第5回日野市障害者差別解消検討委員会議事録(要点録) 開催日時 平成29年2月7日(火) 午後6時〜午後8時10分 開催場所 市役所本庁舎 6階 全員協議会室 次第 開 会 議 題 1. パブリックコメント(意見募集)の結果とその対応について 2. 基本方針(素案)について 3. 基本方針策定後の対応について 出席者 (敬称略) [委 員] 藤田博文(委員長)、吉川かおり(副委員長)、津島恭子、 堀場照美、結一純、有山一博、金子財産管理課長、 仲田市民窓口課長、平緑と清流課長、岡田都市計画課長、 秦文化スポーツ課長、中田子育て課長、飯倉図書館長、 根津障害福祉課長 (欠席 川原井信吾、熊澤地域協働課長、兼子庶務課長、) [事務局]橋福祉係長、東援護係長、横山主事 [開 会] ・検討委員会のルール確認 ・出欠確認(委員過半数以上の出席があり、設置要綱第6条第3項の規定により成立) [議 題] 1.パブリックコメント(意見募集)の結果とその対応について ・1.目的、2.定義について説明 ・3.市の責務、4.市民の役割、5.事業者の役割について説明 〇 「事業者の責務と協力」となっているが、協力とはどのような意味なのか。障害者差別解消法第8条には協力については何も書かれていない。協力という表現は必要ないのではないか。 事 務 局 障害者差別解消法には、元々「事業者の責務」という項目はないが、この基本方針では事業者についてもある程度の規定をしようと考えて、以前の案では「事業者の役割」としていた。それを、今回いただいたご意見や障害者差別解消法第8条で事業者の義務について規定されていることなどをふまえて、責務という表現に変更したところである。障害者差別の解消は国民の責務となっており、同様に市が差別解消を進めるためには事業者の協力が不可欠であることから、市として協力を求めていくということで、「事業者の責務と協力」としている。 〇 本文中に協力について書かれているので、表題に協力という表現がなくても十分ではないか。 〇 私も協力という表現をなくして、責務だけで良いと思う。 〇 基本方針の中で、事業者に責務と協力を求めていくことを敢えて強調したいのであれば、協力という表現を入れても良いのではないか。 〇 本文中に協力について書かれているので、表題は責務だけで良いと思う。 ● 本文中に「施策に協力するよう努めるものとする」と書かれているので、表題はシンプルに責務だけで良いと思うが、それでよろしいか。 〇 「市の責務」の中に履行という表現が追加されたが、障害者差別解消法第7条は、第1項で権利利益を侵害してはならないこと、第2項で合理的な配慮をしなければならないことを規定している。合理的な配慮を履行するというのは文章としてつながるが、権利利益を侵害してはならないことを履行するというのは、やらないことを履行するという言い方になるので、文章としてなじまないのではないか。 〇 遵守という表現の意味を正しく理解すれば、履行という表現は必要ないのではないか。 〇 遵守という表現には、履行するという意味も含まれるので、遵守だけで十分ではないか。 ● ご意見の通り、遵守だけにするということでよろしいか。 ・6.対象分野、7.不当な差別的取扱いについて説明 〇 資料2の5ページの「不当な差別的取扱いの3つの類型と具体例」のところは「障害を理由とする」となっているが、資料1の項番23では「等」を追加して「障害等を理由とする」としている。ここは「等」が入ると考えてよろしいか。 事 務 局 「障害等を理由とする」が正しいので、修正したい。 〇 対象分野のところで、「…選挙等、その他の分野」となっているが、この「等」は必要なのか。 事 務 局 選挙権、被選挙権など複数の対象を含むために「選挙等」としたが、「等」の要否についてはご意見を伺えればと思う。 ● 選挙については選挙権と被選挙権の二つの対象があるということで「等」をつけ、「その他」のほうは例示以外の全ての分野を含むことを示しているということだと思う。以前の案では公民権という表現だったと思うが、よりイメージしやすくするため選挙という表現にして、「等」をつけたということか。 〇 「等」をつけるのであれば、何か注釈を入れないと、何を意味しているのかわからないのではないか。 〇 福祉以下、全ての分野がいろいろな含みを持っているのに、選挙にだけ「等」をつけるのは違和感がある。