調布市、日野市、狛江市、多摩市、稲城市成年後見制度利用促進基本計画(素案) ※製本版の計画は白黒印刷の予定です。 調布市、日野市、狛江市、多摩市、稲城市 表紙裏面 白紙 目次 はじめに i 用語 ii 本編 1 Ⅰ 計画策定の背景と前提 2 1 権利擁護支援や成年後見制度利用促進と私たちの暮らし 2 2 「権利擁護支援」や「成年後見制度利用促進」をめぐる国の動向 4 3 広域における市町村計画策定に関する国の考え方 7 Ⅱ 広域による共通計画策定の目的と位置付け 8 1 広域での共通計画策定の目的 8 2 5市における市町村計画と共通計画との関係性 8 3 本計画の期間 9 Ⅲ 成年後見制度利用を取り巻く東京都及び5市の状況と検討の方向 10 1 権利擁護支援や成年後見制度利用促進をめぐる東京都の動向 10 2 5市及びセンターの運用の状況 13 3 5市及びセンターの今後の方向性 18 Ⅳ 共通計画の基本理念・体系と目標・取組みの方向性 19 1 共通計画の基本理念と目指す姿 19 2 共通計画の体系と目標(「基本目標」と「施策」) 20 3 基本目標と施策、取組みの方向性 21 Ⅴ 計画の進行管理 40 1 計画の進行管理を担う合議体の設置・「振り返りや見直しの視点」の設定等 40 2 共通計画の「振り返り」の目的と推進についての方策 40 資料編 43 共通計画策定の方法と体制 44 はじめに 現在、国においては、制度・分野ごとに「縦割り」や「支え手」「受け手」という関係を超えて、地域住民や地域の多様な主体が「我が事」として参画し、人と人、人と資源が世代や分野を超えて「丸ごと」つながることで、市民一人ひとりの暮らしと生きがい、地域をともに創っていく「地域共生社会の実現」を目指していますが、権利擁護支援や成年後見制度利用促進は、そのための必要かつ有効な手段の一つといえます。 利用促進法及びそのあと国が定めた国基本計画では、地域でお互いが支え合う包括的支援体制の整備が市町村に求められています。具体的には、全国どの地域においても必要な人が成年後見制度を利用できるよう、各地域における相談窓口を整備するとともに、権利擁護支援の必要な人を発見し、適切に必要な支援につなげる地域連携の仕組みとして「権利擁護支援の必要な人の発見・支援」、「早期段階からの相談・対応体制の整備」、「意思決定支援・身上保護を重視した成年後見制度の運用に資する支援体制の構築」の3つの役割を念頭に置いた地域連携ネットワークの構築が求められています。その結果として利用者がメリットを実感できるような制度運用となることを目指しています。 利用促進法では、市町村は、国基本計画を勘案して当該市町村区域における成年後見制度利用の促進に関する施策について市町村計画を定めるよう努めるとされました。 5市においては、平成15年度から、福祉的な配慮に基づく成年後見事務の提供を主業務とする法人として一般社団法人多摩南部成年後見センター(以下「センター」といいます)を設置し、5市による共同運営を行っているところです。そこで、5市では、センターを活用した15年余に及ぶ協働の実績を生かしながら、同地域における成年後見制度利用促進に資する体制整備を協働して進めていくことを目指して、広域による共通の目標をまとめ、市町村計画(共通計画)として策定することといたしました。 このように、広域と各市町村とで一体的な計画を策定することの意義としては、次のことを期待しています。 ・5市の市民・利用者にとって、5市共通の目標のもとで、身近な地域における権利擁護支援の体制整備が図れる ・広域で取り組むことがより効果的と思われることの洗い出しが進み、将来に向けた5市とセンターの役割がより実効性の高いものになる 策定にご協力いただいた皆様に御礼申し上げるとともに、何よりも、本計画によって、成年後見制度が利用者にとってメリットを実感できる制度・運用に改善されることで、誰もが安心してその人らしく暮らし続けられる地域づくりの一助となるよう、行政・専門職団体・関係機関・事業者等の連携協力により実効性の高い計画の推進が図られることを期待します。 用語 ◆この計画書における表記は以下となります◆ ・この計画書では、調布市、日野市、狛江市、多摩市、稲城市を、「5市」といいます。 ・この計画は、上記5市が策定する「共通計画」といいます。 ・上記以外の表記については、文中、その都度注記しています。 成年後見制度の利用の促進に関する法律(本計画では「利用促進法」といいます) 平成28年4月公布、同年5月施行。成年後見制度の利用の促進について基本理念を定め、国及び地方公共団体の責務等を明らかにし、並びに基本方針その他の基本となる事項を定めること等により、成年後見制度の利用の促進に関する施策を総合的かつ計画的に推進することを目的として制定された法律です。 成年後見制度利用促進計画(本計画では「国基本計画」といいます) 平成29年3月24日、利用促進法に基づいて閣議決定された計画。基本計画に基づいて、関係省庁が連携して総合的かつ計画的に成年後見制度利用促進策に取り組むこととされています。 権利擁護支援 虐待や消費者被害等の権利が侵害されている場合に保護・救済をすること。また必要な情報を本人が理解しやすいように伝えたり,本人が福祉サービス等を使う場合に相談や助言をすること。さらには、金銭管理や社会保険料や税金等の支払いを代行することなど,本人の権利行使を支援することをいいます。 「権利擁護支援」は「成年後見制度」と共に地域共生社会の実現のためには重要な取組みといえます。 成年後見制度 認知症、知的障害、精神障害、発達障害等によって物事を判断する能力が十分ではない方について、本人の権利を守る援助者(「成年後見人」等)を選ぶことで、本人を法律的に支援する制度です。 成年後見制度には、法定後見制度と任意後見制度の2種類があります。 成年後見制度(法定後見制度) 法定後見制度は、本人の判断能力が不十分になった後、家庭裁判所によって、成年後見人等が選ばれる制度です。本人の程度などに応じて「後見」「保佐」「補助」の3つの制度が用意されています。 成年後見制度(任意後見制度) 任意後見制度は、本人に十分な判断能力があるうちに、将来、判断能力が低下した場合には、あらかじめ本人自らが選んだ人(任意後見人)に、代わりにしてもらいたいことを契約(任意後見契約)で決めておく制度です。 任意後見契約は、公証人の作成する公正証書によって結ぶものとされています。 本人の判断能力が低下した場合に、家庭裁判所で任意後見監督人が選任されて初めて任意後見契約の効力が生じます。この手続を申し立てることができるのは、本人やその配偶者、4親等内の親族、任意後見受任者です。 権利擁護支援の地域連携ネットワーク 全国どの地域においても必要な人が成年後見制度を利用できるよう、各地域における相談窓口を整備するとともに、権利擁護支援の必要な人を発見し、適切に必要な支援につなげる地域連携の仕組みをいいます。 「権利擁護支援の必要な人の発見・支援」、「早期の段階からの相談・対応体制の整備」、「意思決定支援・身上保護を重視した成年後見制度の運用に資する支援体制の構築」という3つの役割を念頭に、既存の保健・医療・福祉の連携(医療・福祉につながる仕組み)に司法も含めた連携の仕組みを構築するものとされ、「チーム」「協議会」「中核機関」を構成要素とします。 各地域における連携ネットワーク及び中核機関については、ア)広報機能、イ)相談機能、ウ)成年後見制度利用促進機能、エ)後見人支援機能という4つの機能について、段階的・計画的な整備、及びオ)不正防止効果への配慮が求められています。  チーム 権利擁護支援が必要な人について、本人の状況に応じ、後見等開始前においては本人に身近な家族、親族や保健・福祉・医療・地域の関係者が、後見等開始後はこれに成年後見人等が加わって、協力して日常的に本人を見守り、本人の意思や状況を継続的に把握し、必要な対応を行う仕組みです。国基本計画では、必要に応じ、福祉・法律の専門職が専門的助言・相談対応等の支援に参画するとされ、できる限り既存の支援の枠組みを活用して編成することとされています。 ※機能 <後見等開始前> 地域の中で、権利擁護支援が必要な人を発見し必要な支援へ結び付ける。(本人と社会との関係性を修復・回復させる) <後見等開始後> 本人の自己決定権を尊重し、身上保護を重視した成年後見制度の運用を行うため、法的な権限を持つ成年後見人等と地域の関係者等が協力して日常的に本人を見守り、本人の意思や状況をできる限り継続的に把握し対応する。 協議会 後見等開始の前後を問わず、「チーム」に対し法律・福祉の専門職団体や関係機関が必要な支援を行えるよう、各地域において、専門職団体や関係機関が連携体制を強化し、各専門職団体や各関係機関が自発的に協力する体制づくりを進める合議体です。基本計画では、期待される成果として、以下の事項が例示されています。 ①以下のような地域課題の検討・調整・解決 ・チーム(特に親族後見人等)への適切なバックアップ体制を整備すること ・困難ケースに対処するため、ケース会議等を適切に開催する体制を整備すること ・多職種間での更なる連携強化を進めること ②成年後見制度を含む地域の権利擁護に関することについて、家庭裁判所との情報交換・調整 中核機関 専門職による専門的助言等の支援の確保や、協議会の事務局など、地域連携ネットワークのコーディネートを担う中核的な機関。国基本計画では、地域の実情に応じて、市町村等が設置している「成年後見支援センター」や「権利擁護センター」など既存の取組みも活用しつつ、区市町村が設置し、その運営に責任を持つことが想定されています(市町村直営又は委託)。 国基本計画「権利擁護支援の地域連携ネットワーク」が担うべき、ア)広報機能、イ)相談機能、ウ)成年後見制度利用促進機能、エ)後見人支援機能という4つの機能を段階的・計画的に強化していく上で、また、同ネットワークがオ)不正防止効果を発揮していく上で、中核的な役割を果たす機関であり、様々なケースに対応できる法律・福祉等の専門知識や、地域の専門職や幅広い関係者との信頼関係を維持発展させ円滑に協力を得るノウハウ等を段階的に蓄積しつつ、地域における連携・対応強化を継続的に推進していく役割を担うことが求められています。 国基本計画では、中核機関自ら担うべき業務の範囲については、地域連携ネットワークの関係団体と分担するなど、各地域の実情に応じて調整されるものとされています。 市民後見人(社会貢献型後見人) 弁護士や司法書士、社会福祉士などの資格は持たないものの、社会貢献への意欲や倫理観が高い市民の中から、成年後見に関する一定の知識・態度を身に付けた第三者後見人等の候補者です。 法人後見 社会福祉法人や社団法人、NPOなどの法人が成年後見人等になり、家族、親族等が個人で成年後見人等に就任した場合と同様に、判断能力が不十分な人の保護・支援を行うことをいいます。 成年後見制度利用支援事業 成年後見制度の利用に当たって必要となる経費を助成する制度をいいます。