新春対談 世界への挑戦。 夢を実現する「憧れ」と「努力」(令和8年1月号広報)

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ページID1030225  更新日 令和7年12月25日

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世界への挑戦。夢を実現する「憧れ」と「努力」

日野市出身プロゴルフ選手 馬場咲希さん

 市は、市民一人ひとりの努力が報われ、希望を持って暮らせるまちを目指しています。今回の新春対談は、2022年に弱冠17歳で全米女子アマチュアゴルフ選手権を制覇し、2025年は世界最高峰の選手たちが出場する米国女子ツアーを戦い抜き、来季シード権を獲得された日野市出身のプロゴルフ選手、馬場咲希さんをお迎えし、幼少期の思い出や来季への意欲などを伺いました。

(令和8年1月号広報ひの 掲載)

タイトル画像

対談者紹介

馬場選手の写真

プロゴルフ選手/日野市出身
令和4(2022)年に全米女子アマチュア選手権に出場し優勝。日本人としては昭和60(1985)年の服部道子氏以来2人目となる快挙。
その後、令和5(2023)年11月に、JLPGA(日本女子プロゴルフ協会)プロテストに合格しプロへ転向。
令和6(2024)年はLPGA(全米女子プロゴルフ協会)Qシリーズ・ファイナルで24位タイとなり、2025年LPGAツアーカード(フルメンバー)を獲得。
LPGAルーキーイヤーの令和7(2025)年は、フォード選手権6位、マイヤーLPGAクラシック10位などの成績を収め、年間ポイントランキングによる2026年ツアーシードを獲得。

対談

はじめに~今季を振り返って

古賀市長(以下、古賀):本日はありがとうございます。まずは今シーズンお疲れさまでした。成績的には来季のシード権を獲得して、いいシーズンだったと思いますが、今シーズンを振り返ってどうでしたか。

馬場咲希さん(以下、馬場):今年は始めの方の試合は出られる試合があまり決まっていない状態でした。そこからリランキング(成績上位順への並べ替え)を突破し、最後のアジアシリーズも、出られる人数が限られる試合だったんですけど出場することができました。最終的には来季のシード権も取れたので、最初の厳しい状態を考えると、すごくいい終わり方ができたのかなと思います。

古賀:いい終わり方ができてよかったです。来季も楽しみです。

父に連れられてゴルフに出会う 「練習しているだけで楽しい!」

古賀:馬場選手は仲田小学校、日野第一中学校のご出身ですよね。日野市で生まれ育ったということで、子どものころの思い出についてお聞かせいただけますか。

馬場:小さいころは公園で遊んだり、多摩川の土手を走って遊んだりとかよくしてました。日野市は自然が多い街だなと思っています。

古賀:多摩川では釣りをやったりね。用水路にはザリガニとかもいましたよね。

馬場:私はタニシを取ってました。

古賀:タニシもたくさんいますよね。あと、あの辺りには、市民の森ふれあいホールがありますね。近くには市民の森スポーツ公園もありますが、何か思い出はありますか。

馬場:スポーツ公園は今でも犬の散歩とかで行きます。昔はランニングをしたり、中学の時は陸上部だったので、陸上競技場でトレーニングをしたりしてました。

古賀:陸上の経験はゴルフには生かされていますか。

馬場:そうですね。その時も体力をつけたいという理由で陸上部に入ったので、今も生きているかなと思います。

古賀:私は日野第三小学校、大坂上中学校出身で、年齢は48歳になりますが、同じ地元で育った身として、地元で育った子が世界で活躍すると、本当にうれしく思います。ゴルフを始められたきっかけやどうしてここまで続けてこられたのか伺えますか。

馬場:父がゴルフが好きだったので練習場に連れて行ってもらい打ったというのがきっかけです。その当時は姉と一緒にゴルフをしてて、最初はおもちゃのクラブとか、家の中でおもちゃの棒で打ったりしてました。それがどんどん楽しくなって、本物のクラブを買ってもらって、練習場で打ってというのを繰り返してたら、もっとうまくなりたいなっていう気持ちが芽生えてきました。練習をしているだけで楽しかったです。

