平成19年度第1回教育委員会臨時会 会議録

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ページID1004478  更新日 平成30年2月16日

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平成19年度第1回日野市教育委員会臨時会

開催日時

平成19年(2007年)8月16日(木曜) 午後2時から午後3時17分

開催場所

教育委員会室

議事(要旨)

開始午後2時

[田口委員長]

ただいまから、平成19年度第1回教育委員会臨時会を開会いたします。

議事に入ります前に、本日は傍聴希望者がいらっしゃいますので、傍聴を許可したいと思いますが、異議ございませんか。

(「異議なし」の声あり)

[田口委員長]

異議なしと認め、傍聴を許可いたします。

(傍聴者入室)

[田口委員長]

本日の会議録署名は、馬場委員にお願いいたします。

本日の案件は追加案件も含め、議案2件、請願審査1件です。

会議の進め方ですが、議案第11号及び請願第19-3号は前回の定例会から継続となっている案件です。前回と同様、議案第11号と請願第19-3号は一括審議といたします。

また、議案第15号は人事案件のため、公開しない会議とし、会議の最後に審議したいと思いますが、よろしいでしょうか。

(「異議なし」の声あり)

[田口委員長]

異議なしと認め、会議規則第12条により、議案第15号は公開しない会議とし、会議の最後に審議いたします。

それでは議事に入ります。議案第11号・日野市公立学校の管理運営に関する規則の一部を改正する規則の制定について及び請願第19-3号・〝主任教諭〝の新設をしないこと、「日野市立学校の管理運営に関する規則」を改〝正〝しないこと-を求める請願、を議題とします。本件は前回の定例会から継続となっている議案です。前回から今回までの間で状況の変化等があれば、事務局より説明をお願いいたします。

議案第11号 日野市公立学校の管理運営に関する規則の一部を改正する規則の制定について

請願第19-3号 〝主任教諭〝の新設をしないこと、「日野市立学校の管理運営に関する規則」を改〝正〝しないこと-を求める請願

[田口教育部参事]

前回、委員の皆様からご指摘のありました資料につきまして、次の資料を整えさせていただきました。

まず第1点、東京都の教員の職のあり方検討委員会から示されましたこれからの教員の任用制度について及びその概要です。2点目に、都労連との専門委員会で示されました「教員の職の分化」に係る解明要求とその回答です。3点目、東京都教育管理職員協議会からの質問と回答です。4点は、前回のお話を論点整理したものです。そして8月10日付になりますが、都政新報で職に係る、今回についての記事がございましたのでお示しします。以上、5点についてお示しいたしました。議案に対する説明は前回ご説明したとおりです。よろしくご審議をお願いします。

[徳田庶務課長]

請願についてご説明いたします。議案書7ページをご覧下さい。前回、付託継続審査となっている請願番号、請願第19-3号。

件名、〝主任教諭〝の新設をしないこと、「日野市立学校の管理運営に関する規則」を改〝正〝しないこと-を求める請願です。

前回の定例会以降、請願者が7名追加され、合計11名となっています。以上です。

[田口委員長]

それでは、議案第11号、請願第19-3号について、ご質問がございましたらお願いします。渡辺委員。

[渡辺委員]

今度の統括校長、主任教諭を設けることは学校教育法等の法改正ではなくて、都独自のものだと思うのですけれども、法律的にはどういう根拠で東京都はこのような改正をするのか、また文科省とは話し合いがあったのかどうかについてお聞きしたいと思います。

[田口教育部参事]

新たな学校教育法の中で、東京都は先んじてこの案を示してきたのですけれども、管理運営規則に載せていく中で、東京都は位置付けを図っています。国等の調整においては、法的な問題はございませんが、内容の面での多少の違いがあるということで調整を図っていることを聞いています。

[田口委員長]

他にご質問ございませんか。渡辺委員。

[渡辺委員]

統括校長は、例示では困難な学校を立て直す等、そういう役割をもって臨まれるということなのですが、一旦統括校長になってその任務が終わった後も退職まで統括校長ということになるのでしょうか。

[田口教育部参事]

都の説明の中では、統括校長につきましては、数校の校長を経験して多くの課題に対応してこられた方を対象とするということで説明がありました。私どもも市として受ける場合には、当然のことながらそういう方を任用したいと思っていますので、それなりの経験をされた方になっていただき、最後の一校を受け持つ校長先生になろうかと思っていますが、異動のことがあり、また課題校が解消されて、他へ動くということを考えますと、やはり統括校長として異動することになります。

[渡辺委員]

今のことと関連して、例えば困難な学校に赴任されて、成果を上げられて、今度は一般の校長に戻りたいという場合には、そういう希望は叶えられるのですか。

[田口教育部参事]