(申立てに要する経費、成年後見人等への報酬等) 高齢者関係では、平成18年の改正介護保険法における地域支援事業の創出に伴い、市町村の任意事業とされました。障害者関係では、平成24年の改正障害者自立支援法施行に伴い、地域生活支援事業として市町村の必須事業とされました。 市長申立て(首長申立て) 成年後見制度の利用が必要な状況であるにもかかわらず、本人や親族が家庭裁判所に成年後見等開始の審判申立てを行うことが難しい場合等、特に必要があるときに市町村長(首長)が申立てを行う仕組みのことをいいます。 意思決定支援 認知症、知的障害、精神障害等で自己決定に困難を抱える人が、日常生活や社会生活に関して自らの意思が反映された生活を送ることを可能とするような支援の行為及び仕組みをいいます。 [参考資料] ・『よくわかる権利擁護と成年後見制度[改訂版]』(平成29年4月10日, 永田 祐等編著, ミネルヴァ書房) ・第1回 成年後見制度利用促進専門家会議(平成30年7月2日,厚生労働省社会・援護局地域福祉課成年後見制度利用促進室) ・「地域における成年後見制度利用促進に向けた体制整備のための手引き」(平成30年3月,公益社団法人日本社会福祉士会(平成29年度老人保健健康増進等事業)) ・「成年後見制度-利用をお考えのあなたへ-(1)(2)」(平成30年10月,最高裁判所) ・「港区成年後見制度利用促進基本計画」(平成30年12月,東京都港区) ・「大田区地域福祉計画・大田区成年後見制度利用促進基本計画」(平成31年3月,東京都大田区) ・「尾張東部圏域 成年後見制度利用促進計画」平成31年3,月瀬戸市、尾張旭市、豊明市、日進市、長久手市、東郷町、特定非営利活動法人尾張東部成年後見センター) ・「市町村 成年後見制度利用促進基本計画策定の手引き」(平成31年3月,一般財団法人日本総合研究所(平成30年度厚生労働省社会福祉推進事業)) ・厚生労働省ホームページ https://www.mhlw.go.jp/topics/kaigo/dl/shiminkoukennin.pdf 本編 Ⅰ 計画策定の背景と前提 1 権利擁護支援や成年後見制度利用促進と私たちの暮らし            第135回市町村職員を対象とするセミナー「地域における成年後見制度利用促進に向けた体制整備について」 (平成30年6月19日 厚生労働省社会・援護局地域福祉課成年後見制度利用促進室 資料に一部加筆) はじめに、この計画が対象としている「権利擁護支援」や「成年後見制度利用促進」について簡単に整理します。 ◆「権利擁護支援」や「成年後見制度利用促進」を説明すると… 〇何を「支援」するのか、何が「促進」されるべきなのか ・認知症、知的障害その他の精神上の障害があることにより、地域でその人らしい生活を送る上で大切なことを自ら主張し、選択し、決めていくことが困難な高齢者や障害者等の、権利擁護支援と意思決定を支援すること ・成年後見制度は、その目的のための手段の一つであり、本人にとって最適な権利擁護支援や成年後見制度の利用を促進していく ・その際重要なことは「成年後見制度の利用が適切なのか、地域福祉権利擁護事業(日常生活自立支援事業。以下「地域福祉権利擁護事業」といいます。)の方がふさわしいのではないか」、「それは今の時点なのか」、「やむをえない措置や虐待対応の方が先ではないか」、「意思決定支援や見守りを続けながら、この制度の説明をして、本人の意思を尊重する方法が適切ではないか」などのことを地域の中でしっかりと検討し、その後で成年後見制度の利用について検討すること ・大切なことは「必要な人が」制度を利用できるようにするということ。言い換えれば、必要ない人に制度を利用させる必要はないし、してはいけない。そのための体制を構築するということ。 〇そのために重視すべき視点とは ・地域と連携し、自らSОSを発しにくい人を早めに「発見」すること ・初期相談から専門相談の流れの中で、成年後見制度のみならず、見守りや地域福祉権利擁護事業の利用を含む様々な方策の中から、本人に適した方法が取られるとともに、成年後見制度を利用する場合にも、成年後見人等の選任等において、本人がメリットを実感できる制度の運用がなされること ◆なぜ、それらの取組みが重要なのか 〇高齢化等が進むなかで、次のようなケースが増大している ・「見守り対応が必要」 →認知症の方や知的障害者、虚弱の方や情報へのアクセスが困難な方 ・積極的な介入や支援が必要 →経済的虐待や放置・放任等の虐待、消費者被害や詐欺被害に遭われる高齢者や障害者、支援の拒否(セルフネグレクト(自己放任))等の方 〇お金や財産の管理、生活福祉サービスの適切な利用ができない、病院や施設、住宅等の支払いや契約ができない、滞ってしまう 〇地域共生社会においては、すべての人に、その人らしい役割や「出番」があるべき 「成年後見制度利用促進」のイメージ 第135回市町村職員を対象とするセミナー「地域における成年後見制度利用促進に向けた体制整備について」(平成30年6月19日 厚生労働省社会・援護局地域福祉課成年後見制度利用促進室 資料より抜粋 2 「権利擁護支援」や「成年後見制度利用促進」をめぐる国の動向       〇地域共生社会の実現と権利擁護支援の重要性  現在、国において、制度・分野ごとに「縦割り」や「支え手」「受け手」という関係を超えて、地域住民や地域の多様な主体が「我が事」として参画し、人と人、人と資源が世代や分野を超えて「丸ごと」つながることで、市民一人ひとりの暮らしと生きがい、地域をともに創っていく「地域共生社会の実現」を目指しています。たとえ認知症、知的障害その他の精神上の障害があることにより、自分らしい生活を送る上で大切なことを自ら主張し、選択し、決めていくことが難しい状態になっても、地域社会に参画しその人らしい生活が続けられるよう、「包括的な支援体制」の整備とともに、「権利擁護支援の地域連携ネットワーク」の構築が求められています。 「地域共生社会の実現に向けた包括的支援体制」と「権利擁護支援の地域連携ネットワーク」の関係図 第135回市町村職員を対象とするセミナー「地域における成年後見制度利用促進に向けた体制整備について」(平成30年6月19日 厚生労働省社会・援護局地域福祉課成年後見制度利用促進室 資料より抜粋 ○権利擁護支援の一つの手段としての成年後見制度 ・平成12年に開始された成年後見制度は、認知症や、知的障害、精神障害等により判断能力が十分でない方の地域でのその人らしい生活継続を目的とした財産管理や身上保護を、成年後見人(成年後見人のほか、保佐人、補助人を含む。以下「後見人等」といいます)等が行う仕組みであり、高齢者等の消費者被害や虐待等の権利侵害防止にも効果のある制度です。前述の地域共生社会づくりに向けた権利擁護支援の手段の一つといえ、今日までの間に制度利用の促進に向けて、平成28年5月、利用促進法が施行されています。(後述) ・最高裁判所事務総局家庭局「成年後見関係事件の概況―平成30年1月~12月」によれば、平成30年の成年後見関係事件(後見・保佐・補助開始及び任意後見監督人選任事件)の申立件数36,549件でした。同資料によれば、制度開始年である平成12年の申立件数は合計で9,007件であることから、制度開始約20年を経て、年間の申立件数は約4倍に増加しました。 〇利用者がよりメリットを実感できる制度・運用への改善を目的とした利用促進法、国基本計画の策定 ・この間、平成28年5月には、成年後見制度の更なる利用促進を図るとともに、意思決定支援・身上保護の側面も重視し、利用者がメリットを実感できる制度・運用へ改善していくことを目的として、利用促進法が施行され、平成29年3月には、国基本計画が閣議決定されました。 国基本計画のポイント (1)利用者がメリットを実感できる制度・運用の改善 ⇒財産管理のみならず、意思決定支援・身上保護も重視した適切な後見人等の選任・交代 ⇒本人の置かれた生活状況等を踏まえた診断内容について記載できる診断書の在り方の検討 (2)権利擁護支援の地域連携ネットワークづくり ⇒①制度の広報②制度利用の相談③制度利用促進(マッチング)④後見人支援等の機能を整備 ⇒本人を見守る「チーム」、地域の専門職団体の協力体制(「協議会」)、コーディネートを行う「中核機関(センター)」の整備 (3)不正防止の徹底と利用しやすさとの調和 第135回市町村職員を対象とするセミナー「地域における成年後見制度利用促進に向けた体制整備について」(平成30年6月19日 厚生労働省社会・援護局地域福祉課成年後見制度利用促進室 資料より抜粋 国基本計画では、市町村の役割として、権利擁護支援の地域連携ネットワークの段階的整備、中核機関の設置が示されており、成年後見制度の利用促進に関する基本的な計画(以下「市町村計画」といいます)の策定が努力義務化されました。さらに、令和元(2019)年5月には令和3(2021)年度末をめどとした「成年後見制度利用促進基本計画に係るKPI(成果指標)」が設定されるとともに、令和元(2019)年6月の「認知症施策推進大綱」では「成年後見制度の利用促進」も掲げられています。 3 広域における市町村計画策定に関する国の考え方               「市町村成年後見制度利用促進計画策定の手引き」(平成31年3月、一般材団法人日本総合研究所)では、中核機関を広域で整備する場合の市町村計画策定の考え方について、「中核機関を広域で整備する場合でも、各自治体で市町村計画を策定します」と位置付けています。 調布市、日野市、狛江市、多摩市、稲城市(以下「5市」といいます)においても、各市において市町村計画を策定することとしています(後述)。 参考「市町村成年後見制度利用促進計画策定の手引き」7頁 Ⅱ 広域による共通計画策定の目的と位置付け 1 広域での共通計画策定の目的                       Ⅰで記載したとおり、平成28年5月に施行された利用促進法では、市町村の講ずる措置等が規定されており(第14条市町村の講ずる措置)、市町村は、国基本計画を勘案して、当該市町村の区域における成年後見制度の利用の促進に関する施策についての基本的な市町村計画を定めるよう努めるとされています。これを受けて、平成29年3月に閣議決定された国基本計画では、市町村に対し、権利擁護支援の地域連携ネットワーク・中核機関に期待される機能の段階的・計画的整備に向け、市町村計画を定めるよう努めることを求めています。 5市においては、平成15年度より、福祉的な配慮に基づく成年後見事務の提供を主業務とする法人としてセンターを設置し、5市による共同運営を行っているところです。そこで、5市では、センターを活用した15年余に及ぶ協働の実績を生かしながら、同地域における成年後見制度利用促進に資する体制整備を協働して進めていくことを目指して、広域による共通の目標をまとめ、共通計画として策定します。