平成24年度所信表明 覚悟を、そして希望を 〜いつか思いは叶う〜 平成24年度を迎えるにあたり、市政への所信と新年度事業の骨子を申し述べ、市民の皆さまに、一層のご理解ご協力を お願い申し上げます。 日野市長 馬場弘融(ひろみち) 平成24年度市政運営の基本姿勢 はじめに 私が幅広い市民の皆さまのご信任を得て、日野市長の職を担わせていただき、16年目を迎えます。 基本姿勢は、就任以来まったく変わっておりません。 日本国憲法の理念のもと世界の恒久平和を目指しつつ、3つの基本、「市民参画」「環境にやさしい」「経営感覚」を貫いて まいりました。 また「次の世代に美しいふるさとを渡そう」を継続するスローガンとして、市政運営に邁(まい)進しているところであります。 根本的にまちづくりを問い直す さて、昨年3月11日に発生した東日本大震災、さらには福島第一原子力発電所の原子炉損壊事故による放射能汚染は、日本の 経済活動や社会の諸活動へ計り知れない影響を与えています。まさに「国難」というべき状況が続いています。我が市でも震災発生時の 帰宅困難者対策、その後は計画停電、節電、放射能測定などの対応に追われました。 また、東芝日野工場が撤退し、日野自動車日野工場も本社は残るもののいずれ移転することになりました。さらに、雪印メグミルク 日野工場の2年後の移転も発表されています。日野市は大企業のおかげで税収や雇用のみならず、地域イベントや企業スポーツに 至るまで恩恵を受けてきたのです。根本的にまちづくりを問い直す時になりました。 次の世代に負担を先送りせず、引き継ぐために そこで、今年の市政のテーマは「覚悟を、そして希望を 〜いつか思いは叶う〜」としました。 今回の「国難」と市が置かれた状況を考えると、行政はもとより市民一人ひとりが厳しさをしっかりと認識し、日常生活の見直しを 継続していただく必要があります。 本市の平成24年度予算についても、市民の皆さまにかなりの覚悟をお願いする厳しいものになりました。これまで進めてきた行財政 改革により市政はかなりスリムになりましたが、真に必要なサービスを提供するためには、職員人件費や施設整備など投資的経費の 削減だけでは対応できず、いよいよ教育や福祉の分野へのかつてない切り込みをせざるを得なくなりました。基金を取り崩して起債を 増やせば当座はしのげます。しかし、それが果たしてよいことでしょうか。 市政を安定的に持続させ、次の世代に負担を先送りせず、しっかりと引き継ぐためには、サービスのセットバック、量から質への転換、 行政の守備範囲を考え直す、こんなことが必要ではないでしょうか。市民生活の幅広い分野にわたり、さまざまな影響がおよぶと思い ます。我々も覚悟をもって、努力してまいりますが、市民の皆さまにも厳しさへの覚悟とご理解ご協力を切にお願いします。 覚悟を、そして希望を 〜いつか思いは叶う〜 とはいえ、こうした覚悟を踏まえれば、前途には希望が持てると確信しています。わがまち日野市には可能性があります。NHK合唱 コンクールで連続して銅賞を受賞した七生緑小合唱部の活躍をはじめ、子どもたちは輝いています。工業でも、市内には小さくても 先進的なものづくり企業がたくさんあります。行政と工業の新しい連携の形を作れば、ものづくり日野を維持していけると思います。 加えて、来年平成25年は市制施行50周年の年であり、東京多摩国体が開かれる年でもあります。 次なる50年先、100年先に向け、どのような方向にまちのあり様をシフトすべきか、新しいグランドデザインのイメージを一人 ひとりが描く時が来たと思います。現実をしっかりと理解し、市民の皆さまからも広く英知を集め、「覚悟」と「希望」を持って 市政運営に取り組む所存であります。 当面する 行政課題への取り組み 参画と協働のまち これから先50年のまちのグランドデザインを描く ●市民とともに描くまちのグランドデザイン ●第4次日野市行財政改革大綱の推進 子どもが輝くまち 保育園の待機児解消 ●保育園の新設・建て替え・定員拡大 きめ細かな支援体制の拡充 ●(仮称)発達支援センターの建設工事着工 東京多摩国体を契機とした子どもの運動能力向上 ●走る・投げる・跳ぶ 幼稚園、小・中学校「一校一取組」運動 健やかでともに支えあうまち みんなで支えあう地域づくり ●特別養護老人ホームの整備による待機者の解消 ●地域密着型サービス事業所の整備 日野人(ひのびと)・日野文化を育てるまち 東京多摩国体の準備とこれを契機とした地域活性化 ●平成25年度東京多摩国体本大会実施に向けた準備 市民の森ふれあいホールを拠点とした芸術文化・スポーツなどの展開 ●市民交流をさらに深める取り組み 藝術文化の薫るまちのさらなる推進 ●百草地区里山ミュージアム構想の推進 自然と調和した環境に優しいまち 水とみどりを次世代に受け渡す ●ふだん着でCO2をへらそう事業の促進 ●緑地保全の推進 ●八王子市との浅川流域連携事業 〈2面へ続く〉