◎平成18年度決算を公表  平成18年度の決算は、厳しい財政状況の中、行財政改革遂行型の予算を編成し、集中改革プラン、第3次日野市行財政改革大綱の改革項目を取り入れながら、市民のための効率的な行政運営に取り組むとともに、「日野いいプラン2010事業」を中心に事業を展開してきました。「選択と集中」によって諸施策を推進し、特に3つの当面する行政課題である(1)地域ぐるみで安全・安心なまちづくり(2)学校校舎耐震化と教育の充実(3)子育て支援と健康づくりを重点に取り組みました。広報今号では、その概要をお知らせします。 1 地域ぐるみで安全で安心なまちづくり…………総額1億1,533万円 防犯・防災の充実  校内の防犯機能の向上として防犯カメラや緊急通報システムの設置等を行い、校外及び地域の安全として、スクールガードボランティアの活用、不審者情報メール配信サービス、自主防災組織の育成等を実施しました。 ・防犯カメラの設置(民間・市立保育園、幼稚園、児童館・学童クラブ) ・学校管理員の配置(小・中学校) ・学校安全ポケットパークの設置(小・中学校4校) 2 学校耐震化と教育の充実………………………総額34億2,134万円 耐震化・増改築  平成19年度までに校舎を、平成20年度までに体育館の全小・中学校での耐震化完了予定を目指し、整備を行うとともに平山小の建替えや小・中学校の増改築を行いました。 ・校舎の耐震化…小学校4校、中学校2校 ・体育館の耐震化…小学校4校 ・校舎の建替え及び増改築…小学校3校、中学校2校 教育の充実  日本一の学校ICT教育を目指して、全小・中学校への校内LAN整備や最新機器の導入も行うとともに、メディアコーディネータにより都内初のICT教育のできない教員ゼロを達成しました。また、教育環境の充実を図るため、さまざまな取り組みを行いました。 ・教育用機器、備品、消耗品の充実 ・天井扇の設置(小・中学校) ・学校図書館の充実(学習図書購入の充実、読書環境改善用備品の購入等) ・図書館サービスの向上 ・特別支援教育、不登校対策の実施 3 子育て支援と健康づくり………………………総額47億9,065万円  次世代育成支援行動計画「ひのっ子すくすくプラン」に基づく未来を担う子どもたちのためのさまざまな取り組みや健康増進関連事業を積極的に推進しました。 児童手当の対象拡大  対象年齢を小学3年生から6年生まで引き上げ、併せて所得制限の緩和を行いました。 駅前ミニ子育て応援施設「モグモグ」の開設  百草園駅前の閉店となったコンビニエンスストアを改修し、全国初の自治体による子育てカフェ運営及び学童クラブ終了後の児童育成施設の整備を行いました。 市立保育園・児童館・学童クラブの整備  市立保育園・児童館・学童クラブの施設改修・サービス充実計画(平成19~21年)を策定し、計画に先駆けて安全面・衛生面で緊急のあるものについて整備を行いました。 ・旭が丘東学童クラブ開設 ・施設改修及び安全対策として遊具取り替え等 1万人に1人の保健師配置による地域の健康アンテナづくり  顔の見える保健師活動として17人体制で地域に出向く健康教室や全戸訪問を実施しました。 その他の子育て支援と健康づくりの取り組み ・日野人四大運動の推進 ・子ども家庭支援センターの充実(先駆型として児童虐待防止、子ども家庭総合ケースマネジメント、地域組織化、要支援家庭サポート等の運営の実施) ・各種健診等の充実(生活習慣病・高齢者誕生月健診、各種がん検診、乳幼児・妊産婦健診等) ・ニート・フリーターに対するカウンセリングや就労支援の実施 4 高齢者サービスの充実…………………………総額35億9,732万円  住み慣れた地域で支えあい、安心していきいきと暮らせるまちを目指すため、シルバー日野人安心いきいきプランを推進するとともに、高齢者福祉サービスの充実のためさまざまな取り組みを実施しました。 ・高齢者見守り支援ネットワークの整備 ・高齢者逆デイサービス事業の充実 ・在宅高齢者の生活支援の充実 ・高齢者予防医療の充実 ・施設介護・在宅介護の充実 ■一般会計  平成18年度の一般会計の歳入は、541億380万円で前年比9.5%(46億8,080万円)増、歳出は524億9,587万円で前年比10.6%(50億2,732万円)増となり、差引16億793万円を平成19年度に繰り越しました。 ●歳入541億380万円 [市税]282億2,740万円 (構成比)52.2% (対前年度比)5.2% [国庫支出金]48億8,788万円 (構成比)9.0% (対前年度比)8.3% [都支出金]47億5,465万円 (構成比)8.8% (対前年度比)5.9% [市債]36億6,160万円 (構成比)6.8% (対前年度比)19.3% [地方消費税交付金]18億3,677万円 (構成比)3.4% (対前年度比)4.9% [地方贈与税]14億7,467万円 (構成比)2.7% (対前年度比)51.8% [その他]92億6,063万円 (構成比)17.1% (対前年度比)18.9%  歳入の柱となる市税は、個人市民税の税制改正や景気の回復基調による法人市民税の増等により、固定資産税・都市計画税の評価替えによる減があったものの、市税全体では引き続き増収となっています。  市債は、校舎耐震補強工事等の学校教育施設等整備事業に対する借入の増により、前年に比べ増になっています。  国からの地方交付税は、普通交付税が3年連続で不交付となりました。 ●歳出524億9,587万円 [民生費]199億5,877万円 (構成比)38.0% (対前年度比)1.6% [総務費]80億4,212万円 (構成比)15.3% (対前年度比)30.8% [教育費]74億4,815万円 (構成比)14.2% (対前年度比)30.8% [土木費]61億3,856万円 (構成比)11.7% (対前年度比)18.6% [衛生費]46億2,387万円 (構成比)8.8% (対前年度比)7.8% [公債費]30億4,502万円 (構成比)5.8% (対前年度比)△1.4% [消防費]21億136万円 (構成比)4.0% (対前年度比)△1.3% [その他]11億2,802万円 (構成比)2.2% (対前年度比)△12.8%  総務費は、積立金の増などにより、18億9,551万円の増となりました。  民生費は、児童手当等の扶助費の伸びなどにより、3億1,406万円の増となりました。  教育費は、小・中学校の施設整備(耐震補強・改築・増築)などにより、17億5,578万円の増となりました。  公債費は、臨時税収補てん債の償還額の減少などにより、4,345万円の減となりました。 ■特別会計  平成18年度の特別会計は、歳入総額が517億9,242万円で前年比6.4%(31億1,226万円)の増、歳出は、518億1,250万円で前年比5.0%(24億5,440万円)の増と、ともに増となりました。 [会計]国民健康保険特別会計 [歳入]139億3,792万円 [対前年度比]5.3 [歳出]138億3,813万円 [対前年度比]4.9 [会計]土地区画整理特別会計 [歳入]64億9,999万円 [対前年度比]46.9 [歳出]61億4,616 万円 [対前年度比]40.9 [会計]下水道事業特別会計 [歳入]56億9,023万円 [対前年度比]5.1 [歳出]56億939万円 [対前年度比]5.5 [会計]受託水道事業特別会計 [歳入]12億1,636万円 [対前年度比]△14.9 [歳出]12億1,636 万円 [対前年度比]△14.9 [会計]老人保健特別会計 [歳入]101億5,218万円 [対前年度比]△0.5 [歳出]101億3,350万円 [対前年度比]△1.5 [会計]介護保険特別会計 [歳入]79億1,000万円 [対前年度比]7.1 [歳出]76億1,775万円 [対前年度比]3.8 [会計]市立病院事業特別会計 [歳入]63億8,574万円 [対前年度比]△3.2 [歳出]72億5,121万円 [対前年度比]△2.5 合計 [歳入]517億9,242万円 [対前年度比]6.4 [歳出]518億1,250万円 [対前年度比]5.0 ■経常収支比率  経常収支比率とは、人件費・扶助費などのような容易に縮減できない固定的な経費に、市税などがどの程度使われているかを示す指標です。  財政の弾力性を示すものであり、この数値が低いほど新たな住民ニーズに対応できる余地が大きくなります。