日野市におけるワーク・ライフ・バランスの取り組み事例をご紹介します(5)

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ページID1030400  更新日 令和8年3月26日

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日野市のワーク・ライフ・バランスに積極的に取り組む企業を今年もご紹介します!

 私たち(日野市・明星大学鵜沢教員とゼミ生・実践女子大学須賀教員とゼミ生)は2021年度より協働し、日野市内の企業、団体などを訪問して、ワーク・ライフ・バランスを中心としたインタビュー調査をする企画を実施してきました。
 今年度鵜沢ゼミでは、2025年3月1日に日野市SDGs推進事業者登録制度の登録事業者として認められた、JCOM株式会社 技術サポート本部 東京西技術センターと株式会社FC&S 東京コヤノ堂の2社を対象といたしました。 実践女子大学須賀ゼミでは、株式会社ジェイコム東京 八王子・日野局、株式会社山梨中央銀行 日野支店を対象といたしました。同じ地域のJ:COMを双方の大学が選んで対象としたことは「気の合う偶然」といったところです。職場のワーク・ライフ・バランスに積極的に取り組む企業の様々な取組や工夫を、市内の大学生がご紹介いたします。日野市の企業や市民の皆様に広く知っていただきたいと思っております。ご参考になれば幸いです。
(明星大学 鵜沢由美子、実践女子大学 須賀由紀子)

事例1 多様な制度で社員が働きやすい環境を ― JCOM株式会社 技術サポート本部 東京西技術センター ―

明星大学3年 秩父艦大

インタビュー風景(JCOM株式会社 技術サポート本部 東京西技術センター)の写真
JCOM株式会社 技術サポート本部 東京西技術センターにて

 私たちは、2025年12月1日に八王子市にあるJCOM株式会社技術サポート本部東京西技術センターに伺い、眞田センター長、中村副センター長をはじめとする皆様にインタビューをさせていただきました。J:COM東京西技術センターでは、118名の社員の方々が活躍されており、当日は社員の方々に、温かい拍手で迎えていただきました。
 J:COM東京西技術センターは「もっと、想像以上だ」というスローガンのもと、多摩地区を中心とする25行政のケーブルテレビ局の統括運営を通じた有線テレビジョン放送事業及び電気通信事業を行っています。OPENSIGNAL社という通信品質を評価する会社が出した結果では、数ある通信事業会社を抑えて「一貫した品質」という項目で1位を獲得しました。また、テレビ、ネット、スマホの他にも、防犯カメラやオンライン診療なども取り扱っています。オンライン診療は、通院時間がかからずに受診、薬を受け取れるサービスであり、高齢者の方や医療機関が遠い方にとって大きな助けになります。現在は、医療機関などと協力して、オンライン診療の更なる拡大を図っているそうです。


 J:COMでは社員が働きやすい環境を作るために、在宅テレワーク勤務の導入、介護休業の分割取得、育児短時間勤務、ウェルカムバック制度の導入など、多様な制度が施されています。ウェルカムバック制度とは、社員が家族の転勤、育児や介護、その他やむを得ない都合で退職した場合、J:COMで培った知識や経験を即戦力として再度J:COMで活かすことができる制度です。
 これらの制度の中でも特に、育休・産休は制度が充実しており、J:COM東京西技術センターでも取得しやすいような雰囲気が作られていました。また、仕事のパソコンを自宅に持ち出せないため、仕事と育児を切り離して生活することができ、出産祝い金を受け取ることもできます。さらに、拠点のセンター長や人事管理責任者と取得者がメールで繋がり、育児休業に関係する事務処理の不手際や、復職後の不安が無いようにサポート体制も充実しています。
 今回のインタビュー調査では、男性育休を取得された2名の社員の方にもインタビューさせていただきました。1人目の方は第2子が生まれた時に「産後パパ育休」を4週間取得した後、3カ月間職場復帰しましたが、「4週間じゃ足りないからもっと取りなよ」という職場の皆さんの後押しもあり、育児休業を3カ月取得されました。育休中は、第2子の面倒はもちろん、家族と共に時間を過ごすことができた点もよかったと話されていました。2人目の方も、第2子が生まれた時に育児休業を2カ月取得されました。家族と相談し2カ月の間、料理や第1子の保育園の送り迎えを積極的に行われていたそうです。お話を伺っている中で、育児休業中の会社のサポートが手厚いと、お2人ともが話されていたことが印象的でした。厚生労働省が調査した、令和6年度の男性有期契約労働者の育児休業取得率は前年度を6.3%上回る33.2%と男性育休が浸透し始めている現代社会において、取得しやすい雰囲気づくりや復職に向けたサポート体制が機能しているJ:COM東京西技術センターは時代の最先端にいると言えます。


