しました。

住み慣れた地域で、自宅で療養できる環境を実現するため、在宅療養支援課を設置し、「在宅療養体制構築のための基本方針」を策定しました。

認知症については、早期診断・早期対応に向けた支援体制構築のため、多摩平の森の病院と連携して「認知症初期集中支援チーム」を配置しました。

また、生活習慣病の早期発見・早期治療を目指す糖尿病性腎症重症化予防の一環として、微量アルブミン尿検査を開始しました。

4.日野()・日野文化を育てるまち

東京2020()オリンピック・パラリンピック競技大会に向けて、ウクライナのホストタウンとしてウクライナ空手チームの事前キャンプ支援と文化交流事業を行うとともに、市内在住のパラバドミントン選手 山崎 ()()さんの応援を通じた機運醸成に取り組みました。

日野市出身の版画家 蟹江 ()さんと子どもたちのアートディレクション事業をカワセミハウスで実施しました。日野の自然を題材とした絵本「ぼくのまちにはもりがある」の制作や、「多摩の木でつくるプロジェクト」、「日野市こもれびハンカチプロジェクト」を通じて子どもたちの自由で豊かな感性が育まれました。

市内で初となる国登録有形文化財の指定を受けた桑ハウス(旧農林水産省蚕糸試験場日野桑園第一蚕室)は、耐震補強や修復工事を実施し、当時の姿を復元しました。

「(仮称)南平体育館」は、利用者や地域の方々とワークショップを行い、「スポーツと健康」、「交流」、「防災」の三つの機能を持つ「まちなかアリーナ」として建て替えに着手し、令和4年度の開設を目指しています。

5.自然と調和した環境に優しいまち

可燃ごみの広域処理化については、国分寺市・小金井市と処理施設の共同設置・共同運営を推進するとともに、「3市ごみ減量推進市民会議」を設置しました。令和2年4月には新可燃ごみ処理施設が稼働し、循環型社会を見据えた可燃ごみ処理体制が実現しました。

新可燃ごみ処理施設と併せて、日野市単独のプラスチック類資源化施設も稼働しました。第2次ごみ改革に着手し、さらなるごみ減量を図っています。さらに、地球温暖化や海洋プラスチック問題に対して、市の取り組みを強化するため、「プラスチック・スマート宣言」を行いました。

川や自然と親しむため、浅川アユまつりを実施しました。大勢の親子連れが来場し、川に親しんでいただくとともに、地域の団体・企業などによるブース出展も行われました。

6.安全で安心して暮らせるまち

令和元年度の台風第19号は、日野橋の損壊など大きな被害をもたらしました。また、約8,600人もの方が避難され、避難所運営における課題が明らかになり、それらへの対応をしてまいりました。特に地域防災力を強化するため、避難所の混雑状況を発信するシステムの導入や内水氾濫に備えて排水ポンプの配備などを進めました。また、災害時の拠点となる「(仮称)南平体育館」の整備も進めています。

 都市計画の基本方針である「まちづくりマスタープラン」の改訂に当たっては、地域福祉の専門職など多様な主体と連携することにより、市民の暮らしを支える視点を盛り込むことができました。

 都市計画道路3・3・2号線整備については、国へ早期着工を要請し、土地区画整理事業による用地空けを進め、暫定開放区間の歩道を整備しました。豊田南地区では駅前広場の整備と周辺街区での敷地の共同化による高度利用を促進し、西平山地区では生活道路の整備が着実に進展し、地域をつなぐネットワークの強化が図られています。

ミニバス南平路線の利便性向上を図るため、停留所の移設や増便を行うとともに、丘陵部の交通利便性向上のため、ワゴンタクシー土曜日、日曜日祝日運行の実証実験を行いました。

空き家対策としては、市民や所有者、不動産業などの関係団体との連携強化と、空き家の解消や空き家を活用した地域コミュニティーの活性化を進めてきました。また、住まいの確保にお困りの方への支援策を検討する日野市居住支援協議会を設立し、住宅相談窓口「あんしん住まいる日野」を開設するなど、住宅セーフティネットの強化を進めました。

