令和8(2026)年度 所信表明
日野市長 古賀壮志
令和8年第1回日野市議会定例会にあたり、市政運営における所信と新年度の主要な施策を申し述べ、議員各位ならびに市民の皆さまへ一層のご理解とご協力をお願い申し上げます。
私は令和7年4月27日に就任した際、
1.市民の生活を物価高から守る
物価高に苦しむ市民や市内事業者を支援します。
2.健康で幸福度の高いまちに
心身が健康で生活満足度の高いまちを目指します。
3.豊かで心安らぐ生活を
安心して働ける・住める環境づくりを行います。
の3点を優先政策として掲げ、市政運営を進めてまいりました。
世界的な経済情勢の不安と国内の物価高騰は、市民生活に深刻な影響を与えています。家計への負担増は、日々の暮らしの安心を揺るがし、将来への不安を増幅させています。また、企業活動や生活様式にも大きな変化をもたらし、デジタル化や新しい働き方への対応などが進み、各事業者を取り巻く環境にも影響を与えています。このような状況下において、市民や事業者が安心して日々を過ごし、将来を展望できるよう、地域特性を生かした取り組みを進めていく必要があります。
さらに、少子高齢化と人口減少という構造的問題が地域社会に困難をもたらしています。急速に進む高齢化は、社会保障費の増大を通じて医療・介護保険制度や年金制度の持続可能性を脅かしているほか、生産年齢人口の減少は労働力不足による経済活力の低下を引き起こしています。日野市においても、生産年齢人口割合が現在をピークとして今後は減少に転じ、2040年頃から高齢化率が急上昇すると予測されています。
基礎自治体の活動は、その地域特性に基づく独自の施策を展開するだけでなく、日本全体の取り組みと方向性を一致させることで、広域的な相乗効果や財源確保にもつながるなど、多くのメリットがあります。そのため、昨年末に国が策定した「地方創生に関する総合戦略」の中で、課題感を共有する事項については、国と足並みをそろえながら進めることで、各施策の効果を最大限に発揮し、地域の明日を切り拓いてまいります。
また、将来世代に対しても責任を果たせる「持続可能なまちづくり」を実現するため、限られた財源を最大限効果的に活用した予算編成が重要です。各事業の優先順位を明確化しつつ、短期的効果と中長期的効果の両面を見据えた資源配分を進めてまいります。市民の安全・安心に直結する分野を支えるとともに、経済の成長に資する投資を継続し、地域全体の活力の維持・向上を目指します。
令和8年度は、市長就任以来培ってきた方向性をさらに発展させ、「安心と健康を市民に届け続けるために、まずは、物価高から守る」を掲げ、推し進めてまいります。そして、将来にわたって誰もが希望を持って暮らせるまち、「やっぱり日野だね」と自然に口にするようなまちにしてまいります。
さて、そうしたまちづくりを実現するため、令和8年度に実施する主要な施策を5つの柱として整理しました。5つの柱とは、「1 市民生活を物価高から守る経済支援策」「2 市民がより健やかに暮らすためのサービス展開」「3 安心感ある豊かな生活環境づくり」「4 将来を担う子どもたちを育む環境整備」「5 持続可能で信頼される行政基盤」です。以下、5つの重点施策分野について具体的にご説明申し上げます。
1. 市民生活を物価高から守る経済支援策
(1) 市民を支える生活支援策
長引く物価高騰は、市民の皆さまの家計に深刻な影響を及ぼしております。中でも、家計にとって避けることができない食料品価格の上昇は、特に低所得世帯や子育て世帯にとって大きな負担となっております。
国においても重点支援地方交付金などの対策が講じられておりますが、基礎自治体として、より市民に身近な立場から、きめ細かな支援を実施することが私たちの責務であります。既に令和7年度から、プリペイド型ギフトカードの給付による直接的な家計支援の実施に向けて動いております。カード方式を採用することで、迅速かつ確実に市民の皆さまのお手元に支援を届けることができるものと考えております。
加えて、省エネ家電買換え促進補助事業を展開いたします。環境負荷軽減の効果に加え、エネルギー価格の家計負担を軽減し、物価高騰社会における市民生活の安定化につなげてまいります。
特に子育て世帯への支援としては、市立小・中学校の学校給食費を引き続き全額公費負担してまいります。国による学校給食費の抜本的な負担軽減や都の事業を活用しながら、保護者の皆さまの負担軽減を図ってまいります。
(2) 事業者を支える経営支援策
