◎みんなのふるさとこぼれ話…61 東講(あずまこう)の宿ふるや平右衛門(へいえもん) ID:1022937 [問い合わせ]郷土資料館(電話番号042・592・0981) 日野市所蔵井上恒正コレクションの中に、 安政5年(1858)に発行された『五海道中細見記(ごかいどうちゅうさいけんき)』という木版刷りの冊子があります。 著者の大城屋良助(おおしろやりょうすけ)は、「東講」という旅行組合の江戸講元発起人で、 『五海道中細見記』は、講員向けに大城屋良助がお薦めする、良心的な旅宿やお休み所を記した旅行案内書です。 甲州道中日野宿の部分を見てみましょう。 将軍家へ献上する鮎が捕れる玉川(多摩川)を船で渡ると、 日野宿へ向かう途中に「名物あゆのすし古川屋仙八」、宿場に入ると中央に高札場があり、 その近くに「旅籠(はたご)屋ふるや古谷平右衛門」と「御休所東屋(あずまや)半兵衛」があります。 他に、天王社(八坂神社)、宝泉寺、いづな社などが絵入りで紹介されています。 東講の定宿(じょうやど)となった旅籠やお休み所は、「東講」と記された木札を店に掲げておきます。 その札を目印に、鑑札を持った講員たちが利用することで、旅籠側は身元の確かな旅行者を確保でき、 旅行者も安全で快適な宿に泊まることができました。 古谷家には、「東講宿」と書かれた木札が今も残されています。 右上に「第八番」とあるのは、内藤新宿を出て、甲州道中で八番目にある東講加盟店の意味と考えられます。 《写真あり》 ▲「東講宿」の看板(古谷悦子家蔵) ▲『五海道中細見記』日野宿の部分(日野市井上恒正コレクション) ◎障害のあるなしにかかわらず誰にとってもやさしいまちへ テーマ:市独自の移動支援従事者の養成 [問い合わせ]障害福祉課(電話番号042・514・8991) 市では、令和2年4月から「日野市障害者差別解消推進条例」をスタートし、 一人ひとりの多様性や違いを認め合える、“障害のあるなしにかかわらず、誰にとってもやさしいまち”を目指して、 活動を進めてきました。 今回は、市が独自で実施している移動支援従事者の育成事業について紹介します。 ▼移動支援事業とは? 移動支援事業は、同伴者がいないと外出することが難しかったり、お金の管理が苦手な方に対して、 買い物や散歩、行楽地などに出掛ける際のサポートを行うことで「外出機会の提供」と「社会性の向上」を図るサービスです。 ▼こんな課題も… 近年、移動支援事業の利用対象者を「中学生以上」から「小学生以上」に拡大したことにより、 週末のスポーツや外出といった体力が必要な活動に支援を希望する若年層の利用が増えています。 一方で、移動支援事業所における従事者不足や高齢化が進んでおり、 サービスを利用したいときに利用することができないという状況が課題となっています。 ▼日野市独自の移動支援従事者養成研修を始めました! 市では従事者不足などの課題を解決するため、 令和3年度から、福祉に関心のある大学生などを対象とした、日野市独自の「移動援従事者養成研修」を始めました。 この研修では、障害や制度の理解のための講義や、市内事業所に協力いただき、実際に移動を支援する実習などを行い、 研修を修了した方は市独自の資格を取得できます。 令和3年度には7人、令和4年度には12人がこの研修を修了し、 「移動支援従事者」として障害のある方の支援を行っています。 ◆研修受講生(従事者)の声 「移動支援に従事していく中で利用者さんとの関わり方を学んだり、お金の管理も任されているので、 限られた時間とお金の使い方を考えながら臨機応変に対応できるようになりました。」 「興味のある方は考え過ぎず、まずはやってみてたくさんの方に関わってほしいです!」 ◆利用者の保護者の声 「小学生の息子が利用中です。 コロナ禍で人との関わりが少なくなってしまっている中で、 移動支援の時間は多くの方と関わり、外出できるので良い機会になっています。」