統括校長になられた方は統括校長で終えられると考えています。

[田口委員長]

統括という言葉ですけれども、辞書を引きますと、くくる、まとめるというようなことで書いてあります。私どもが聞いている統括校長というのは、くくるというのだったら何をくくるのかとも思いますし、例えば日野市で統括校長がいたら、日野市の校長先生をまとめていく、束ねていく、そんな役割があるように聞こえます。どういう意味を統括に込めて言っているのか知りたいです。

[田口教育部参事]

統括という意味がくくる、まとめるということですが、統括校長になったから校長先生方や校長会をまとめるという意味ではないと考えています。あくまでも給与体系の中で、校長職の給与の上の級での給与をもらわれるという意味で、行政系にある統括課長と同じような形で統括という言葉を使っていると判断しています。

[田口委員長]

他に都には、統括という言葉を使うような役職があるのでしょうか。

[田口教育部参事]

都においては、事務系の中で統括課長という言葉を使うことはあります。

[田口委員長]

その人は特に、まとめたりしているのですか。

[田口教育部参事]

課長方をまとめていらっしゃることはあるのではないかと思います。

[田口委員長]

統括校長というのは校長先生方をまとめるという意味はないのですか。

[田口教育部参事]

校長先生方をまとめるということでは、校長会の中でその市や区の中での、まとめ役の方がおられるのだろうと思います。ここでいう統括校長というのは、あくまでも課題校に行って、課題校をまとめて、解消していくということで統括という言葉を使っていると思います。

[田口委員長]

他にご質問ございませんか。渡辺委員。

[渡辺委員]

いただいた教員の職のあり方検討委員会の報告で、新たな校長職の設置というところで、指定数の管理は厳格に行う必要があるという記述があります。その前に「明確なポスト指定を行うとともに」というのがありますけれども、これはどういうことを言っているのでしょうか。「明確なポスト指定を行うとともに指定数の管理は明確に行う必要がある」と、この指定数というのはどういうことを言っているのでしょうか。

[加島教育長]

統括校長を設置するためには、まず統括校長のポストが必要なのですが、そのポストをはっきり決めていくということが必要です。はっきり決めない場合はルーズになってしまって、統括校長のポストがなんとなく増えていってしまう。そうではなく、これはやはり指定された、そうしたポストだけが統括校長なんだという趣旨で書いていると思っています。

[渡辺委員]

この指定数というのはどういうことですか。

[田口教育部参事]

各区市に統括校長を15%から20%を配置していく予定です。課題に見合った、課題がある場合に、その数を厳格に、課題もきちっと捉えて把握していきます。そして毎年それについては見直しを図っていくということで厳格に行えるようにと指導は受けています。

[渡辺委員]

ということは、数が極端に増えたり減ったり、そういうことはしないという意味ですか。

[田口教育部参事]

減ったり増えたりと言いますか、その数を決めていくにあたっては、十分に慎重な検討を行って、配置する学校かどうかを判断したいと考えています。

[田口委員長]

他にご質問ございますか。山畑委員。

[山畑委員]

危惧があって、請願書の中で請願理由を挙げていると思いますが、その中で、学校に校長、副校長があり主幹があると。新たに主任は役職ではないということですが、主任ができると職員会議等で役職の有無があると自由闊達な議論ができなくなるのではないか、学校に活気がなくなるのではないかという疑問が提示されているのですけれども、この点はどうでしょうか。

[田口教育部参事]

学校は学校長の経営方針と人事構想の下で運営されて、計画的に、継続的な教育指導が進められていると思っています。職員会議につきましても、学校長が招集し、学校長の意思決定における補助機関としての存在であると考えています。その中で、校長が必要な場合に意見を聞くということで、こちらで言う自由闊達な議論ということでは問題はないと考えます。特に自由に、何でも議論する場ではなく、校長の学校経営に対しての意見を求めると考えています。

[田口委員長]

馬場委員。

[馬場委員長職務代理者]

統括校長の任命は各区市町村にいずれ配置されるということになると思うのですけれども、具体的にはどういう形で選抜され、本市なら本市に配置されるようになるとするならば、具体的にはどのようになっていくのですか。

[田口教育部参事]

統括校長を配置する学校も含めてだと思いますが、その市、日野市なら日野市の課題として、課題を抱える学校が幾つかあると。または1つないし2つ小中それぞれあるという流れの中で、そういう課題をクリアできる校長がいるかどうかということをまず市が考え、そして東京都に課題をクリアできる方がいるということをお話しながら、東京都で決定していくという流れかと思っています。そして決定されてその方が配置されていく。

または、市の課題を東京都に示して、東京都がその学校に見合う統括校長を配置していくということになるのかと考えています。

[馬場委員長職務代理者]

