改善命令を行った特定教育・保育施設「吹上多摩平保育園」の改善状況について

　令和5年3月23日に子ども子育て支援法第39条第4項に基づき改善命令を行った市内認可保育施設は、改善命令後に、改善状況報告書が市に提出され、事実確認の調査や不適切保育等に関する園内研修、不適切保育防止マニュアルの作成及び職員周知、保護者への適切な報告等を行った事実等を確認したため、令和5年11月15日付けで改善命令に従っているものと判断いたしました。

改善命令の対象

（1）設置者

法人名　社会福祉法人吹上会

代表者　理事長　高木　順一

所在地　日野市東豊田3-12-7

（2）対象施設

施設名　吹上多摩平保育園

所在地　日野市多摩平6－1－2

定員等　定員120名、在席93名（令和5年3月1日時点）

改善命令に至るまでの経過

　社会福祉法人吹上会が運営する特定教育・保育施設「吹上多摩平保育園」に対し、令和4年3月に子ども・子育て支援法（以下「法」という。）第14条に基づく実地指導として職員ヒアリング等を実施した結果、当該施設の職員Aによる虐待行為その他児童の心身に有害な影響を与える行為があったことを確認しました。当該法人に改善状況報告を求めて参りましたが、改善状況が不十分であったため、令和4年7月に法第39条第1項に基づく改善勧告を行いました。改善勧告後、指定した期日までに改善勧告に従わなかった事実が確認されたため、令和4年12月に法第39条第3項に基づき、その旨を公表いたしました。

　公表後、令和5年1月6日受付「弁明書」、同年1月23日付け「質問書」に対する同年2月10日受付「回答書」、その他当該施設の複数の関係者へのヒアリング調査等の結果、正当な理由なく改善勧告に係る措置がとられていない事実が認められたことから、法第39条第4項に基づき、令和5年3月23日付けで市は当該法人に改善命令を行い、その旨を公示いたしました。

令和4年2月1日～　（市）実地指導（書類検査）
令和4年3年8日～11日　（市）実地指導（職員ヒアリング）
令和4年5月9日　（市）実地指導結果通知
令和4年7月22日　（市）改善勧告
令和4年10月5日～6日、11月10日、24日　（市）監査
令和4年12月16日　（市）改善勧告に従わない旨の公表、弁明の機会の付与通知
令和5年1月6日　（園）弁明書提出
令和5年1月23日　（市）質問書送付
令和5年2月10日　（園）回答書提出
令和5年3月23日　（市）改善命令

改善命令の内容

（1）児童に対する虐待の防止等のために、以下のとおり、直ちに必要かつ適切な措置を講ずること。

ア　虐待行為等が行われ、長期間にわたり何ら対策なく放置されていたことについて、事実関係と原因を調査・分析し、その責任を明らかにした上で、検証結果を市に報告すること。

イ　再発防止に向けた虐待防止マニュアルを職員に周知徹底し、また、施設内虐待等の不適切保育に関する職員研修の充実等の組織的な再発防止策を講ずること。

ウ　令和4年度在園児保護者及び令和3年度卒園児保護者に対して、説明会等の方法により上記アの検証結果及び上記イで講じた組織的再発防止策の内容について、速やかに誠実に報告すること。また、保護者の意見を真摯に受け止め、適切に対応すること。

（2）児童の人権に十分に配慮し人格を尊重した保育を行うため、以下のとおり、直ちに必要かつ適切な措置を講ずること。

ア　（1）ア～ウの措置を講じ、適切な保育を行う体制を構築すること。

イ　吹上会が行うとした新理事長等による内部の体制変更及び外部のアドバイザーによる改善措置等により、適切な保育を行う体制を構築すること。

• 改善命令書 （PDF 166.5KB）
• プレスリリース（リンク）

改善状況

（1）経過

　改善命令後、以下の通り改善状況報告書が市に提出され、事実確認の調査や不適切保育等に関する園内研修、不適切保育防止マニュアルの作成及び職員周知、保護者への適切な報告等を行った事実等が確認できました。

令和5年4月6日　（市）改善状況報告書受理
令和5年5月15日～19日　（市）監査
令和5年5月24日　（園）不適切保育等に関する園内研修
令和5年5月29日～6月6日　(園)事実確認調査（1回目）
令和5年6月23日　(園)不適切保育防止マニュアル作成
令和5年6月24日　(園)不適切保育等に関する園内研修
令和5年6月27日～29日　(園)事実確認調査（2回目）
令和5年6月28日、29日　(園)他の認可保育所視察
令和5年7月7日　(園)保護者説明会
令和5年7月13日　(園)不適切保育等に関する園内研修
令和5年9月2日　(園)不適切保育防止マニュアル職員周知
令和5年9月27日　(市)改善計画書受理
令和5年9月28日　(園)不適切保育等に関する園内研修
令和5年10月13日　(園)保護者に改善計画書を配布
令和5年10月19日　（園）不適切保育等に関する園内研修
※令和5年10月以降毎月　(園)不適切保育等に関する園内研修実施予定
※令和5年5月～11月　（市）巡回支援指導員による保育についての定期的な助言指導（計8回）

（2）改善状況

（1）当該施設は、調査の結果、虐待行為等が放置されていたこと、その責任は全ての保育士等にあることを認め、検証結果である改善計画書を市に提出した。
（2）再発防止に向けた虐待防止マニュアルを職員に周知徹底し、また、施設内虐待等の不適切保育に関する職員研修を複数回実施する等、組織的な再発防止策を講じている。
（3）令和3～4年度卒園児保護者及び令和5年度在園児保護者に対して、説明会及び通知文の方法により、改善計画書の内容等について報告を行った。
（4）令和5年4月以降、新理事長等により内部体制が刷新され、外部アドバイザーによる改善措置が講じられており、適切な保育を行う体制が構築できていることが確認できた。

　したがって、当該施設は「児童に対する虐待の防止等のため」及び「児童の人権に十分に配慮し人格を尊重した保育を行うため」に必要かつ適切な措置を講じていると認められ、令和5年11月15日付けで改善命令に従っているものと判断いたしました。

　なお、今後も定期的に改善状況の確認及び指導を行ってまいります。