古賀:楽しいという気持ちが大事ですよね。さらに幼少期のお話を伺えればと思うのですが、今の自分を作っていくに当たって、自分に影響を与えている出来事やエピソードはありますか。

馬場:小さいころは外でいっぱい遊んだり、体を動かしたりするなど、運動がすごく好きでした。あとは、日野市はすごい温かい土地だと思っていて、そういうところで育ったことで、人の温かさを感じながら、感謝を大切にするという思いが、日野市で生まれ育ったことによって、精神的にも成長できたのかなと思います。

古賀:受け答えがもう素晴らしいですね。私がたじたじになっちゃいます。やっぱり人の温かさってありますよね。私も日野市をこよなく愛する一人として、やっぱり人の温かさを感じています。ぜひ海外に行ったら日野市のことを思い出し、日野市で過ごした日々に勇気をもらいながら頑張ってほしいなと思います。海外にはご家族の方は一緒に行かれているんですか。

馬場:すべての試合ではないんですけど、父には半分ちょっとくらいは来てもらっています。

古賀:向こうだと、時差や長距離移動もあって、コンディションを整えるのは大変だと思いますが、こつとか心掛けていることはありますか。

馬場:日本からアメリカに着いた日は時差ぼけがあるので、うまく寝れないことが多いです。ただ、何日かしたら整ってくるので、そこはしょうがないかなと思っています。あと、食事も日本とは結構違うので、栄養のバランスができるだけ乱れないようにというのは意識しています。

「給食はおかわりしてました!」 好きなメニューは〇〇〇スープ

古賀:やっぱりアスリートにとって食べるものは大事ですよね。食事の管理で思い出しましたけど、私も日野市で生まれ育ち、思い出深いものの一つに学校給食があります。日野市の給食は本当に自慢の給食で、自校調理方式といって、各小・中学校に調理室がついていて、そこで料理した温かい給食が出てきます。また、地元の野菜もふんだんに使っていて、給食が自慢なんですけど、給食の思い出はありますか。

馬場:給食は結構おかわりしてました。「ここの農家で作られたものです」と紹介されて出された給食とかもあったので、そういうときは毎回おかわりしてました。

古賀:うれしいですね。好きなメニューとかはありましたか。

馬場:いつもおかわりしてたのは、「ABCスープ」です。ABCのアルファベットのマカロニが入ったスープで、めっちゃおかわりしてました。あと、カレーもおかわりしてました。

古賀:そうですか。カレーも調理員さんたちがルーから手作りしてくれているんですよ。日野市の自慢の給食を食べて、立派な選手になられたということで、これからも日野市の給食をアピールしてくれたらありがたいです。

帰国して最初にしたのは「食べたいものを食べる」こと

古賀:シーズンが終わって日本に帰って来て、やりたいことや食べたいもの、気分転換にはこれやってますとか、そういうことは何かありますか。

馬場:食事は特に日本とアメリカとは全然違うので、日本に帰ってきたら、食べたいものを食べるっていうのを最初にしました。

古賀:ちなみに、何を食べられたんですか?

馬場:ラーメンを食べました。

古賀:ラーメンですか。お好みの味は?

馬場:八王子ラーメンが好きです。あの刻んだ玉ねぎが乗っているのが好きで。あと、ハンバーグを食べました。アメリカにはハンバーグという食べ物自体がなく、ステーキしかないので。

このオフの楽しみ(1)犬と触れ合ってリラックス

古賀:気分転換は何かされましたか。

馬場:犬を飼っているんで、お散歩に行ったり、家の中で遊んだりしているだけでも気分転換になります。犬と遊ぶのが一番リラックスできます。

古賀:いいですね。わんちゃんは海外に連れて行っているんですか。

馬場:1回も行ったことないんです。こんな長い期間、家にいるってことはあまりないので、このオフの期間にいっぱい触れ合っておこうと思ってます。

古賀:馬場選手は、シーズン中はずっと海外に行きっぱなしなんですか。

馬場:シーズン中はたまに帰ってくるんですけど、それも1週間から1週間半ぐらいです。何カ月もというのはなかったので、今回はすごいうれしいです。

古賀:珍しく長いお休みということで、わんちゃんとたくさん触れ合えるのは本当にいいですね。うちにも猫がいますけど、本当にかわいいです。

このオフの楽しみ(2)「二十歳のつどい」で旧友と再会

古賀:今年は二十歳のつどいということで、小・中学校時代のお友達に会うのは楽しみですか。

馬場:すごい楽しみです。全然会っていない子たちもいるので、久しぶりに会えるのが楽しみです。中学の時は友達と結構遊びに行ったりしてました。外で動くのが本当に好きだったので、休み時間は校庭で友達と走り回ったりしてました。

