平成19年度第5回教育委員会定例会 会議録(1)

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ページID1004475  更新日 平成30年2月16日

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平成19年度第5回日野市教育委員会定例会

開催日時

平成19年(2007年)8月9日(木曜日) 午後2時~午後4時20分

開催場所

教育委員会室

議事(要旨)

開始午後2時

[田口委員長]

ただいまから、平成19年度第5回教育委員会定例会を開会いたします。

議事に入ります前に、本日は傍聴希望者がいらっしゃいますので、傍聴を許可したいと思いますが、異議ございませんか。

(「異議なし」の声あり)

[田口委員長]

異議なしと認め、傍聴を許可いたします。

[田口委員長]

本日の会議録署名は渡辺委員にお願いします。

本日の案件は、追加案件も含め、議案5件、請願審査1件、報告事項6件です。会議の進め方ですが、今回は議案第11号と関わりがある請願第19‐3号が提出されていますので、一括審議とし、先に審議したいと思います。また、議案第13号及び第14号につきましては、自己情報のため、公開しない会議とし、会議の最後に審議したいと思います。

よろしいでしょうか。

(「異議なし」の声あり)

[田口委員長]

異議なしと認め、議案第11号と請願第19-3号は一括審議とし、会議の最初に審議し、会議規則第12条により議案第13号及び第14号は公開しない会議とし、会議の最後に審議します。

[田口委員長]

それでは、議事に入ります。議案第11号・日野市公立学校の管理運営に関する規則の一部を改正する規則の制定について及び請願第19‐3号・〝主任教諭〝の新設をしないこと、「日野市立学校の管理運営に関する規則」を改〝正〝しないこと-を求める請願、を議題といたします。先に議案第11号について事務局より提案理由の説明をお願いします。

議案第11号 日野市公立学校の管理運営に関する規則の一部を改正する規則の制定について

請願第19‐3号 〝主任教諭〝の新設をしないこと、「日野市立学校の管理運営に関する規則」を改〝正〝しないこと-を求める請願

[田口教育部参事]

議案第11号・日野市公立学校の管理運営に関する規則の一部を改正する規則の制定についてご説明いたします。

提案理由についてです。教育職員の職務の困難度及び責任の度合いに応じた職の分化を行い、職について適切な任用管理及び処遇を行うことにより教育職員の意欲を引き出し、資質能力の向上を図るため、規則の一部を改正するものです。この経緯についてご説明いたします。東京都教育委員会は6月28日の東京都教育委員会第11回定例会において、東京都立学校の管理運営に関する規則を改正し、校長、教諭、養護教諭の職の困難度及び責任の度合いの違いに基づき職を分化し、平成20年4月1日より都立学校に新たに統括校長、主任教諭、主任養護教諭の職を設置することといたしました。なお、東京都教育委員会教育長より6月28日付19教人勤78号にて、区市教育委員会教育長宛に、区市教育委員会においても同様の職を設置するよう依頼がございました。このことを受けまして、本市におきましても、東京都における教育職員の適切な任用管理と処遇の観点から、小中学校の教員に新たな職を設置していくものです。

23ページをご覧ください。日野市公立学校の管理運営に関する規則の一部を改正する規則につきまして、第6条の2に、学校に、委員会が別に定める基準に基づき、特に重要かつ困難な職責を担う校長の職として、統括校長を置くことができる、を加えます。第7条の4に、学校に、特に高度の知識又は経験を必要とする教諭の職として、主任教諭を置くことができる。第2項、学校に、特に高度の知識又は経験を必要とする養護教諭の職として、主任養護教諭を置くことができる、を加えます。この規則につきましては、平成20年4月1日から適用するものです。

24ページ、25ページにつきましては、日野市公立学校の管理運営に関する規則の新旧対照表です。以上、よろしくご審議をお願いいたします。

[田口委員長]

続きまして、請願第19‐3号について事務局より説明をお願いします。

[徳田庶務課長]

議案書39ページの請願文書表をお開きください。

請願番号、請願第19‐3号。受付年月日、平成19年8月2日。件名は、〝主任教諭〝の新設をしないこと、「日野市立学校の管理運営に関する規則」を改〝正〝しないこと-を求める請願です。請願者は、記載のとおりでございます。付託定例会は平成19年度第5回定例会。請願の要旨は記載のとおりでございます。以上です。

[田口委員長]