簡単に言うと、例えば日野市で課題を抱える学校が生じた時に、あるいはあった時に、こういう学校があるので、それにふさわしい校長をお願いしたいと言って、配置されてくる、それが統括校長と考えてよろしいですね。

[田口教育部参事]

はい。

[馬場委員長職務代理者]

従来の校長の人事は必ずしもそういう形ではないですよね。

[田口教育部参事]

従来は、市の意見を聞いてはいただいてますが、東京都全体の中での配置になっています。

[馬場委員長職務代理者]

統括校長の場合には日野市にということではなく、日野市のこの学校にということですよね。

[田口教育部参事]

そうです。

[馬場委員長職務代理者]

この選抜は、やはり本人の希望が第一ですか。

[田口教育部参事]

統括校長については、本人の希望と行政側の判断と思っています。

[馬場委員長職務代理者]

本人が希望しない場合はあり得ないのですか。

[田口教育部参事]

力量的に長けている方がいる場合、お願いすることもあり得ると思います。ただ、ご本人が拒むこともあるかもしれません。

[馬場委員長職務代理者]

ここに年齢、経験年数等資格基準を定め、業績評価等に基づく選考を行ったうえで任用を行うと書いてあります。ですから選考のことを聞いたのです。選考というのは、本人が希望しての選考なのですか。

[田口教育部参事]

そうです。ご本人が当然、手を挙げてです。その時に、例えば私であれば、この校長先生は長けているということで「いかがですか」というお話をすることはあるかもしれないという意味です。

[馬場委員長職務代理者]

そうしますと、例えば日野市に該当する学校がないと教育委員会で判断した場合には、統括校長はいないということになるわけですね。

[田口教育部参事]

ただ、何を課題にするかということが問題になると思います。

[馬場委員長職務代理者]

日野市教育委員会が判断した場合には要請しないわけですから、統括校長が必ずしもいるとは限らないという状況ですね。

[加島教育長]

理屈を詰めていくとそういうことになると思うのですけれども、一般的には、どこの市にも課題になる学校があるのではないかということが想定としてあります。広く統括校長の制度が行き渡っていく場合には、日野市にも統括校長が置かれるだろうと想定できるのですが、理屈では、先ほど馬場委員がおっしゃったとおりかもしれません。

[馬場委員長職務代理者]

複数存在するということもあり得るわけですね。

[加島教育長]

そうですね。

[馬場委員長職務代理者]

例えば、統括校長が日野市に一人配置されて、全校長を統括するという意味合いが多少あるのかなと。地域における調整役を担う等書いてありますので、そういった意味で、それとは全然別だと確認するために質問したのです。

[加島教育長]

この報告書には、地域のまとめ役のようなことを統括校長に担ってもらう場合もあり得るというニュアンスが書いてあり、そのとおりだと思います。東京都の今回の説明では、そこの部分は東京都においては設置基準に入らなかったと聞いています。

今後、区市町村に統括校長を置く基準を東京都と区市教育委員会の間で相談する機会があるのではないかと思いますが、その時にどういうふうになるかということはあるかと思いますが、先ほど申し上げたように、東京都において、今は外されているということです。

[田口委員長]

渡辺委員。

[渡辺委員]

今の議論と関連して、先ほど参事から市で15%から20%ぐらいと数字がありましたけれども、これは必ず15%から20%の範囲内で統括校長が存在するということではないんですか。

[田口教育部参事]

ひとつの目安として出ているものです。選ぶ時に何も目安がないということではなく、15%から20%ぐらいで課題があるでしょうということです。課題というのは、健全育成の問題から研究校や大規模等いろいろな課題があるので、それを合わせてと考えていただければと思います。

[渡辺委員]

数字が先に出てしまうと、20%の範囲内で必ず統括校長を置かないとならないことにもなりかねないのだけれども、そんなことはありませんか。

[田口教育部参事]

まずは課題ありきということで進めたいと考えています。

[田口委員長]

他にご質問ございますか。渡辺委員。

[渡辺委員]

主任教諭のところですけれども、特に高度な知識、あるいは経験年数ということが出てきますが、教員というのは専門職としてやはり高度な知識を持っている人が採用されているのだろうと思います。さらに、特に高度な知識を持つ人というのはどういう意味なのでしょうか。

[田口教育部参事]

一般教諭については、当然のことながら教員としての必要な資質や能力を備えていると考えています。その上で、さらに諸問題についてより前向きに、積極的に解決に取り組んでいることが知識や10年ぐらいの経験の中で備わってきた方と理解しています。

[田口委員長]

馬場委員。

[馬場委員長職務代理者]

