◎平成19年度決算を公表 平成19年度は、厳しい財政状況の中、行財政改革遂行型の予算を編成し、集中改革プラン、第3次日野市行財政改革大綱の改革 項目を取り入れながら、市民のための効率的な行政運営に取り組むとともに、「日野いいプラン2010事業」を中心に事業を展開 してきました。特に(1)子育て支援サービスの充実(2)「日野人げんき!プラン」と「食育」の推進による健康づくり(3)学校校舎 耐震化と教育環境の充実(4)都市基盤整備の推進、を重点的に取り組みました。今号では、その概要をお知らせします。 (1)子育て支援サービスの充実…………総額51億2,312万円 [子育てサービスの充実] ☆市内全小学校で放課後子どもプラン「ひのっち」を開始 地域の方々と協力し、また子どもたちを見守るボランティア(ひのっちパートナー)を配置し、放課後の教室と校庭・体育館を開放 しました。 →子どもたちが放課後に安全、安心して自由に過ごせる居場所が出来ました。 [保育園の改修] ☆ひらやま保育園に誰でも絵本に親しめる「さくら文庫」を増築 ☆みなみだいら保育園に子どもたちが元気に遊べる大規模遊具「ビッグトレイン」を設置 ☆あらい保育園の園庭整備を行い、今年度については園庭を芝生化予定 →施設の延命化を図るとともに快適な保育環境のもと保育の質がより一層向上しました。 [子育て・子育ち不安ゼロを目指して] ☆有資格者が保育園・学童クラブへ巡回し、“気になる子ども”の育ちを支援 保育園、学童クラブにいる特別な配慮を必要とする子どもを支援するため、臨床心理士・言語聴覚士などの有資格者の施設への巡回・ 個別相談を実施しました。 →保護者の理解や保育者の保育技術が高まり、より一層の適切な対応が図られるようになりました。 (2)「日野人げんき!プラン」と「食育」の推進による健康づくり…………総額72億4,055万円 [日野人四大運動事業の推進と効果検証] ☆年齢や健康状態・ライフスタイルにあわせて筋力トレーニング(さわやか健康体操、楽・楽トレーニング、パワーリハビリ テーション)やウオーキング(いきいきウオーキング)を実施 →「さわやか健康体操」では延べ参加者数が58,000人を超え、市民の運動することへの意識が高まりました。 ☆筋力トレーニングやウオーキング参加者を対象に、運動の効果を計るため、年3回の体力測定を実施 →体力測定の結果、運動継続による体力面の変化を本人が実感しました。 [食育の推進(食から始まる健康づくり)] ☆家庭での食育 子育て世代を対象に、家庭で食べる1日の食事を携帯カメラやデジタルカメラで撮影し、成分を分析しました。 →実際食べた食事に対する客観的な評価で食生活の改善意欲が向上しました。 ☆保育園での食育 食品の分類と働きがわかる「食育ボード」を使って食育遊びを実施し、給食をインターネット上で公開しました。 →子どものうちから食育になじむと同時に保護者の食育への理解も深まりました。 ☆学校での食育 中学3年生を対象にテーブルマナー教室を実施しました。 →食事の基礎・基本を学び、食事の仕方について見直すきっかけとなりました。 ☆地域における食育 食育に関する講演会を開催しました(参加者延べ780人)。 →正しい食情報を発信し、多くの市民が食育の大切さを認識しました。 (3)学校校舎耐震化と教育環境の充実…………総額59億5,017万円 [耐震化工事・改築工事] ☆5つの小・中学校(東光寺小・旭が丘小・四小・大坂上中・三沢中)で校舎の耐震化工事を実施 →公立小・中学校すべての校舎耐震化工事が終了しました。 ☆平山小の改築工事が終了 →図書館とコンピューター室を合わせたメディアセンターが設置され、校舎内はバリアフリー化、安全対策も万全となり、最良の 教育環境となりました。 [ICT活用教育の充実] ☆小・中学校のICT教育環境を整備 小学校17校中16校にコンピューター室を設置(残り1校は平成20年4月に設置)。中学校全校に校内LANを敷設しました。 ☆ICTを活用した指導が出来る教員100%達成 メディアコーディネーター(ICT支援員)を計画的に派遣し支援を行い、小・中学校すべての教員がコンピューターを活用した 指導を出来るようになりました。 →ICTを活用した教育が全校で展開出来るようになりました。 ※ICT活用教育:情報通信技術を活用した教育 (4)都市基盤整備の推進…………総額51億9,543万円 [主要な駅周辺の整備] ☆平山城址公園駅前に平山季重(すえしげ)ふれあい館を開設 図書館、子育てひろば、地区センター、多目的ホールなどの機能をもつ複合施設です。 →浅川南部地域のコミュニティーの拠点施設となりました。 [日野バイパス開通後の更なるまちづくり] ☆豊田南地区、西平山地区にて区画整理事業を推進 国土交通省の直轄事業として事業化された日野バイパス延伸部を中心に事業を進めています。 →日野バイパス延伸部は日野バイパスと国道16号線をつなぐ路線であり、完成すれば物流が盛んになるなど新たな活力が 見込まれます。 ■一般会計 平成19年度の一般会計の歳入は、549億9,566万円で前年比1.6%(8億9,186万円)増、歳出は 537億7,878万円で前年比2.4%(12億8,291万円)増となり、差引12億1,688万円を平成20年度に 繰り越しました。 ●歳入 歳入の柱となる市税は、原油価格高騰などの影響で法人市民税が減となったものの、定率減税廃止などにより個人市民税が増となり、 市税全体では引き続き増収となっています。 市債は、学校校舎耐震補強工事の終了、赤字公債の抑制などにより、前年に比べ減になっています。 地方譲与税は、税源移譲により大幅減となっています。 国からの地方交付税は、普通交付税が4年連続で不交付となりました。 (グラフ1) 【歳入】549億9,566万円 [市税]294億909万円 (構成比)53.5% (対前年度比)4.2% [国庫支出金]56億6,299万円 (構成比)10.3% (対前年度比)15.9% [都支出金]54億1,874万円 (構成比)9.8% (対前年度比)14.0% [市債]32億8,620万円 (構成比)6.0% (対前年度比)△10.3% [地方消費税交付金]18億1,986万円 (構成比)3.3% (対前年度比)△0.9% [地方譲与税]3億7,820万円 (構成比)0.7% (対前年度比)△74.4% [その他]90億2,058億円 (構成比)16.4% (対前年度比)△2.6% ●歳出 総務費は、積立金の減などにより、1,126万円の減となりました。 民生費は、児童手当などの扶助費の伸びなどにより、1億6,462万円の増となりました。 教育費は、小・中学校の施設整備(耐震補強・改築・増築)などにより、16億1,666万円の増となりました。 公債費は、臨時財政対策債の償還額の増加などにより、1億5,244万円の増となりました。 (グラフ2) 【歳出】537億7,878万円 [民生費]201億3,339万円 (構成比)37.4% (対前年度比)0.8% [総務費]80億3,086万円 (構成比)15.0% (対前年度比)△0.1% [教育費]90億6,481万円 (構成比)16.9% (対前年度比)21.7% [土木費]54億2,024万円 (構成比)10.1% (対前年度比)△11.7% [衛生費]46億9,741万円 (構成比)8.7% (対前年度比)1.6% [公債費]31億9,746万円 (構成比)5.9% (対前年度比)5.0% [消防費]20億5,939万円 (構成比)3.8% (対前年度比)△2.0% [その他]11億7,522万円 (構成比)2.2% (対前年度比)4.2% ■特別会計 平成19年度の特別会計は、歳入総額が500億3,946万円で前年比3.4%(17億5,296万円)の減、歳出は 502億7,474万円で前年比3.0%(15億3,776万円)の減と、ともに減となりました。 (表1) [国民健康保険特別会計] 歳入:150億2,225万円/対前年度比:7.8%/歳出:149億2,352万円/対前年度比:7.8% [土地区画整理事業特別会計] 歳入:38億7,977万円/対前年度比:△40.3%/歳出:37億45万円/対前年度比:△39.8% [下水道事業特別会計] 歳入:54億8,389万円/対前年度比:△3.6%/歳出:54億7,902万円/対前年度比:△2.3% [受託水道事業特別会計] 歳入:9億1,471万円/対前年度比:△24.8%/歳出:9億1,471万円/対前年度比:△24.8% [老人保健特別会計] 歳入:100億5,705万円/対前年度比:△0.9%/歳出:100億2,100万円/対前年度比:△1.1% [介護保険特別会計] 歳入:83億2,851万円/対前年度比:5.3%/歳出:81億8,851万円/対前年度比:7.5% [市立病院事業特別会計] 歳入:63億5,328万円/対前年度比:△0.5%/歳出:70億4,753万円/対前年度比:△2.8% [合計] 歳入:500億3,946万円/対前年度比:△3.4%/歳出:502億7,474万円/対前年度比:△3.0% ■経常収支比率 経常収支比率とは、人件費・扶助費などのような容易に縮減出来ない固定的な経費に、市税などがどの程度使われているかを示す 指標です。