◎骨が生まれ変わるのには理由がある 骨を知ろう 人間の体は絶えず新陳(しんちん)代謝をくり返しています。 骨も同様で、常に新しく生まれ変わることにより、強さや柔軟性が保たれています。 この「骨の代謝」には破骨(はこつ)細胞と骨芽(こつが)細胞が活躍します。 そのしくみについて詳しく見てみましょう。 ○破骨(はこつ)細胞 古い骨をみつけるとその骨を壊す細胞です。 ○骨芽(こつが)細胞 破骨(はこつ)細胞が壊したあとに新しい骨を作る細胞です。 ◆骨の代謝のしくみ 血液中からやってきた破骨細胞は古い骨にくっつき、カルシウムやコラーゲンを酸や酵素で溶かします。 破骨(はこつ)細胞は古い骨を溶かすと消えてしまいます。 破骨(はこつ)細胞が消えた後に、骨芽細胞が現れます。 骨芽(こつが)細胞は骨にコラーゲンの芯を作り、カルシウムを付着させる“のり”の役目を果たすたんぱく質を塗ります。 たんぱく質の“のり”の上に血液中から運ばれてきたカルシウムが付着し、新しい骨になります。 完成! 骨はこうして絶えず生まれ変わり続けています。 次ページでは、元気な骨を作るための生活習慣をご紹介します! 骨の代謝には「栄養」「運動」「睡眠」が大切だよ! 骨ホワイト:骨は常に生まれ変わり続けているからカルシウムを取るのが大切なんだね 骨芽細胞、破骨細胞:骨ってすごーい! 骨ホワイト:破骨細胞と骨芽細胞の働きは年齢によって違うから、 骨量も年齢によって変化するんだよ! ◎年代ごとの破骨細胞と骨芽細胞のバランス 1成長期 新陳代謝が活発な成長期は、骨はさかんに壊されては作られています。 しかし、骨を作る力の方が強いため、体はどんどん大きくなっていきます。 骨芽(こつが)細胞が元気だよ! 2成熟期 20歳代以降は、体が完全にできあがる年代。 骨量も最大となります。また、骨を壊す力と作る力のバランスが取れている時期でもあります。 同じくらいの働きをしているよ 3高齢期 40歳代以降は、骨量が緩やかに減少していきます。 この段階では骨を壊す力が上回るようになります。 骨の代謝力が低下していくよ ◎ちょっと骨休め… よく聞く骨粗しょう症って、そもそも何? 骨粗しょう症は、骨の量が減少したり、骨の質が変化して骨が弱くなり、骨折しやすくなる病気です。 加齢にともない破骨細胞と骨芽細胞のバランスが崩れるため、自然と骨の量は減っていきますが、 これが著しく進んだ状態を「骨粗しょう症」といいます。 特に女性は、閉経により女性ホルモンが減少することで破骨細胞の働きが活発になるため、 急激に骨量が減少して骨粗しょう症になりやすくなります。 しかし、加齢による骨量の減少は男性も同様なので、年齢を重ねると男女ともに骨粗しょう症のリスクは増加します。 《年齢と閉経に伴う骨量の変化(概念図)》 女性 閉経 骨量の急激な減少 資料/骨粗鬆症検診・保健指導マニュアル第2版 (ライフサイエンス出版2014年)