紙面から 市長新春対談〜首都大学東京大学院教授・大杉覚氏を迎えて …1〜3 日野市施設予約システム〜利用者登録のための休日臨時窓口を開設 ……6 日野七福神めぐり ………………………8 平成26年 日野市成人式 ………………8 市長新春対談 人とまちの諸力融合が「可能性に満ちた未来」を拓く 首都大学東京大学院教授 大杉覚氏を迎えて 明けましておめでとうございます 皆さま、希望を胸に新年をお迎えのことと思います。 今年の市長新春対談には、首都大学東京大学院教授・大杉覚氏をお迎えし、 これからの日野市が取り組むべき課題、将来の展望などを語り合っていただきました。(文中敬称略) 問合せ先:市長公室広報担当 プロフィール 大杉覚(おおすぎ・さとる) 昭和39年生まれ。平成9年東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了、博士(学術)。 平成17年から現職。専門分野は行政学、都市行政論。著書に「実践まちづくり読本」、「地方自治」ほか多数。 総務省「基礎自治体による行政サービス提供に関する研究会」委員、厚生労働省「都市部の高齢化対策に関する検討会」委員、 東京都東京の自治のあり方研究会委員、多摩ビジョン連携推進会議委員など多数歴任。 勇気と希望を地域で形にする 市長 あけましておめでとうございます。 大杉 おめでとうございます。 市長 市長となり8カ月が過ぎました。年度途中に前市長からバトンを受け、予算も職員組織も引き継いでいますが、 踏襲をしながらも徐々に新しいものを発信していこうと思っています。そのためにもこれからどうしていくのか。 先生は地方自治・自治体経営のご専門であり、先生の著書の中に「勇気と希望を地域で形にする」という言葉があります。 本日は、今ある危機からの発進、これからの施策展開、自治体運営についてアドバイスをいただけたらと思っています。 大杉 私は都市の自治体経営や大都市制度、さらにはコミュニティ組織などを専門として研究を行ってきましたが、 最近では多摩地域の自治のあり方に注目しています。 先程、市長が私の言葉を引用されましたが日野市が勇気と希望をどのように具体的な形にしていくのか大変興味があります。 すぐそこにある少子高齢化問題 市長 まずは市の現状ですが、少子高齢化の問題があります。すでに日野市は高齢化率が約22%、 この先さらに高齢化が進みます。国立社会保障・人口問題研究所の推計値によれば、 2015年以降人口が減少し高齢化はさらに進行、2040年団塊ジュニア世代が高齢者になる頃には 高齢化率約34%と推計されており、現在64・5%ある生産年齢人口比率が55・4%に下がると予測されています。 このため高齢化に対応する行財政需要、特に社会保障費が雪だるま式に増大すると予想されています。 一方で生産年齢人口が減ることによる税収減で自治体運営の持続性が危惧されます。それらをどうするのかが緊急の課題です。 昨年3月、東京都が発表した「新たな多摩のビジョン」で多摩地域全体が縮小に向かうと表現されていました。 すでに日野市では、これに起因するいくつかの問題が起きています。いわゆる義務的経費である人件費、 公債費、扶助費の合計金額が市税総額とほぼ同等かそれを上回る程度に至っています。 かつては地方交付税の不交付団体でしたが、平成22年度から交付団体となっています。 また、大手企業の工場閉鎖の問題は市内経済に深刻な影響を与えます。 それから、小・中学校、幼稚園、保育園、公民館、図書館、道路、橋梁などの公共施設の更新・改修の問題があり、 全て対応するためには2千400億円程度かかると試算されています。 大杉 今、問題点をいくつか挙げていただきましたが、人口減少について言えば、 国勢調査による人口推計が出されたことで将来の人口減少をきちんと捉えていこうという動きが出てきました。 全国の動向と比べると、日野市が人口減少段階に入るのは少し遅れます。肝心なのは、そのタイムラグを貴重な準備期間と捉え、 いち早く対応し着実に対策をとることです。ただ、他の地域よりも遅れるとはいえ、高齢者人口は大幅に増加します。 30年後にほぼ一対一で若年者が高齢者を支えるマンツーマン体制になります。 このことの意味を地域の中でしっかり捉える必要があります。 産業面では、かつて日野市は都心に近く交通の便も良いことからたくさんの企業立地がありました。 しかし三環道など道路網が整備され、また、グローバル経済の影響もあり、企業立地が海外などへ大きくシフトしてきています。 企業流出は雇用といった市民生活にも直結しますので、非常に大きな課題です。 また、かつて整備された道路や橋梁などの社会インフラの更新が大きな負担としてのしかかってきます。 先人たちの築いた礎と未来への責任 市長 昭和5年の昭和恐慌の際、当時の日野町はその対策として、今の日野自動車や富士電機、 コニカミノルタなどの大企業を誘致しました。 〈2面へ続く〉 ふだん着でCO2をへらそう〜冬期は冷蔵庫の庫内温度を「弱」にしよう エコアラ エコクマ