特段の事情があれば、つけてもおかしいということはないが、「等」がなくても意味は通じるのではないか。 ● 「等」がなくても読む人がイメージできるのであれば、なくても良いのではないか。全ての分野に複数の意味が含まれるので、選挙についても「等」はなくすということでよろしいか。 〇 不当な差別的取扱いの説明に「財・サービス」とあるが、一般的な表現なのか。具体的な意味を説明していただきたい。 事 務 局 「財・サービス」は1つの単語のように使われることが多く、人の期待を満たす物や事を表す表現として使われる。 〇 対象分野に子育てとあるが、この表現だと障害のある人が子育てをするときのことは対象になると読み取れるが、障害児が療育を受けるときのことは入らないのではないか。子育ちというか、子ども時代のことが、この例示では抜けているイメージを持った。 〇 子どもには療育が必要だと思うが、どのような書き方が良いか悩んでいる。 〇 一般向けにはわかりやすい表現のほうが良いので、子育てのままで良いのではないか。 ● 読んだ人がイメージしやすいことが大切であり、全ての分野を表現することはできないので、全ての分野が必ず入っていることを共通の認識としていただいて、広めていただければ良いのではないか。 ・8.合理的配慮、9.市が講ずべき基本的な事項、11.その他障害を理由とする差別の解消の推進について説明 〇 合理的配慮の基本的な考え方の最初の文章がわかりにくい。「…認識したり、」としたために、人権や自由を認識するために必要なものが合理的配慮であるというように読めてしまう。本来は、障害者が全ての人権及び基本的自由を持つことが大前提としてあり、その人権を行使するために必要な調整や変更が合理的配慮であるということのはずだが、そのようには読めない部分があるのではないか。 〇 合理的配慮に関しては、障害者を障害者だからということではなく、当たり前に受けとめられる社会になってほしいと考えているが、この文章では、障害者をはれ物をさわるようなイメージでとらえているように思う。もっと自然な文章に変えていただきたい。 〇 文中の「必要であり」をとって「…確保するために適当な調整や変更を行うこと」とするか、「…必要かつ適当な調整や変更を行うこと」としてはどうか。 〇 「したり、」という表現は口語的な言い方なので、基本方針の文章としてはなじまないのではないか。より具体的に「認識する」「行使する」といった表現にしたほうが良いのではないか。 〇 例えば、「合理的配慮とは、障害者が、他の者と等しく、生まれながらにして持っている全ての人権及び基本的自由を行使することを確保するために必要となる適当な調整や変更を行うこと」といった文章にして、「認識したり、」は省いてはどうか。 事 務 局 「したり、」という表現は以前の案にはなかったもので、ないほうがすっきりするかもしれない。今のご提案のような文章のほうが良いのではないかと思う。 ● 「したり、」を省く方向で、文章の意味合いは変えないで、構成しなおして調整するというころでよろしいか。 〇 「基本方針の見直し」について、パブリックコメントでも意見があったが、どのくらいの期間で見直しを行うのか。国はいつも3年での見直しを提示しているが、この基本方針では期間が書かれていないので、曖昧でよくわからない。きちんと期間を提示していただきたい。 〇 「必要があると認めるとき」では不安があるということだと思うが、「推進状況の報告等」のところには、各年度終了後に部署ごとの確認後、障害者福祉計画の推進管理委員会に報告を行い、障害者差別解消支援地域協議会にも情報の共有を行うと書かれているので、そのときに見直しが必要かどうかを論議して、必要だと認められれば見直すということにすれば、行政側にもあまり負担のない仕組みとして有効に機能させることができるのではないか。1年ごとに見直すということではなく、見直しが必要かどうかの検討を毎年行い、必要だと判断されたときに見直すということである。 〇 「市が講ずべき基本的な事項」(8)には、障害者差別解消支援地域協議会を設置する理由が三点挙げられており、「…対応などについての協議や共有すること」「様々な課題を協議すること」とあるが、そのうち共有することの内容が書かれていない。情報を共有することなのか、相談事例を共有することなのか。また、「協議」が二つ重なっており、設置の目的がはっきりしないように思うので、文言整理をしていただければと思う。 