主任教諭の件ですけれども、どうして教諭を二分化するのかということが、どうもこの85%もいるのにみんな同じなのはおかしいという言い方だけでは少し分かりにくいと思います。この辺もう少し具体的に、実際、学校現場の実態があると思うのです。基本的には必要な資質、能力を備えているから先生をやっているわけですけれども、実際、現場に入ってみると様々だと思います。そういうことも関連しているのかどうか、もう少し具体的に二分化する必要性というものについて説明をお願いしたいと思います。

[田口教育部参事]

まず、85%ということが強く出されてしまっていますが、先生方が、例えば今までですと同じ年齢の中で退職まで迎える中で、どのような仕事、どのような仕事量、困難さ、そういうものがあっても全ての先生が同じ給与で一律に支払われてきました。その中で、皆さん当然努力はしているのでしょうけれども、その中でやはり差が出てきていたり、一人の人に偏ってきたりということが実際はありました。

例えば不登校の対応についても、先生なりにそれぞれのご事情はあるのだと思うのですが、あらゆる時間、あらゆる機会、いろいろな方法、アイディア等を駆使して何とか登校できるようにもってこられる先生、またはそういうことがなかなかできない先生等、同じことをして成果が違うけれども、同じ処遇ということについての不満はもともとあったのではないかということを感じます。

[馬場委員長職務代理者]

確かに中堅から熟練にかけて、実際問題として先生方に指導力の差、あるいは校務分掌の分担の度合いの違いがあるのはよく分かります。

主任教諭と分けるのは、やはり仕事や責任の度合いが違ってくるというニュアンスがあると思います。あるいは能力の違いからくる責任や仕事の違いというのは出てくると思うのですが、校務分掌を踏まえたうえで、必ずしもそのとおりでなくとも、例えばということで例示はありませんか。

[田口教育部参事]

校務分掌ということでなくとも、例えば児童生徒への実践的で効果的なものに長けている方も当然あるかと思います。

[馬場委員長職務代理者]

それも校務分掌のひとつということですね。学級担任は校務分掌です。

[田口教育部参事]

学級担任等での校務分掌もそうだと思いますが、現在学校には主幹が配置されていますけれども、主幹が主任としているもの以外での、特に今、日野市では研究を各学校にお願いしています。そういった研究の主任になっていただいて、その方向性を示していただくということも一つあると思います。本市でのもう一つ、学校の抱える課題や市の抱える課題として、若手の育成、特に初任者の指導の育成が重要であると認識しています。教員としての知識として目に見えるものを伝達していく指導と、目に見えない、数や数値では見えないのだけれども、経験でしか伝えていけないというようなもの、そういうものも存在していると思います。例えば教員は10年で少なくとも2校ぐらい経験していきます。そうしますと、その中で困難をクリアしてきたり苦しんできたり、対応してきたのですから、そういったものを是非、初任者に伝えていって指導、助言していく。初任者とともに2年次、3年次、4年次に指導していただけるような方になっていただきたいと考えています。

[田口委員長]

他にございますか。山畑委員。

[山畑委員]

こういう新しい制度を導入する時には、この効果がどうなるか計りかねるところもあるのですけれども、ただ、良い面もあれば、マイナス面も出てくるのではないかと思います。一つ考えられるのは、主任になれなかった方やならなかった方が、だんだん歳をとっていって、職場内に身の置きどころがないという気持ちを抱く先生も中には出てくるのではないかと思うのですけれども、その辺はどうでしょうか。

[田口教育部参事]

現段階では分かりかねるところですが、この制度自体は、10年経験を経てきて、いわゆる資格のような状況で主任を受けていくということでは、先生方の意欲を高めるものになるのではないかと思っています。是非、意欲を高める方向で、また力量を高めるうえでの主任教諭ということで考えていっていただきたいというのが一つあります。

また、学校としては組織で動いていますので、やはりそれぞれの職もあるだろうということで、一般教諭が主任教諭に比べて劣っているということではありませんから、さらに主幹の方が長けているというような、そういう認識でいていただきたいと思います。

[田口委員長]

馬場委員。

[馬場委員長職務代理者]

先ほど統括校長の場合にはそんな心配はなく、いなくても良いということなのだけれども、もし日野市で規則を改正しないと、主任教諭は配置されないわけですね。これでいきますと一般教諭と主任教諭とは能力差があると考えるわけです。指導力は別としましても他の面でも。そういった場合に、やはり日野市に主任教諭が一人も配置されないという場合には、やはり日野市の学校の教育力はかなり落ちるのではないかという懸念があるのですが、それはどうですか。

[田口教育部参事]

校長会でもお話が出たのですが、やはり主任教諭が配置されることによって学校経営、研究等が円滑に行われるようになるであろうというお話しは出ました。そういったことから考えると、主任教諭が配置される方が、されないよりは学校長の考える学校経営は円滑に進められるであろうと考えられます。