財政の弾力性を示すものであり、この数値が低いほど新たな住民ニーズに対応出来る余地が大きくなります。 平成19年度の日野市の普通会計決算でみた経常収支比率は94.0%で、前年に比べ7.8%上昇しています。これは、主要法人 減収による法人市民税の減及び税制改正による景気変動型交付金の減収の影響がある一方で、下水道事業への繰出金の算定方法に 変更があったこと、また子育て支援扶助費の増や市債の元金償還が始まったことなど、支出の増加によるものです。また、グラフ4・ グラフ5からもわかるように、10年前と比べて市税収入はほとんど増えていないのに対し、歳出は約80億円増加しています。 今後、歳出の更なる縮減をし、健全な財政運営を行っていきます。 (表2)経常収支比率(類似団体との比較) 多摩地区類似団体の平均:89.8% 日野市:94.0% 八王子市:86.8% 立川市:86.8% 三鷹市:89.8% 調布市:90.4% 町田市:88.9% 小平市:92.7% 西東京市:92.1% 府中市:86.3% (グラフ3)経常収支比率の推移(普通会計) 14年度:90.9% 15年度:87.6% 16年度:88.3% 17年度:87.8% 18年度:86.2% 19年度:94.0% (グラフ4)市税総額 9年度:299億円 10年度:287億円 11年度:276億円 12年度:269億円 13年度:269億円 14年度:264億円 15年度:260億円 16年度:264億円 17年度:268億円 18年度:282億円 19年度:294億円 H18〜19年度税制改革税源移譲 ※9年度と19年度を比較すると、ほとんど増えていない (グラフ5)歳出総額(一般会計) 9年度:457億円 10年度:455億円 11年度:485億円 12年度:473億円 13年度:502億円 14年度:487億円 15年度:483億円 16年度:532億円←減税補てん債、借換44億円 17年度:475億円 18年度:525億円←繰出金・扶助費の増、人件費・物件費の増、学校耐震化など 19年度:538億円 ※9年度と19年度を比較すると、約80億円増加している ■人件費比率 人件費比率とは、歳出総額に占める人件費の割合を示します。平成19年度は団塊世代への退職金の大幅増により、20.4%と 昨年度より1%上昇しました。 (グラフ6)人件費比率の推移(普通会計) 14年度:23.1% 15年度:22.5% 16年度:21.3% 17年度:21.8% 18年度:19.4% 19年度:20.4% ■市有財産 基金とは、将来に備えた積立金で、家計における「預貯金」にあたります。このうち、財政調整基金は、いざというときに備える ための基金で、19年度末残高は前年度より147万円減の15億5,491万円となりました。 (表3)(平成20年3月31日現在) 土地:159万7,330m2 建物:32万1.405m2 財政調整基金:15億5,491万円 減債基金:2億3,008万円 その他特定目的基金:98億7,218万円 合計:116億5,717万円 ■各会計の借入状況 市債とは、単年度予算ではまかないきれない多額の資金を必要とする事業を実施するために行う長期の借入金で、家計における 「ローン」にあたります。学校耐震化事業や将来的にも広く市民に利用される公共施設、道路の建設など、各年度の負担を均等に すべき事業に充てられます。豊かな市民生活を支えるために必要なものですが、残高が大きくなると、将来の世代に負担を残すこと になります。借金の返済額の大きさを示す「実質公債費比率」は、平成18年度では全国で3番目に良い数値となっており、借金 返済額の割合は少なくなっていますが、日野市では引き続き借入の抑制を図り、基金の積立てを行っていきます。 (グラフ7)市債の状況 [下水道事業特別会計]…市民が支払う下水道使用料で返済 14年度:367億円 15年度:365億円 16年度:364億円 17年度:361億円 18年度:355億円 19年度:349億円 [一般会計]…基本的に税金で返済 14年度:277億円 15年度:307億円 16年度:318億円 17年度:323億円 18年度:335億円 19年度:341億円 [病院事業会計]…市民が支払う医療費で返済 14年度:118億円 15年度:114億円 16年度:111億円 17年度:107億円 18年度:103億円 19年度:99億円 [区画整理] 15年度:14億円 16年度:34億円 17年度:54億円 18年度:54億円 19年度:53億円 ■日野市バランスシート バランスシート(貸借対照表)とは、ある一定の時点で保有するすべての資産、負債などの状況を一つの表にしたものです。