物価高騰の影響を受けているのは家計だけではなく、事業者の皆さまも、人件費や資材費の高騰に直面し、厳しい経営環境に置かれております。市民サービスの持続には、事業者が安定的に業務を遂行できる環境が不可欠であります。
商店街は市民生活を支える重要な基盤であり、地域コミュニティの核でもあります。物価高で活気が落ち込む現状を打破するため、市内各商店会の活性化を図るイベントなどの事業を支援する商店街チャレンジ戦略支援事業を実施してまいります。
その他にも、今後は重点支援交付金事業の活用によるさらなる追加事業も検討してまいります。
また委託契約などの契約における予算は、物価上昇分を適正に転嫁するための増額予算を計上いたしました。公正な価格での契約は質の高いサービスの確保につながり、地域で働く方々の賃金・処遇改善にも貢献いたします。これは国の「地方創生に関する総合戦略」が掲げる「強い経済」の実現、すなわち「稼げる」地域経済の構築にも合致する取り組みであります。適正な価格転嫁を通じ、官民が共に持続可能な関係を築き、市民の皆さまに安定した行政サービスを提供し続けてまいります。
なお、公契約条例については本議会にて一部指定管理者制度へ適用範囲を拡大する議案を提出しており、今後の更なる拡大についても引き続き検討を進めてまいります。
2. 市民がより健やかに暮らすためのサービス展開
(1) 市民の健康をサポートする行政サービス
「健康で幸福度の高いまち」の実現に向け、予防医療と健康増進に力を入れてまいります。
データヘルス事業では、第3期データヘルス計画に基づき、レセプトデータや特定健診データなどを有効活用し、国民健康保険被保険者をはじめとした市民の健康増進と医療費適正化に取り組んでまいります。
次に日常的な運動習慣の定着を支援するため、ウオーキングアプリを開発運用します。スマートフォンを活用し、楽しみながら健康づくりに取り組める環境を整備します。これによりスポーツ実施率を向上させ、フレイル予防を含めた継続的な健康活動を後押しする仕組みを構築します。
さらに、第5期日野市食育推進計画を策定します。正しい食習慣の形成は成長期の子どもにとって重要であり、高齢者のフレイル予防にも大きな影響を与えます。家庭、学校、地域が一体となった食育推進体制を構築し、各ライフステージに応じた食育を進め、市民の健康寿命の延伸を目指します。
加えて、令和10年度には「第39回全国健康福祉祭」、いわゆる「ねんりんピック」が東京で開催予定であり、市でも高齢者の健康増進に向けて積極的に関与してまいります。
(2) ニーズに沿った医療・福祉体制整備
高齢化の進展、さまざまなニーズを持つ障害のある方への支援、不妊治療を受ける方の増加など、医療・福祉の環境は大きく変化しております。
日野市基幹相談支援センターを新設し、地域の相談支援の中核的な役割を担い、障害のある方の相談支援体制の強化を図ります。相談から就労・生活支援まで切れ目のない支援を提供し、誰もが地域で安心して暮らせる社会を目指します。
ひきこもりなどの状態にある市民への支援も重要です。令和7年度に引き続き、メタバースを活用したオンライン居場所の実証を進めるなど、さまざまな切り口からアプローチし、誰一人取り残さない社会を実現してまいります。
がん検診では胃がん検診を内視鏡検査に一本化する改正を行います。内視鏡検査はバリウム検査よりも発見率が高いとされており、市民の健康を守ることにつながると考えます。
不妊に悩むご夫婦への支援としても、特定不妊治療費への助成制度を創設いたします。東京都の助成承認を受けた方に対し、上乗せ助成を行い、子どもを望むすべての方々を社会全体で支えてまいります。少子化対策としても重要であり、経済的負担の軽減を通じ、安心して治療に専念できる環境を整えます。
高齢化の進展を踏まえ、第6期高齢者福祉総合計画を策定し、計画的な高齢者支援施策の推進を図ります。また、激甚化する災害から高齢者の命を守るために、個別避難計画の作成を推進し、より安心して暮らせる社会づくりを目指します。
また、地域医療体制の充実に向け、日野市立病院は、地方公営企業法の全部適用へ、令和8年4月1日から移行いたします。
新体制におかれましては、このたびの地方公営企業法全部適用によって、地域医療ニーズに応え、質の高い医療提供と経営自律性の強化を図っていただき、もって市立病院が市民の健康を守る最後の砦となるよう全力を挙げていただき、市もこれをサポートしてまいりたいと思います。
