◎平成19年度の個人住民税が大きく変わります ○国から地方へ 税源移譲  地方分権推進のために、国税から地方税へ3兆円規模の税源移譲が行われます。そのため、個人住民税が大きく変わります。  また、景気回復のために導入されていた「定率減税」が廃止されますので、納税者のほとんどの方は、平成19年度個人住民税額が大きく増えます。    (市民税課) ○改正のポイント ・国から地方へ約3兆円の税源移譲が行われます……(1)参照 ・個人住民税の税率は一律10%(市民税6%・都民税4%)……(2)参照 ・所得税も併せて税率が改正されるため、基本的に負担額は変わりません……(3)参照 ・定率減税が廃止され税額が増えます……(4)参照 ・個人住民税と所得税では実施時期が違います……(5)参照 平成19年からの主な改正点 ■国から地方への税源移譲  都道府県・市区町村は、個人住民税などの地方税のほかに、国からの補助金等を受けて行政サービスを行っています。しかし、行政サービスをより自主的・効率的に行うため、地方自治体自らの財源を確保・充実させる必要があります。そこで今回、三位一体改革の一環として、所得税(国税)から個人住民税(市・都民税)へ約3兆円の税源が移譲され、国からの補助金等を減らし、地方の自主財源を増やすことになりました。  これに伴い、平成19年度個人住民税の「所得割の税率が変更」されます。 (1) (移譲前) 所得税       個人住民税 (移譲後) 所得税(国)が税源移譲され減り、個人住民税(地方)に上乗せされます。 ■個人住民税の税率が10%に  個人住民税の所得割の税率は、課税所得の金額に応じて3段階に分けられていましたが、課税所得の多少に関わらず一律10%(市民税6%、都民税4%)になります。 (2) ●平成18年度まで 市民税 [課税所得の段階]200万円以下の金額 [税率]3% [速算控除額]− [課税所得の段階]200万円を超え700万円以下 [税率]8% [速算控除額]100,000円 [課税所得の段階]700万円を超える額 [税率]10% [速算控除額]240,000円 都民税 [課税所得の段階]700万円以下の金額 [税率]2% [速算控除額]− [課税所得の段階]700万円を超える額 [税率]3% [速算控除額]70,000円 ↓                  ↓ ●平成19年度から 市民税 一律6% 都民税 一律4% ■所得税と個人住民税を合わせた税負担額は基本的に変わりません  個人住民税の所得割が一律10%に改正されたことに伴い、所得税の税率構造も見直されました。個人住民税については、最低税率が5%から10%に引き上げられ、最高税率が13%から10%に引き下げられますが、逆に所得税は、最低税率が10%から5%に引き下げられ、最高税率が37%から40%に引き上げられます。また人的控除の差に対応した「調整控除」が創設されましたので、税源移譲の前後で「所得税+個人住民税」での納税者負担は、基本的に変わりません。 (3) [税源移譲前] [区分]所得税 [課税所得1,800万円以上]37% [課税所得900万円〜1,800万円]30% [課税所得330万円〜900万円]20% [課税所得0万円〜330万円]10% [区分]個人住民税 [課税所得700万円以上]13%(都民税3%市民税10%) [課税所得200万円〜700万円]10%(都民税2%市民税8%) [課税所得0万円〜200万円]5%(都民税2%市民税3%) [税源移譲後] [区分]所得税 [課税所得1,800万円以上]40% [課税所得900万円〜1,800万円]33% [課税所得695万円〜900万円]23% [課税所得695万円〜330万円]20% [課税所得330万円〜195万円]10% [課税所得0万円〜195万円]5% [区分]個人住民税 [課税所得一律]10%(都民税4%市民税6%) ●モデルケース ■給与所得者(単身者)の場合(単位:円) [給与収入額] 200万円 [個人住民税平成18年度]35,900 [個人住民税平成19年度]70,500 [個人住民税増]34,600 [所得税平成18年分]57,600 [所得税平成19年分]32,000 [所得税減]25,600 [個人住民税+所得税平成18年度(分)]93,500 [個人住民税+所得税平成19年度(分)]102,500 [個人住民税+所得税増]9,000 [給与収入額]400万円 [個人住民税平成18年度]93,200 [個人住民税平成19年度]194,500 [個人住民税増]101,300 [所得税平成18年分]169,200 [所得税平成19年分]94,000 [所得税減]75,200 [個人住民税+所得税平成18年度(分)]262,400 [個人住民税+所得税平成19年度(分)]288,500 [個人住民税+所得税増]26,100 [給与収入額] 600万円 [個人住民税平成18年度]219,500 [個人住民税平成19年度]334,500 [個人住民税増]115,000 [所得税平成18年分]295,200 [所得税平成19年分]230,500 [所得税減]64,700 [個人住民税+所得税平成18年度(分)]514,700 [個人住民税+所得税平成19年度(分)]565,000 [個人住民税+所得税増]50,300 ■給与所得者(夫婦と子供2人・子供のうち1人は特定扶養)の場合(単位:円) [給与収入額]400万円 [個人住民税平成18年度]41,900 [個人住民税平成19年度]69,500 [個人住民税増]27,600 [所得税平成18年分]44,100 [所得税平成19年分]24,500 [所得税減]19,600 [個人住民税+所得税平成18年度(分)]86,000 [個人住民税+所得税平成19年度(分)]94,000 [個人住民税+所得税増]8,000 [給与収入額]600万円 [個人住民税平成18年度]116,800 [個人住民税平成19年度]220,500 [個人住民税増]103,700 [所得税平成18年分]170,100 [所得税減]75,600 [所得税平成19年分]94,500 [個人住民税+所得税平成18年度(分)]286,900 [個人住民税+所得税平成19年度(分)]315,000 [個人住民税+所得税増]28,100 [給与収入額]800万円 [個人住民税平成18年度]260,000 [個人住民税平成19年度]377,500 [個人住民税増]117,500 [所得税平成18年分]320,400 [所得税平成19年分]258,500 [所得税減]61,900 [個人住民税+所得税平成18年度(分)]580,400 [個人住民税+所得税平成19年度(分)]636,000 [個人住民税+所得税増]55,600 ■年金受給者(65歳以上)で単身者の場合(単位:円) [給与収入額]250万円 [個人住民税平成18年度]43,700 [個人住民税平成19年度]87,700 [個人住民税増]44,000 [所得税平成18年分]73,100 [所得税平成19年分]40,600 [所得税減]32,500 [個人住民税+所得税平成18年度(分)]116,800 [個人住民税+所得税平成19年度(分)]128,300 [個人住民税+所得税増]11,500 [給与収入額]300万円 [個人住民税平成18年度]65,300 [個人住民税平成19年度]134,200 [個人住民税増]68,900 [所得税平成18年分]115,000 [所得税平成19年分]63,900 [所得税減]51,100 [個人住民税+所得税平成18年度(分)]180,300 [個人住民税+所得税平成19年度(分)]198,100 [個人住民税+所得税増]17,800 [給与収入額]350万円 [個人住民税平成18年度]84,600 [個人住民税平成19年度]176,000 [個人住民税増]91,400 [所得税平成18年分]152,600 [所得税平成19年分]84,800 [所得税減]67,800 [個人住民税+所得税平成18年度(分)]237,200 [個人住民税+所得税平成19年度(分)]260,800 [個人住民税+所得税増]23,600 ■年金受給者(65歳以上、夫婦2人・配偶者は70歳未満)の場合(単位:円) [給与収入額]250万円 [個人住民税平成18年度]27,700 [個人住民税平成19年度]50,500 [個人住民税増]22,800 [所得税平成18年分]37,300 [所得税平成19年分]20,700 [所得税減]16,600 [個人住民税+所得税平成18年度(分)]65,000 [個人住民税+所得税平成19年度(分)]71,200 [個人住民税+所得税増]6,200 [給与収入額]300万円 [個人住民税平成18年度]49,300 [個人住民税平成19年度]97,000 [個人住民税増]47,700 [所得税平成18年分]79,200 [所得税平成19年分]44,000 [所得税減]35,200 [個人住民税+所得税平成18年度(分)]128,500 [個人住民税+所得税平成19年度(分)]141,000 [個人住民税+所得税増]12,500 [給与収入額]350万円 [個人住民税平成18年度]68,500 [個人住民税平成19年度]138,700 [個人住民税増]70,200 [所得税平成18年分]116,800 [所得税平成19年分] 64,900 [所得税減]51,900 [個人住民税+所得税平成18年度(分)]185,300 [個人住民税+所得税平成19年度(分)]203,600 [個人住民税+所得税増]18,300 ※個人住民税と所得税の合計において平成19年度(分)の方が増えているのは、定率減税の廃止によります  ※一定の社会保険料控除を見込んでいます     ※個人住民税は均等割を含んでいます ※人的控除以外の所得控除(生命保険料、損害保険料等)のある方については、負担の増減が生じる場合があります ●所得税と個人住民税の人的控除額の差 [所得控除]障害者控除・普通障害者 [所得税]27万円 [個人住民税]26万円 [差額]1万円 [所得控除]障害者控除・特別障害者 [所得税]40万円 [個人住民税]30万円 [差額]10万円 [所得控除]寡婦控除・一般寡婦 [所得税]27万円 [個人住民税]26万円 [差額]1万円 [所得控除]寡婦控除・特別寡婦 [所得税]35万円 [個人住民税]30万円 [差額]5万円 [所得控除]寡夫控除 [所得税]27万円 [個人住民税]26万円 [差額]1万円 [所得控除]勤労学生控除 [所得税]27万円 [個人住民税]26万円 [差額]1万円 [所得控除]配偶者控除・一般配偶者 [所得税]38万円 [個人住民税]33万円 [差額]5万円 [所得控除]配偶者控除・一般配偶者同居特別障害 [所得税]73万円 [個人住民税]56万円 [差額]17万円 [所得控除]配偶者控除・老人配偶者 [所得税]48万円 [個人住民税]38万円 [差額]10万円 [所得控除]配偶者控除・老人配偶者同居特別障害 [所得税]83万円 [個人住民税]61万円 [差額]22万円 [所得控除]配偶者特別控除・配偶者の合計所得金額38万円超40万円未満 [所得税]38万円 [個人住民税]33万円 [差額]5万円 [所得控除]配偶者特別控除・配偶者の合計所得金額40万円以上45万円未満 [所得税]36万円 [個人住民税]33万円 [差額]3万円 [所得控除]扶養控除・一般扶養 [所得税]38万円 [個人住民税]33万円 [差額]5万円 [所得控除]扶養控除・一般扶養同居特別障害者 [所得税]73万円 [個人住民税]56万円 [差額]17万円 [所得控除]扶養控除・特定扶養 [所得税]63万円 [個人住民税]45万円 [差額]18万円 [所得控除]扶養控除・特定扶養同居特別障害者 [所得税]98万円 [個人住民税]68万円 [差額]30万円 [所得控除]扶養控除・老人扶養 [所得税]48万円 [個人住民税]38万円 [差額]10万円 [所得控除]扶養控除・老人扶養同居特別障害者 [所得税]83万円 [個人住民税]61万円 [差額]22万円 [所得控除]扶養控除・同居老親等 [所得税]58万円 [個人住民税]45万円 [差額]13万円 [所得控除]扶養控除・同居老親等同居特別障害者 [所得税]93万円 [個人住民税]68万円 [差額]25万円 [所得控除]基礎控除 [所得税]38万円 [個人住民税]33万円 [差額]5万円 ●調整控除額の算出方法 1 個人住民税の課税所得金額が200万円以下の場合 (1)と(2)のいずれか小さい額の5% (1)人的控除額の差の合計額 (2)個人住民税の課税所得金額 2 個人住民税の課税所得金額が200万円超の場合  {人的控除額の差の合計額ー(個人住民税の課税所得金額ー200万円)}×5% ※上記の金額が2,500円未満であるときは、2,500円とする ■調整控除(平成19年度分個人住民税から適用)を行います  個人住民税と所得税では、配偶者控除や扶養控除などの人的控除額に差があります(上表人的控除の差参照)。  例えば、個人住民税の税率が5%から10%に上がり、所得税の税率が10%から5%に下がったとしても、人的控除額の差によって個人住民税の所得から控除を引いた課税所得金額が多くなり、税負担が増えることになります。そこで、納税者の税負担が極力変わらないようにするため「調整控除」を設け、個人住民税所得割額から控除することになりました(上表算出方法参照)。 ■定率減税が廃止されます  定率減税は、景気回復のための特例措置として平成11年度に導入されましたが、経済状況の改善等を踏まえ、平成19年度に廃止されます。このため、税負担が増えます。 (4) 所得税 [18年分]所得税額の10%相当額を控除(12.5万円を上限) [19年分]廃止 個人住民税 [18年度]所得割額の7.5%相当額を控除(2万円を上限) [19年度]廃止 ■税源移譲の実施時期  所得税と個人住民税の税源移譲実施時期は異なりますので、ご注意ください。 (5) ●給与から引かれている方(特別徴収)の場合 平成19年1月から5月 源泉所得税が税源移譲により減額 平成19年6月と7月 住民税が税源移譲により増額 合計負担額は同じ ●ご自分でお支払いになっている方(普通徴収)の場合 平成18年10月 平成18年度第3期 平成19年1月〜 源泉所得税が税源移譲により減額 平成19年6月 平成19年度第1期(住民税が税源移譲により増額) 平成19年8月 平成19年度第2期(住民税が税源移譲により増額) 平成19年10月〜 平成19年度第3期(住民税が税源移譲により増額) 合計負担額は同じ ※合計負担額には定率減税廃止分は考慮していません [区分]給与所得者[所得税]平成19年1月分給与の源泉徴収から[個人住民税]平成19年6月から [区分]個人事業主[所得税]平成19年分の確定申告から(予定納税は平成19年7月から)[個人住民税]平成19年6月から [区分]年金受給者[所得税]平成19年2月振込分の年金の源泉徴収から[個人住民税]平成19年6月から その他の改正点 ■山林所得、変動所得及び臨時所得に対する特別な税額の計算方法の廃止  個人住民税の所得割の税率が一律10%(市民税6%、都民税4%)になるので、山林所得の五分五乗規定や、変動所得や臨時所得に係る平均課税の規定は廃止されます。 ■65歳以上の方に適用される非課税措置の廃止に伴う段階的減額措置  平成18年度に、65歳以上で合計所得金額が125万円以下の方に対する個人住民税の非課税措置は廃止されました。ただし経過措置として、平成17年1月1日時点ですでに65歳に達していた方(注)で、合計所得金額が125万円以下の方については、平成18・19年度に限り(左表のとおり)減額されます。なお、障害者・寡婦(夫)に該当し、合計所得金額が125万円以下の方は従来どおり非課税です。 ●65歳以上の方の段階的減額措置の時期 [区分]均等割 [平成18年度]《市民税》3,000円→1,000円 《都民税》1,000円→300円 [平成19年度]《市民税》3,000円→2,000円 《都民税》1,000円→600円 [平成20年度]廃止 [区分]所得割 [平成18年度]税額の2/3を減額 [平成19年度]税額の1/3を減額 [平成20年度]廃止 (注)昭和15年1月2日以前生まれの方が該当します ■退職所得に係る分離課税による市・都民税の税率改正  個人住民税の所得割が一律10%(市民税6%、都民税4%)になることに伴い、退職所得に係る税率も10%(市民税6%、都民税4%)になります。計算方法と税額については、市民税課にお問い合せください。 ■配当割または株式等譲渡所得割額の申告がある場合  平成18年度までは、配当割額または株式等譲渡所得割額の控除については所得割額から控除して、控除しきれない金額については還付としていました。平成19年度課税分からは、この控除できなかった額を均等割額等に充当できることになりました。 ○市・都民税の申告についてのご質問にお答えいたします Q:私は専業主婦で、市外に単身赴任している夫の扶養になっています。申告する必要はないと思うのですが? A:どなたかに扶養されていても、平成19年1月1日現在その扶養者と同居していない方は、市では扶養関係の確認ができないため、収入が無くても申告が必要です。  なお、申告がないと非課税証明書は発行できません。 ※単身赴任している方などで、日野市に家屋敷を有する方は、均等割が課税されますので、申告が必要です Q:私はサラリーマンですが、昨年、講演をしたこと等によって、若干の謝礼を受け取っています。  所得税については、申告を要しないとのことですが、市・都民税の申告は必要ですか? A:所得税においては、給与所得以外の所得が20万円以下の給与所得者については、確定申告をする必要はありませんが、市・都民税においては、源泉徴収制度が採られていないことから、その給与所得以外の所得金額が僅かであっても、給与所得と合わせて申告する必要があります。  なお、サラリーマンで確定申告する方で、給与所得以外の所得がある場合は、確定申告書第二表の「給与所得以外の住民税の徴収方法の選択」欄(左表参照)を忘れずに記入してください。 Q:私は昨年10月に退職し、現在無職です。申告する必要がありますか? A:18年の途中で退職した場合には、年末調整がされていませんので、所得税の確定申告が必要です。  なお、確定申告をされた方は、市・都民税の申告は不要です。 Q:私は確定申告をする予定ですが、市・都民税の申告は必要ですか? A:確定申告をした方は、その日に市・都民税の申告をしたことになりますので、市・都民税の申告をする必要はありません。 ※市・都民税の生命保険料控除・損害保険料控除・配偶者控除・配偶者特別控除・扶養控除・寄附金控除・基礎控除等の金額は所得税と違っています ●確定申告書の第二表 確定申告書Aの第二表 〇住民税に関する事項 給与所得以外の住民税の徴収方法の選択 □給与から差し引き(特別徴収) □自分で納付(普通徴収) 配当に関する住民税の特例 非居住者の特例 配当割額控除額 円 確定申告書Bの第二表 給与所得以外の住民税の徴収方法の選択 □給与から差し引き(特別徴収) □自分で納付(普通徴収) ※「給与から差し引き(特別徴収)」の□欄に「チェック」をした場合…給与所得以外の所得に対する市・都民税を、給与所得に対する市・都民税と合算して給与から差し引きます ※「自分で納付(普通徴収)」の□欄に「チェック」をした場合…給与所得以外の所得に対する市・都民税を給与から差し引かないで自分で納付することになります