表の 「借方」は、市が所有する土地や建物、預金や現金などの資産を表しています。また「貸方」は、借金である地方債などの負債と 正味資産(企業会計でいう「資本」)を表しています。昨年に比べ資産から負債を除いた正味資産は29億円の増となりました。 ○バランスシート(普通会計)(平成20年3月31日現在) 借方:資金の使い道 [資産の部] 1 有形固定資産合計:1,580億円 市庁舎、保育園、公園、学校施設、体育館などの土地・建物・設備など 2 投資等合計:190億円 財団法人等への出資金・貸付金、特定目的に使用するために積み立てた基金 3 流動資産合計:54億円 将来の資金不足に備えるための基金及び年度末までに支払ってもらえなかった税金など 資産合計:1,824億円←将来の世代に残る財産等 貸方:資金の調達方法 [負債の部] 1 固定負債合計:472億円 地方債(元金)のうち平成20年度以降に返済する必要がある金額及び年度末に在籍している職員が全員退職したと仮定した場合の 退職金の合計金額 2 流動負債合計:29億円 地方債(元金)のうち平成19年度中に返済する必要がある金額 負債合計:501億円←これからの世代が負担しなければならない金額 [正味資産の部] 資産の合計額から負債の合計額を引いた残額 (国庫支出金、都支出金、一般財源) 正味資産合計:1,323億円 負債・正味資産合計:1,824億円←今までの世代が負担した金額 ■平成20年度上半期予算執行状況 一般会計の当初予算は、494億1,000万円でしたが、2回の補正を行い、26億988万円増の520億1,988万円と なりました。予算額に対する収入率及び執行率は下記のとおりです。 ●補正予算による主要な事業 百草公園東緑地・日野緑地用地取得:5億2,184万円 (仮称)栄町二丁目複合施設建設工事ほか:1億9,920万円 浅川スポーツ公園用地取得:1億5,908万円 七生緑小学校屋内運動場大規模改造耐震補強工事:1億1,200万円 病院事業会計への繰出金:8,942万円 百草谷戸緑地保全地区計画区画道路工事:5,400万円 南平小学童クラブ建設工事ほか:4,111万円 中国残留邦人支援事業支援給付金:3,754万円 ごみ焼却施設延命化対策修繕料:2,700万円 ●各会計別予算執行状況(平成20年9月30日現在) [一般会計] 予算現額:520億1,988万円/収入済額:239億968万円/収入率:46.0%/支出済額:206億5,867万円/ 執行率:39.7% [国民健康保険会計] 予算現額:157億9,044万円/収入済額:61億3,117万円/収入率:38.8%/支出済額:63億1,856万円/ 執行率:40.0% [土地区画整理会計] 予算現額:43億89万円/収入済額:2億8,020万円/収入率:6.5%/支出済額:1億1,457万円/執行率:2.7% [下水道会計] 予算現額:64億2,025万円/収入済額:28億6,027万円/収入率:44.6%/支出済額:29億8,628万円/ 執行率:46.5% [受託水道会計] 予算現額:6億1,490万円/収入済額:2億900万円/収入率:34.0%/支出済額:1億7,342万円/ 執行率:28.2% [老人保健会計] 予算現額:11億2,307万円/収入済額:9億8,570万円/収入率:87.8%/支出済額:9億2,013万円/ 執行率:81.9% [介護保険会計] 予算現額:72億1,532万円/収入済額:36億2,191万円/収入率:50.2%/支出済額:33億4,830万円/ 執行率:46.4% [後期高齢者医療会計] 予算現額:24億4,974万円/収入済額:10億680万円/収入率:41.1%/支出済額:7億1,266万円/ 執行率:29.1% [市立病院会計(収入)] 予算現額:80億41万円/収入済額:24億88万円/収入率:30.0% [市立病院会計(支出)] 予算現額:80億41万円/支出済額:29億1,238万円/執行率:36.4% ※一般会計の予算現額には、繰越明許費を含む