平成18年度の日野市の普通会計決算でみた経常収支比率は86.2%で、過去10年間で最も低い数値となりました。 ●経常収支比率 (類似団体との比較) 多摩地区の類似団体平均 87.8 八王子市 87.0 立川市 87.2 三鷹市 86.5 調布市 85.3 町田市 87.1 小平市 93.5 日野市 86.2 西東京市 89.7 ※類似団体区分の変更により、類似団体が若干変更になりました ●経常収支比率の推移(普通会計)(%) [13年度]88.7 [14年度]90.9 [15年度]87.6 [16年度]88.3 [17年度]87.8 [18年度]86.2 ■人件費比率  人件費比率とは、歳出総額に占める人件費の割合を示します。第3次行財政改革大綱に基づく各種手当の見直し等により、19.4%と、過去10年間ではじめて20%以下に抑えることができました。 ●人件費の推移(普通会計)(%) [13年度]23.9 [14年度]23.1 [15年度]22.5 [16年度]21.3 [17年度]21.8 [18年度]19.4 ■市有財産  基金とは、将来に備えた積立金で、家計における「預貯金」にあたります。このうち、財政調整基金は、いざというときに備えるための基金で、18年度末残高は前年度より約6億8,000万円減の15億5,638万円となりました。 土地 159万643平方メートル 建物 32万248平方メートル 基金 財政調整基金 15億5,638万円 公共施設建設基金 13億648万円 職員退職手当基金 15億7,534万円 環境緑化基金 10億9,556万円 平和事業基金 1億円 バリアフリー事業推進基金 4,847万円 市民体育施設整備基金 6億6,854万円 学校施設整備基金 6億5,220万円 土地区画整理事業基金 5億123万円 国民健康保険高額療養費貸付基金 1,000万円 国民健康保険出産費資金貸付基金 500万円 減債基金 2億3,008万円 介護給付費準備基金 1億2,421万円 新選組関連資料収集基金 400万円 ごみ処理施設整備基金 2億円 合計 80億7,749万円 ■各会計の借入状況  市債とは、単年度予算ではまかないきれない多額の資金を必要とする事業を実施するために行う長期の借入金で、家計における「ローン」にあたります。豊かな市民生活を支えるために必要なものですが、残高が大きくなると、将来の世代に負担を残すことになります。日野市では、年々増加する傾向にあります。  借入金の返済に充てている一般財源の大きさが適正範囲内であるかどうかを示す指標である公債費比率については、適正値内となっています。 ●市債の状況 下水道 ←下水道事業特別会計:市民が払う下水道使用料で返済 [13年度]368 [14年度]367 [15年度]365 [16年度]364 [17年度]361 [18年度]355 一般会計 ←一般会計:基本的に税金で返済○日野市土地開発公社による市債を含む [13年度]257 [14年度]277 [15年度]307 [16年度]318 [17年度]323 [18年度]335 病院 ←病院事業会計:市民が払う医療費で返済 [13年度]120 [14年度]118 [15年度]114 [16年度]111 [17年度]107 [18年度]103 区画整理 [13年度] [14年度] [15年度]14 [16年度]34 [17年度]54 [18年度]54 ■日野市バランスシートを作成  バランスシート(貸借対照表)とは、ある一定の時点で保有するすべての資産、負債等の状況を一つの表にしたものです。表の「借方」は、市が所有する土地や建物、預金や現金などの資産を表しています。また「貸方」は、借金である地方債などの負債と正味資産(企業会計でいう「資本」)を表しています。昨年に比べ資産から負債を除いた正味資産は47億円の増となりました。 ●バランスシート(普通会計) (平成19年3月31日現在) (単位:億円) 借方:資金の使い道 [資産の部] 1有形固定資産合計1,540 市庁舎、保育園、公園、学校施設、体育館などの土地・建物・設備など 2投資等合計191 財団法人等への出資金・貸付金、特定目的に使用するために積み立てた基金 3 流動資産合計64 将来の資金不足に備えるための基金及び年度末までに支払ってもらえなかった税金など 資産合計1,795 ←将来の世代に残る財産等 貸方:資金の調達方法 [負債の部] 1固定負債合計474 地方債(元金)のうち平成19年度以降に返済する必要がある金額及び年度末に在籍している職員が全員退職したと仮定した場合の退職金の合計金額 2流動負債合計27 地方債(元金)のうち平成18年度中に返済する必要がある金額 負債合計501 ←これからの世代が負担しなければならない金額 [正味資産の部]  資産の合計額から負債の合計額を引いた残額  (国庫支出金、都支出金、一般財源) 正味資産合計1,294  ←今までの世代が負担した金額 負債・正味資産合計1,795 ■平成19年度に市債を充てて進める事業  市債は、学校等の公共施設や道路など、後年度まで広く市民に利用され、各年度の負担を均等にすべき事業について市債を充てて事業を進めています。今年度の主な事業は以下の通りです。 ●平成19年度の主な借入予定 平山小改築及び併行防音工事 9億8,020万円 小・中学校校舎及び体育館耐震補強工事 (三小、旭が丘小、三沢中ほか) 2億7,760万円 (仮称)平山城址公園駅前複合施設建設工事 3億3,300万円 日野緑地用地取得 1億9,860万円 保育園・学童クラブ耐震補強及び大規模改修工事 (しんめい児童館、あらい保育園ほか) 1億9,700万円 浅川スポーツ公園用地取得 1億1,700万円 平成19年度上半期予算施行状況  一般会計の当初予算は、515億円でしたが、2回の補正を行い、28億5,224万円増の543億5,224万円となりました。予算額に対する収入率及び執行率は下記の通りです。 ●補正予算による主要な事業 日野緑地・南平緑地用地取得 3億9,370万円 病院事業会計への繰出金 (企業債の建物償還元金及び支払利息) 2億9,700万円 特別養護老人ホーム・浅川苑改修工事(債務負担) 8,800万円 四小トイレ改修、平山中トイレ改修 6,200万円 (仮称)子ども家庭支援センター高幡開設事業 2,700万円 団塊世代活動・地域コミュニティー拠点整備 2,653万円 「藝術文化の薫るまち日野」演奏等委託 551万円 放課後子どもプラン事業「ひのっち」経費 239万円 親子・家庭食育推進事業経費(食育絵本の配布) 66万円 ●各会計別予算執行状況(平成19年9月30日現在) [会計名]一般会計 [予算現額]552億4,432万円 [収入済額]236億9,629万円 [収入率(%)]42.9 [支出済額]201億310万円 [執行率(%)]36.4 [会計名]国民健康保険特別会計 [予算現額]155億4,157万円 [収入済額]56億9,534万円 [収入率(%)]36.6 [支出済額]62億8,689万円 [執行率(%)]40.5 [会計名]土地区画整理特別会計 [予算現額]38億3,539万円 [収入済額]3億6,664万円 [収入率(%)]9.6 [支出済額]9,874万円 [執行率(%)]2.6 [会計名]下水道事業特別会計 [予算現額]57億875万円 [収入済額]18億5,878万円 [収入率(%)]32.6 [支出済額]17億1,019万円 [執行率(%)]30.0 [会計名]受託水道事業特別会計 [予算現額]10億4,830万円 [収入済額]3億287万円 [収入率(%)]28.9 [支出済額]2億7,050万円 [執行率(%)]25.8 [会計名]老人保健特別会計 [予算現額]101億2,517万円 [収入済額]42億9,287万円 [収入率(%)]42.4 [支出済額]41億9,860万円 [執行率(%)]41.5 [会計名]介護保険特別会計 [予算現額]78億7,336万円 [収入済額]37億5,794万円 [収入率(%)]47.7 [支出済額]31億8,118万円 [執行率(%)]40.4 [会計名]市立病院事業特別会計(収入) [予算現額]80億8,992万円 [収入済額]28億4,751万円 [収入率(%)]35.2 [会計名]市立病院事業特別会計(支出) [予算現額]81億8,748万円 [支出済額]32億2,976万円 [執行率(%)]39.4 ※一般会計の予算現額には、繰越明許費を含む