 さらに、東京西技術センターを含む技術サポート本部でサステナビリティ活動(独自のWAY活動)を実施しており東京西技術センターでは「サス技ナ団」という名目で活動を行っています。この「サス技ナ団」の活動は、J:COM全体で掲げている「サステナビリティ経営方針」に基づく取り組みです。この経営方針は、環境・社会の持続可能性と事業の持続的成長の両立を目指し、「企業としての責任」「お客さまと地域・社会」「従業員と家族の幸福」「企業倫理と持続的成長」という4つの柱で形成されています。サス技ナ団は、東京西技術センターのサステナビリティ活動を11団に分けて活動しています。サービス品質改善・向上に取り組む「QCD団」、エコロジーの取り組みを推進する「JECOMS」、センター内のレクリエーション企画・実行を行う「レクサス団」、社員の健康促進の取り組む「健康促進安心団」、他事業者と交流する「コミュニティ交流団」、日野市のSDGsを推進する「日野サステナ未来団」、安心安全な街作りを行う「街の安全パトロール団」、DE&Iを考える「DE&I推進団」、地域ボランティアを推進する「地域スマイル団」、コンプライアンス意識向上に取り組む「コンプラ団」、各団の取り組みの広報活動を行う「おうえん団」、以上の11団に分かれて活動しています。各団は7~8名で構成されており、通常の業務や担当が異なる従業員同士が集まって結成されます。通常の仕事とは異なるコミュニティが形成されることで、担当を超えた仕事での助け合いが行われる利点があるそうです。また、一年間の活動が終了したからといってすぐに解散するのではなく、継続したい活動は翌年も続けることができます。活動を継続することで連続性が生まれ、職場内の交流が広がり、新たな視点を得ることにもつながります。


 今後の課題として、女性管理職の比率を高めていきたいと話されていました。
 また、J:COM全社としては女性管理職比率を2027年までに22%へ引き上げる展望がある中、センターとしても、将来を見据えて、女性社員が段階的にキャリアを積めるよう、職務等級の計画的な昇格を意識した人材育成に取り組んでいること、さらに、管理職一歩手前のメンバーにリーダーポジションを任せるなど、実務経験を重ねる機会を設けていることを教えていただきました。
 さらに、J:COMが行っている施策のひとつである、「ウェルビーイング推進プロジェクト」は、発足してから日が浅いことや長期的な取り組みであることから、社員がやりがいを見つけ出せていないことが課題として挙げられていました。育児休業取得にあたってのサポートが手厚く、積極的に取得できる環境が整っていますが、育休中の給与は通常の2/3であり、満額もらえないことから、長期的な育休は経済的な面で不安が生じることもあるそうです。現在は、高校生のインターンシップ受け入れや大学で開催される会社説明会などを積極的に行い、若い世代ともに、さらに地域に愛される企業を目指しています。

JCOM株式会社 技術サポート本部 東京西技術センターでのインタビューの様子の写真
JCOM株式会社 技術サポート本部 東京西技術センターでの様子

事例2 人との縁を大切に ― 株式会社FC&S 東京コヤノ堂 ―

明星大学3年 宮沢愛依

インタビュー風景(東京コヤノ堂)の写真
東京コヤノ堂にて

 私たちは、2025年12月8日に株式会社FC&S 東京コヤノ堂(以下東京コヤノ堂)にてインタビューを行い、代表取締役の小谷野大樹さんにお話を伺いました。東京コヤノ堂は豚皮を揚げた沖縄伝統菓子アンダカシ―を独自に改良した“高タンパク・高コラーゲン・低糖質”のダイエットスナック、「東京風アンダカシ―」を製造、販売しています。「アンダカシ―」の「アンダ」は油、「カシー」は揚げかす、という意味だそうです。また、日野市百草団地の一角にアンテナショップfutollante‐フトランテ‐を構え、東京風アンダカシ―だけでなく、本格ピザ窯でその場で焼き上げる自家製のピザや、クラフトビールをはじめとしたドリンクを提供し、“ビールとダイエット”をテーマに百草団地商店街の活性化に貢献されています。今回はアンテナショップでインタビューを行ったため、実際に東京風アンダカシ―を製造する際のキッチンやアットホームな雰囲気で温もりを感じられる店頭の様子なども見学させて頂き、実際に東京風アンダカシ―も試食させて頂きました。