ただし、共通計画だけでは、成年後見制度利用促進に向け各市の実情に応じた段階的・計画的な整備の推進を図るのに不十分な点があるため、5市で時期を見極めたうえで、各市の福祉関連計画・単体計画と一体的に策定するものです。 ※センターについては、13~16ページをご参照ください。 2 5市における市町村計画と共通計画との関係性               5市では、市町村計画として、以下のような計画策定・施行を予定しています。 5市の市町村計画の形態、期間、施行時期 一覧表 調布市 市町村計画の種類 単体計画として策定 計画期間 令和2(2020)年度から令和5(2023)年度まで 施行時期 令和2(2020)年度 備考 なし 日野市 市町村計画の種類 地域福祉計画等と一体的に作成 計画期間 令和2(2020)年度から令和6(2024)年度まで 施行時期 令和2(2020)年4月 備考 なし 狛江市 市町村計画の種類 地域福祉計画等と一体的に作成 計画期間 平成30年度から令和5(2023)年度まで 施行時期 令和3(2021)年4月 備考 なし 多摩市 市町村計画の種類 地域福祉計画と一体的に作成 計画期間 令和2(2020)年度から令和4(2022)年度まで 施行時期 令和2(2020)年4月 備考 なし 稲城市 市町村計画の種類 単体計画として策定 計画期間 令和2(2020)年度から令和5(2023)年度まで 施行時期 令和2(2020)年10月 備考 ※令和6(2024)年度からは、次期稲城市保健福祉総合計画と一体的に作成  共通計画は、5市が、利用者がメリットを実感できる成年後見制度の利用を促進していくに当たり、センターを活用しながら達成していくべき共通の目標や目標実現に向けた施策の方向性を掲げたものです。 いわば、共通計画は、5市における共通の目標(基本計画)を示す市町村計画であり、各市の実情に応じた段階的計画的取組を示す福祉関連計画や単体計画と合わせて成年後見制度利用促進の市町村計画と位置付けられます。 3 本計画の期間                              本計画の期間は、令和2(2020)年度から令和5(2023)年度までとします。 市町村が策定する高齢者総合計画や障害者総合計画における計画期間は、そこに盛り込まれた各施策の実施時期を示したものであることが一般的です。しかし、本計画では、そのような施策の実施スケジュールではなく、本計画の見直しの目安としての計画期間と位置付けています。 Ⅲ 成年後見制度利用を取り巻く東京都及び5市の状況と検討の方向 1 権利擁護支援や成年後見制度利用促進をめぐる東京都の動向           (1)権利擁護支援をめぐる施策の動向 ○東京都では、権利擁護支援の施策として、認知症や知的障害、精神障害等により判断能力が十分でない方が地域でその人らしい生活を送れるよう、福祉サービスの利用援助、日常金銭管理サービスや書類預かりサービスを提供する社会福祉協議会の取組みを支援してきました。これらと併せて、福祉サービスの円滑な利用を目的とした一元的な利用相談窓口や、サービスの適切な利用と権利侵害の未然防止・解決を図るための苦情対応機関を市民に身近な市町村に設置することで、福祉サービスの利用支援体制の構築を図ってきています。 ○平成17年度からは、成年後見制度の積極的な活用を図るため、後見人等のサポートや地域資源との連携を図る成年後見制度推進機関(以下「推進機関」といいます)を市民に身近な区市町村が設置するよう支援を行っており、現在、都内の全ての区市に設置されています(東京都成年後見活用あんしん生活創造事業)。 ○さらに、後見人等の担い手確保の一環として、全国で初めて後見業務に意欲を持つ方を対象として後見人の養成を開始し、社会貢献的な精神で業務を行う後見人として、「社会貢献型後見人(市民後見人)」としてその養成が図られています。今後は、区市町村、推進機関、家庭裁判所等が連携して、候補者の積極的な選任を進めるとともに、選任後の後見人等への支援を適切に行っていく必要があります。 (2)ニーズ動向と利用実績 〇東京都の人口推計によれば、都全体の人口は令和6(2024)年の1,408万人をピークに減少に転じ、令和21(2039)年には1,351万人となることが見込まれています。そうした中、高齢者の人口、特に後期高齢者(75歳以上)の人口は、平成27年の147万人から令和21(2039)年には181万人と1.3倍に増加することが予測されています。 〇人口減少の中での高齢化の進行に伴い、世帯主の年齢が65歳以上の高齢世帯の増加が見込まれますが、特に後期高齢者を世帯主とする単独世帯の増加が顕著であることも見込まれています。 ※資料:東京都総務局統計部人口統計課、平成30年3月発表(平成27年10月1日現在の国勢調査結果を基準人口とし、「東京都市町村別人口の予測」(平成29年3月)の結果と最新の人口動向を踏まえて、男女年齢(5歳階級)別に予測を行ったもの) http://www.metro.tokyo.jp/tosei/hodohappyo/press/2018/03/29/24.html 〇また、時点は異なりますが、令和6(2024)年には、東京都の認知症高齢者は約56万人、そのうち見守りや支援が必要な人は約42万人と推計されています。また、同資料によれば、認知症高齢者のうち、約6割が居宅で生活をされている方と見込まれています。 (資料:東京都福祉保健局高齢社会対策部「認知症高齢者数等の分布調査」(平成29年3月)) 〇他方、障害者手帳保持者数についてみると、平成29年3月末時点の知的障害者「愛の手帳」所持者は、85,650人(うち18歳以上は70,089人、18歳以上の手帳所持者のうち55%は中度以上の等級)です。精神障害者保健福祉手帳所持者は、100,999人で、1級と2級とで57.4%を占めています。 (資料:福祉保健局「福祉?政・衛生?政統計 月報」) http://www.metro.tokyo.jp/tosei/hodohappyo/press/2018/03/29/21.html ○こうした中、東京都における成年後見制度の申立実績は、制度開始当初から増加し続けてきましたが、ここ数年は、毎年約5千件程度とほぼ横ばいで推移しています。さらに、市町村長申立てについては、平成28年度1,031件となっています。(次頁図参照) (3)今後の取組み方策 〇こうした成年後見制度の利用実績や、東京における権利擁護支援を必要とする人の増加、利用促進法の施行、国基本計画の策定を踏まえ、東京都と東京都社会福祉協議会では、平成31年4月に、「地域と家庭裁判所の連携による成年後見制度の新たな選任・利用支援のしくみ」の取組みをスタートさせました。(以下「しくみ」といいます) 〇東京都における「しくみ」は、東京都における権利擁護支援や成年後見制度利用に係るニーズへの対応策、つまり①国基本計画が提起する「成年後見制度を必要とするすべての人にとって意思決定支援と身上保護を重視する観点からもっとも適切な後見人等を選任するための支援」と「選任後の一貫した後見人支援」に焦点をあて、東京都においてこれを実現することを目指して導入したものです。 〇さらに、この取組みを進めるにあたっては、家庭裁判所との密接な連携と、三士会(弁護士会、司法書士会、社会福祉士会)をはじめとする専門職団体の協力が不可欠であることから、「しくみ」では、そうした各機関との連携・協働体制の確立を目指すものとしても位置付けられます。 資料)平成31年4月 東京都社会福祉協議会「地域と家庭裁判所の連携による成年後見制度の新たな選任・利用支援のしくみ に関する当面の運用方法」より抜粋 図表 東京都における成年後見制度の申立実績の推移(平成16年から平成28年まで) 図表 東京都における市町村長申立実績の推移(平成16年から平成28年まで) 出典;東京都高齢者保健福祉計画(平成30年度~平成32年度) 2 5市及びセンターの運用の状況~センター設立時から現在まで~                       (1)センター設立の背景 〇平成12年度の介護保険制度の開始により福祉サービス利用が契約制度に移行する中で、5市では、主に契約能力や判断能力が低下している方の権利擁護をどのように進めていくのかという共通の課題がありました。 〇平成12年度、調布市において実施した「高齢者、知的障害者及び精神障害者に対する意識調査」や市内関係機関及び先進的な自治体等に対する実態調査の結果を受けて、現在の5市を含めた委員会「調布市利用者保護施策調査検討委員会」が設置されました。平成15年度、生活保護受給者や低所得者、被虐待者であっても、利用者保護を受けながら権利が守られ、成年後見制度を利用できるようなセーフティーネット機能として、調布市、日野市、狛江市、多摩市、稲城市を構成市とする、センターが設立されました。 (2)5市の状況 (人口動向) 〇5市の後期高齢者人口数は、各市で多少の差はあるものの、令和7(2025)から令和12(2030)年までは一貫して増加していくことが見込まれるなど(調布市では令和22(2040)年が最も多くなる見込み)、少なくとも今後10年間程度は、認知症高齢者を中心に判断能力に不安を感じる後期高齢者の増加や単身世帯化が見込まれています。さらに、障害分野においても、地域移行の促進や、親亡き後の対応、障害者自身の高齢化等ニーズの増加が見込まれています。 5市の地図(5市の位置、人口、高齢化率等)出典;センター (成年後見制度利用の状況) 〇東京家庭裁判所資料によれば、平成30年6月8日時点の5市における成年後見制度利用者数は、合計で1,460人(後見・保佐・補助類型プラス任意後見の合計。うち、任意後見利用者は5市計で18人)となっています。(同時点の東京都市部利用者9,147人の約16%を占める) (5市とセンターとの関係) 〇センターは5市が共同して設置した一般社団法人であり、主に法人後見の実施、市民後見人の養成・監督及び専門職紹介、さらに関係者向け研修、講演会、後見人連絡会等を実施しています。5市の福祉総務課、福祉政策課等が市民からの一次相談窓口を、またセンターが5市や関係機関からの二次相談窓口を担うことを基本としています。 (3)センターの活動実績 (平成31年3月末時点) (法人後見受任実績) 〇センターは、平成15年度の設立当初から、5市における親族などの身寄りのない方や低所得の方等の成年後見制度利用の担い手として法人後見を実施してきており、その数は、法定後見(3類型)審判確定者の累計で219人に上ります。 センター業務指導委員会における承認件数の推移 〇同時点のセンターにおける法人後見受任者95人の特徴は、下記のとおりです。 ・制度利用開始要因としては、認知症が過半数を占めるものの、知的、精神等の障害を要因とする利用者も46%に上る。 ・類型では、後見類型が88%、保佐類型が11%、補助類型が1%である。 ・利用者の年齢は、70歳以上が55%を占めるが、30歳代まで幅広い。 ・居所としては、施設(グループホーム含む)が87%を占める。 ・市長申立ての事案が、84件(88%)、虐待事案(認定なしを含む)が52件(55%) 〇現在、センターが受任しているケースの割合は高齢者が多くなっています。また、高齢者、障害者ともに、頻回な訪問が必要なケース、家庭内で複合的な課題を抱えているケース、精神障害者ケース、刑罰法令に抵触するケース等いわゆる困難ケースが多く、こうしたケースは今後とも増加していくことが見込まれています。 (法人後見受任以外の実績) 〇また、センターでは、法人後見受任以外に、広域で取り組むことが効率的な事業として、市民後見人の養成及び市民後見監督人の受任、センターの法人後見受任の対象にはならない方への弁護士、司法書士及び社会福祉士の専門職紹介などの事業に取り組んでいます。同時点(平成31年3月末日時点)でセンターに登録している市民後見人は37名、うち27名が後見人等に選任されています。専門職紹介制度への登録専門職は41名、うち平成30年度の紹介実績は7件となっています。 〇市民後見人については、センターに依頼された新規案件のうち、課題等の困難度が低いケースを市民後見人に受任してもらう場合と、センターによる法人後見として受任し、課題等を整理した上で市民後見人の受任要件を満たしたケースを市民後見人に引き継ぐ「リレー方式(引継ぎ方式)」の2つの取組みを行っています。 (4)調査から見た課題の整理  共通計画策定にあたって実施したヒアリング調査からは、次のような課題認識が寄せられています。(調査の実施については資料編参照) (ニーズ動向)   ※以下、文末( )は発言元 〇5市の後期高齢者人口数は、各市で多少の差はあるものの、令和7(2025)~令和12(2030)年までは一貫して増加していくことが見込まれるなど、少なくとも今後10年間程度は、認知症高齢者を中心に判断能力に不安を感じる後期高齢者の増加、単身世帯化が見込まれている。さらに障害分野においても、地域移行の促進や、親亡き後の対応、障害者自身の高齢化等ニーズの増加が見込まれている。 〇身寄りのない方、身寄りはあっても関係性の薄い方、家族全体で複数の問題を抱える方等が増加している。(5市、センター、専門職団体) (広報・相談)      〇5市では、成年後見制度の利用が必要な対象者(本人、家族等)に、必要な情報等が十分に届けられているか、そのための仕組みや体制が整っているか、一方的な広報や人材育成になっていないか等についてこれまでの取組みを振り返る必要があるのではないか。(5市) 〇障害児・者の親からは、地域の相談窓口において、子供の日常的なことと将来のことを行ったり来たりしながら相談できることや、子供の特性を理解してくれる後見人等候補者に関する情報提供を期待する意見が寄せられており、地域の相談窓口の対応力や5市関係部署・機関、センターとの情報共有の在り方についても検討が必要ではないか。(障害児・者親の会) 〇今後、どのような相談であっても、必ず誰かが引き受ける(宙に浮かせない)ためにも、「どのような案件がどのような考えや状況により、どの機関に相談されているか」について、現状を確認することが必要ではないか。(特に報酬が見込めないケース、在宅ケースなどについて)(専門職団体) 〇5市の各部署・相談機関ともに、「権利擁護支援の必要性の検討」、「首長申立ての必要性の検討」、「候補者を誰にするかの検討」等の判断の機能を庁内で設けることが必要ではないか。(5市) 〇現在、一次相談窓口は5市各市の担当部署・相談機関が担い、二次相談窓口はセンターが担う役割分担となっている。現状では、5市とセンターとの直接的なやりとりが不十分であった点が否めず、今後、5市の相談窓口とセンターとの密な連携を図る必要がある。(5市、センター) (成年後見制度利用支援・後見人支援) 〇5市においては、市長申立て決定までの適正手続きの制度化が必要であるとともに、それらを前提としたセンターの関与の在り方についての検討が必要である。(5市、センター) 〇本人(成年後見制度利用者)と後見人等をバックアップする地域の「チーム」体制の構築に向けて、身近な地域の相談機関に対するコーディネートの在り方、権利擁護支援の地域連携ネットワークの関与の在り方等について、検討していく必要がある。(専門職団体、センター) 〇親族後見人への支援のニーズの把握や相談しやすい相談窓口の設置、対応強化に関する検討が必要である。(障害児・者親の会) 〇法人後見受任機関としてのセンターには、特に困難ケースの受任に対するニーズが高いことから、利用規定等の改定含め、対応方策について検討する必要があるのではないか。また、現状では、センターの受任要件等の実際について、5市あるいは担当によって共通の理解となっていない点もみられ、見直しと合わせた周知徹底が望まれる。(5市、専門職団体) 〇中長期的に考えた場合、センター対象地域の法人後見受任機関の受け皿拡大についてどのように考えていくか。センター以外の機関による法人後見の開始等、困難ケースを受任する担い手の育成の検討も必要ではないか。(専門職団体) (体制整備) 〇中核機関に求められる機能はどのようなものか、地域でも中核機関としての機能を担う場合、どのように分担するか(予算を含め)検討が必要である。(5市、専門職団体) 〇センターには、むしろ広域でないとできないことをやってほしいと思う。情報発信、家裁との連携、広域的な基準の作成、他機関連携等である。東京都や三士会との情報共有の音頭をとってほしい。専門職団体との情報共有をすると、5市の課題も見えてくると思う。(専門職団体) 〇同時に、権利擁護支援の地域連携ネットワーク構築や人材育成の観点から、どのように専門職団体と連携しながら体制整備を進めるかという観点からも検討が必要である。(専門職団体) 3 5市及びセンターの今後の方向性                     以上の国及び東京都の動向並びに5市及びセンターの運用の状況やヒアリング調査等を踏まえると、今後、5市及びセンターに求められる権利擁護の支援や成年後見制度の利用促進に係る体制整備検討の方向性としては、次のようなことがあげられます。 〇5市における権利擁護支援の基盤や一次相談窓口としての状況と課題の整理 ・権利擁護支援・成年後見制度利用促進に係る体制整備、取組み等に関する地域の状況の認識と課題の整理  例 権利擁護支援が必要な人の早期発見のための方策検討と実施 本人や家族にとって分かりやすい相談窓口の周知徹底と本人からの相談対応力の向上 相談内容に対する権利擁護支援の必要性に関する判断の仕組みや体制の整備 ・権利擁護支援が必要な人の支援方針の検討に関する仕組みの在り方 ・専門職団体や地域の関係機関等を含めた権利擁護支援の地域連携ネットワークの在り方 ・権利擁護支援や成年後見制度利用促進に向けた、今後の地域における中核機関機能の在り方についての検討 〇法人後見実施機関としてのセンターの在り方及びそれ以外の中核機関としての機能についての検討 ・センターの広域機能を活かした、5市間の関係性の構築や専門職団体や地域の関係機関、家庭裁判所等との顔の見える関係づくり、幅広い人材育成等の取組み課題の整理 〇地域(5市)での、それぞれの市域での段階的基盤整備を前提とした、今後のセンター機能の在り方についての検討 Ⅳ 共通計画の基本理念・体系と目標・取組みの方向性 1 共通計画の基本理念と目指す姿  5市では、地域共生社会の実現を目指した、権利擁護支援や成年後見制度利用促進の基本理念を次のように設定します。 ◆基本理念が目指す姿 ~基本理念が実現された時の姿~◆ 〇地域でその人らしい生活を送る上で大切なことを自ら主張し、選択し、決めていくことが困難な認知症、知的障害、精神障害、発達障害等の障害がある人(本人)が、生活の上での困りごとなどについて、どこに行けば相談できるのかを知っていて、気軽に相談することができます。また自ら支援を求める声を上げられない人も、周囲の人の気づきや支えによって相談窓口につながっています。⇒基本目標1へ 〇本人の意思が最大限尊重される中で、継続的な切れ目のない相談支援を受けることができます。その結果、心身の状態や生活の変化に応じて、地域住民や関係機関等を通じた見守りや、地域福祉権利擁護事業、成年後見制度等の制度から本人に適した方法が選択され、地域で自分らしい生活を継続することができます。支援の内容は、本人の意思や心身の状況の変化に応じて、対応していきます。⇒基本目標2へ 〇成年後見制度の利用を必要とする本人や家族等が、申立てについて地域の中で相談が受けられ、本人に相応しい候補者が選ばれるなど、本人がメリットを実感できる制度の利用が可能になります。⇒基本目標3へ 〇成年後見制度を利用している本人が、地域で「チーム」による適切な支援を受けながら、制度利用のメリットを実感して、その人らしい生活が継続できます。また、後見人等も、「チーム」による支援を受けられることで安心して後見活動を行うことができ、より本人の希望に合った生活の継続が可能となります。⇒基本目標4へ 〇権利擁護支援を必要とする本人が、経済的なあるいは生活環境等の事情に関わらず、地域で適切に権利擁護に関する支援を受け、その人らしく生活を継続していくことができます。そのために、市域の行政と市民・支援者間のネットワーク、広域での5市行政・センターをはじめとする関係機関による権利擁護支援の地域連携ネットワークが形成されています。⇒基本目標5へ 2 共通計画の体系と目標(「基本目標」と「施策」) 本計画では、基本理念のもとに、目指すべき5の「基本目標」を設定し、各基本目標のもとに、目標実現に向けた「施策」(計16)を設定します。この「基本目標」と「施策」は、5市が共通して取り組む目標と位置付けます。 共通計画の体系 基本目標と施策 基本目標1 目的・対象に応じた広報の充実【重点】 施策1-1 権利擁護の必要性や成年後見制度に関する理解促進を目的とした広報活動等の充実 施策1-2 5市域内における、誰もが気軽に相談できる窓口の設置及び周知 基本目標2 本人意思を尊重した切れ目のない相談の充実【重点】 施策2-1 権利擁護支援の必要性を検討する仕組みの整備 施策2-2 意思決定支援の在り方の検討 施策2-3 成年後見制度の利用が必要な人に適切な支援方法を検討する仕組みの整備 施策2-4 地域福祉権利擁護事業から成年後見制度への円滑な移行支援 基本目標3 利用者がメリットを実感できる成年後見制度利用促進 施策3-1 本人や親族等による申立て支援に関わる相談支援の強化 施策3-2 成年後見制度の利用が必要な人に適切な候補者を推薦する仕組みの整備 施策3-3 市民後見人の育成、活動支援の実施 施策3-4 法人後見実施機関の立上げ、活動支援の実施 施策3-5 任意後見制度の利用等の相談、監督等の可能性の検討 基本目標4 後見人等への支援の充実 施策4-1 権利擁護支援の地域連携ネットワークにおける「チーム」づくり及び活動の支援 施策4-2 親族後見人への支援の拡充 基本目標5 地域における権利擁護支援の体制整備【重点】 施策5-1 中核機関の整備と機能分担の明確化 施策5-2 成年後見制度利用支援事業の効果的な運用 施策5-3 各市域と広域における重層的な権利擁護支援の地域連携ネットワークの構築 第一期の共通計画では、基本目標1・2・5を重点目標と位置付けます これら、5つの基本目標の関係性は、おおむね次のように図示することができます。 ◆基本目標と施策 ・基本目標は、国基本計画で示された権利擁護支援の地域連携ネットワークや体制整備の各機能に即して、5市が目指す共通の目標として位置付けられるものです。施策は、基本目標を実現していくための施策の目標です。 ◆取組みの方向性、主たる推進主体 ・取組みの方向性は、施策を実現していくために想定される取組み例となります。 ・ここでは、各取組み例の主たる推進主体として、「各市」「5市協働」「センター」を想定しています。(「主たる推進主体」の考え方) 各市 5市それぞれが、各市の責任において、実情に応じて、段階的計画的に取り組みます。実施内容は、各市により様々です。実施時期については、各市の市町村計画で示します。 5市協働 5市で協働して取組みを推進します。また、5市は、センターの設置・運営主体でもあることから、必要に応じて、センターの業務として取組みを推進します。 センター 5市協働で取り組む事柄についてセンターの業務として、あるいは5市の協働のパートナーとして、センターとして実施するものです。 ※なお、表には記載しませんが、「各市」の取組みに対しては、5市それぞれの求めに応じて、センターが可能な限り支援します。 ※「各市」と「5市協働」に〇を付した場合は、市域における「施策、体制整備」、広域における「施策、体制整備」どちらも進める必要があると考えるものです。 基本目標1 目的・対象に応じた広報の充実【重点】     施策1-1 権利擁護の必要性や成年後見制度に関する理解促進を目的とした広報活動等の充実 現状 〇5市では、市や社会福祉協議会の広報紙等で、権利擁護支援や成年後見制度、相談窓口に関する周知を図っています。 〇5市では、支援を必要とする人(本人、家族等)に対する説明や、地域の中でそのような人に近く、発見する立場にある関係者・機関・団体等(民生・児童委員、医療機関、金融機関等)に対する広報活動等は、体系的には十分に行っていませんでした。 〇センターでは、毎年度センター主催により「行政及び地域包括支援センターや社会福祉協議会等の相談支援機関向けの基礎研修(兼市民後見人養成基礎研修)」を開催し、申立等に関わる職員が成年後見制度に関する相談を受けるために必要な知識や情報を学ぶ機会を提供しています。 課題 ○5市とセンターは、協働して権利擁護支援を必要とする人々(本人、家族等)や関係者、市民それぞれに向けて、制度を利用する際の留意点の説明も含め、広報活動等をより実効的に進めていくためのよりきめ細かな取組みを行っていく必要があります。 〇5市では、利用者やその家族に対して、利用者の生活設計を踏まえた効果的な制度利用の在り方や、制度のデメリット等を含めた広報を行っていく必要があります。 【取組みの方向性】 具体的取組み例 権利擁護支援の意義や成年後見制度の仕組みについて広報活動等を行います。主たる推進主体 各市○ 5市協働 センター○ 本人、市民、個別支援チームに加わることが想定される関係者等対象別の広報活動等に努めます。 主たる推進主体○ 各市 5市協働 センター 生活設計の観点から、権利擁護支援や成年後見制度に関する広報を図ります。(任意後見制度の活用も含む) 主たる推進主体 各市○ 5市協働 センター 説明に際しては、利用による効果と留意点双方を含めた、分かりやすい内容とし、多様な媒体を活用します。 主たる推進主体 各市○ 5市協働 センター○ 必要に応じて、弁護士会、司法書士会、社会福祉士会等の専門職団体と連携を図りながら、より専門性の高い講座や研修会等を企画・開催します。 主たる推進主体 各市 5市協働○ センター○ 成年後見制度の担い手としての市民後見人の活動の意義などについての広報活動等を実施します。 主たる推進主体 各市○ 5市協働 センター○ ※表中「各市」の欄は、5市各市がそれぞれの実情に応じて任意に取り組むものです。(以下同じ) 施策1-2 5市域内における、誰もが気軽に相談できる窓口の設置及び周知 現状 ○5市では、高齢、障害等の行政担当部署、地域包括支援センター、障害者相談支援事業所、社会福祉協議会等において、権利擁護支援や成年後見制度に関する「相談窓口」を設置し、市民等からの相談を受け付けています。相談窓口は、「権利擁護センター」や「成年後見センター」等、権利擁護支援や成年後見制度に関する専門的な相談窓口であることを明記してある場合と、例えば、地域包括支援センターのように、一般的な「相談窓口(なんでも相談、困りごと相談)」のような場合があります。 〇社会福祉協議会は一般的に、権利擁護に関する相談窓口の一つとして周知されています。 課題 ○5市では、複数の関係機関に設置されている、様々な名称の権利擁護支援や成年後見制度に関する「相談窓口」について、広報活動等を通じて、市民に分かりやすく周知してく必要があります。 〇5市では、専門的な相談窓口はもとより、相談窓口の名称にかかわらず、すべての相談窓口で権利擁護支援や成年後見制度利用の必要性について検討し、必要に応じて専門機関等につなげることができるような体制整備が必要です。 〇5市では、相談に際しては、認知症の高齢者や知的障害者、精神障害者本人から寄せられることを前提として利用者本位の対応を図ることが求められます。 〇5市の社会福祉協議会では、地域福祉権利擁護事業の利用者に限らず、権利擁護支援や成年後見制度に関する広報活動等をこれまで以上に充実させる必要があります。 【取組みの方向性】 具体的取組み例 支援を必要とする本人からの相談への対応の充実を図ります。 主たる推進主体 各市○ 5市協働 センター 相談者の特性や状況に応じて、来所・訪問等の相談体制を整備します。 主たる推進主体 各市○ 5市協働 センター 市内の相談窓口、相談受付の方法や開設時間、専門的な相談への対応状況等を含めて、紙媒体、ウェブ、SNS、広報等多様な媒体で周知を図ります。 主たる推進主体 各市○ 5市協働 センター 介護予防の取組み等地域で開催される多様な機会を活用して、権利擁護支援や成年後見制度に関する周知を図ります。 主たる推進主体 各市○ 5市協働 センター 基本目標2 本人意思を尊重した切れ目のない相談支援の充実【重点】   施策2-1 権利擁護支援の必要性を検討する仕組みの整備 現状 〇5市では、これまで、窓口等で受けた相談を「権利擁護支援の必要性」、「市長申立ての必要性」、「候補者を誰にするか」等の観点から検討し必要な支援につなげてきています。 〇5市やセンターでは、専門知識や経験のある職員により相談・助言機能を一定程度果たしています。 〇5市の担当部署・相談機関が一次相談窓口※を担い、センターが二次相談窓口※を担っています 課題 〇5市の今後の権利擁護支援の在り方については、これまでの5市での検討及び支援の実績を踏まえながら、国(「体制整備のための手引き」(平成30年3月 公益社団法人日本社会福祉士会、19ページ)、東京都(「東京における地域連携ネットワークイメージ図」)の方針や考え方等を踏まえて、各市域の実情に応じた段階的な体制整備が求められています。 〇5市やセンターでは、専門知識や経験のある職員の知識や経験を活かしながら、より一層の組織的な支援を充実できるような体制を整備していく必要があります。 ○5市とセンターは、現状の役割分担の枠を基本としつつも、これにこだわることなく、各市とセンターが柔軟に連携して複雑化した相談に対応していく必要があります。 ※一次相談窓口とは、市民からの相談先となる5市、社会福祉協議会(権利擁護センター等)及び地域包括支援センター、障害者相談支援事業所等の地域の相談窓口をいいます。 ※二次相談窓口とは、市、社会福祉協議会及び地域の関係機関からの相談先となるセンターをいいます。 【取組みの方向性】 具体的取組み例 自ら相談窓口に来ることができない人の相談支援ニーズや存在の発掘に努め、必要に応じ訪問相談も行います。 主たる推進主体 各市○ 5市協働 センター 権利擁護支援や成年後見制度利用の必要性の検討を、5市の所管課と地域の関係機関が連携して行う場及び行う仕組みの充実を図ります。 主たる推進主体 各市○ 5市協働 センター 必要に応じて相談者以外の家族や関係機関(介護事業者、医療機関等)からも情報収集を行います。 主たる推進主体 各市○ 5市協働 センター 「一次相談窓口」及び関係機関(介護事業者、医療機関等)からの相談に応えることができる「二次相談窓口」の機能を確立します。 主たる推進主体 各市 5市協働 センター○ 虐待や権利侵害に対応するため、多職種による検討の場の設置(既存会議等活用も含む)及び仕組みの整備を進めます。 主たる推進主体 各市○ 5市協働 センター 権利擁護支援や成年後見制度利用の必要性を正確に把握するために、必要に応じて専門職から助言を得ることができる体制の充実を図ります。 主たる推進主体 各市 5市協働○ センター 相談の結果、権利擁護支援や成年後見制度の利用に至らなかった人については、相談後の本人の生活の支援や支援の必要性の変化等について継続して見守る体制(モニタリング)を構築します。 主たる推進主体 各市○ 5市協働 センター 虐待対応に関する体制の現状や課題、意思決定支援の在り方等に関する研修について検討します。 主たる推進主体 各市○ 5市協働○ センター 権利擁護支援の必要性の見極め方法などについて、5市及びセンターで情報を共有することにより、5市職員の質の向上に努めます。 主たる推進主体 各市 5市協働○ センター○ 施策2-2 意思決定支援の在り方の検討 現状 〇5市では、福祉サービス利用支援事業(地域福祉権利擁護事業)の利用、保佐・補助に関する相談、支援の拒否(セルフネグレクト(自己放任))のケース、精神障害者等の真意を反映した意思形成や意思表明が困難な方についての相談が目立っています。 〇5市及びセンターでは、権利擁護支援や成年後見制度の利用が必要な方について、本人への意思確認、意思決定支援の必要性が、支援者の間でどのように認識され、実践されているのか、確認が不十分な面もあります。 課題 ○5市及びセンターでは、現状の相談実績を踏まえ、その他の相談実務の場面においても、より一層、本人への意思決定支援の充実が求められます。 ○5市では、今後センターと協働して、国、東京都等の動向を見据えながら、成年後見制度利用促進法の目的を踏まえた意思決定支援について議論と認識を深めていくことが重要です。 【取組みの方向性】 具体的取組み例 本人を含めた家族、支援者等関係者が「本人の意思決定支援」の重要性を認識するための支援を行います。 