古賀:再会できるのが楽しみですね。陸上部の仲間とは、連絡を取り合ったりしていますか。

馬場:みんな違うところに行ったりするので、高校に入ってからはあまり会う機会はありませんでした。でもこうやって式が近くなって連絡を取り始めた友達もいるので、そういう子たちに会えるのは楽しみです。

古賀:二十歳のつどい、楽しみですね。また市長、登場しますのでよろしくお願いします。

対談の様子の写真

アメリカでプレーするということ 同じ舞台で戦い、見えた夢

古賀:3年前ですよね。全米アマで勝たれたということで、当時、ごあいさつにお越しいただきました。本当に立派な選手が日野市から旅立ってうれしいななんて思いが当時もしました。ゴルフに限らずですが、今は最初から海外に出ていくという、若い子たちがグローバルな視点を持って活躍してくれている様子が本当に頼もしく、うれしく思っています。世界に出て活躍したいと思ったきっかけはありますか。

馬場:2022年に全米女子アマチュアで優勝したんですけど、その少し前に全米女子オープンに出場しました。その時に、実際にLPGAで戦っているプロたちを目の前で見て、同じ舞台で戦うことを経験しました。小さいころから憧れてはいたんですけど、それが現実になって、ぼやっとしてた夢がはっきりとして、ここでやりたいって強く思ったことが、アメリカでプレーしたいと思ったきっかけです。

古賀:素晴らしい経験ですね。その時の決意が伝わってきます。海外で試合をする中で印象に残ってることや感慨深かったことはありますか。

馬場:アメリカでプレーするというのはすごいお金もかかることなので、「たくさんの方にサポートをしてもらいながらプレーしているな」と、いつも感じています。いろいろな方々との出会いもあります。どれも、ゴルフをしていなければできない経験だと感じています。特に今は、よりたくさんの人にサポートしてもらわないとプレーすることができないので、その過程で、さまざまな人と関わることができていることにも、改めて感謝しています。

古賀:ゴルフは個人競技ですけど、周りの方の支えというものはやはり意識しますよね。

馬場:個人競技なんですけど、アメリカに行ってるときもチームで動いています。マネージャーさん、コーチ、トレーナー、父もですけど、チームで動いているのですごい心強いです。

古賀:プロフィールを拝見したら、どんな状況でも緊張せず、たくさんギャラリーがいた方が平常心になれるということが書いてありましたけど、こつとかありますか。私、今も緊張してますけど、平常心になるこつとかいただければ。

馬場:試合の時は緊張すると心臓が早くなるので、深呼吸して落ち着いたりとかしてます。あとは、行動も早くならないように、いつものテンポで歩いたりというのも意識したりしています。テンポはスイングではすごい大事なので。緊張すると早くなっちゃったりするので、そうならないように意識しています。試合中は他にも、水を飲んだり、食べ物を食べたりして緊張をほぐしてます。緊張してる時って、緊張してることを考えれば考えるほど、どんどんドキドキしてしまうので、空を見たりとか、鼻歌を歌ったりとかもして、緊張をほぐしています。

古賀:鼻歌ですか、いいですね。何を歌ってるか聞いてもいいですか。

馬場:好きなバンドの歌をよく歌ってます。あんまり暗い歌とかは歌いたくないので、できるだけ気分が上がるようなのを歌っています。ラウンド前に聞くのもいいですし。

古賀:空を見るっていうのも印象的です。私もコースに出る時にやってみます。みんなに「じー」っと見られると緊張しますよね。深呼吸をして、空を見て、緊張をほぐすことを試みてみます。馬場選手は人が見てるほうが燃えてくるんですよね。