なお、新体制の病院事業管理者には、現病院長であり、20年以上にわたり市立病院で地域医療向上に尽力いただいている 林 篤(ハヤシ アツシ)氏に、4年間の任期でご就任いただく予定となっております。
3. 安心感ある豊かな生活環境づくり
(1) 安全・安心なまちづくり
気候変動の影響により豪雨災害や台風被害が頻発しています。市民の生命と財産を守ることは行政の基本的責務であり、「幸福度の高いまち」は安全・安心の上に成り立つと考えております。
防災対策として、防災ガイドブックをGISと連動させ、市ホームページにハザードマップや危険箇所、避難所などを閲覧できる「災害情報システム」の構築を進めます。内水に関するガイドブックの作成から段階的に着手し、災害リスク情報をスマートフォンやパソコンからいつでもアクセス可能とします。
また市役所通りの無電柱化を実施します。平時の景観向上、歩行者の安全確保に資するほか、有事の電柱倒壊リスクを軽減し、緊急輸送道路としての機能発揮につなげます。
崩落の危険があった市営住宅長山団地の解体を令和6年度から継続し、市営住宅高幡団地は計画的な改修を実施します。住宅セーフティネットの機能維持のため、老朽施設の安全性を確保します。
(2) 緑豊かなまちづくり
日野市の緑は安らぎと潤いを提供し、生物多様性保全、ヒートアイランド緩和、防災機能向上など多面的な価値を持つ財産であり、次世代へ継承する必要があります。
長年改定されてこなかった緑の基本計画の改定に着手し、令和9年度にかけて作業を進め、時代に即した新たな緑のまちづくりの方向性を示します。
都市農業の振興にも力を入れ、既に南平農園で試行運営中の市民農園モデル事業を引き続き進め、今後の展開を見据え検証します。
農地の多面的機能の発展促進や農業経営の強靭化を図る補助事業を拡充し、将来世代に農業・農地をつなぐ取り組みを進めます。
(3) 次世代へ受け渡す持続可能な生活環境
気候市民会議での議論を踏まえて令和6年度に作成した気候変動対策施策ロードマップの実行を進めます。令和8年度は、再エネ電力切り替え支援やクーリングシェルターのさらなる増設に具体的に取り組みます。市・市民・事業者がそれぞれの役割で行動し、住みよい生活環境を子どもたちの将来に渡って継承できるよう、持続可能なまちづくりを推進します。
(4) 都市基盤整備の再起動・再加速
都市の持続的発展には計画的な都市基盤整備が不可欠です。財政非常事態宣言下で一時抑制してきた投資的事業について、整備の加速を図ります。都市計画道路3・4・24号線の築造に向け再設計に着手します。市内の交通円滑化と防災機能の向上に資する重要路線として、長年停滞した状況を打破し、地域の皆さまのご理解を得ながら着実に進めます。
区画整理事業は、令和7年度の総合的再検討の結果、現在の区域で事業完結すべきと判断しました。超長期事業でまだ40年以上を要する見込みですが、一般会計からの繰入金を増額し、市施行事業の確実な執行を進め、責任をもって完結させます。
組合施行の区画整理事業も、面的整備による良好な市街地形成に寄与する重要な取り組みです。川辺堀之内地区については市議会調査特別委員会からいただいた提言および市の報告書を踏まえ、適切なチェック対応および必要な助成を進めます。新井東養塚、高幡橋北地区の認可取得に向けた支援も、川辺堀之内地区の教訓を生かし進めてまいります。
(5) 精神的な豊かさを育む取り組み
豊かな生活環境は住環境や利便性だけでなく、地域への誇りや愛着といった「精神的な豊かさ」も重要です。歴史文化の継承は、日野市民としてのアイデンティティの源であり、地域の持続的発展の礎です。こうした歴史文化を次世代に継承するため、ハード・ソフトの両面の取り組みを進めます。
施設の維持管理として、歴史的建造物である日野宿本陣の保存に当たり最優先課題であった空調機の撤去を行います。また、令和7年度には日野市立中央図書館が国の登録有形文化財となりました。これを受け、建物の歴史や価値について案内するパンフレットの作成や講演会を実施します。
またペット先進都市の実現には、ペットを取り巻く課題にとどまらず、人や地域の成熟した関係性を育むことにより、市民社会の豊かさにつながるものと考えます。広報やホームページ、LINE等により意識啓発・理解促進を図るとともに、受益者負担なども含めたドッグランの在り方の検討、地域猫活動の継続支援に、より一層力を入れてまいります。災害時のペット同行避難は市内全指定避難所で可能な準備ができておりますが、過去の被災地においてはペットと共に避難所で過ごすことをはばかる事例も散見されました。被災した市民がペットと安心して避難所で過ごせるよう、ペットスターターキットの全指定避難所への配備を進め、地域自主防災会の皆さまと共に、さらなる充実に向けた議論を深めます。