請願者より申し出がございましたので請願の事情を述べていただきますが、よろしいですか。

(「異議なし」の声あり)

[田口委員長]

それでは、請願者は5分程度で請願の事情をお述べください。

[請願者]

***と申します。請願者でございます。

まず、資料を見ていただきたいと思います。本当に皆さん、是非廃案にしていただきたいと思って作ってまいりました。まず、請願趣旨に書いてあるところはもうだいたい田口さんから説明があったとおりです。私どもから言えば、こういうふうに階層型のピラミッドにするということで、これは絶対に学校を悪くするものだと。本当に、私は小学校に子どもを通わせている保護者として、絶対にこれは廃案にしていただきたい。

理由を申していきます。請願理由1というのが1ページ右側にございます。これは、都教委は6月28日の文書で、職務の困難度や責任の度合いに大きな違いが生じていると。こういうふうに言っているんです。そうであれば、これは学校で、教職員の間で仕事を洗いなおして、そしてどういうところがその人に偏っているかとか、負担がいっているかとか、協同して分担していく体制を作ればいいんです。現に文部科学省は、1976年の岩間英太郎さんという事務次官が主任は固定化せずに、できるだけ多くこの経験を積むことが望ましいと言っているわけです。主任制度というのは私は反対ですけれども、昭和41年にできた。であれば、固定化せずにみんなにやって、みんなが力をつけていくと。そうすると私ども保護者にも返ってくるというふうになります。

なお、主幹制というのが、都教委は2003年から強行導入しましたけれども、倍率が1.1パーセントなんです。直原さんという都教委の部長が、「特に問題がある人でなければ合格する」と言っているんです。誰でも合格するんです。こんな制度は本当にいらない。学校は校長と教諭だけで良いというのが私の考えです。

それから請願理由の2へまいります。請願理由2というのは、書いてあるけれども、国家主義色を非常に都教委が増している中でのこの法改悪だということでございます。だいたい2ページにかけて書いていますけれども、今までの東京の学校というのは、多くは職員会議で子どもたちのことを考えて、審議して、審議ですから当然校長が決めるんじゃなくて、みんなで決める。校長も含めてみんなで多数決で決めるというシステムだったわけです。だから教育力があったんですね。で、日の丸・君が代という政治的なものについては、なしとか三脚とか、本当に子どもたちが輝く、子どもたちの作品が飾ってある、本当に親にとって子どもが主人公の式であったわけです。ところが東京都教育委員会、2ページ目の左側ですね、学校管理運営規則というのを1998年に改悪しまして、職員会議を補助機関にしてしまったということで、非常に学校現場が活気がなくなって、校長だけで決めてしまう。言われたままで決めるということほど活気のなくなる組織はないと思います。東京都教育委員会はどういうことをやっているかというと、備考1、備考2、備考3に書いたように、教育目標は愛国心的なものに改悪しました。備考2を見ていただきたいんですけれども、横山洋吉教育長は自民党の政治集会に、教科書の採択権者でありながら参加しているんです。時間がないから2ページ目の右側を見てもらうと、自民党が、つくる会の教科書を採択しろという政治的な集会ですね、改憲の政治団体の集会にこれだけ参加しているという、そういうのが東京都教育委員会のお偉方だという事実をお伝えしておきます。

3番目の理由として、主任教諭の新設は教員間に優越感と劣等感を与えるんじゃないか。つまり、都教委人事部が去年7月27日に出した文書があるんです。都教委はずーっとこういうことをやろうとしてきました。主任教諭にあたる主任層というのが役割と責任を自覚、一般層の教員というのは、その表を見てください。支障をきたすことなく任務を遂行できる。これは先生が、「あなたは支障をきたすことはない人間ですよ」と言われたら劣等感をやっぱり持つと思うんですよ。そういうような職の分化は反対です。

請願理由4点目、この制度というのは極めて人事考課制度とからまってできております。人事考課制度というのは、校長の示す学校経営方針、これに基づいて、教員が自己申告書を出すというシステムですけれども、学校経営方針は、一定の方向に教職員の諸活動を同化していくと言っているんです。一つの方向へもっていくというのは全体主義国の東ヨーロッパのような全体主義国がやることで、日本国憲法を持つ民主主義国でやるべきことじゃありません。特定の方向にもっていかれては困ります。評価者訓練と人事考課の資料を見ると、国旗・国歌の斉唱を行うのは良い学校だなんて言っております。本当に恐ろしい、こんなところへもっていくためのピラミッド組織では困る。