7.地域の魅力を()かした活力あるまち

「土方歳三没後150年プロモーション事業」を実施し、市のPRを図りました。日野市初のクラウドファンディングでは、目標額を上回る寄付が寄せられ、新選組まつりでも過去最高となる約57,600人の来場がありました。 消費行動の変化や技術の進展などに即した商業支援策を展開するため、「商業振興条例」を施行し、取り組みを進めています。

生産緑地の指定が一斉に解除される「2022年問題」や農業者の高齢化など都市農業を取り巻く環境が変化する中で、次世代に農業をつなぐために市内農業者の支援や新たな担い手づくりなどに取り組みました。

8.令和2年度における新型コロナウイルス感染拡大への対策

新型コロナウイルス感染症は、社会・経済に非常に大きな影響を及ぼしています。日野市でも市政運営の方針として、市民の命と生活を守るため、新型コロナウイルス感染症対策を最優先に対応することとしました。

まずは、医療機関への支援を増強し、市民の命を守る取り組みとして、市立病院の医療体制強化や医療従事者への支援を行うとともに、日野市医師会におけるPCR検査センター開設への支援などを行いました。

次に、市民生活を守り抜くためのセーフティネットを強化する取り組みとして、住居確保給付金や、ひとり親世帯への緊急経済対策を行いました。妊婦を対象に感染防止物品購入やタクシー移動に使用できる「こども商品券」を配布しました。また、市内介護・障害福祉サービス事業所の感染症拡大防止対策への支援などを行いました。

学校教育を支援する取り組みとして、学校臨時休業期間中の子どもの居場所確保や学習支援に取り組みました。また、オンライン学習を視野に入れ、一人1台端末環境を整備する「GIGAスクール構想」を実施するなど、子どもたちの学びと育ちを支えてまいりました。

市内中小企業への支援を強化し、市内経済活動や雇用を守る取り組みとして、中小企業者を対象とした新たな融資あっせん制度や、店舗などへの家賃支援事業、業態転換を行う事業者への支援を行いました。また、コロナ禍での新たな消費喚起策として、PayPay()を活用した事業者支援を行ってまいりました。

地域活動やつながりが維持できなくなる課題も生じました。そこで、「地域でささえる・つながるプロジェクト補助金事業」など地域での新しい取り組みを支援しました。また、外出抑制による運動機会の減少に対して、関連団体と連携したオンラインによる介護予防事業を実施いたしました。

令和3年度の重点施策と取り組み

1.新型コロナウイルス感染症から市民生活・経済を守り抜く

新型コロナウイルス感染症が収束するまで、医療や福祉を中心としながら、市民の命を守り、市民生活と市内経済活動を支えてまいります。

早期に新型コロナウイルスワクチン接種が開始できるよう全庁をあげて最優先で取り組んでまいります。日野市医師会をはじめ、国や都、関係機関と緊密に連携し迅速かつ円滑な接種体制を構築し、市内医療機関および集団接種会場において、高齢者から順次ワクチン接種を開始します。

また、市立病院における発熱外来と新型コロナウイルス陽性患者など受け入れ病床の設置を継続します。院内での感染を防ぎ、持続可能な医療提供体制を維持するために、院内感染対策、病院従事者などの負担軽減策にも引き続き取り組みます。

コロナ禍の影響を受けやすい方への支援も強化してまいります。潜在的な要支援者を積極的に掘り起こし、各種団体による支援につなげるため、市民団体などが実施する相談会などの支援を行います。また、生活再建を目的とした住居確保給付金事業や、高等教育を受ける子がいるひとり親世帯への家賃支援に引き続き取り組み、経済格差拡大の緩和を図ります。

在宅で介護に携わる方が感染した場合などに、在宅療養中の要介護者を医療機関などで療養できる仕組みを整えます。また、医療・介護サービスの事業者に対する感染症対策として予防資器材を備蓄します。

市内経済への支援と雇用の維持・確保を図るため、中小企業者の運転資金に対する融資あっせんを行うとともに、全業種を対象とした中小企業者事業継続支援補助金事業を行います。また、令和2年度に実施したPayPayなどの非接触型決済を活用した消費喚起策にも取り組んでまいります。