馬場:ギャラリーの人が多いほど楽しいと思います。去年はアメリカの下部ツアーでプレーしていたんですけど、その時は本当にギャラリーの人がいなくて、0人の時もありました。そういう環境でプレーした経験があるから、ギャラリーの人が多ければ多いほどうれしいし楽しいというのがあります。緊張はしますけど、やっぱり「楽しい」という気持ちが勝ちますね。

古賀:日本とアメリカでギャラリーの方との距離感はどうなんですか。

馬場:アメリカの人たちは普通に声をかけてきて、フレンドリーな人が多いかもしれないです。爽やかな人が多いなと思います。

古賀:アメリカの人たちは確かにそのような印象がありますよね。ちなみに私は爽やかな市長を目指してます。

壁はある。けれども意識の仕方を変えることで乗り越えられる

古賀:今もよく、お父さんからアドバイスをもらったりしているんですか。

馬場:はい。昔からレッスンも一緒に来ていたので、コーチがいない時とか父にアドバイスをもらったりしてます。

古賀:やっぱり馬場選手を一番見てるから、変化に気付きやすいっていうのはあるでしょうね。ゴルフを続けていくということは継続力が大事だと思いますが、物事を継続していく上で「今日はちょっと疲れたから練習したくないな」とか、試合で大変な思いをして「もうゴルフしたくないな」とかそういったことはありますか。壁を感じたりとか。

馬場:しょっちゅうあります。試合で結果が出ない時期が続いたりするとすごいショックを受けます。次の試合に出る時も、その結果ばかり気にしてしまって、続けてうまくいかないと、負の連鎖が起こっちゃうっていうのが今年もありました。そういう時に、「目の前の結果だけじゃなくて、自分が何を目指しているか」、「なんでゴルフをしてるんだろう」っていうのを考え直しています。すると、「目の前のこの試合で」とかじゃなくて、「何年後に向けて今これをしなきゃいけない」っていうのがすごいはっきり見えるようになります。そういった意識の仕方を変えると、難しいなと思ったことも、乗り越えられたりできるのかなと思います。

古賀:そうなんですね。大人も子どもも同じでしょうけれど、困難とか壁に当たったときに、それをどのように乗り越えていくかという上では、大事なメンタルですよね。馬場選手がいろいろなところで活躍している姿に日野市民の皆さまも勇気をもらっていると思います。ぜひこれからもご活躍を期待しています。

憧れに向けて努力を そして何事もチャレンジを

古賀:LPGAのランキングを見ましたけど日本人の選手がたくさん入ってますよね。日本で活躍して、すぐ海外に行くっていう気持ちを、若い人たちは持っているんですよね。私は、日野市のこれからを背負っていく子どもたちに、いろんな困難を乗り越えながらグローバルな人材として育っていってほしいという思いがあります。これからそういう子たちが日野市からたくさん羽ばたいていくために、馬場選手から何かメッセージをいただけますか。

馬場:私はこうやって、自分が好きなことを仕事にすることができ、アメリカで活躍したいという夢も今は叶えられています。小さいころから憧れを持ったり、夢を持つのは難しいことかもしれないけど、憧れを抱いて生きていくっていうのは大切なことなのかなと思ってます。こうやって実際に自分の夢を実現できたという経験から、小さいころから憧れに向けて努力することがすごく大事なんだなと思います。また、何事もチャレンジすることが大事だなと感じています。小さなことからでもチャレンジしていくと大きな夢に繋がるかもしれません。チャンスを逃さずに何事もチャレンジしていってほしいなと思います。

古賀:いろんなことを経験する中で自分がこれだと思えるような夢を抱くような憧れをまず見つけることが大事ですよね。子どもたちにはぜひいろいろなことにチャレンジしてほしいです。日野市の子どもたちにも響くと思います。最後に、次のシーズンを迎えるに当たって、シーズンの目標、目指すところをお聞かせいただけますか。

馬場:今シーズンは来年のシード権を取ることができたので、今年よりたくさんの試合に出ることができると思います。その中でやっぱりツアーの優勝を目指していきたいなと思います。来年は優勝を狙いたいです。

古賀:来季もスポーツニュースに馬場選手が登場するのを、日々楽しみにしています。馬場選手は日野市の誇りです。市民の皆さまとともに、心から応援しています。

馬場:ありがとうございます。

対談の様子の写真

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