第１回（仮称）日野市障害者差別解消推進条例策定検討委員会　会議録（要約）

日時：平成29年11月24日（金）午後３～５時
会場：日野市役所５階　505会議室
出席者：妹尾委員　村木委員　佐藤委員　藤田委員　浅野委員　一ノ瀬委員
　　　　堀田委員　山本委員　重山委員　谷委員　岡田委員　根津委員
欠席者：鮫島委員　津島委員　有山委員　奥田委員　石川委員　髙橋委員

●市長挨拶
（大坪市長）
　本検討委員会に参加いただき、ありがとうございます。平成28年4月に障害者差別解消法が施行され、日野市では障害者差別解消基本方針平成29年3月に策定した。また、日野市職員向けの対応要領、ハンドブックについても併せて策定した。今年度は、基本方針の市民、事業者への周知の一年間と位置付けている。12月には障害者週間イベント等も実施していく。
　そしていよいよ本日から、障害の有無にかかわらず誰もがお互いの人格と個性を尊重し支え合い安心して暮らせる共生社会の実現を目指して、差別解消の条例を策定していく。
　平成29～30年度で、条例の素案について皆様に協議・検討していただくことになる。本検討委員会では市民、障害者関係団体に加えて交通関係、産業団体、教育関係の皆様にも委員として参加していただいている。様々な立場から議論していただきたい。なお、本検討委員会の下部組織として庁内検討部会も設置し、議論検討していく。
　また、東京都では、平成30年度に差別解消の条例を制定する予定になっており、その動向もしっかり把握していく必要がある。
　日野市の条例は平成31年度以降の施行を予定している。日野市の差別解消条例は単なる理念条例を目指すものではない。具体的な差別の問題を解決する仕組づくりを目指して検討・策定していきたいと考えているので、委員の皆様から忌憚のない意見をいただき、しっかりした条例が策定できるようご尽力いただければと思う。

●委嘱

●委員紹介
　
●審議事項（委員長選任、副委員長の指名）
　藤田委員を委員長に選任。妹尾委員を副委員長に指名

●確認及び報告事項
①障害者差別解消法、日野市障害者差別解消基本方針について
②条例制定済みの先行都市の条例の比較検討
（上記①～②について事務局から説明）

〇意見、質問等
（関係団体委員）
他市で条例制定後、実際に差別解消された具体的な動き、事例はあるか。
情報があれば教えてほしい。
（市職員委員）
障害者差別解消法、日野市の基本指針がある中で、この条例を作る狙い、期待は何か。
（市民委員）
資料３の３枚目のスライドに、法第２条の障害の定義で「相当な制限を受ける状態」とあるが、「相当な」とは微妙な表現だと思うが、具体的な基準のようなものが存在するのか。
（事務局から回答）
・１番目の質問については、具体的なデータ等は把握していないので、今後調べて回答させていただきたい。ただ、八王子市では、かなり以前に制定して、相談の窓口は機能していると聞いている。
・２番目の質問について、条例化については以前から検討していた。法が施行されてから、庁内で法について検討し、まず基本指針を作成した。その後、庁内での法に対する知識も深まり、法の横出し等も含めて、「ともに生きるまち日野」という共生社会を実現するため条例についても検討していこうということで進めており、今回の検討委員会の設置となった。
　基本方針については、法を受けて市としての考え方の整理をしたものである。条例というのは基本方針の考え方に基づいて、ルールを設定して運用していこうというものである。考え方について、市民、事業者、市が周知、理解した上で、ルールとしての条例の制定を検討していきたいと考えている。
・３番目の「相当な」については、法の障害者の定義に則して使っている。
基本方針の検討時にも議論が出たが、具体的には改めて報告する。


〇その他意見
（市民委員）
トップの障害に対する姿勢が非常に重要。条例ができたら、トップの人が明確に市民に伝えてほしい。
（委員長）
法律は国全体、都の条例は東京都全体をみて制定している。そうすると日野市で起きている問題に対して対応できない可能性もある。日野市の条例は、日野市の地域性にあったものを、より丁寧なものを作っていくことが必要と思う。