ショップの看板の写真
アンテナショップの看板
東京風アンダカシ―の写真
東京風アンダカシ―

 東京コヤノ堂は2023年11月に設立されました。以前、郵便局で勤めていた小谷野さんが部下のマネジメントから、自分自身のマネジメントに舵を切り、糖質制限ダイエットをされた経験を生かし、誰かの自分自身と向き合うことができるきっかけになるようにと企図され商品づくりをされています。そんな東京コヤノ堂は、現在代表取締役の小谷野さん、小谷野さんの奥様、アルバイトの方の3名が勤務されています。お話を伺ったところ、奥様はパートで働きながら、お店を手伝っています。またアルバイトの方はシングルマザーでもともとお客さまだったそうです。現在はシングルマザーで育休をとられているとのことでした。小谷野さんはアルバイトの方に仕事を依頼するにあたって以前郵便局で業務についてのマネジメントを担当していた経験を活かし、ライフスタイルの多様化に合わせた働き方を提案されています。また、業務内容を“作業”と“仕事”に分けて捉え、アルバイトの方にはまずは“作業”の部分を担当してもらい、勤務を続けて量をこなしてもらうことで作業の質を高めてもらう。そしてやっているうちに提案などを踏まえた“仕事”を担ってもらう、というような業務スキルの習得の過程を経てスキルアップを目指してもらう仕組みを採用されています。さらにアルバイトの方の家庭の状況を考慮し、アルバイトの方には好きな時間に来て業務をこなしてもらう、といったフレックスタイム制のような形で勤務してもらっているとのことでした。また、勤務時間についてはお店自体の営業時間は午前8時00分~午後8時00分であり、定休日は水曜日であるものの、お客さんがいらっしゃれば、営業時間も柔軟に変更しお店を開けているとのことでした。
 さらに、お店だけでなく、商品の販売も展開していることもあり、お店の営業と同時並行で商品の製造をしています。製造する中でも東京風アンダカシ―を揚げる工程においては一度に揚げる為、時間が確保できる水曜日に一日中揚げる作業に取り組んでいるとおっしゃっていました。また、定休日に商談や商品を納品するのも、小谷野さん自身が担当していることもあり、小谷野さんは休まずに働いている、という実態があります。「休みの日はぶっちゃけない。」とおっしゃっていたものの、仕事の楽しさや今頑張らなければ、という思いから業務にあたられているそうです。


 東京コヤノ堂の今後の展望として小谷野さんは、(1)販路の拡大、(2)地域貢献 を掲げています、販路の拡大については“東京みやげ”としてより多くの人に商品を知ってもらい、届けていくほか東京風アンダカシ―だけでなく、新たな商品の展開をすべく開発を進めているとのことでした。また地域貢献の面では商店街の活性化や地域人材の活用を目標に、みんなが集まる場としてのお店にしていきたいと話してくださいました。現在も地域のお年寄りがコーヒーを飲みにきたり、気軽にお酒を楽しむことができる場として地域の方に親しまれていることや、月2回開催している子ども食堂の取り組みなどについてのお話を伺いました。商品の良さだけで訴求するのではなく、百草団地の憩いの場として人との繋がりを大切にした運営がされていることも東京コヤノ堂の印象的な特徴の1つです。小谷野さんが語ってくださった「店頭で一日中コーヒーを飲んでいて、いつでも帰ってこられるような場所」という店舗の理想像は、着実に実現に向かっています。

キッチン見学の様子の写真
キッチンを見学

事例3 すべての人を大切にする価値観と職場環境の形成 ー 株式会社ジェイコム東京 八王子・日野局 ー

実践女子大学3年 大塚萌由、瀧口真緒、武内優佳、戸張紗采、峯岸舞

インタビュー風景(ジェイコム東京 八王子・日野局)の写真
株式会社ジェイコム東京 八王子・日野局にて

 私たちは、株式会社ジェイコム東京 八王子・日野局(以下、J:COM 八王子・日野)にお話を伺いました。
 株式会社ジェイコム東京の親会社であるJCOM株式会社(以下、J:COM)はケーブルテレビ局の統括運営会社であり、J:COM 八王子・日野はテレビやネット、電話・モバイル、電気・ガスなど多彩なサービスを通じて、地域社会と暮らしに快適と安心を提供しているケーブルテレビ局です。
 J:COMは、「すべての人を大切にする」を掲げ、プラチナくるみん認定をはじめとする各種認定の取得や、充実した研修制度の整備など、働きやすい環境づくりに積極的に取り組んでいることが企業HPに紹介されています。