[馬場委員長職務代理者]

主任教諭と一般教諭との異動はそれぞれの層で行うのですか。

[田口教育部参事]

あくまでも主任教諭も教諭ですから、教諭ということでの異動になります。主任教諭は管理運営規則を改正しないと配置されないという状況になるかと考えています。

[馬場委員長職務代理者]

異動は込みになるのですか、それとも別々になるのですか。

[田口教育部参事]

管理運営規則を改正することによって、主任教諭を配置するという形になります。

[加島教育長]

主任教諭も一般教諭も教諭という資格ですから、人事異動の時は教諭一般で人事異動がされると思います。ですから、主任教諭が一人抜けたから、その後にすぐ主任教諭が配置されることには必ずしもならないかもしれません。また、一般教諭が抜けたから、その後は一般教諭ということにもならないかもしれないということです。ただ、全般的に東京都教育委員会が人事配置をする場合に、ある特定の市は主任教諭が厚かったり、その逆だったりということはなく、少し長期に見ればバランスのとれた配置になってくるのではないかと期待しています。

[馬場委員長職務代理者]

一般教諭というのは年齢的には若いということですね。そして主任教諭というのはある年齢に達しているということですから、そういう従来の異動のバランスと同じような感じになるのでしょうか。

[田口教育部参事]

それは、同じになると思います。

[田口委員長]

この85%の中に女性が占める割合がかなり高いと思います。女性もたくさん主任教諭になってもらいたいのだけれども、現実的にはどういうふうな予測をもっていらっしゃるのですか。

[田口教育部参事]

まだ具体的な予想はしておりませんが、校長、副校長への任用についてはまだ男性の方が多い状況にあります。

[田口委員長]

主任のことはまだ分からないということですか。

[田口教育部参事]

それについてはまだ現実には分かりません。ただ、予想として女性の方は、家庭のことや他のご事情もあるかと思いますけれども、この制度ができる限りは、同じですから全く関係ありません。受けていっていただく状況になるのではないのかなと考えています。

[田口委員長]

山畑委員。

[山畑委員]

他市の状況等は分かりますか。

[田口教育部参事]

本日、教育委員会を開いているところが2市ございます。既に11市で教育委員会が開催されましたが、その11市全てで可決されております。残りの14市ですけれども、14市が今後進めていく中で、最終の市が8月31日に教育委員会がございます。

[山畑委員]

今のところ否決されたところはないということですか。

[田口教育部参事]

ありません。

[田口委員長]

渡辺委員。

[渡辺委員]

報告書の15ページに、主任教諭の選考が出てくるのですけれども、そこに、大量の有資格者に対して適性な能力を実証できる合理的な選考を実施していくことが求められている、という記述がありまして、そこで3万人の有資格者が発生することとなるという記述がありますが、これによると、この3万人の有資格者の中でだいたいどのぐらいの方が主任教諭になっていくと見込まれているのですか。

[田口教育部参事]

東京都が出している数が、55歳の教員になった時点で7、8割の方が主任教諭になっていくであろうと考えますと、3万人の有資格者の内、少なくとも7、8割近い数、6割ぐらいを考えているという説明がありました。

[加島教育長]

東京都は見込みを出しているのだと思いますが、主任教諭というのは、できれば皆さんになっていただきたいです。できるだけたくさんなっていただきたい。そういう意味で、これは落とす選考ではないということです。一定の力を持てばパスする。そこに主任教諭の意義を東京都は認めているのだと思っています。

[渡辺委員]

適正な能力を実証できる合理的な選考ということが出てくるのですけれども、これは具体的にどういうことを予定されているのでしょうか。

[田口教育部参事]

現在の教員に対する管理職選考、初任者選考につきましては、多くが論文で行われています。ある課題に対しての論文審査になるのではないのかと考えています。

[渡辺委員]

それと、論点整理の中で、主任教諭の選考はどのようになるのかということの想定で、東京都が行い、論文及び校長の推薦となるであろうということなのですが、本人が希望して校長に推薦してくださいとした場合、推薦をいただくことになるのでしょうか。それともだめだという場合もあるのでしょうか。

[田口教育部参事]

自分がほぼ10年位やって、長けて、何とかやれてきたということで手を挙げていただくことになるかと思いますが、ただ、教員というのは現在、評価をという問題があります。その中で4段階評価が勤務に対してありますが、その中でD評価が良くない評価という形になっています。D評価をとられた方についてはご遠慮いただく形になるのではないかと思います。そのD評価というのは、教員として一つのラインに達してないということですので、それをクリアしてC、B評価になった段階でまた受験されるのであろうと考えます。