事 務 局 各相談機関の窓口等で障害者差別に関する相談事例の情報を共有するということである。どのような相談を受けたのか、どのような対応をしたのかについての情報を共有することで、それを参考により早い解決ができるようにすることを考えている。 ● そもそも、この地域協議会は何をする場なのか。相談事例を蓄積していくイメージなのか。今の書き方だと、相談機関の人が対応に困ったことについて協議してもらうようにも読めるが、そうではないのではないか。もう少し文章の整理が必要だと思う。 〇 抽象的すぎるので具体的な表現にという意見をパブリックコメントでいただいたのでこのように修正したのだと思うが、具体的な内容は設置要綱で定めなければならないことなので、基本方針で決める必要はないのではないか。元の案のままシンプルに、「様々な課題を協議するため」としたほうがわかりやすいのではないか。 2.基本方針(素案)について ・基本方針(素案)について説明 ● 基本方針の名称が現在の案では仮称のままなので、単に「(仮称)」を取るか、もう少し別な名称に変えるか、意見があればいただきたい。 〇 他の基本方針でも、冒頭は「日野市における」となっているのか。少し長いのではないか。 事 務 局 「日野市における」となっているものは少なく、「日野市…基本方針」が普通だと思う。今は「日野市」が前に来ているが、後ろでも良いかもしれない。「障害者への差別の解消を推進するための日野市基本方針」といった形もあるのではないか。 〇 全て漢字にして、「日野市障害者差別解消基本方針」としてはどうか。「推進」はなくても良いのではないか。 ● 今のご提案についてはいかがか。よろしければ、そのようにしたい。 3.基本方針策定後の対応について ・基本方針策定後の対応について説明 〇 条例づくりの会の立場で市長とお会いしたとき、来年度中に条例をつくると話されていた。基本方針ができたら、次は条例をつくりたいと考えているが、条例についてはどのように考えているのか。条例づくりの会でもさまざまな素案を作成しているので、市の取り組みとリンクさせたいと考えているが、それについてはいかがか。 事 務 局 条例については、パブリックコメントでも意見をいただいている。まずは基本方針の周知に取り組みたいが、市長は条例を必ずつくると話しており、事務局としても同様の認識を持っているので、来年度にはこちらにも取り組んでいく予定である。条例づくりの会の素案については、条例制定に向けた会を立ち上げる予定なので、その中でご意見として出していただければと思う。 〇 第1回の検討委員会のときに、差別事例に関するアンケートを実施するという説明があったが、今の状況はどのようになっているのか。市のホームページ上ではまだ募集が出ているようだが、いつまで続けるのか、また現在どのくらい集まっているのかお聞きしたい。今後、各事業者に依頼をかけるようなことも検討してはどうか。 事 務 局 アンケートについては、ホームページ上での募集にはまだ応募がなく、2か所の施設にお願いして35件ほど集まっているところである。来年度障害者福祉計画が終了するため、次期計画策定に向けてアンケート調査を実施する予定なので、それに合わせて差別事例についての調査もできないか検討しているところである。ホームページ上での募集については、閉鎖はしないで随時応募していただけるようにしているが、これまでに意見がなく効果的な方法ではないように思われるので、方法については今後検討が必要であると考えている。 障害福祉課長 これまで5回にわたってご検討いただいたことに感謝申し上げたい。市としては、この基本方針を庁内や市民、事業者にさまざまな機会を通じて周知し、その先では条例づくりも目指していきたい。他市の事例を見ても、条例づくりは期間がかかるものであり、丁寧に議論していきたいと考えているので、その点についてはご理解いただきたい。今回は庁内の関係部署の課長も出席しているが、今後は各部署で取り組みを進めていくことになる。市が中心となって取り組みを進めていきたい。委員の皆様に忌憚のないご意見をいただきながら、このような形にまとめることができたので、今後は細かい文言修正等をした上で、市長に報告して正式に決めていきたい。また、その際には皆様にも一度案をお示ししたい。本当に長い期間ご意見やご協力をいただき、感謝申し上げたい。 【終了】