請願理由の5は、主幹を新設した4年前に比べて今の実態はどこまで悪くなっているかということでございますが、子どもたちにまで卒業式、入学式で君が代を強制するという事態が、これは特に高等学校を中心に進んでおります。当然それは小中学校にも下りてくる。今は開式の時に、最初は立たせたまま騙して式をやるんです。「これより式を始めます。一同起立で保護者を立たせて、国歌斉唱ですから、私みたいに座る者以外はみんな騙されて立たされたままです。加島さんは良いと思われるかもしれませんけれども、嫌だという人もいるんです。その時に立たされたままの姿勢をつくられちゃう。開式時に、「生徒全員、保護者全員が立っている状態を作れ」と東京都教育委員会が言っている。私たちは状態でしょうか。私たちは人間です。状態じゃないんです。波みたいに立っている状態という東京都教育委員会は本当に不見識だと思います。日野市教育委員会ではどうかというと、そこに書いてきましたけれども、長谷川一彦さんという田口さんの前の参事が、ある市議会議員の言いなりになって、君が代の音楽の授業を見にいきたいと言って、その日程を校長会で回して、書かせて、自分が18校見に行くということで、2つの団体が抗議に来ています。それから、長谷川さんは市議会でも佐藤洋二議員に対してひどい答弁、保護者も間接的に君が代を強制するような答弁をしている。こういう時代がこの4年間に主幹制のあと進行しているということです。ちなみに町田市では、ある音楽教師が指を3本、縦に口に入るくらい大きく口を開けて君が代を歌いなさいと言っています。これは東ヨーロッパやイラクのような全体主義国がやることじゃないでしょうか。本当におそろしいと思います。

請願理由の6です。今回の管理運営規則の改悪は学校教育法というものの改悪によって行われました。これは、その前は教育基本法の改悪がございましたけれども、なぜ私、改悪かと言うと、やらせタウンミーティングという税金を使ったタウンミーティングのところで、「このとおり原稿を読んで下さい」と言って、田口さんもご存じと思います、新聞で。中学校のPTA会長に「教育基本法の改正に私は賛成です」と、こういうふうに読ませているんです。これはまさに日本という民主主義国のやることじゃありません。そういうふうにしてやらせタウンミーティングで世論が教育基本法の改悪に賛成のように偽って、そして成立させた愛国心の教育基本法。それに基づいて学校教育法はできたんですけれど、強行採決です。今、安倍さん嫌われていますけれどもね。狩野安さんという自民党の委員長の前にうわーっと野党議員が集って、混乱の中でやっと成立した法で、是非、皆さん、改正教育基本法と言わないでください。改悪学校教育法です。本当に混乱の中で成立した、やっと成立した、しかも民主党も反対していますから100対130です。差はわずか30票で愛国心を強制する法律ができた。その中に校長を、副校長と主任教諭を置くということですね。

最後に、私が懸念しているのは、今日も元校長の方が来ていらっしゃるんですけれども、戦前の国民学校令というのはですね、みんな命を受けてやるんです。ところが今回の学校教育法の改悪はそれを40年何ぶりに復活した、命を受けて主幹教諭は、児童の教育を司るとか、本当に命令以下の体制をつくるための学校教育法に基づいた管理運営規則の改悪だから反対なんです。これつまり、安倍さんでいう戦後レジームの脱却じゃなくって、戦前レジームへの回帰じゃないでしょうか。戦前レジームに復活させることは御免です。戦争の時代に戻すことは御免です。

最後に、付記のところに書いたんですけれども、最近の養護学校の情報を入手しました。ちょっと皆さんに一言申します。ある養護学校の今年3月の卒業式で、実は君が代の時に偶然、養護学校ですから体の弱い子がいますので、人口呼吸器のアラーム音が鳴ったんです。そうしたらどうでしょう、死ぬ危険性があるんですよ。血管が詰まったりして。そうしたら、看護師さんが公務員としているわけですね、養護学校ですから。その方が腰をかがめてですから、起立をしていない体勢でその子を介抱していたら、副校長がとんで来て何と言ったか、「起立しなさい」。私はこの人は人間じゃないと思います。本当にひどい人間です。子どもが苦しんでいる時に看護師さんに「起立しなさい」。なんという教育者だ。普通なら「大丈夫か」じゃないですか。こういう事態に遭遇したら、「大丈夫か」と声をかけるのが教育者です。それをこの副校長は東京都教育委員会あるいは校長の言いなりになって、君が代の時に立たなきゃいけないという固定観念に基づいて、アラーム音が鳴っている人工呼吸器を付けている子の看護師に対して「起立しなさい」。これが教育でしょうか。天皇、皇后の御真影が第一で、空襲の時に、天皇、皇后の後から、御真影の後から子どもを避難させるという戦前と一緒です。