主たる推進主体 各市○ 5市協働○ センター○ 先進的な取組み等を参考にした、意思決定支援の在り方について検討します。 主たる推進主体 各市○ 5市協働○ センター 施策2-3 成年後見制度の利用が必要な人に適切な支援方法を検討する仕組みの整備 現状 〇5市では、成年後見制度の利用が必要と思われる人の検討や具体的な利用方法について、それぞれ検討の手順が設けられています。市長申立ての検討に特化した福祉所管部内の複数の課によって検討や判断を行う仕組みを構築している市がある一方で、ほとんどの市では、担当所管課のみが担っています。 〇5市では、成年後見制度利用の必要性(特にセンターに法人後見を依頼することが適切と思われる事案)の検討と、首長申立ての必要性の検討が一体的に議論されている場合もあります。 課題 ○成年後見制度の申立ては、一面では本人の権利の制限となる性格を有することから、5市では、成年後見制度の利用が必要と思われる人の検討や具体的な利用方法について、より慎重な検討が求められます。 ○5市では、市長申立ての要否の検討の前段階で、成年後見制度利用の必要性及び相応しい後見人等候補者の選定について検討する仕組みを充実させる必要があります。(施策3-2参照) 〇5市からセンターによる法人後見を依頼する場合におけるセンター内での審議の在り方について検証が必要です。 【取組みの方向性】 具体的取組み例 成年後見制度による支援方針の検討、市長申立ての要否の検討及び相応しい候補者の検討機能の充実を図ります。 主たる推進主体 各市○ 5市協働 センター 申立人、市長申立て要否及び相応しい候補者等を複数課等で組織的に検討する場(市長申立て検討委員会等)を設けます。 主たる推進主体 各市○ 5市協働 センター 施策2-4 地域福祉権利擁護事業から成年後見制度への円滑な移行支援 現状 〇5市の社会福祉協議会では、現在、判断能力の低下がみられる市民に対して、利用者本人との契約に基づく地域福祉権利擁護事業※を実施しています。 ※認知症高齢者や知的障害者、精神障害者など判断能力が十分でない方を対象に、利用者との契約に基づき、地域で安心して暮らせるように、福祉サービス利用援助を中心として、日常的な金銭管理サービス、重要書類の預かり等の支援を区市町村社会福祉協議会等が実施しているものです。(東京都社会福祉協議会ホームページより引用) 〇5市では、成年後見制度利用の必要性(特にセンターに法人後見を依頼することが適切と思われる事案)の検討と、首長申立ての必要性の検討が一体的に議論されている場合もあります。 課題 ○5市では、今後、地域福祉権利擁護事業を利用している方の中には、成年後見制度へ移行することが望ましいケースが増加していくことが見込まれるため、社会福祉協議会と連携して円滑な移行が可能となるような体制を整備することが求められます。 〇5市では、成年後見制度へ移行に際して、利用者本人への丁寧な説明と意思決定支援が重要となり、具体的な方法について検討実践していくことが求められます。 【取組みの方向性】 具体的取組み例 地域福祉権利擁護事業から、成年後見制度利用への移行が円滑に行われるように、情報共有や事例検討など、関係機関との連携強化に努めます。 主たる推進主体 各市○ 5市協働○ センター 地域福祉権利擁護事業から成年後見制度への移行に際しては、本人への事前の説明と意思決定支援の在り方等を検討します。 主たる推進主体 各市○ 5市協働 センター 基本目標3 利用者がメリットを実感できる成年後見制度利用促進     施策3-1 本人や親族等による申立て支援に関わる相談支援の強化 現状 〇5市の多くは、地域包括支援センター、社会福祉協議会等で親族等の申立てに関わる相談支援を担っています。 〇5市の多くは、本人申立てへの支援は体系的には十分に行っていませんでした。 課題 〇5市では、国、東京都の動向も踏まえながら、申立て段階から後見人等への就任後の支援まで、地域の中で、親族等による成年後見制度の利用を支援していくため、従前より充実した体制整備を図ることが求められています。 〇5市では、本人申立てへの支援も行えるよう体制や取組みを検討していくことが必要となります。 【取組みの方向性】 具体的取組み例 一次相談窓口における本人や親族等によるの申立て支援についての体制整備を検討します。 主たる推進主体 各市○ 5市協働 センター 一次相談窓口において、本人や親族等に対し、申立て段階から相談支援を行うことについて周知を図ります。 主たる推進主体 各市○ 5市協働 センター 一次相談窓口において、本人や親族等に対する相談の対応力を強化します。 主たる推進主体 各市○ 5市協働 センター 施策3-2 成年後見制度の利用が必要な人に適切な候補者を推薦する仕組みの整備 現状 〇5市の一部では、市の窓口、社会福祉協議会及び地域包括支援センターにおいて、成年後見制度の利用を希望する方(以下「利用希望者」)へ適切な候補者の検討や推薦を行っています。 〇障害児・者の親からは、地域の相談窓口において、子供の現在のことと合わせて将来のことも相談できることや、子供の特性を理解してくれる後見人等候補者に関する情報提供を期待する意見が寄せられています。 〇センターが実施している「専門職紹介制度」では、現在40名程度の専門職が登録されており、センターのコーディネーターがマッチング(書類審査だけで候補者として決めるのではく、その前に本人と候補対象者とが面接して相性や了解等を事前に確かめることをいう。)を担っています。 課題 〇5市の一部の取組みの多くは、専門職団体等とのつながりの中で、団体や専門職個人から個別に推薦を受けて候補者を紹介している場合が多いため、5市では、より適切な候補者検討のための庁内での検討の場を設けていく必要があります。 〇日常的な地域の相談窓口で、利用希望者の特性に応じた候補対象者に関する情報を提供したり、相談に応じられるよう、5市関係部署・機関、センターとの情報共有の在り方についての検討も必要です。 〇センターでは、「専門職紹介制度」の充実に向けて、専門職団体等との情報共有の必要性が求められています。 ○5市及びセンターでは、成年後見制度利用ニーズの増加を見据え、親族後見人候補者への助言・支援をはじめ、市民後見人等の担い手の育成・確保等専門職以外の後見人等候補者の育成・支援も重要となっています。 【取組みの方向性】 具体的取組み例 申立人、市長申立て要否及び相応しい候補者等を複数課等で組織的に検討する場(市長申立て検討委員会等)を設けます。(再掲)。 主たる推進主体 各市○ 5市協働 センター 適切な後見人等候補者(専門職、市民後見人、法人等)を推薦できるような仕組みづくりを進めます。 主たる推進主体 各市○ 5市協働 センター センターの「専門職紹介制度」の登録要件等について検証を進めます。 主たる推進主体 各市 5市協働○ センター○ 東京家庭裁判所との連携を図ります。(後見人等候補者情報の的確な提供や主に親族後見人への支援を行うための連携体制の整備等) 主たる推進主体 各市 5市協働○ センター○ 施策3-3 市民後見人の育成、活動支援の実施 現状 〇5市では、東京都の「成年後見活用あんしん生活創造事業」に基づき、センターを活用して、5市共同で市民後見人(社会貢献型後見人)の育成を行っています。これに加えて、5市のうち一部の市では近隣市の社会福祉協議会と連携し、地域福祉権利擁護事業から成年後見制度への円滑な移行を目的として独自に市民後見人を養成するなど、地域の実情に応じた養成がなされています。 〇センターでは、平成27~30年度における、養成講習修了後の市民後見人の登録から紹介までの所要期間の平均は4.8ヶ月程度と比較的早い受任につながっています。 ○本計画の策定委員からは、市民後見人の住む市で、行政や一次相談窓口の関係者と顔を合わせながら講座を受講したいという声があるという意見が挙がっています。 課題 〇センターでは、5市への定期的な報告等を行うとともに、5市と養成方法等について協議していくことが求められます。 【取組みの方向性】 具体的取組み例 市民後見人の育成、活動支援の充実について、各市での取組み、センターとの協働の在り方双方について整理・検討します。 主たる推進主体 各市○ 5市協働○ センター○ 市民後見人が受任することが相応しい案件及びその受任の要件について、検討を行います。 主たる推進主体 各市○ 5市協働○ センター○ 5市、関係機関等の連携による研修・育成・継続的支援体制を整備します。 主たる推進主体 各市○ 5市協働○ センター○ 施策3-4 法人後見実施機関の立上げ、活動支援の実施 (法人後見実施機関としてのセンター) 現状 ○5市が共同で設置・運営しているセンターでは、平成15年度の設立当初から、5市における親族などの身寄りのない方や低所得の方等の成年後見制度利用の担い手として法人後見を実施してきており、その数は累計で(累積の実績、平成31年3月31日時点で219人(法定後見(3類型)審判確定者)に上ります。 〇センターが受任しているケースの割合としては高齢者が多くなっています。また高齢者、障害者ともに、いわゆる困難ケース(家庭内で複合的な課題を抱えているケース、精神障害ケース、刑罰法令に抵触するケース等)が多く、こうしたケースは今後とも増加していくことが予想されています。 〇複合課題ケース、違法行為をした高齢者・障害者等で福祉的支援を必要とするケース等の困難事例については、法人による後見がより望ましいと考えられることから、所得の多寡に関わりなく、法人による受任が期待されています。また、こうした必要性についてはすでにセンター内でも認識され、受任が行われています。 課題 〇今後、センターがより多くの困難ケースを受任できるような体制を図っていくためには、センター受任案件の要件等の再検討や、5市における成年後見制度利用支援事業のより効果的な運営が求められます。 (センター以外の法人後見実施機関の現状) 現状 ○5市内には、センター以外にも複数の法人後見実施機関が存在します。現状では、センターとセンター以外の法人後見実施機関との情報共有や連携体制は十分とはいえない状況です。 課題 ○特に、広域における人材・資源開発という点では、現在担い手が少ない障害分野の法人後見や困難ケースの増加を見据え、こうした事案を担えるようなセンター以外の法人後見実施機関の育成・活動支援等も重要となります。 【取組みの方向性】 具体的取組み例 関係者の意見を聴いて、センターが受任することが相応しい案件及びその受任の要件について、各市とセンターによる協議を実施します。 主たる推進主体 各市○ 5市協働○ センター○ 法人後見の担い手の育成・活動支援について検討します。 主たる推進主体 各市 5市協働○ センター○ 施策3-5 任意後見制度の利用等の相談、監督等の可能性の検討 現状 ○本人の自由意思による選択可能な任意後見制度は、高齢期の積極的な生活設計という点でも重要な選択肢の一つですが、5市における現状では、任意後見制度利用に関する相談はあまり多くありません。 