2.長期課題への対応とまちを支える行政基盤の強化

社会情勢の変化や財政課題に対応しながらも、未来への変革に向かって布石をうち、持続可能な地域社会をつくるため、諸力融合で課題解決に取り組んでまいります。

コロナ禍において感染者差別や偏見といった社会的分断が起こるなど、人々が生きていく上での普遍的な価値観である人権の在り方が特に問い直されています。また、ジェンダー平等に加え、多様な性のあり方、外国人市民の増加に伴う多文化共生など新たな価値観への対応も求められていることから、新たに「平和と人権課」を設置し、これまでの男女平等施策の実績に加えて、「平和」、「人権」、「多文化共生」への対応を強化してまいります。

持続可能な自治体経営を進めるとともに、単純なデジタル化にとどまらない市民の利便性向上に資する行政への転換を進めるため、新たに情報政策部門を設置します。

新型コロナウイルス感染症は人々の行動や習慣にも影響を与えています。中長期的な視点から社会や経済の変化を踏まえつつ、日野市が目指すべき大きな方向性を示すため、「(仮称)2030ビジョン」の策定を進めます。バックキャスティングの視点を取り入れ、SDGsを共通目標に掲げながら2030年の日野の姿を描いてまいります。

また、持続可能な行財政運営の具体的な方針を示すため、現在策定中の「財政再建方針」および「第6次行財政改革大綱」を踏まえ、財政非常事態宣言に基づく「(仮称)財政再建計画」を策定します。

元副市長問題を教訓としたガバナンス、コンプライアンスの強化にも取り組んでまいります。市政運営の透明性の一層の向上を図るため、内部通報制度に関する条例の令和3年度中の施行を目指しています。併せて事務処理の適正さを確保するために内部統制制度の検討を進め、市民の皆さまの市政に対する信頼の回復に努めてまいります。

三市共同住民情報システムは、立川市・三鷹市と共同で導入に向けた準備を進め、令和3年秋の本稼働を目指します。

3.地域資源や新たなつながりを活かした諸力融合のまちづくり

日野は身近で豊かな自然や文化財、産業基盤や顔の見える人と人とのネットワークなど有形無形の資源に恵まれています。新たな変化を取り込みながら、日野らしい多様な地域資源を活かし、発展させてまいります。

デジタル化が進むことで取り残されがちな高齢者などICT機器に不慣れな方を対象としたスマートフォン講座を開催するとともに、相互に学び合う仕組みづくりやオンラインの活用支援を行います。外出抑制などで顔が見えづらくなった地域のつながりや生きがいづくりにつなげ、生活の質の向上を目指してまいります。

産業構造の転換やデジタル化などテクノロジーの進展、操業環境の変化がある中で、時代に即した工業振興と産業基盤強化の方針を示す「(仮称)日野市工業振興計画」を策定します。

復元工事が完了した桑ハウスについては、施設説明板の設置、施設公開および講演会などを行い、文化財としての普及啓発を行います。また、今後の活用方法について地域団体などとともに検討してまいります。

引き続きごみゼロ社会の推進にも取り組んでまいります。「(仮称)石田地区公共施設」は、ごみ減量の情報発信、地域コミュニティーの形成および防災の拠点として現在建設中です。施設の開設に当たっては、準備委員会を発足させ、地元を中心とした運営協議会による管理・運営を目指しています。

4.地域とつくる住み良いまちづくり

地域や市民と連携しながら共創のまちづくりを目指します。また、都市計画道路の整備や土地区画整理事業を着実に進展させ、良好な都市環境の実現を図ります。

「まちと空き家の学校事業」では、空き家の所有者と活用者、地域住民が連携しながら空き家活用の基礎的手法を学びます。また、市の空き家情報をもとに、現場で実践しながら、蓄積したノウハウを他の活用者と情報交換しながらまちづくりにつなげてまいります。

