第3回日野市障害者差別解消検討委員会議事録(要点録) 開催日時 平成28年11月4日(金) 午後4時〜午後6時 開催場所 市役所本庁舎 6階 全員協議会室 次第 開 会 議 題 1. 基本方針(案)に盛り込む内容の検討A 合理的配慮、市が講ずべき基本的な事項 他 2. 基本方針(案)に盛り込む内容の検討@修正1 3. その他 出席者 (敬称略) [委 員] 藤田博文(委員長)、吉川かおり(副委員長)、津島恭子、堀場照美、 川原井信吾、結一純、有山一博、熊澤地域協働課長、 金子財産管理課長、仲田市民窓口課長、平緑と清流課長、 岡田都市計画課長、秦文化スポーツ課長、中田子育て課長、 飯倉図書館長、根津障害福祉課長 (欠席 兼子庶務課長) [事務局]橋福祉係長、東援護係長、横山主事、引場主事 [開 会] ・出欠確認(委員過半数以上の出席があり、設置要綱第6条第3項の規定により成立) ・要点録(未定稿)確認(承認) ・検討委員会のルール確認 ・委員自己紹介 [議 題] 1.基本方針(案)に盛り込む内容の検討A ・合理的配慮の基本的な考え方について説明 〇 事務局の案では文章が二つあるが、障害者基本法第4条と合わないのではないか。障害者基本法では、第1項で権利利益の侵害の禁止を挙げているが、事務局の案では二つ目の文章で挙げられている。障害者基本法通りの方が良いのではないか。「市及び市以外の行政機関」と並べられているが、わざわざ二つ並べなくても、「市及び行政機関」とすれば良いのではないか。 事 務 局 二番目のご意見について、「市及び市以外の行政機関」としたのは、市内には市以外の行政機関もあるので、両方合わせて記載した上で、以後は「行政機関等」として扱う形としている。文章の順序については、他の委員の意見もふまえて検討したい。 〇 この項目に記載されているのは合理的配慮の基本的な考え方であり、障害者基本法第4条は差別の禁止について定めているので、意味合いが若干異なる。二番目の文章では、「障害者から、・・・意志表明があった場合において」合理的配慮を提供するとなっている。障害者差別解消法でもそうなっているが、重度の知的障害者のように自分では申請できない人もいるので、そのようなことを入れなくて良いのかという議論があった。障害者だけでなく、家族や支援者から申請があった場合についても含める方向の文言もあった方が良いのではないか。 ◎ 前回検討した「その1」にも似たような個所があったと思うので、そのような考え方にした方が良いのではないか。 〇 一つ目の文章には主語がないのではないか。「障害者が」という文言がないと、意味が通らないのではないか。 ◎ この文章を障害者や家族、支援者に見ていただいたときに、しっかりと合理的配慮がなされるような書き方がされていると感じていただければ良いのではないか。 ・合理的配慮について説明 〇 意志疎通への配慮のところは、筆談、読み上げ、手話という順番になっているが、手話は聞こえない人の言語なので、まず最初に手話を挙げるようにしていただきたい。 〇 最後の段落に「行政機関等」とあるが、先ほどの文章では「市及び市以外の行政機関」となっていた。言葉や文章は統一した方が良いのではないか。 事 務 局 条例や要綱を作成するときに、「市及び市以外の行政機関(以下「行政機関等」という。)」として、後から出てくるものは全て「行政機関等」という文言にするのでそれにならっています。 〇 合理的配慮の具体例の中に知的障害者のための配慮がない。知的障害者にも、わかりやすい文章や絵カード、コミュニケーションボードを使ったコミュニケーション等、意志疎通の配慮が必要なので、そのようなものも入れた方が良いのではないか。 〇 視覚障害者には、情報が入るのが遅い。電子メールも他の人は使えるが、視覚障害者には使えない。点字を扱える人は減っており、視覚障害者にとっては情報の問題が一番重要である。 〇 合理的配慮の具体例については、障害当事者に聞き取りをして検討していただきたい。実際に必要な配慮が見えてくると、わかりやすいものになると思う。 ・過重な負担の基本的な考え方について説明 〇 この文章は国のものをそのまま持ってきているのではないか。これからアンケート調査を実施すると思うので、その結果をふまえて修正してはどうか。事例を見れば細かく検討することができるが、この文章は想像したことだけのように思える。 事 務 局 アンケート調査が遅れていることについては申し訳なく思う。過重な負担かどうかについては、合理的配慮は個別の事案ごとに一つひとつ対応することになっているので、基本的に何を基準にして考えれば良いのかお示しするために、このようにご提案したところである。市として、合理的配慮の方法は一つではないこと、申し出があった場合は建設的な対話を通じて代わりの方法の選択も含めて柔軟に対応すること、それでもなお難しい場合はご理解を得られるように努めることを記載している。 〇 合理的配慮の基本的な考え方では、「合理的配慮とは」という文言から始まっているので、ここも「過重な負担とは」から始まる形とした方が良いのではないか。 〇 最後の段落に「当該事案に関わる障害者」とあるが、合理的配慮の基本的な考え方の意志表明のところが、先ほどの意見のように変更されるのであれば、こちらも修正が必要ではないか。 ◎ 合理的配慮を求める方の対象範囲が広がるのであれば、こちらの「障害者」という部分に含まれる範囲も広がることになるというご意見だと思う。障害者の権利利益を侵害しないこと、例え申し出のあった方法で合理的配慮を実施できなくても、話し合いを通じて他の方法を考えるという市の方針を表明したものだと思う。既に市内で合理的配慮を実施している事業者もあるので、その努力を無駄にしないように、考え方をしっかり定めていきたいと思う。事務局には、いただいた意見を検討した上で、反映していただきたい。 ・市が講ずべき基本的な事項について説明 〇 @では「日野市HPを活用した啓発の実施等」だけが具体的になっているが、ホームページに限定するより、より幅広い範囲を含められるように、ウェブ等の活用などとしてはどうか。Aの職員への研修について、市の公共施設は全てが市の職員でまかなわれているのではなく、委託等している人も窓口などの最前線には多くいるので、市の職員だけに研修をしても、最前線には行き届いていないということがあるのではないか。委託先への研修なども全庁的にできると良いと思う。 〇 Bに「市のイベント、説明会への手話通訳者派遣等」とあるが、「イベント、説明会等」として、最後の「等」は取る形の方が良いと思う。 〇 Bだけ具体的で違和感があるが、どのような背景によるものかお聞きしたい。具体的なことを記載すると、他のことはしないと思われるのではないか。 事 務 局 Bの具体的な取り組みについては、本年4月から本庁舎に手話通訳者を設置したこと等、実際に行っていることを挙げたので細かくなっている。緊急充電スポットの設置については、公共施設に来た電動車いすの方から充電したいという申し出があったときに、お断りしたことがあった。このため、今後は全ての公共機関において対応ができるように検討を行っているところである。 事 務 局 現在、職員対応要領をつくろうとしており、その中の合理的配慮の項目には職員が行うことについて盛り込む予定である。職員対応要領は、今年度中には作成して職員に配布、説明していきたいと考えている。 〇 職員対応要領は事務局だけで作成するのではなく、配布する前に本会の委員の意見を求めるようにしていただきたい。 事 務 局 障害者の方のご意見もふまえて作成することを考えており、本会の委員にも事前にお示ししたい。 〇 できれば配布直前ではなく、早目に余裕を持ってお示しいただきたい。 〇 Bに誰もが歩きたくなるまちとして2点挙げられているが、市はユニバーサルデザイン推進条例に基づきバリアフリー特定事業計画を策定して、計画的にバリアフリー化を進めているところである。文言についてはまた別途相談できればと思うが、そのようなまちづくりの取り組みについても記載していただきたい。 ◎ 緊急充電スポットの設置については、電動車いすを使用している方やその他の方のご意見も伺ってから進めた方が良い。実際に使っている方がどのような生活スタイルで使っているのか、どのようなことが想定されるのかをしっかり検討した上で、市の方針を決めていただきたい。 〇 Bに本庁舎への手話通訳者の設置が挙げられているが、これは市が講ずべき基本的な事項なので、本庁舎に限定せず他の施設も含めた形にした方が良いのではないか。Bは細かいことまで表記されているが、ここは基本的事項なので、後でこれ以外のことがあったときに漏れがないように、包括的な表現にした方が良いのではないか。 〇 手話通訳者の設置を本庁舎に限定しない方が良いという意見だったが、その他の施設については、どこまでの範囲をお考えなのか。 〇 市の施設は本庁舎以外にもあり、例えば文化・スポーツ課の所管では体育館、市民会館等がある。ここでは、どれがあてはまる、どこまでの範囲ということではなく、本庁舎以外にも対応していくべき施設があるのではないかと考えて発言したところである。 ・事業者が講ずべき基本的な事項について説明 〇 6番は市について、7番は事業者についてとなっているが、「行政機関等」の中の「市以外の行政機関」が抜けているのではないか。この間にもう一つ項目が入るのか、市の方に入れるのか、ご説明いただきたい。 〇 今の意見について、市以外の行政機関には国の対応指針を引き継いでいるところもあるが、市で対応できるのか。今年3月、国の各省から対応指針が出され、通知されている。日野市の方針に市以外の行政機関が講ずべき基本的な事項を記載すると、国の通知と重複することになるので、検討が必要ではないか。 〇 ここで「市以外の行政機関」としているところにやや無理があるのではないか。日野市の基本方針の中で、他の行政機関を縛る方針を掲載するのは難しいのではないか。それぞれの行政機関は、合理的配慮について具体的な取り組みをしていくことになると思うので、そのあたりは整理した方が良いのではないか。 〇 日野市の基本方針や条例で、国の機関を縛ることはできないと思う。文言について「事業者については、・・・努力義務とされている」となっているが、障害者差別解消法についての説明なしでいきなりこのように書かれても、読む人は何のことかわからないので、この文章は特に必要ないのではないか。