4. 将来を担う子どもたちを育む環境整備
(1) 子育て環境を充実させるハード整備
すべての子どもが健やかに、豊かな心を育みながら成長できる環境整備は最重要課題であり、子育て支援施設はその基盤として充実化を図ってまいります。
まず、三沢周辺地区における子育て施設の再編の基本構想を作成します。地域の状況やニーズの変化を踏まえ、保育園、児童館、学童クラブ、子育てひろばなどの必要機能を集約し、子育て支援の充実と公共施設総量の縮減の両立により「縮充の施設再編」を実現します。
次に、まんがんじ児童館の建て替えを進め、センター館として福祉的機能の強化、中高生世代の居場所機能の充実、施策への子どもの声の反映に取り組みます。万願寺中央公園ではインクルーシブ遊具の設置およびトイレ改修を行い、令和9年度完了を目指します。
学童クラブでは、潤徳小学校区域内の3学童クラブについて、じゅんとく学童クラブの建て替えによる施設統合を進めます。
児童館では、先行導入した2施設に加え、新たに8施設にWi-Fi環境を整備します。本取り組みにより、10館すべての児童館におけるWi-Fi環境の整備が完了します。中高生世代を中心としたオンライン環境への利用ニーズに対応することで、児童館の居場所としての機能強化に努めてまいります。
(2) 多様な子育て環境の確保
保育人材の確保は保育サービス維持の最重要課題です。潜在保育士への復職支援研修を産官学連携で実施するなど新たな取り組みを展開します。医療的ケア児や障害児を受け入れる保育園への支援の在り方を検討し、多様な保育ニーズへの対応を強化します。
令和8年度から本格実施される「こども誰でも通園制度」では、保護者の就労有無にかかわらず乳幼児に通園機会を提供し、適切な保育・子育て支援を行います。市として事業者と連携し、乳幼児の健やかな成長と保護者の不安軽減を図り、すべての子どもの良質な成育環境を確保します。
また、子どもの特性を早期に発見し、就学に向けたフォローアップ体制を構築するため、5歳児健診の開始に向けて準備を進めてまいります。
子どもの貧困については、第3期日野市子どもの貧困対策に関する基本方針を策定し、生活困窮などの事情によらずすべての子どもや若者が健やかに学び育つ社会づくりを進めます。
(3) 教育現場を応援する、より良い育ちに向けた整備投資
市内小・中学校のネットワーク環境を高速化し、学校で円滑に学習できる安定した通信環境を構築して、ICT活用による教育の質向上に取り組みます。
また、小・中学校の施設整備として、給食調理室への冷暖房機設置を小学校14校、中学校7校で実施します。本取り組みをもって全校の給食調理室への冷暖房機設置を完了させ、調理従事者の労働環境を改善します。屋上等防水修繕を小学校3校、中学校4校で実施するなど、教育施設の適切な維持管理を行います。日野第一小学校の改築と南平小学校の長寿命化改修については、令和11年度からの工事着手に向け、基本計画策定に着手します。新たな学校づくり・社会教育施設づくり推進計画に基づき、計画的な施設整備を進め、安全で快適な学習環境を確保します。
加えて、不登校児童・生徒への支援として、校内の居場所づくりや支援員などの配置を拡充し、個々の状況に合わせた多様な学びの場を確保します。
5. 持続可能で信頼される行政基盤
(1) DXなどによる職員人材の確保・創出
質の高い行政サービス提供には優秀な人材の確保・育成が不可欠です。市のトップとしてDX推進にリーダーシップを発揮して「自治体DX」を進め、業務の在り方から見直し、少ない人員で対応できる体制づくり、職場環境の改善を両輪で進めてまいります。
人材育成として、ITパスポートなどの資格取得に向けた研修ツールの提供、資格取得助成金制度を引き続き進めてまいります。外部人材の活用により推進体制を構築し、全庁的な業務標準化、他市との業務共同化や広域連携を積極的に推進し、行政の運営モデルを変革します。これにより生み出された人的リソースを真に支援が必要な事業に集中させ、メリハリのあるサービス提供に努めます。
保育現場の人材確保策として、公立保育園の勤務環境の改善・充実を図ります。任期付職員の配置による体制見直し、研修制度の充実、熱中症予防のための重点的エアコン修繕、人材育成方針の策定などを実施し、日野市全体の保育の質向上の土台を整備します。