都市計画道路3・3・2号線の早期実現を図るため、用地確保を進めるとともに、仮道整備を完了させ、地区内の東西交通の利便性を図ります。

現在窓口で閲覧している道路台帳などの情報を、令和3年秋頃からインターネットで自由に閲覧できるように環境整備を行ってまいります。

5.安心して生み育て、学び合えるまちづくり

育ちや学びの充実を図るため、学校改修や学童クラブの整備などに引き続き取り組みます。また、子育てしやすいまちの実現に向けて、子育て情報の発信を充実させてまいります。

「GIGAスクール構想」に基づき整備した小・中学校の校内ネットワークと一人1台端末の環境を活用し、子どもたち一人ひとりに合わせた学びや創造性を育む教育に取り組んでまいります。ICT支援員が各校の状況に応じてきめ細かく支援するとともに、オンライン学習環境を整備します。

水泳の外部指導員の導入や、民間スポーツクラブなどの屋内プールを活用することにより、子どもたちの水泳学習の質と環境を向上させる学校プール改革に取り組みます。令和3年度は小学校4校で民間プールの活用を図り、小学校1校・中学校1校での学校プールの共同利用を行ってまいります。

急激な児童数の増加が見込まれる豊田小学校では、令和4年度からの使用開始を目指して東側平屋校舎の改築工事を実施しています。令和3年度は給食室や教室などの整備を行います。

保護者の多様な利用ニーズに柔軟に対応するため、引き続き学童クラブの民間活力の導入を図っていきます。令和3年4月には、一小学童クラブ・たけのこ学童クラブの民間委託を開始する予定です。

「(仮称)子ども包括支援センター基本方針・基本計画」に基づき、すべての子どもの健やかな成長を切れ目なく支援するため、健康課の母子保健機能と子ども家庭支援センターの機能統合を図るとともに、「(仮称)子ども包括支援センター」の建設を進めてまいります。

子育て情報サイト「ぽけっとなび」をリニューアルし、アプリの運用開始を予定しています。子育てひろばなどの利用予約や、子育て情報のプッシュ配信などの機能を追加したことで、子育て情報にアクセスしやすくなります。妊娠期からの切れ目のない支援の推進につなげてまいります。

6.誰もが健やかに暮らし続けられるまちの実現

年齢や障害の有無に関わらず、誰もが安心して健やかに住み続けられるまちを実現するため、健康施策や地域の相談体制・ネットワークづくりに取り組んでまいります。

医療的なケアが必要な子どもを把握し、必要な支援につなげていくことを目指した「医療的ケア児支援協議会」を設置します。

精神に障害がある方が地域で暮らせる支援を行うために、医師、相談支援事業所、市などの支援者が連携する、「精神障害にも対応した地域包括ケアシステム推進協議会」を設置します。

健康運動事業と介護予防事業の連携強化によるフレイル予防の推進を図ります。身体状況に応じた運動機会を提供するとともに、フレイル予防に関する基本的な知識が習得できる「介護予防・フレイル予防教室」を実施します。

また、認知症の予防、早期発見・早期治療を促す認知症検診事業を行います。
70歳から79歳までの方に認知機能簡易検査の受診機会を提供するとともに、地域包括支援センターなどにつなげ、早期支援を図ります。

令和3年度予算の基本的考え方および概要

次に、令和3年度予算の基本的考え方および概要を申し上げます。

新型コロナウイルス感染症の影響は企業活動や市民生活のあらゆる分野に深刻な影響をもたらしています。市では令和2年2月に財政非常事態宣言を行い、財政再建に向けた取り組みを進めてまいりました。しかし、感染症の感染拡大を踏まえ、市民の命を守り、市民生活と市内経済活動を支えることを優先とし、市の貯金である基金を取り崩しながらさまざまな対策に取り組んでまいりました。

歳入面でも感染症による影響は避けられません。企業活動の停滞や雇用環境の悪化を背景に、令和3年度の個人市民税・法人市民税共に大幅な減収を見込んでおり、厳しい財政運営は続くものと想定しています。

コロナ以前からの課題である人口減少・成熟化社会にも対応しなければなりません。今後、策定予定の「(仮称)財政再建計画」を基に財政健全化を進め、限られた財源や資源を生み出し、長期的な課題に諸力融合で取り組んでまいります。