[田口委員長]

馬場委員。

[馬場委員長職務代理者]

主任教諭になって、どうも指導力が疑われると、こういうような場合には、降格と言いますか、また元の一般教諭に戻されるのですか。

[田口教育部参事]

現在、降格制度がありますのは校長、副校長のみで、主幹についても正式な降格制度はございません。主任については、今のところはまだ説明にはありませんので、現在のところはないと判断しています。

[馬場委員長職務代理者]

一度なれば、そのままずっと継続していくということですか。

[田口教育部参事]

原則として、継続していくと思います。

[田口委員長]

他にございませんか。渡辺委員。

[渡辺委員]

主任教諭の役割や任務については資料の中で2つ挙げられていて、1つは主幹へのサポート、もう1つは同僚や若手教員への助言支援ということです。そういう面での指導的な役割ということが挙げられていますが、サポートや指導、支援というのは、これは義務規定なのか努力義務なのか、また評価の対象になるのか、その辺はいかがでしょうか。

[田口教育部参事]

あくまでも努力規定で進められると思います。評価に入るかどうかというのは、その業績の中で成果が表れてくれば入ってくることは当然あると考えています。

[田口委員長]

他にはございますか。渡辺委員。

[渡辺委員]

この主任教諭の設置の必要性というのは、教育の現場の中の職務の困難度や責任の度合い等に相違が生じているということが挙げられています。職務の困難や責任の度合い等に相違が生じているから主任教諭という新しい職を設けるということになっていくのですけれども、社会の多様な変化も伴って、学校や教職員に課せられる期待が大きくなっている。そういうふうに今後も予想されますけれども、これを実施してみて、まだまだ職務の困難度や責任の度合い等に対応できないから、分化をもっと進めていくんだということになるのか、そういうことにはならないのか、どういうお考えでしょうか。

[田口教育部参事]

あり方検討委員会では、いろいろな問題が出てきて学校等に聞き取りがされたり、報告書が示されてこういう形になったということで、教員の組織として一つの形を作りあげたという判断をしています。これが今後も分化が続いていくかは現段階では分かりません。

[田口委員長]

教育長。

[加島教育長]

一つの狙いがあって分化をしているのですけれども、実際に制度が実施に移されて、それがうまく機能しているかどうかというあたりをよく考えて実施をしてみないと、さらなる分化が必要かというのは、分からないことだと思います。とりあえずはここだということではないかと思います。

[田口委員長]

他にご質問ございませんか。

ご質問が一通り出たようですので、ご意見を伺います。山畑委員。

[山畑委員]

前回から2日間にわたって審議や質問をし、資料もいただいて私なりに判断しました。それで、本日結論を出さなければならないわけです。

結論から言いますと、やってみなければ分からない部分、こういう制度を導入して、光と陰があって、光の部分はよく言われるけれども、陰の部分も出てくるのではないかという気持ちはあります。主任教諭については、一市民の代表ということで日野の学校が良くなり、先生が一生懸命頑張って良い先生になってもらうという意味で、特に若い教員になりたての先生が主任教諭の先輩の指導を受けながら、それを目指して努力していくという意味でひとつのモチベーションと言いますか、教員として頑張っていこうということになるのではないかと思います。そして、先生たちは概して学校で、一つの問題を持ち寄ってみんなで解決していこうということもありますし、助け合いで行っています。具体的に職員会議等で意見を出しながら解決していくという面もあります。そういう面と切磋琢磨して、一生懸命一人一人の先生が努力して良い教員になろうという思いを持ってもらいたい。そのためにこういう主任教諭という制度は意味を持つのではないかと思います。 それから統括校長については、いろいろな学校の中でも今度新しくできる学校や新しい試みを持った学校、あるいは大規模校、いろいろな生徒や先生がいる中で、校長先生として他と比べて少し困難といいますか、そういう意味でも統括校長という制度によって校長の間に差をつけるといったことではないので、私はこれも良いのではないかと思います。

したがって、この議題については賛成と私は考えます。

[田口委員長]

今、山畑委員からご意見が出ましたが、他にご意見ございますか。渡辺委員。

[渡辺委員]