(2) 行政サービスの原資となる税収の拡大
持続可能な財政運営には安定した税収確保が不可欠です。税の収納業務については、デジタル化の推進により、多様な納付手段の確保による利便性の向上を継続して図りつつ、より効率的かつ効果的な徴収業務の実現に向けた工夫を進めます。
一方で、ふるさと納税による市税流出額は過去最大を更新し続けています。東京都や他自治体と連携して制度改革を訴えるとともに、現行制度の中で市の魅力を発信し、企業版ふるさと納税の拡充などを進め、まちづくりのパートナーとして参画いただく取り組みを進めます。
(3) 総合的かつ計画的な公共施設の維持管理と更新
限られた財源の中で進める公共施設の老朽化への対策として、「日野市公共施設等総合管理計画」に基づき、施設総量の縮減とサービスの拡充を両立させる「縮充」の発想や官民連携の積極的な検討などにより、市民の暮らしを支える公共施設を適切にマネジメントしてまいります。
日野本町地区公共施設再編事業では、多様な市民意見などをきめ細かく聴き取りながら策定した「日野本町地区公共施設再編基本構想」および「日野本町地区公共施設再編基本計画」を踏まえ、新たな複合施設の設計、建設、維持管理、運営を一括で行う民間事業者の募集、選定、契約に係るアドバイザリー業務を2カ年で実施いたします。民間活力を最大限に活用しながら、公共施設再編のパイロットプロジェクトである本事業を適正かつ効果的に推進し、公共施設を将来の市民への負担として残すのではなく、地域の魅力につながる新しい施設に生まれ変わらせることを目指します。
また、今年度から開始する公共施設包括施設管理業務では、庁内多岐にわたる公共建築物の保守点検や小修繕のメンテナンス業務について、建物管理の技術やノウハウを持った民間事業者と連携し、高度かつ専門的な視点で一元的に管理してまいります。これにより、予算の効果的な配分を進め、公共施設の安全性向上と維持管理の効率化を目指します。
新選組のふるさと歴史館や平山季重ふれあい館の空調設備修繕など、既存施設の計画的修繕にも投資し、安心してご利用いただける環境を整えます。限られた財源を有効活用し、次世代に過度な負担を残さない持続可能な公共施設マネジメントを推進します。
令和7年12月16日付けの市議会企画総務委員会からの公共施設マネジメントに関する提言書を踏まえ、市民との合意形成の上で「縮充」の具体化に努め、行政経営の視点からも市全体を俯瞰した計画的かつ責任あるマネジメント体制を確立してまいります。
(4) 市議会提言を受けた組織風土改革
最後に、川辺堀之内土地区画整理事業における課題解決を目指す調査特別委員会での審議により取りまとめられた市議会からの貴重なご提言を真摯に受け止め、組織風土の改革を進めます。職員一人ひとりが使命感と専門性を持ち、市民の視点に立った行政運営を実践できる組織文化を醸成します。職員間のコミュニケーションが活発に交わされる風通しの良い職場環境づくりを進め、チャレンジを推奨する組織風土を育てます。これらに一つひとつ取り組み、市民の皆さまから信頼される市役所を実現してまいります。
以上、令和8年度の施策につきまして、5つの主要施策の柱に沿ってご説明申し上げました。市民生活と地域経済を支え、健康と安全を守り、緑と歴史文化を次世代に継承し、子どもたちの育ちを支え、行政基盤を強化することで、「幸福度の高いまち」の実現に向けて着実に歩みを進めてまいります。
令和8年度予算の基本的考え方および概要
次に、令和8年度予算の基本的考え方および概要を申し上げます。
令和8年1月の内閣府月例経済報告によると、「景気は、緩やかに回復している」とされており、全国的に雇用や所得環境が改善しているという分析が背景にあるものと思われます。一方で、物価上昇も継続しており、実質賃金が低下していることから引き続き実質的な所得でみると厳しい状況にあるものと考えられます。
日野市全体でも、人件費や物価などの上昇は、委託料や工事費、および職員人件費などの項目において事業費を押し上げることが想定され、それをコストとして適切に歳出予算額に反映させる必要があります。また、老朽化が進む公共施設やインフラなどについて、利用者が安心して使用できるよう適切に維持管理を行っていくとともに、財政非常事態宣言により進捗が遅れていたまちづくりなどの施策を改めて推進する必要があり、歳出予算の増が見込まれる要素は多く想定されました。一方、市民所得の上昇などを背景とした市税の増収や、景気に連動する各種交付金でも増収が見込まれることから、歳入の増をコスト増加に対応する財源としつつ、市民サービスの充実を図るためにメリハリのある予算を編成することを目指しました。