 J:COM 八王子・日野ではワークライフバランスの推進に力を入れており、その考え方は制度にとどまらず、現場の働きやすさとして定着しています。お話を伺う中で、こうした取り組みが事業所全体に浸透している様子を、皆様の雰囲気から実感しました。実際に制度を社員の働き方に結びつけるため、制度を利用した本人の体験談に加え、周囲の社員の声も共有されており、最近では「パパ育休」に関する情報も社内で発信されているとお聞きしました。また、企業内大学「J:COM ユニバーシティ」を通じて、誰もが関心のあるテーマをいつでもどこでも学べるオンライン学習環境が整えられており、学びを通して働き方や暮らしの選択肢を広げられる点も印象的でした。さらに、ツールの活用により、誰かが休んでも業務が滞らない体制が築かれており、日常的にお互いを助け合う職場の文化が定着している様子がうかがえました。時間外勤務においても時間管理を重視し、効率化を進めることで、仕事の進め方を見直し、結果として質の向上にもつながっているそうです。
 J:COM 八王子・日野におけるワークライフバランスは、制度が形骸化することなく、互いに助け合う文化として社内に根付き、プライベートを尊重しながら働ける環境を可能にしています。結果的に育児休業からの復職支援やサポート体制の構築を非常に大切にしていることが挙げられます。その根底として、単に制度の整備にとどまらず、育児休業前後でのセミナーや、定期的な相談会を通じて、「本人の両立への不安を解消し、周囲の意識を調整する」という丁寧な配慮があります。現場では「戻ってこられる場所がある」という安心感が浸透しており、先輩社員の姿が心強いモデルケースとなっているようです。現在でも多くの社員が子育てをしながら活躍しており、互いにフォローし支えあう環境が作られていることがわかりました。お話を伺う中で、「育休から復帰後の自分がどのようなことで役に立てるかを考え、切り開いていくことが重要である」と語ってくださいました。生活に密着したサービスを提供する J:COM にとって、社員の人生経験は仕事の付加価値そのものです。J:COM 八王子・日野には、充実した制度を基盤として、個人の主体性が輝く環境がありました。


 自主制作放送を担うメディアの仕事は単に番組や情報を発信するだけでなく、地域や人と深く関わる役割を果たしています。J:COM では多様な職種が連携し、地域住民の声や困りごとに迅速に対応することで信頼関係を築いているのです。また、地域密着型メディアとして、防災・防犯など生活に直結する情報を伝えるだけでなく、「お庭の花が咲いた」など小さな喜びまで多様な話題を拾い上げています。加えて、前述の通りワークライフバランスを整える観点からも制作現場では時間管理を意識し、限られた時間で質の高い成果を出す働き方へと変化しています。
 働く人の生活経験や人と人とのつながりそのものが、より共感性の高いメディアづくりへつながっています。
お話を伺う中で、J:COM 八王子・日野のワークライフバランスを支えているのは、セミナーやツール活用といった制度の充実だけではなく、人と人の繋がりを大切にする姿勢が根底にあると感じました。J:COM は人々の生活と密接なメディアということもあり、地域の方との信頼関係をとても大切にされていると伺いました。そのような人を大切にする姿勢が、社内の雰囲気にも繋がり、働きやすい環境が作られているのではないかと考えました。
 ワークライフバランスが多くの企業で課題となっている今、制度化だけで終わらせずに職場の環境づくりを大切にしている姿勢が、とても素敵だと感じました。