課題 ○5市では、任意後見制度の今後の需要の増加を見据え、5市の地域包括支援センターや社会福祉協議会等の相談窓口での任意後見制度に関する相談への対応力が求められています。 ○5市では、特に障害を持つ子のいわゆる「親亡き後」の支援に関して、親が認知症等により判断能力が不十分になった時に備え、親自身の任意後見制度の利用に関心が向けられていることから、相談への的確な対応とともに、よりふさわしい後見人等候補者の選任に関するネットワーク等の構築の両面からの体制整備が求められます。 ○任意後見制度の利用促進に向けては、周知の促進とともに、受任調整や移行型任意後見制度利用者への適切な発効に対するフォロー等も必要になることから、今後周知促進と併せ、段階的に体制を構築していく必要があります。 【取組みの方向性】 具体的取組み例 5市の「一次相談窓口」における任意後見制度に関する相談対応力を高めます。 主たる推進主体 各市○ 5市協働 センター 任意後見制度に関する研修等の場を設けます。 主たる推進主体 各市 5市協働○ センター○ 基本目標4 後見人等への支援の充実            施策4-1 権利擁護支援の地域連携ネットワークにおける「チーム」づくり及び活動の支援 現状 〇現状では、本人と後見人を支援する「チーム」の機能は、功を奏している面もありますが、まだ不十分な状況にあるといえ、そのことが、専門職等の受任が進まない一因となっている場合も見られます。 課題 ○本人の意思を尊重した利用者本位の制度活用(意思決定支援、身上保護を重視した円滑な後見活動の遂行、地域福祉権利擁護事業からのスムーズな移行等)を図る上では、後見人等とチームとして対応する行政職員、支援者との連携は不可欠です。このため地域の既存の会議を活用して、本人を中心とした、地域の「チーム」による支援体制を構築していく必要があります。 ○「チーム」の活動の中には、成年後見の利用には至らなかったものの、何らかの権利擁護支援が必要とされた市民への支援者等によるモニタリングも含まれます。(介護支援専門員の定期訪問等既存の会議又は機能等活用) 〇「チーム」による継続的な支援を通じて、本人の生活・福祉の向上の観点から後見制度の利用による効果(本人らしい暮らしの確保、安定等)や不正の有無や兆候を確認し、必要に応じて、家庭裁判所への情報提供を行う必要があります。 〇家庭裁判所と連携を図りながら、必要に応じて新たな後見人等候補者の推薦(後見人等の交代)や支援体制への切り替え等についても検討します。 〇特に、移行型任意後見制度利用者については、適切な時機での任意後見監督人の選任が重要となります。現状では、当該制度利用者の把握も難しい現状にありますが、今後、利用者本人の了解を得ながら、「チーム」として支援可能な体制づくりの検討を進めていくことも重要です。 【取組みの方向性】 具体的取組み例 本人と後見人等を支援する「チーム」の機能を整備します。 主たる推進主体 各市○ 5市協働 センター 本人や家族が相談できるような体制整備を図ります。 主たる推進主体 各市○ 5市協働 センター 後見人等からの相談に応じられるような対応を図ります。 主たる推進主体 各市○ 5市協働 センター 「チーム」支援の一環として、必要に応じて、後見人等に対するモニタリング・バックアップできる体制整備に向けた取組みを検討します。 主たる推進主体 各市○ 5市協働 センター 「チーム」に関わる関係者への研修機会を設けます。 主たる推進主体 各市○ 5市協働○ センター○ 後見人等(専門職、市民後見人、法人等)の交流・研修の機会を設けます。 主たる推進主体 各市○ 5市協働○ センター○ 未だ成年後見制度の利用に至らない市民がいる場合、必要に応じてその後の経過についてモニタリングの仕組みをつくり、必要に応じて適切な成年後見制度利用支援につなげられる体制を構築します。 主たる推進主体 各市○ 5市協働 センター 施策4-2 親族後見人への支援の拡充 現状 ○現状では、親族後見人及び親族後見人になることを希望する人(以下「親族後見人」といいます)に対する支援は、各市の申立て支援等の実施状況や親族後見人のニーズにより、様々です。 〇センターでは、特に親族後見人への支援は行っていません。 課題 ○5市は、親族後見人の支援ニーズを把握し、一次相談窓口の対応力を強化する必要があります。その後、親族後見人同士の交流・情報共有の場づくり等についても、段階的に整備していく必要があります。 ○センターでは、今後、広域でのニーズの見極めや現状把握を行いながら、より専門性の高い事柄についての相談等への対応を検討していく必要があります。 【取組みの方向性】 具体的取組み例 様々な相談業務や問い合わせへの対応を行う中で、親族後見人の支援ニーズを把握します。 主たる推進主体 各市○ 5市協働 センター 「チーム」支援の一環として、必要に応じて、親族後見人に対するモニタリング・バックアップできる体制整備に向けた取組みを検討します。 主たる推進主体 各市○ 5市協働 センター 審判確定以降の親族後見人に義務付けられた事務についての支援を行います。 主たる推進主体 各市○ 5市協働 センター 親族後見人に対する広域での支援が効果的と思われる事項について検討し、段階的に実施します。 主たる推進主体 各市 5市協働○ センター○ 親族後見人の活動への支援の在り方について、必要に応じ専門職団体や家庭裁判所とも協議・連携を図ります。 主たる推進主体 各市○ 5市協働○ センター○ 今後、広域としての親族後見人からの相談支援への対応力強化に向けて、家庭裁判所との協議・連携を図ります。 主たる推進主体 各市 5市協働○ センター○ 基本目標5 地域における権利擁護支援の体制整備【重点】  施策5-1 中核機関の整備と機能分担の明確化 現状 〇現状では、5市の福祉総務課、福祉政策課等が市民からの一次相談窓口を、またセンターが5市や関係機関からの二次相談窓口を担うことを基本としています。 〇現在、今後に向けて、5市とセンターでの中核機関としての機能分担の在り方について検討を進めています。 課題 〇今後、利用者にとって身近な地域における体制整備を進める上では、5市の各市域における行政と関係機関等との役割分担や、中核機関としての5市とセンターとの役割分担のあり方について、検討を進めていく必要があります。 〇センターは、広域で実施した方がより効果が高いと思われる事柄について業務を行うことが求められます。 〇センターは、必要に応じて各市の一次相談窓口の対応力強化を支援することが期待されています。 【取組みの方向性】 具体的取組み例 各市における、それぞれの社会資源や地域の実情に応じた中核機関の整備の在り方について検討を行います。 主たる推進主体 各市○ 5市協働○ センター○ 5市とセンターの中核機関としての機能分担について、今後を見据えた検討を進めます。 主たる推進主体 各市○ 5市協働○ センター○ センターが各市の実情に応じて一次相談窓口の対応力を強化させることに協力します。 主たる推進主体 各市 5市協働 センター○ 施策5-2 成年後見制度利用支援事業の効果的な運用 現状 〇成年後見等申立費用助成及び成年後見人等報酬助成制度は,低所得の方の成年後見制度利用を促進させるために重要な施策であり、現在5市では両制度を運用しています。しかしながらその実績は年間数件に止まっています。 〇申立費用や後見人等への報酬を払えないために、制度の利用を控えざるを得ない例も散見されます。 〇専門職団体からは,センターが受任することがより相応しい事案に対応できるよう,各市の成年後見制度利用支援事業の実効性を高める必要性を指摘する声も聴かれました。 課題 〇5市では、成年後見制度申立費用助成制度、成年後見人等報酬助成制度、その他の成年後見制度利用支援事業を、より効果的に運用できるよう施策を検討し実施していくことが求められています。 【取組みの方向性】 具体的取組み例 成年後見等申立費用助成制度のより効果的な運用の在り方について検討・実施します。 主たる推進主体 各市○ 5市協働 センター 成年後見人等報酬助成制度のより効果的な運用の在り方について検討・実施します。 主たる推進主体 各市○ 5市協働 センター 施策5-3 各市域と広域における重層的な権利擁護支援の地域連携ネットワークの構築 現状 ○5市では、高齢者の見守り、高齢者や障害者の虐待防止、高齢者や障害者の消費者被害防止といった多様なネットワークが構成されています。 〇5市の中には、権利擁護支援や成年後見制度に関しては、専門職等の協力を得ながら相談や事例への対応を行っている市がある一方で、専門職団体の協力を得るまでの関係構築が十分に行えていない市もあります。 課題 〇5市では、既存のネットワークとともに、庁内関係部署と各市の一次相談窓口を始めとする地域の関係団体、専門職団体の協力を得ながら、各市域における権利擁護支援の地域連携ネットワークの構築・運営を進める必要があります。 〇判断能力に不安がある事案の相談をどの窓口で受けるのか明確に切り分けられません。そのため、5市では、誰でもが身近な地域で権利擁護支援や成年後見制度の利用に関する相談をできるよう、各市における一次相談窓口の対応力を強化する必要があります。 〇各市単独では解決が難しい事例への協力依頼や広域での体制整備が地域住民にとってメリットが大きいと想定される機関との関係構築を進めるためにも、5市・センターによる広域の権利擁護支援の地域連携ネットワークの構築・運営を進める必要があります。 【取組みの方向性】 具体的取組み例 福祉部門以外の関係部局・関係機関等を含めた、市域における権利擁護支援の活用の在り方検討を行う仕組みや体制を整備します。 主たる推進主体 各市○ 5市協働 センター 市域における権利擁護支援の地域連携ネットワークの構築・運営を行います。 主たる推進主体 各市○ 5市協働 センター 市域における専門職団体との連携の在り方について検討を行います。 主たる推進主体 各市○ 5市協働 センター 広域における権利擁護支援の地域連携ネットワークの構築・運営を行います。 主たる推進主体 各市 5市協働○ センター○ 広域における専門職団体との連携の在り方について検討を行います。 主たる推進主体 各市 5市協働○ センター○ 広域、市域における東京家庭裁判所との連携の在り方について検討を行います。 主たる推進主体 各市 5市協働○ センター○ Ⅴ 計画の進行管理 1 計画の進行管理を担う合議体の設置・「振り返りや見直しの視点」の設定等 〇5市及びセンターにおいて、本計画の進捗状況を確認、共有し、取組みの効果と目標の在り方について定期的な進行管理、見直しを行う機会を設けます。 ?福祉部門以外の関係部局・関係機関等を含めた、市域における権利擁護支援の活用の在り方検討を行う協議の場の設置 ?