前回の委員会後、事務局から教員の職のあり方検討委員会の報告その他資料をいただきまして、再度検討をしましたが、この新しい人事制度の意義についても、もう一つ胸に落ちるところがないというのが今の段階での心境です。学校訪問でよく市内の学校を訪問させていただいているのですが、いろいろな学校や教師に対する過度とも言えるような期待の中で、校長先生はじめ新しく採用された新人の先生含めて、皆さん精一杯努力されている姿に接することができていろいろな思いを抱いております。そういう中、多忙になってたくさんの大きな期待を背負わされている先生方を見ると、もう少し負担を軽くしてあげられないのかということを強く感じます。そのことと新しい人事制度というのがどう結びつくか率直に言ってはっきりしません。それとは別だということなのかもしれませんが、そういう思いもあります。それから、統括校長と一般の校長、あるいは主任教諭と一般教諭に上下関係はないということなんですけれども、いただいた資料の教員の職の分化に関する考え方という図が載っているのですけれども、やはり頂点に統括校長が置かれていて、一番下に一般教諭が置かれているのを見ると、やっぱり学校にヒエラルキーを作っていくということがこの図に端的に表れているのではないかという思いもします。

それから、東京都と市町村教育委員会との関係についてですが、この種の問題が出ると、いつも空しくなるのは、人事権が東京都にある関係で、これを認めないと日野市にどういう問題が生ずるかということを考えると、なかなか原理原則の話もしづらくなってしまいます。東京都は人事権を持っていて、こういう方針ができたから市町村教育委員会で規則を改正して下さいということですが、これが双方向性ではなく、一方的なものに映るんです。そうなると、この市町村教育委員会の独自性というのは一体何なのか。教育の地方分権とどう関わるのかということを考えると、今度の都教委の進め方も問題があると思います。市町村教育委員会の意向を十分に聞いたうえでこういう要請をされているのかどうか、そういうことも考えると非常に空しい思いがします。

また、資料の中で都教委が答弁をされているところがありますけれども、東京都教育管理職員協議会の回答や都労連専門委員会に対する回答を読みますと、これから検討する等が非常に多いのです。前回と今回の質問の中でも参事が苦労して答弁されている面もあります。それは参事がこれを全部背負って答弁するということ自体が大変困難なことですけれども、そういうことを考えると、まだまだ議論し尽くされていないところがあまりにも多いと私は思いますので、本日決めることについてどうかと言われれば、はい、そうですかというようなことにはならないという心境です。

[田口委員長]

馬場委員。

[馬場委員長職務代理者]

前回の要約された資料では、どうしてこういうことができてきたかという背景が読み取れないと述べました。実は教員の職のあり方検討委員会は去年7月に出ているのです。もっと早く資料をいただいていれば、もう少し質問の仕方や問題の整理の仕方がうまくできたのではないかと思います。私、この前話した後これを読んで、ある面では見方が変わりました。一つは先ほどの統括校長の問題ですけれども、やはり統括という名称はあまり適していないと思います。ですから、名称にとらわれた判断というのがかなりの部分を占めていたのではないかなと思います。

ただ、やはり各区市町村で独自に必要とする学校に対しての、私に言わせれば特任校長というような感覚で受けとめれば納得できるかなと思います。学校が困難校であるというのはおそらくこれは都立学校のことを念に入れているのではないかと思います。ですから私はむしろ市独自の教育計画を推進して、特に試みていく学校等がこれから教育を考えた時に必要だと思うのです。一律同じ学校ではなく、特色のある学校ということを考えていった時には、ある面では有効なのかなと思います。これはあくまでも市教委の申請に基づいてということなので、統括的な意味合いはないのではないかと思います。あるいは複数存在したり、あるいはなくても良いという判断をしました。

それから、主任教諭の件ですが、私も教育現場におりましたのでいろいろなことが思い出されるわけです。特に、この件に関連して強く感じることは、この道30年の教員が、新卒2、3年の教員に負ける事例がたくさんあります。そういうことを考えると、10年、20年というのは一番脂にのった時期で、いろいろな仕事をし、そういう中でうまくいかなかったりすることもあると思います。

もう一つは、教職員同士が仲良く、情で教育を進めていくということはままあることなんです。お互いに、ある面では関わり合わない、あるいは能力がなくても歳がきたらある種の仕事をする等、そういうことがあって、どちらかと言うと温かいこともなきにしもあらずだったんじゃないかなと思います。そういった面では、こういう制度を導入することが、私は基本的に諸刃の刃で、確かに先生方の意欲が刺激されるということもあるだろうし、逆に、そうじゃない場合もあり得ると想定されます。しかし、ある一つの位置づけがされることによって、ある面では主任層が動きやすくなることも事実だと思います。やはり情は大事なのですけれども、仕事の上では能力のある人、あるいは一部の面に長けている人が適材適所にあたっていくということが大事なのかなと思います。

この件について私は質問しましたけれども、東京都が人事権を持って人事を行うわけです。明らかに日野市がこういう規則を置かないことによって、特に教員の場合、人事面で不都合が生じてくるのではないか。あるいは先ほど申し上げたように、多様な能力を持った人材が来なくなるのではないかというおそれを感じます。基本的にはまだ100%賛成とは言いかねるのですが、やはりここでこれを認めていかないと、今後、日野市の教育活性化のために問題が生じてくると思っております。