令和8年度の一般会計当初予算案は、837億7,500万円を見込み、令和7年度比で57.0億円、7.3%の増となります。3年連続して予算最大額を更新することとなります。
歳出につきまして、概略をご説明します。
義務的経費のうち、人件費は13.8%増の138億306万円と見込んでおります。定年退職年齢の引き上げにより、2年ぶりに定年退職手当が発生することに加え、東京都人事委員会からの勧告に伴う給与引き上げなどによる影響が大きく、大幅な増となるものです。扶助費は保育園の第一子無償化制度への対応や、障害者自立支援給付費などの増、および生活保護制度における最高裁判決を踏まえた追加給付事業などを背景に、272億5,934万円、令和7年度比9.2億円、3.5%の増を見込んでおります。
次に普通建設事業費は、まんがんじ児童館整備事業や豊田小学校校舎大規模改造工事など、令和7年度中に予定していた事業内容の一部が契約不調などから令和8年度にずれ込んだ影響に加え、市営住宅の改修工事や平山跨線人道橋の補修工事の継続など、利用者が安心して使用できる施設の維持などに重点的な予算措置を行い、39.3%増の44億4,557万円を見込んでおります。なお、普通建設事業費には含まれませんが、日野第一小学校や南平小学校の整備事業、区画整理事業の進展に向けた繰出金の増および都市計画道路3・4・24号線の事業再開など、まちづくりに関連した事業に対し予算化を図っています。
この他の経費では、物件費は物価上昇の影響による委託料の上昇などにより8.5%増の150億6,742万円を見込んでおります。なお、委託料のうち経常的な事業の予算額を集計すると、令和7年度比で9.7%上昇しており、消費者物価指数の増加率である2から3%の増や、東京都における最低賃金の増加率である5.4%の増を大きく上回る結果となりました。
補助費などは主に保育園などを対象とした子ども関連の制度充実に伴い、8.8%増の98億795万円を見込んでおります。
次に歳入における市税は個人市民税、法人市民税、固定資産税などの伸びを背景に337億9,235万円を見込み、令和7年度比で15.5億円、4.8%の増を見込んでおります。これは、市税全体額で過去最高額となるとともに、個人市民税、固定資産税においても過去最高額となります。また、株式等譲渡所得割交付金が3.3億円の増の7.5億円、地方消費税交付金は6億円増の47億円を見込むほか、利子割交付金などの各種交付金でも増を見込んでおります。
国庫支出金は歳出における扶助費などの各種事業財源として令和7年度比で11.2億円、7.6%の増、都支出金は、扶助費などの伸びに加え、子育て関連の事業拡充に伴い、18.2億円、14.2%の増となります。
また、基金からの繰入金は3.4%減の41億3,029万円、そのうち財政調整基金からの繰入金は35億8,957万円と、令和7年度比では1.9億円の減となりました。この結果に令和7年度中の基金残高の動向を加えると、令和8年度当初予算編成後の財政調整基金の残高は9.3億円増の32.5億円を想定しております。多額の基金取り崩しによる予算編成とはなりましたが、歳入の増加などを背景に基金残高は大きく回復できる見込みとなります。
次に、特別会計当初予算案につきましては、総額637億5,497万2,000円で、前年度比4.2%増、額として25億6,932万6,000円の増額となります。
被保険者数の減少などを背景に4.8億円の減となった国民健康保険特別会計を除き、人件費や物価高騰に伴い全般的に予算増となったこと、加えて介護保険特別会計でサービス利用者の増加などにより11.5億円の増が見込まれることなどにより、全体額では増額となりました。
以上が令和8年度当初予算の総括でございますが、改めて、私たちのまちは、多摩平地区周辺をはじめ今なお続く住宅開発が盛んな都市部としての魅力がありながら、浅川や多摩川、湧水の数々をはじめとした豊かな自然と、多摩の米蔵や新選組といった歴史・文化が息づく、魅力あふれる総合力抜群の都市であります。困難な時代にあっても、このまちの魅力と価値をさらに高め、安心して暮らしていくことができるよう、全力で取り組んでまいります。
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