そのため、令和3年度の予算編成に当たっては、

1.持続可能な地域社会に向け、諸力融合体制で直面する課題を克服するとともに、長期視点から効率的・戦略的な政策立案・施策推進体制への転換を図る

2.ポストコロナを踏まえた、行財政改革の推進とマネジメントの強化を図る

の二つの基本方針に基づき、コロナ禍による喫緊の課題対応の視点と長期的な影響予測を踏まえた視点の両面から、既存の事業も含めてゼロベースで取捨選択を図ってまいりました。

次に、令和3年度予算の概要について申し上げます。

一般会計当初予算案は、690億6,000万円で、前年度比7億6,000万円、1.1%の増となります。

歳出につきまして、義務的経費では、人件費は、会計年度任用職員の任用実績の精査などから、1.6%減の120億4,903万円となります。また、扶助費は、障害者自立支援給付費や生活保護費を中心に増加し、2.6%増の221億1,035万円となり、公債費は1.9%増の30億6,096万円となります。

次に、普通建設事業費は、「(仮称)南平体育館」の整備や、豊田小学校東校舎の改築などに取り組みますが、本庁舎免震改修工事の完了などから、0.9%減の50億7,064万円となっています。なお、国の令和2年度補正予算(第3号)によって防災・減災、国土強靭化の推進のための財源が確保されたことから、令和3年度に実施を予定していた小・中学校のトイレ改修など、一部の事業を令和2年度の補正予算に前倒して実施します。

繰出金は、高齢化の進展によって介護保険、後期高齢者医療の各特別会計で増加し、国民健康保険特別会計においても新型コロナウイルス感染症の影響によって市民生活に影響が生じていることを踏まえ、国民健康保険税の値上げを見送る判断をしたことなどから4.3%増の78億4,068万円となります。

この他の経費では、物件費は住民情報システム三市共同利用の進捗や、「GIGAスクール構想」に伴う運用支援、学童クラブ委託の増などから3.8%増の104億5,928万円となります。

また、補助費などは、下水道事業会計、市立病院事業会計への拠出の減などから、3.0%減の76億6,168万円となっています。

次に、歳入につきまして、市税は5.3%減の288億5,040万円を見込みました。個人、法人をはじめ、市民税は新型コロナウイルス感染症の影響により大幅な減収を見込んでおり、合計で16億2,542万円の減となります。

地方譲与税および各種交付金などは、株価の上昇などを受け増額しているものもありますが、全体的には消費の低迷など、景気の状況を背景に減となっています。特に、地方消費税交付金は16.2%減の33億7,300万円を見込み、総額では4.5%減の49億1,984万円となります。

次に、地方交付税は、市税や各種交付金などの減収などから157.9%増の15億9,100万円を見込みました。

国庫支出金および都支出金は、歳出における扶助費の増加や各種事業財源の確保に努めたことなどから、総額で3.6%増の219億294万円となります。

また、基金の取り崩しとなる繰入金は28.7%増の52億3,998万円を、市債の借入は3.0%増の35億9,340万円を予定しています。

この合計が市の恒常的な収入で賄えない財源不足分ですが、約88.3億円となりました。令和2年度の約75.6億円から12.7億円の増加となりました。

次に、特別会計当初予算案につきましては、総額548億5,160万9,000円で、前年度比0.6%減の3億3,231万9,000円となります。

これは主に、介護保険、後期高齢者医療の各特別会計において、高齢化の進展などの影響によって増となりましたが、土地区画整理事業特別会計、下水道事業会計においては、現在の事業の進捗状況と中期的な将来見通しを勘案し、あらためて事業の優先順位付けと見直しを徹底するなど、予算縮減の工夫を行った結果、11億5,899万円の減となったことなどによるものです。

以上、市政運営の基本、令和3年度予算案の基本的考え方及び概要を申し上げました。

市議会議員各位ならびにすべての市民の皆様に、かさねてご理解とご協力をお願い申し上げます。

このページに関するお問い合わせ

企画部 市長公室
直通電話:市民相談係 042-514-8094 広報係 042-514-8092
代表電話:042-585-1111
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