◎国保データヘルス:微量アルブミン尿検査の実施状況をお知らせ 微量アルブミン尿検査の結果が糖尿病性腎症の早期発見と治療開始につながっています ID:1013126 [お問い合わせ]保険年金課(電話番号042・514・8276) 市が平成29年2月から実施している微量アルブミン尿検査は、 糖尿病性腎症(糖尿病の合併症の一つ。重症化すると人工透析が必要となるなど、生活の質が低下する)などの病気によって 腎臓の細い血管が傷つき始めた初期の状態(早期腎症)を診断できる検査です。 早期腎臓障害は自覚症状がないため、検査で早期に発見することが重要です。 この検査の対象者は、国保被保険者で前年度の特定健診の結果から、 HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)が6%以上かつ、尿タンパクが出ていない(-)またはわずかに出ている(±)方です。 HbA1cの医療機関受診勧奨値は6.5%以上ですが、 6~6.5%未満の方も放っておくと糖尿病と診断される状態に発展するおそれがあります。 このことから市は、正常値の中でも少し高めの6~6.5%未満を含め、検査対象としました。 これまでの実施状況をお知らせします。 ◆糖尿病性腎症の臨床経過 《グラフあり》 ◆糖尿病性腎症の分類 第1期(腎症前期) 糖尿病以外の自覚症状はなく、検査をしても腎症であることを診断できない状態です。 第2期(早期腎症期) 尿中に微量のアルブミンというタンパク質が検出されます。自覚症状はほとんどありませんが、血圧が高くなることが多いです。 第3期(顕性腎症期) 尿中にタンパク質が出て、腎機能が低下していきます。 第4期(腎不全期) 腎臓の糸球体で血液がろ過されず、老廃物が血液中にたまり尿毒症の症状が出てきます。また、低血糖を起こしやすくなります。 第5期(透析療法期) 腎臓の機能がほぼなくなり、慢性透析療法が導入される時期をいいます。予後は良くありません。 ◆微量アルブミン尿検査結果(5歳刻み) ■微量アルブミン尿検査結果(平成29年度) 《棒グラフ》 40~44歳 正常…4人 微量アルブミン尿陽性…1人 顕性タンパク尿…0人 45~49歳 正常…11人 微量アルブミン尿陽性…1人 顕性タンパク尿…0人 50~54歳 正常…15人 微量アルブミン尿陽性…9人 顕性タンパク尿…0人 55~59歳 正常…23人 微量アルブミン尿陽性…12人 顕性タンパク尿…0人 60~64歳 正常…54人 微量アルブミン尿陽性…30人 顕性タンパク尿…0人 65~69歳 正常…289人 微量アルブミン尿陽性…154人 顕性タンパク尿…12人 70~74歳 正常…430人 微量アルブミン尿陽性…185人 顕性タンパク尿…15人 ■微量アルブミン尿検査結果(平成30年度) 《棒グラフ》 40~44歳 正常…0人 微量アルブミン尿陽性…1人 顕性タンパク尿…0人 45~49歳 正常…8人 微量アルブミン尿陽性…3人 顕性タンパク尿…0人 50~54歳 正常…10人 微量アルブミン尿陽性…4人 顕性タンパク尿…0人 55~59歳 正常…13人 微量アルブミン尿陽性…11人 顕性タンパク尿…0人 60~64歳 正常…37人 微量アルブミン尿陽性…17人 顕性タンパク尿…1人 65~69歳 正常…235人 微量アルブミン尿陽性…101人 顕性タンパク尿…9人 70~74歳 正常…438人 微量アルブミン尿陽性…187人 顕性タンパク尿…18人 ■微量アルブミン尿陽性で治療開始した人数…89人 微量アルブミン尿陽性者716人(平成29・30年度合計) 微量アルブミン尿陽性の方716人のうち89人(12.4%)が治療開始(平成29・30年度合計) ◆2年間の検査結果から 平成29・30年度の微量アルブミン尿検査受診者2,338人のうち、微量アルブミン尿が陽性の方は716人(30.6%)で、 このうち89人(受診者の3.8%、陽性者の12.4%)の方を治療につなげることができました。 治療を開始した方の治療開始時のHbA1cの数値を分析したところ、 半数以上が医療機関受診勧奨値の6.5%より低い方であることがわかりました。 より精度の高い同検査を実施することにより、特定健康診査では正常と判定される方の中から、 糖尿病性腎症(第2期)の症状を早期に発見し、早期治療につなげることができました。 今後、治療を開始された方のHbA1cなどの数値の分析を進め、同検査の成果を公表していきます。