また、今後万一障害者差別解消法が改正されて、合理的配慮が事業者についても必須義務になるようなことがあると、市の基本方針もまた変えるのかという話になる。何かが変わったら玉突きで変わるような基本方針にすることは避けた方が良いのではないか。 ◎ 市が講ずべき基本的な事項、事業者が講ずべき基本的な事項については、先ほどの市以外の行政機関の話も含めて、検討する必要があるように思う。市以外の行政機関にも合理的配慮は義務になるので、原則はそこで定めていく形になると思う。事業者の努力義務については、法律が改正されても影響を受けない表記の仕方が良いというご意見もいただいているので、事務局で検討していただきたい。 事 務 局 国の各省から出ている対応指針は、行政ではなく、事業者がそれを参考に行動に取り組んでいくべきものとして示されている。市、市以外の行政機関、事業者については、もう一度整理し直して次回お示しできればと思う。 2.基本方針(案)に盛り込む内容の検討@修正1 ・基本方針策定の目的、用語の定義について説明 〇 障害者の定義で、高次脳機能障害が残って、難病が消えているのはどのような意図によるものか。 事 務 局 難病については、「その他の心身の機能の障害」に含まれると考えて削除したところである。 ◎ 「その他の心身の機能の障害」に難病が全て含まれると考えて良いのか。 〇 難病を「その他の心身の機能の障害」に含めるのであれば、どこかに書いておかないと、読む人にはわからない。「心身の機能の障害」に、病気による心身機能の不調を含めるとなると、風邪でも「心身の機能の障害」になるといった拡大解釈が可能になって、混乱するのではないか。難病については種類が指定されているので、入れるなら明記した方が良い。 事 務 局 ご指摘のように、難病については入れる方向で検討したい。 〇 資料2ページ、「A定義」の【追加】の中にある「意義」という語は「定義」が正しいのではないか。 〇 障害者の定義には、障害のある外国人も含まれるのか。 事 務 局 外国人についても、市内に住所のある方、市内で活動している方については含めて考えていく意向である。 ◎ 今回提案のあった障害者の定義は、イメージがつきやすい形で、そこに難病という言葉も含めた方が良いということだと思う。当事者としては、最終的には全ての区分がなくなって、不便を感じている全ての人がいろいろな形で配慮を受けられるのが最良だと思うが、それは将来的な展望として、今はわかりやすい定義にするということだと思う。障害者の定義に「継続的」とあるが、どの程度の期間から障害者と呼ばれることになるのか疑問に思うこともある。差別を受ける人は、例えその期間が短くても、同じような差別を受けることはありうるのではないか。 〇 障害を理由とする差別の定義について、今回の提案が障害者権利条約に書かれていることとイコールなのか、読みやすくなっているのか疑問がある。条約の定義には「全ての人権及び基本的自由を認識し、享有し、又は行使することを害し、又は妨げる目的又は効果を有するものをいう」とある。行使することだけでなく、認識すること、享有することを害することも差別としているが、今回の提案では行使を妨げることだけを差別としているように読める。 事 務 局 言葉の整理が必要だと考えてこのようにご提案したが、持ち帰って検討した上で再度お示ししたい。 ◎ 害する、妨げることについては、もう少し広い範囲があると事務局も認識していると考えてよろしいか。市民と事業者の定義で、市民には「市民等」と「等」がついているが、事業者にはついていない。前回、市民の範囲を明確にするために「等」をつけてはどうかと提案したので、それを受けて今回の定義にも「等」を付けたのだと思うが、市民の定義にも「等」をつけた理由があれば説明していただきたい。「等」がついていても良いが、ここで「市民」とはこのような人のことであると定義すれば、以後「市民」という表現にしても良いのではないか。 事 務 局 「市民」とした場合、別な法律になるが「市内に住所を有する者」と規定されている。市内にはそれ以外にも働いている方や買い物に来る方もいるので、「市民等」として広く捉えた方が良いと考えてこのような定義とした。前回「市及び事業者等」としていたところがあるが、この「等」は事業者だけでなく市にもかけていたもので、「事業者」だけに「等」を付けて「事業者等」としていた訳ではない。 ・市の責務について説明 ◎ 最後のところに、「市は、障害者の利用を想定し、環境整備等に配慮して取り組むものとする」とある。合理的配慮の基本的な考え方では、申し出があった場合に考えることになっていたが、ここでは市の責務として、そうした申し出がなくても想定して取り組むとしており、このような市の姿勢は素晴らしいと思う。 3.その他 ◎ 今回は時間の関係で全ての議題を検討できなかったが、全体を通して何かご意見があればいただきたい。 〇 障害を理由とする差別の定義の中で、「障害者の生活に伴うあらゆる活動分野において、」とあるが、障害者権利条約では生活だけでなく、政治的なこと、社会的なことなど幅広く扱われている。ここでも生活だけでなく、もう少し幅広く含めるようにしていただきたい。 ・次回の日程について説明 【終了】