◎国保データヘルス医療費分析の結果から ID:1010821 [お問い合わせ]保険年金課(電話番号042・514・8276) 市では、平成26年度から国保被保険者の医療レセプトデータなどの分析をさまざまな角度から行い、 そこで見えてきた健康課題の解決に向けて「日野市国民健康保険データヘルス計画」を策定しました。 本計画では、疾病予防について広く呼びかけるポピュレーションアプローチと、 一定の条件の被保険者を対象に疾病の重症化を予防するハイリスクアプローチとの両面から健康増進に取り組んでいます。 市は、微量アルブミン尿検査を先駆的に実施するなど、糖尿病性腎症の早期発見、早期治療を進めていますが、 今回は、糖尿病にも関連の深い受動喫煙と歯科に関する分析結果をお伝えします。 ■COPD(シーオーピーディー)という病気を知っていますか? COPD(慢性閉塞性肺疾患)は、主に長期の喫煙や受動喫煙によってもたらされる肺の炎症性疾患で、 咳、痰、息切れなどの症状があり、徐々に呼吸障害が進行する疾患です。 まだまだ認知度が低いため、医療機関にかからないまま重症化している場合があり、 実際に投薬治療中の患者数に対して、推定潜在患者数が多いのが特徴です。 日野市におけるCOPD(慢性閉塞性肺疾患)患者数は、投薬治療中の348人に対して、潜在患者数が6,960人です。 ▼COPD患者数と推定潜在患者数(平成29年4月~30年3月受診分) 投薬治療患者…348人 推定潜在患者数…6,960人(投薬治療患者の20倍) ▼COPD投薬治療患者の疾病傾向(平成29年4月~30年3月受診分) COPD投薬治療患者348人が併せて持っている疾患上位5位を右に示します。複数の疾患が併存していることが分かります。 ぜんそく…238人 逆流性食道炎など…207人 胃炎および十二指腸炎…176人 高血圧性疾患…174人 糖尿病…161人 ■COPDを予防するために COPD(慢性閉塞性肺疾患)を防ぐには、禁煙に取り組むことや受動喫煙をなくしていくことが大切です。 平成30年度には、健康増進法の一部が改正され受動喫煙対策が始まっています。 禁煙を試みようと思う方やCOPD(慢性閉塞性肺疾患)が気になる方は、かかりつけ医に相談することをお勧めします。 ■平成30年度から歯科に関する分析を開始しました 日野市国保被保険者で平成29年度に歯科を受診した患者の残存歯数を、0~19本と20本以上に分類し医療費との関係を分析したところ、 残存歯数が少ないほど1人当たりの医療費が高いことが分かりました。 また、糖尿病医療費も同様に、残存歯数が少ない人ほど医療費が高いことも分かりました。 生活習慣病などを発症し健康状態が悪くなっている様子がうかがえます。 ▼残存歯数別1人当たり 糖尿病および医科・歯科医療費 (平成29年4月~30年3月受診分) 《棒グラフ》 1人当たり糖尿病医療費 残存歯数20本以上…6,777円 残存歯数19本以下…15,689円(約2.3倍) 1人当たり医科・歯科医療費 医科:残存歯数20本以上…211,982円 歯科:残存歯数20本以上…31,672円 医科:残存歯数19本以下…357,270円(約1.8倍) 歯科:残存歯数19本以下…42,460円 30歳代以降内訳→ ▼残存歯数別・年齢階層別 1人当たり医科医療費 (平成29年4月~30年3月受診分) 30歳代:残存歯数20本以上…10万円 30歳代:残存歯数19本以下…21万円 40歳代:残存歯数20本以上…15万円 40歳代:残存歯数19本以下…46万円(40歳代の医療費は約3倍) 50歳代:残存歯数20本以上…21万円 50歳代:残存歯数19本以下…39万円 60歳代:残存歯数20本以上…25万円 60歳代:残存歯数19本以下…34万円 70歳代:残存歯数20本以上…31万円 70歳代:残存歯数19本以下…37万円 ★若いうちから歯の健康を保ちましょう! ▼医科および歯科受診者の年齢階層別総医療費 (平成29年4月~30年3月受診分) 《折れ線グラフ》 ■歯の重要性を知ろう ▼歯の役割 ものを食べる、しゃべる、力を出す、表情を作るなどがあります。 歯の本数の多い高齢者は健康度が高いという検証結果があり、 歯が20本以上あると要介護になりにくいと言われています。 歯の健康な人は高齢になっても何でも食べられ若々しく、元気です。 ▼歯周病とは 痛みがなく次々と歯を失う病気で、軽度も含めると成人の約8割が歯周病です。 歯周病の原因は、歯垢、喫煙、糖尿病、歯ぎしりなどで、10~20年かけて骨が溶けて、グラグラになるまで痛みがありません。 また、歯周病を放置すると、肺炎、心臓病、糖尿病、骨粗しょう症など全身に影響します。 ◆まとめ 歯周病は大人が歯を失う原因のNO.1です。若いうちからかかりつけ歯科医を決めて定期的な歯科受診をお勧めします。 (国保健康講座から)講師:峯岸大造氏(みねぎし歯科院長)