[田口委員長]

教育長。

[加島教育長]

この規則を提案している立場ですけれども、教育改革の議論を読んだり聞いたりしていくと、議論が進む中で、最後的につまるところは教員の質だとか、教員がどうやって意欲を持ってやってくれるか、という議論に行き着くことが多いような気がします。言い換えると、教育改革は教員次第だという議論なのですけれど、東京都の現状を考えてみると、毎年毎年、若手教員が増えていることは事実で、しばらくは若手教員中心の学校になってくるのではないかと思います。そうすると、いかにして実力ある教員を養成していくかということがこれからの東京都の人事行政では大変重要な課題になってくると思います。

こういう制度改正は光と陰ともおっしゃったし、諸刃の刃ともおっしゃったわけですが、それはプラス面もあれば見えないマイナス面もあるかもしれません。私は、実力を備えた中堅教員、こういう学校の中心的な役割を担う教員たちを育成していく、あるいはそろえていく、そういう上でこれは一つの試みであろうと思っておりますので、主任教諭の職の設置というのは意義があると考えております。

それから、統括校長については、校長の仕事の中でも特に課題のある学校があるということは事実ですので、そうした職に当たる校長を一定程度処遇していこうというのが今回の考え方だと思いますので、こういう職があっても良いのではないかと思います。この中の議論で人事異動との関連があるという指摘がされていますので、当然、ポスト設置と人事異動をすり合わせるような格好で今後進むのではないかと思っておりますので、その辺は弾力的に考える必要もあるのかなと思います。是非、これについてはご承認いただければと思います。

[田口委員長]

皆さんからご意見が出ましたが、この新たな職をつくるということでいろいろとご心配があって、私どもは継続して審議してきました。先ほど馬場委員がおっしゃいましたが、私は統括という名称はやはり馴染めませんでした。でも、統括校長だから校長をまとめるということではなく、先ほど参事から、その学校の問題に対して関わってまとめていくというご意見を聞いて、それで納得したところがあります。

それから主任に関しましては、初任者教諭の担当指導、若手教諭の指導・助言、教員の仲間の指導・助言、支援ということが担っていく仕事であり、努力義務ということでそのようなことをやってくださる人がいて、そこのところを見れば明るい部分ではないかと私は思っています。しかし、10年ぐらい経った人たちが主任になるので、一番心配していることは、女性がちょうど30歳を過ぎた頃は、出産の時期とも重なって、主任になると手を挙げる人が少ないのではないかと。教員としての知識として、目に見えるものを伝達していく指導と目に見えないけれど経験でしか伝えていけないというようなものがあって、目にみえるものはもちろんですが、その経験からこういうことができると力強く指導してくれる人がいれば良いと思いますので、私は特に女性にも臆せずに手を挙げていただいて、そして主任になっていただいて、後輩を導いていただきたいなということを特に希望しています。新たな職ですからいろいろとご意見もあると思いますけれども、ここで私は賛成の意見にしたいと思います。

他に何かご意見やご質問がございましたらお願いします。馬場委員。

[馬場委員長職務代理者]

これは、今後の運用によるところも大きいと思います。ですからこの件について、教育長も参事も関係しておりますので、是非そういう点について十分に考えていってほしいなと思います。今までの意見について、都教委に是非、実際これから決めていくうえで反映していただければと思います。

[田口委員長]

他にご意見ございませんか。

[田口委員長]

なければ、ご質問、ご意見はこれにて終結いたします。

1件ずつお諮りします。議案第11号・日野市公立学校の管理運営に関する規則の一部を改正する規則の制定についてです。今までご意見を伺いますと、本日決定することに異論のある方もいらっしゃいますけれど、大方の意見は賛成のようです。他市の動向、都の方針等を考えまして、本日この議案を可決するということでよろしいですか。

(「異議なし」の声あり)

[田口委員長]

異議なしと認めます。議案第11号は原案のとおり可決されました。

次に請願第19-3号につきましては、今、議案第11号が原案のとおり可決されたので、不採択とすることに異議ございませんか。

(「異議なし」の声あり)

[田口委員長]

異議なしとのことですので、請願第19-3号については、不採択とすることに決しました。

これより議案第15号に入りますが、本件に関しましては公開しない会議の中で進めますので、傍聴者の方と関係職員以外の事務局説明員は退席していただきたいと思います。

よろしいですか。

(「異議なし」の声あり)

[田口委員長]

異議なしと認め、傍聴者の方と関係職員以外の事務局説明員は退席してください。

なお、本件の終了をもって平成19年度第1回臨時会を閉会とします。

(関係者以外退室)

閉会午後3時17分

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