◎平成19年度行政評価システム 市民評価の結果を公表  平成19年度行政評価システムの評価の結果(概要)をお知らせします。今回の評価は、所管部署による評価、庁内行財政改革推進本部による評価、公募市民による市民評価(第三者評価)の3段階で行いました。広報今号では、市民評価を中心に紹介します。 (行政管理チーム) ■行政評価システムとは  市では、「日野いいプラン2010」に基づき、市民協働のまちづくりを進めています。  このプランを効率よく、効果的に推進するために必要なのが、行政評価システムによる事業の点検です。  行政評価システムは、各課が取り組む事業の効果や成果を所管部署や庁内行革推進本部で内部評価を行うとともに、第三者評価として市民が市民の視点で評価を行い、その結果を市政運営に生かしていくものです。 ■19年度の行政評価システム  今回は、平成18年度に実施した全事業の中から、所管部署で331事業の評価を行い、その内158事業について行革推進本部の評価を実施。さらに70事業について、市民評価委員会による評価を行いました。評価委員は、6月に公募し、9人の市民の方々に委嘱。7月下旬から8月末まで、生活者の視点で評価作業が行われ、このほど佐々木忠良委員長から市長に市民評価の結果が報告されました。 市民評価の結果(70事業) [施策の方向性]A:「拡大・充実」 [市民評価]9事業 [割合]13% [施策の方向性]B:「維持・継続」 [市民評価]21事業 [割合]30% [施策の方向性]C:「見直し」 [市民評価]26事業 [割合]37% [施策の方向性]D:「抜本見直し」 [市民評価]11事業 [割合]16% [施策の方向性]E:「休止・廃止」 [市民評価]3事業 [割合]4% ■市民評価の意見  市民評価の内容の一部を紹介します。 【良い評価を受けた事業】 ◎情報セキュリティ事業…外部評価も高いことから、客観的に見ても評価できる。しかし、情報漏えいは予想外のことから発生することがあるため、油断することなく繰り返し見直しを行う。 ◎高幡不動駅周辺まちづくり事業…事業成果は大きい。作って終わりではなく、これから継続的な検証を望む。 ◎小学校ICT教育環境整備事業…問題解決能力とコミュニケーション力を高めるため、進めていかなければならない。研修等で教員のレベルアップを図る。 【厳しい評価を受けた事業】 ◎生活圏拡大事業(福祉タクシー等助成)…障害者の社会参加を促進する事業として必要性はあるが、所得や障害の種別・等級などを考慮した制度とする。 ◎特別養護老人ホーム浅川苑事業…介護保険料で経費がまかなわれていない。民営化を推進する。移譲に際しては入居者やその家族のことを考え、移譲先との調整を十分に行う。 ◎小学校給食運営事業(直営調理校)…民間委託への転換が十分でない。給食は民間活力を利用するのに最も適した分野。計画どおり民間委託を進める。全校委託化も視野に入れる。  また、市民評価委員会の報告書(要旨)は下欄のとおりです。  市では、この評価結果をしっかりと受け止め、内容を検討し今後の施策に反映していきたいと考えています。  なお、市民評価の内容など詳しくは、市内各図書館、市ホームページでご覧ください。  この記事に関するご意見をお寄せください。Eメールアドレスtokku@city.hino.lg.jp 19年度行政評価システム・市民評価委員会報告(要旨) 1.総 論  行政評価の対象となる個々の事業は、基本構想・基本計画に発するものであり、行政評価の基盤となる基本的課題を無視することはできない。  基本的課題の第一は、財政問題であり、日野市が行財政改革に取り組み、改善に努めていることは評価できるが、一般会計、特別会計合わせて840億円の借入金や介護・医療保険の赤字など、改善を要する大きな課題がある。これらは、市財政を圧迫して、少子高齢化への対応など、多くの行政施策の実施を阻害する要因となっている。今後5年間の市債残高の数値目標を定め、計画的に起債を抑制したり、なお一層の繰り上げ償還などを行ったりするとともに、行財政改革を一層推進し、着実に債務を削減してほしい。  基本的課題の第二は、計画の策定、事業の実施に際して、市民協働により、行政を市民の身近なものとするとともに、ボランティア、NPO団体などを活用し、行政規模の適正化と行政運営の効率化を目指すことにある。  今や、行政は市役所が万能ではないし、すべてではない。市財政をより強固にし、市民要望に応えられるよう、市民とともに施策の策定、展開を図るべきと考える。市のなすべきことを明確にし、責任の所在を明らかにするとともに、市民の権利、義務、責任をも明確にし、市民、市が一体となって日野のまちづくりを進めるためには、市民自治条例の制定が急がれる。条例の準備は、市民、有識者などの協力により、論議を尽くして進める。その際に、サイレント・マジョリティ(声なき多数派)である市民の意向をも十分にくみ取る。  市民評価の実施過程で、委員から特に指摘のあった意見は、内容をよく吟味して、実行すべきと考える事項については、スピード感を持って取り組まれることを期待する。 2.市政運営に関する個別意見 1.市政運営全般に関する事項  (1)廃止や抜本的な見直しを先送りにしている事業が散見する。市の抱える課題や厳しい状況を市民に十分説明し、市民意識調査等を踏まえ速やかに対策を取るべき。  (2)借入金などの状況を考えれば、市民サービスの低下もやむを得ない。施設の利用等は無料ではなく、受益者負担を求めるべき。高齢者慶祝事業等については、見直す時期。  (3)民間企業のノウハウを積極的に導入し、競争原理や目標管理を定着させることが必要。  (4)随意契約の事業が多々見られる。競争入札が基本。契約のあり方について、有識者委員会等で指針の取りまとめを要望する。  (5)事業部署間の協力や情報交換等が不足している事業が見受けられる。部署間の連携が図れるように、職員の意識改革を図る。  (6)PR不足の事業が多い。PRの機会、場を積極的に設け、市民に周知する必要がある。広報紙や市ホームページの充実を望む。 2.施策に関すること  (1)多くの団塊世代は、「キッカケ」があれば、地域活動やボランティア活動に参加する。活動内容を具体的に知ってもらうことや実地に訓練したり、必要な資格を取ったりする短期間の講座を用意することが必要。  (2)市政の各分野の課題にバランスよく取り組んでいくためには、サイレント・マジョリティを代表する市民の生活実態や意見、要望などをも常に把握しておく必要がある。  (3)どの課にあっても、一番大切なことは市民の安全を守ること。日ごろから危機管理意識を醸成し、不測の事態に備える体制を整えるようにする。  (4)滞納整理事務の習得のための先進官庁(東京都)への派遣研修やパソコン専門家育成のためのメーカー講習など専門職育成を進める。 3.職員の意識等に関すること  (1)市民のワンストップサービスの要望はさらに強まると思われるため、役所内の横の連携の重要さを認識して対応する。    (2)市の窓口対応は、国や都の窓口と比較して格段に良くなっているが、職員のプロ意識や視野の広さの面などで課題が残っている。民間経営者等による講演など、多様な方法により、職員のレベルアップを図る。  (3)職員の意識改革が一番大切。社会は生き物であるという認識と市民に何が必要かという感覚がほしい。職員の1割を市政全般に精通したエキスパートにして、できるだけ民間委託にしてみてはどうか。  (4)管理監督者の姿勢は、部署の空気に大きな影響を持っている。職場の一層の活性化のためにも心して臨むように。