③今後のスケジュール及び検討委員会の進め方について
　（上記③について事務局から説明）　

〇意見、質問等
　特になし。

●その他
（委員長）
委員の皆さんから感じていること等を発言していただき、共有できればと思う。
（市民委員）
・特例子会社と就労継続支援Ａ型事業所に視察に行ったが、非常によかった。こうした取組が国レベルで広がっていけばよいと思った。
・家族の関係で精神障害に関わることになったが、いろいろ勉強することばかりである。
（市民委員）
・日野市ならではの条例という話があったが、日野市は水害の危険性があるので災害時の障害者対策について検討してもよいのではと思う。
・子供を保育園に入れる際に車いすで見学することを希望したところ、車いすの対応はしていないと断られたことがあった。そういうことに問題意識を感じたことも、今回の委員会への参加につながっている。
（関係団体委員）
事業者の立場からになるが、グループホームの物件を探している時に、不動産業者からオーナーに問い合わせた結果、そういう目的では貸せないと言われたことがある。
そのオーナーの個人的問題というより、社会的に差別意識があることが問題と思う。差別意識を解消していくために、統合教育の実現などにつながっていけばよいと考えている。
（委員長）
今、出た意見についても含めて、行政側から意見があれば。
（市職員委員）
関心を持つ、意識を持つ、相手の立場に立つ、ということが重要と考えている。
先ほどの車いすの来園を拒否した件は、配慮に欠けているように思う。
（市職員委員）
・都市計画課で所管しているものの中には空き家活用があり、障害者のグループホームで使いたいという話もある。しかしオーナーの承諾を得るのは難しいケースが多い。NPOに中に入ってもらって徐々に理解を得ていく形等で進めていくことを検討している。今回の条例制定がオーナーや地域の方々の差別解消につながればと思う。
・建物のユニバーサルデザイン、バリアフリーについても取り組んでいきたい。
（教育関係委員）
教育委員会としても、法の施行を受けて、各学校に対して合理的配慮を一人一人進められることから取り組んでいこうと話をしている。まずは現状の中で何ができるのか本委員会での議論も踏まえて検討していきたい。
（教育関係委員）
・小学生は、時には障害者に対し心無い発言、態度をとる場合もある。そういう点も踏まえ、障害者とどう接するかについて指導していく必要があると思う。私の学校では、近くにある特別支援学校と交流活動をしている。
・学校内の掲示等もユニバーサルデザインの視点を取り入れている。
（産業経済団体委員）
皆さんの話を聞いて、私が経営している店舗のトイレは車いすの方は使いにくい、バリアフリーになっていないと思った。考えていきたいと思う。商店街の他の店舗も同様だったり、意識の違いがあったりすると思う。本検討委員会で勉強できればと思う。
（交通関係事業者委員）
・東京タクシー・ハイヤー協会の取組としては、ドライバーに対してユニバーサル研修を実施している。年４回、１回50名が受講している。
・通常の型の車に、車いすの方が乗る場合、座席の横に車いすを付けて移動し、運転手が介助する形になる。自動車メーカーがジャパンタクシーというユニバーサルデザインの車を発売しているが、慣れていないと乗車・降車に各20分かかり、慣れていても７分くらいかかるということで、時間がかかることがネックになっている。業界としてもスムーズな乗車に取り組んでいきたい。本委員会で情報交換し、学んでいきたいと思う。
（副委員長）
本日も各委員から具体的な話が出た。今後の委員会においてもきめ細かく課題を抽出した上で、条例化にあたってどう反映していくか検討し、進めていければと思う。
（委員長）
・今後も皆さんから様々な意見をいただき、情報や意識を共有するところから進めていきたいと思う。
・次回は以前に実施した市民アンケートの抽出データを提供いただけるということでしたので、よろしくお願いします。

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