インタビューの様子の写真
株式会社ジェイコム東京 八王子・日野局でのインタビューの様子

事例4 ライフステージに寄り添う働き方 ー 株式会社山梨中央銀行 日野支店 ー

実践女子大学3年 今井希美、江尻結花、小林茉愛、林亜子、薬袋美優

インタビュー風景(山梨中央銀行日野支店)の写真
株式会社山梨中央銀行 日野支店にて

 私たちは、山梨中央銀行日野支店にインタビューを行い、ワーク・ライフ・バランスや職場環境づくりについてお話を伺いました。金融機関というと「忙しい」「堅い」というイメージを持っていた私たちにとって、今回のインタビューはその印象を大きく覆すものとなりました。特に印象に残ったのは、ワーク・ライフ・バランスを「仕事と私生活を単に両立させること」ではなく、「一人ひとりが安心して力を発揮し、持続的に成長するための基盤」と捉えている点です。すべての行員が同じ働き方をする「平等」ではなく、ライフステージや個々の状況に応じて柔軟に働ける「公平性」を重視しているという考え方は、これから社会に出る私たちにとって非常に新鮮でした。
 また、制度を整えること自体をゴールとするのではなく、「実際に使われているか」「使いやすい雰囲気があるか」を重視している点も強く印象に残りました。ワーク・ライフ・バランスとは、単に休暇を取得するための仕組みではなく、誰もが安心して働き続けられる職場環境をつくるための取り組みであるという説明からは、制度と職場文化の両方を大切にしている姿勢が伝わってきました。働き方を理由に評価で不利にならない制度設計や、心理的安全性の確保に力を入れている点も特徴的でした。
 具体的な取り組みとしては、有給休暇の計画的取得、看護休暇や介護休暇、短時間勤務制度、フレックスタイム制度などが挙げられました。特に、有給休暇については、取得計画を立てた上で管理職が声かけを行い、特定の行員に業務負担が集中しないようチームで調整しているとのことです。制度だけでなく、現場レベルでの工夫がなされている点に、ワーク・ライフ・バランスを本気で実現しようとする姿勢を感じました。さらに、ジョブローテーションを実施していることから、予期せぬ欠員が生じた場合でも柔軟に対応できる体制が整っており、行員同士が「お互い様」という意識で支え合いながら勤務しているそうです。


 育児支援制度も非常に充実しており、2025年3月末現在で男性の育児休業取得率は103.1%、女性は112.8%と、実質的に男女ともほぼ100%の取得率を達成しているそうです。これは、「ケアを担うこと」が性別に関係なく自然に受け入れられる企業文化が定着してきた結果だと感じました。育児休業を1カ月以上取得し復職した行員には、独自の子育て支援手当が支給される点も特徴です。短時間勤務は、これまで小学校入学まで利用可能でしたが、2026年4月からは対象が拡大され、小学校3年生修了まで利用できるようになります。安心して子育てができるだけでなく、産休・育休後も無理なく職場復帰できる環境が用意されている点に大きな魅力を感じました。ライフステージが変化しても長く働き続けられるということは、働く上での安心感や将来への前向きな気持ちにつながると思いました。
 さらに、女性のキャリア形成についても課題意識を持って取り組んでいる印象を受けました。女性管理職比率は2025年9月末現在で8.0%と一定の進展は見られるものの、十分な水準ではないと捉えており、中期経営計画のKPIとして女性管理・監督職比率30%以上を目標に掲げているそうです。その一環として、「マイキャリア・コーディネート制度」を導入し、社内兼業(ジョブトライアル・サイドジョブ)やポストチャレンジ制度、Self-Study制度など、職員の主体的なキャリア形成と自己実現を支援しています。女性のキャリア形成に関して、数値目標を掲げ、改善に取り組んでいることも印象に残りました。マイキャリア・コーディネート制度を通して行員自身が主体的にキャリアを考え、挑戦できる機会を作っているという点は、自分らしいキャリアを選択する上で重要だと感じました。


 社内の雰囲気づくりにも力を入れており、歓迎会・送別会、研修後の懇親会などの交流の場が設けられているほか、所属単位での旅行や親睦会への補助制度も整っています。また、新しく始めた「山梨中銀 Excellent Action Award」では、新たな発想や工夫、パーパスやバリューに基づいた行動が評価対象となっており、「ほめる・たたえる」文化の醸成につながっていると感じました。こうした取り組みは、職員の挑戦意欲やモチベーションの向上を支え、組織全体の活性化にもつながると思います。
 一方で、ワーク・ライフ・バランスが重視される中で、管理職に負担が集中しやすくなっている点を課題とし、「支える側を支える仕組み」の必要性が挙げられました。今後は、エンゲージメント向上戦略のもと、働きがいと働きやすさの両立を目指し、有給休暇取得率の向上、時間外勤務削減、男性育休促進、健康とウェルビーイングの推進などに取り組んでいくそうです。
 今回のインタビューを通して、制度への取り組みだけでなく、それを支える文化や対話の積み重ねによる相互理解によってワーク・ライフ・バランスが実現されるものであると学ぶことができました。山梨中央銀行の取り組みは、これから社会に出る私たちにとって、「働くこと」を考える上で多くの示唆を与えてくれるものでした。

インタビューの様子の写真
株式会社山梨中央銀行 日野支店でのインタビューの様子

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