平成16年度行政評価システム・市民評価 市民評価委員会評価結果報告書
総論
「地方分権」から「市民分権」が進もうとしている今、国は2010年までに、プライマリーバランスを黒字化するとしています。我が日野市でも第3次行財政改革では、「身の丈に合った歳出構造への転換」として、基金、借金に依存しない財政構造の確立を打ち出しています。そのためには、行政評価により事務事業を見直し財源の再配分を行い、あわせてスリム化を推進し徹底した効率化への追求など、あらゆる手段を模索して行財政運営の確立に努めなければならないと考えます。
私たちは、「納税者市民が主権者である」という基本姿勢を再認識し、市民と行政との「参画・協働・連携」によって次世代、次々世代に“美しい故郷”を渡していくことが責務であると考えます。そのために、市民の目線を生かした行政評価は、市政に対する市民の理解と共感を喚起し、より一層の市民参加・参画を促すものと高く評価されます。
本報告書では、市から提示のあった48事業について市民の視点から評価しています。市においては、今年度の実施結果を踏まえ、更に一層の充実、結果の活用を図られたい。
なお、行政評価システムの市民評価の実施過程において、各委員より出された市政運営等に対する意見を付記いたします。
市政運営等に関する意見
運営全般に関する事項
- 今後の行政改革では、行政のスリム化を図るため積極的に外部資源を活用(アウトソーシング)すること、市役所内部の資源(人・物・金)を新たな行政課題に対し有効に活用していくために、民間委託あるいは民営化を積極的に図っていく必要があると考えます
- 市の事業には、同じような名称・内容の事業があり、非効率的で市民にとってわかりずらいものがあります。特に、子育てや講座などの事業については、今後は統合を図り、市民にわかりやすい事業に整理すべきと考えます
- 高齢者対策は、医療、介護等の自己負担増が予測されるなかで、既にその役割を果たした事業について統合、縮減、廃止の方向にあるものもあり、全体的にスクラップアンドビルド方式で再構築を進め、この中で得られた財源を重点的、効果的な対策に充当すべきであると考えます
- 児童・生徒対策は、「ひのっ子すくすくプラン」の各施策の早期整備充実に向けより一層の促進を期待します。中でも安全対策については、市民関係機関と市の緊密な連携のもと、即時の対応を望みます
- 事業へ参加する市民は女性が圧倒的に多く、男性の参加を促す事業の工夫が必要であると考えます
- 市単独で支出している各種補助金については、より一層の適正化を図る必要があると考えます
職員の意識改革に関する事項
職員の能力を開発するには、研修等の実施だけでなく、自己啓発に努めていくことが重要であり、公務能力に加え、政策立案能力や説明能力等を身につけようとする意識を持たせることが重要であると考えます。
「経営感覚を持った効率的な市政」とするためには、そういった職員の意識改革が必要と考えます
行政評価に関する事項
- 行政評価の実施方法について、市民にとって広範な行政の各分野について理解することは極めて困難であり、今後はヒアリングの充実、予習の機会、データの整備などについて改善が必要と感じます
- 評価対象事業の選定について、市道、区画整理、用水、緑地、施設建設などの基盤整備的項目、各種補助、助成、外郭団体事業等についても対象とするように検討してもらいたいと思います
市民評価結果のまとめ
市民評価対象48事業の評価結果
市民評価の結果、評価対象48事業の施策の方向性は、それぞれ下記のとおりとなりました
施策の方向性 | 市民評価 | 各課評価 | 本部評価 |
---|---|---|---|
「拡大・充実」 | 17事業 | 21事業 | 23事業 |
「維持・継続」 | 10事業 | 14事業 | 4事業 |
「見直し」 | 13事業 | 7事業 | 14事業 |
「抜本見直し」 | 4事業 | 6事業 | 6事業 |
「休止・廃止」 | 4事業 | 0事業 | 1事業 |
市民評価対象48事業の評価比較
市民評価対象の48事業について、各課評価及び本部評価との比較をグラフで表したものが表1「行政評価・評価結果48事業」になります。
市民評価対象48の事業評価
市から提示のあった48の事業評価結果は、「行政評価結果とりまとめ」一覧及び「平成16年度事業評価まとめ」として添付いたしますのでご確認ください。
事業評価のまとめ
各課評価
平成17年3月から5月、年度の主要・重点事業、前年評価を実施し、ヒアリング未実施事業、前年評価未実施事業、行革項目事業などの理由から、193事業を選択し各課で評価を実施
本部評価
平成17年8月から9月、各課評価193事業から、評価点のバランスが悪い事業、各課で意識的に総合評価を「拡大・充実」にしている事業、総合評価が「見直し」「抜本見直し」の事業など、100事業を選択しヒアリングを行い評価を実施
市民評価
平成17年11月から12月、本部評価100事業から、市民の注目度が高いと思われる事業、市民の意見を確認したい事業など、指定管理者、子育て、安全安心、健康分野を中心に、48事業を選択しヒアリングを行い評価を実施
市民評価委員会実施スケジュール
- 第1回から第2回市民評価委員会…行政評価についての説明、ヒアリング準備など
- 第3回から第6回市民評価委員会…各課ヒアリングによる事業内容把握※1課20分、2グループ制
- 第7回市民評価委員会…グループ評価の集約
- 第8回から第9回市民評価委員会…市民評価委員会としての意見集約
- 第10回市民評価委員会…市長への報告
評価者別の方向性の割合(参考)
各課の評価、本部評価、市民評価の評価結果から、施策の方向性の割合はそれぞれ下記のとおりとなりました。
施策の方向性
施設の方向性 |
事業数 | 割合 |
---|---|---|
拡大・充実 | 72事業 | 37% |
維持・継続 | 106事業 | 55% |
見直し | 9事業 | 5% |
抜本見直し | 6事業 | 3% |
休止・廃止 | 0事業 | 0% |
施設の方向性 |
事業数 | 割合 |
---|---|---|
拡大・充実 | 38事業 | 38% |
維持・継続 | 33事業 | 33% |
見直し | 20事業 | 20% |
抜本見直し | 7事業 | 7% |
休止・廃止 | 2事業 | 2% |
施設の方向性 |
事業数 | 割合 |
---|---|---|
拡大・充実 | 17事業 | 36% |
維持・継続 | 10事業 | 21% |
見直し | 13事業 | 27% |
抜本見直し | 4事業 | 8% |
休止・廃止 | 4事業 | 8% |
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