広域における権利擁護支援の活用の在り方検討や振り返りを行う協議の場の設置  〇定期的な進行管理、見直しを行うに当たっては、「振り返りの視点」を以下のように設定し、次期計画や事業の見直しを図ります。 2 共通計画の「振り返り」の目的と推進についての方策   (1)共通計画の「振り返り」の目的 〇共通計画は、5市が権利擁護支援や成年後見制度の利用を促進していくに当たり、センターを活用しながら達成していくべき共通の目標や目標実現に向けた施策の方向性を掲げたものです。 〇そのため、5市による振り返りの目的は、主に次のように考えられます。 ?各市で取り組むこと、あるいは広域(5市が協働)で取り組むことがより効果的と思われることの整理と5市協働で取り組む場合のセンターの役割等の整理(5市がセンターに依頼する内容の洗い出し、センターの役割の明確化) ?利用者にとってよりメリットを実感できるような制度運用となっているか、という視点での確認 ?5市各市における体制整備、取組みの進捗状況の確認(決して5市の比較や優劣をつけることが目的ではありません) (2)計画の「振り返り」の視点 以下、各基本目標、施策ごとの「振り返り」の視点を例示します。5市及びセンターでは、これらの視点で毎年振り返り等を行い、それらの結果を前記協議の場で共有・協議し、各年の事業計画等への反映を行っていきます。 なお、共通計画における振り返りの主眼は、「5市協働」及び「センター」の取組事項となり、「各市」の取組みについての振り返りは、各市の市町村計画の中で行います。(ただし、両者は相互に関係することから、ここでは、各市が推進主体となる施策を含めて、振り返りの視点を掲載します。) 基本目標と施策毎の振り返りの視点 基本目標1 施策1-1 振り返りの視点 ・本人、周囲の人からの相談、発見に繋げるという視点から広報活動等の方法や内容を整理し、検討し、関係機関で共有できたか。 主たる推進主体 各市○ 5市協働 センター○ 施策1-2 振り返りの視点 ・本人、周囲の人からの相談、発見に繋げるという視点から・広報活動等の方法や内容を整理し、検討し、関係機関で共有できたか。(再掲) 主たる推進主体 各市○ 5市協働 センター ・本人、周囲の人にとって分かり易い説明をし、広報活動等の方法や内容を整理し、検討し、関係機関で共有できたか。 主たる推進主体 各市○ 5市協働 センター ・地域住民等にとって分かり易い説明をし、広報活動等の方法、内容を整理し、検討し、関係機関で共有できたか。 主たる推進主体 各市○ 5市協働 センター 基本目標2 施策2-1 振り返りの視点 ・本人や家族が気軽に相談ができるような体制整備が図れたかという視点からの検討を行い、関係者間で共有できたか 主たる推進主体 各市○ 5市協働 センター ・本人にとって適切な支援が行われるという視点から検討方法、内容、仕組み等を整理し、検討し、関係機関で共有できたか。 主たる推進主体 各市○ 5市協働 センター ・成年後見制度の利用に繋がらなかった場合にも適切な支援の検討を行うという視点から検討方法、内容、仕組み等を整理し、検討し、関係機関で共有できたか。 主たる推進主体 各市○ 5市協働 センター○ 施策2-2 振り返りの視点 ・本人の意思決定を適切に行うという視点から検討方法、内容、仕組み等を整理し、検討し、関係機関で共有できたか。 主たる推進主体 各市○ 5市協働○ センター 施策2-3 ・本人にとっての適切な支援が行われるという視点から検討方法、内容、仕組み等を整理し、検討し、関係機関で共有できたか。(再掲) 主たる推進主体 各市○ 5市協働 センター 施策2-4 ・本人にとっての適切な支援が行われるという視点から検討方法、内容、仕組み等を整理し、検討し、関係機関で共有できたか。(再掲) 主たる推進主体 各市○ 5市協働○ センター○ 基本目標3 施策3-1 ・成年後見制度を利用して地域で希望する生活が継続できるという視点から検討方法、内容、仕組み等を整理し、検討し、関係機関で共有できたか。 主たる推進主体 各市○ 5市協働 センター 施策3-2 ・適切な候補者を推薦するという視点から検討方法、内容、仕組み等を整理し、検討し、関係機関で共有できたか。 主たる推進主体 各市○ 5市協働 センター ・「専門職紹介制度」の仕組み等を整理し、検討し、関係機関で共有できたか。 主たる推進主体 各市 5市協働 センター○ 施策3-3 ・適切な候補者を推薦するという視点から検討方法、内容、仕組み等を整理し、検討し、関係機関で共有できたか。(再掲)) 主たる推進主体 各市○ 5市協働○ センター○ ・担い手の育成、活動支援等を整理し、検討し、関係機関で共有できたか。) 主たる推進主体 各市○ 5市協働○ センター○ 施策3-4 ・適切な候補者を推薦するという視点から検討方法、内容、仕組み等を整理し、検討し、関係機関で共有できたか。(再掲) 主たる推進主体 各市○ 5市協働○ センター○ ・担い手の育成、活動支援等を整理し、検討し、関係機関で共有できたか。(再掲) 主たる推進主体 各市○ 5市協働○ センター○ 施策3-5 成年後見制度を利用して地域で希望する生活が継続できるという視点から検討方法、内容、仕組み等を整理し、検討し、関係機関で共有できたか。(再掲) 主たる推進主体 各市○ 5市協働○ センター○ 基本目標4 施策4-1 ・適切な「チーム」づくりを推進するという視点から検討方法、内容、仕組み等を整理し、検討し、関係機関で共有できたか。 主たる推進主体 各市○ 5市協働○ センター ・適切な「チーム」の活動を支援するという視点から検討方法、内容、仕組み等を整理し、検討し、関係機関で共有できたか。 主たる推進主体 各市○ 5市協働○ センター○ 施策4-2 ・適切な「チーム」の活動を支援するという視点から検討方法、内容、仕組み等を整理し、検討し、関係機関で共有できたか。(再掲) 主たる推進主体 各市○ 5市協働○ センター○ 基本目標5 施策5-1 ・中核機関の機能分担に関する検討を行ったか。 主たる推進主体 各市○ 5市協働 センター 施策5-2 ・成年後見制度等の利用件数は何件か。 主たる推進主体 各市○ 5市協働 センター ・事例概要を整理し、把握し、関係機関で共有できたか。 主たる推進主体 各市○ 5市協働○ センター○ 施策5-3 ・権利擁護支援の地域連携ネットワークの構築・運営に関する検討を行ったか。 主たる推進主体 各市○ 5市協働○ センター○ 資料編 共通計画策定の方法と体制               共通計画策定の方法と体制  1 策定委員会等の設置と運営 5市関係課長からなる策定検討会(ワーキング)及び委員を交えての策定委員会を設置し、事業の検討と調査、共通計画策定に向けた協議を行いました。 実施回数 5市による策定検討会 計12回(メール審議を含む)開催 策定委員会3回開催 【5市による策定検討会 (ワーキング)】 第1回 平成31年4月18日 協議事項 ・検討方針について ・ヒアリング調査について 第2回 令和元(2019)年6月26日 協議事項 ・ヒアリング結果の経過報告→センターと5市との機能分担の在り方について(調査結果から) ・5市による共通計画策定方針について(厚生労働省成年後見制度利用促進専門官によるレクチャーを含む) ・専門職団体へのヒアリング調査の方針検討 第3回 7月18日 協議事項 ・ヒアリング調査結果の報告(現状と課題の整理) ・共通計画の骨格及び5市における各計画へ盛り込むべき方策の検討※8月予定の第1回外部委員による検討委員会における協議事項の確認 第4回 8月7日(第1回策定委員会後に開催) 協議事項 ・委員会のふりかえりと修正方針の検討 第5回 9月2日 協議事項 ・第1回外部検討委員会の結果を踏まえての計画再整理案について 第6回 9月27日 協議事項 ・計画素案(たたき台)の検討 第7回 10月10日(第2回策定委員会後に開催) 協議事項 ・委員会の振り返りと修正方針の検討 第8回 10月25日 協議事項 ・計画素案の検討(パブリックコメント案の検討) 第9回 11月6日 協議事項 ・計画素案の検討(パブリックコメント案の検討・確定) 第10回 11月13日 協議事項 ・計画素案の検討(パブリックコメント案の検討・確定) 12月 各市におけるパブリックコメント実施 第11回 令和2(2020)年1月14日 協議事項 ・パブリックコメント結果の反映について検討 ・計画最終案の検討 ・周知方法等の検討 第12回 1月30日 (第3回策定委員会後に開催) 協議事項 ・委員会の振り返りと修正方針の検討 第13回 2月 協議事項 ・計画の確定 【策定委員会】 第1回 令和元(2019)年8月7日 協議事項 ・5市協働による計画策定の基本方針について(協働プラス各市独自の形態予定) ・協働による計画(共通目標)の検討 ・センターと各市における中核機関機能分担の在り方について 第2回 10月10日 協議事項 ・計画素案(たたき台)の検討 第3回 令和2(2020)年1月30日 協議事項 ・パブリックコメントの結果報告 ・計画最終案の検討 2 現状と課題の整理 5市における権利擁護支援・成年後見制度利用促進にかかる体制整備の現状と課題、5市とセンターとの中核機関としての機能分担の在り方等に関する現状把握と課題の整理を目的に、下記の調査対象に対してヒアリング調査を行いました。 【実施方法】 ア 5市担当課、関係課・機関に対するヒアリング調査 実施時期令和元(2019)年5月~6月 イ センターに対するヒアリング調査 実施時期5月 ウ 東京都担当部局に対するヒアリング調査 実施時期6月 エ 専門職団体、法人後見実施団体等に対するヒアリング調査 実施時期8月~9月 オ 親の会へのヒアリング調査 実施時期11月 3 事業実施体制 以下の体制で本事業を遂行しました。 【策定委員会委員】(五十音順、敬称略  ◎委員長 〇副委員長) 〇池田 惠利子  いけだ権利擁護支援ネット 代表 大口 達也   高崎健康福祉大学 社会福祉学科 講師 岡垣 豊    西東京共同法律事務所 弁護士 倉持 香苗   日本社会事業大学 講師 進藤 美左   特定非営利活動法人調布心身障害児・者親の会 会長 ◎西田 雄次   調布市ちょうふの里 施設長 平栁 陽一   平栁陽一司法書士事務所 司法書士 星野 美子   公益社団法人東京社会福祉士会 社会福祉士 (事務局) 5市担当課 調布市 福祉健康部福祉総務課 日野市 健康福祉部福祉政策課 狛江市 福祉保健部地域福祉課 多摩市 健康福祉部福祉総務課 稲城市 福祉部生活福祉課 一般社団法人多摩南部成年後見センター 調布市、日野市、狛江市、多摩市、稲城市成年後見制度利用促進基本計画 発行 令和2年3月 (事務局) 5市担当課 調布市 福祉健康部福祉総務課 日野市 健康福祉部福祉政策課 狛江市 福祉保健部地域福祉課 多摩市 健康福祉部福祉総務課 稲城市 福祉部生活福祉課 一般社団法人多摩南部成年後見センター 無断転載を禁ず