今そこに迫りくる2024年問題(令和6年3月号)
今そこに迫りくる 2024年問題
平成30年7月に公布された「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律」によって長時間労働規制が広がり、5年間その適用を猶予されていた自動車運転業務・建設事業・医師についても今年4月から長時間労働の上限規制が導入されます。
もともとこれらの業界では過労死ラインを超えた長時間労働が常態化しており、法の施行は歓迎すべきですが、そのことによって起きる大きな社会経済的影響は2024年問題と称され、報道などでもたびたび取り上げられています。
自動車運転については、ただでさえ運転手不足に悩まされていたタクシー・トラック・バスなどの交通・物流・輸送への影響が大きく、タクシー不足、バス路線の廃止、物資配送の遅延や減少など社会生活への深刻な影響が懸念されます。ネット通販の注文品配達遅延にとどまらず、さまざまな企業活動や商業活動が滞り、市民の足としての公共交通の縮小などが予想されます。建設事業では、住宅や公共施設の建設工事の費用高騰と工期延長や契約不調の多発など、まちのインフラ建設や維持補修などにも深刻な影響が予想されます。医師については医師不足に拍車がかかり、必要な医療サービス提供に支障が出る可能性があります。
日野市においても、正規バス路線やミニバス路線の現状維持がどこまで可能か、公共施設工事の費用高騰や遅延、市立病院の診療への影響などが懸念されます。
市としては、関係者・関係機関から意見を伺いながら、必要な支援を実施することで、市民生活への影響をできる限り軽減する努力をしてまいります。
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