是非、こういうような体制をつくるための学校教育法、加島さんは昔、都教委にいらっしゃったけれど、本当にあの頃に比べて悪くなっているんです。絶対に子どもたち第一に考えて、絶対に改悪しないで、元どおり教諭だけにしていただきたいということで陳述を終わらせていただきたいと思います。

[田口委員長]

ありがとうございました。それでは、議案第11号、請願第19-3号について、まずご質問がございましたらお願いいたします。渡辺委員。

[渡辺委員]

実際は都教委の方針を受けて改正することになるのだろうと思うのですが、本来ならば都に質問をした方が妥当なのかもしれませんが、そういうことできないので参事を中心にご答弁いただくことになると思うのですが、まず、都の検討委員会の答申、報告に基づいて都立学校の規則が改正され、それに基づいて市町村の教育委員会も改正してほしいという要請だと思うのですが、まず、その検討委員会がどれぐらいの期間、どのような議論をされてきたのか、また、検討委員会ってどういう人たちが参加して、構成されているのか、そのあたりをご説明いただけませんか。

[田口教育部参事]

都の職のあり方検討委員会については、平成18年7月に報告書が出されています。

内容につきましては、主幹制度の見直し、校長職の見直し、いわゆる教諭の見直し等が行われたものです。とりわけ、今の流れの中でこのお話の中で言えば、教員の85%を教諭が占める。その中で、提案理由にもありました困難度の度合い、職責の度合いによって違いが生じてきている。それが同じ教諭層でどうなのかということについて話し合われております。検討委員会の方々は東京都の教育次長が委員長としておいでになって、東京都の教育庁のいわゆる部課長及び東京都の指導室課長、それから小学校、中学校校長会の代表等が委員だと認識しています。

[田口委員長]

他にございますか。山畑委員。

[山畑委員]

請願者の説明があったのですけれども、その中に主幹の合格倍率が1.1%に落ちている。普通、合格倍率1.1%というのはかなり難しい試験だと思いますけれども、これはどういうことなのでしょう。

[田口教育部参事]

1.1倍ということだと思います。

[山畑委員]

数字はそれで良いですけれども、実際主幹の試験については実情はどうなのでしょうか。

[田口教育部参事]

主幹採用当時の倍率から下がっていることは事実です。現在の団塊世代、それから若手が起用されている状況の中での30代、40代、中堅どころの層が人数的にも少ない。そして今、主幹の職責等、やはり主幹職に対する考え方がまだ周知されていないと感じています。

[田口委員長]

教育長。

[加島教育長]

主幹の受験倍率が高くないということは、非常に懸念されることなのです。主幹が学校で有効に機能しているかどうかという、そういう観点からの調査を校長先生にかけたのです。校長先生のアンケート調査では、相当高い率で校長先生は主幹は非常に役立っていると言っています。ですから都教委でも、この主幹の受ける倍率が非常に低くなっていることについては懸念していて、その検討を開始するということを聞いているところです。

[田口委員長]

馬場委員。

[馬場委員長職務代理者]

提案理由に、職務の困難度及び責任の度合いに応じた職の分化を行い、と書いてあるわけです。主幹制度の時には、教務主任や計画指導主任、進路指導主任があり、イメージがかなりはっきり私はあったような気がするんです。具体的に言いますと、まず、日野市公立学校の管理運営に関する規則の一部を改正する規則というので今出ているわけですが、その統括校長第6条の2、統括校長が最初にあるものですから聞きたいわけですけれども、これを読みますと、委員会が別に定める基準に基づきというのがあります。それと同時に、重要かつ困難な職責を担う校長の職と、こうなっているのですが、これは大変抽象的な文言で、こう言われても具体的に委員会が定める基準という、この委員会はどこの委員会を指しているかというのもありますし、基準というのはどういうものなのか、あるいは重要かつ困難な職責というのはどういうことを指しているのか。私は、校長は全部重要かつ困難な職責だと思っているのですが、それ以上困難な職責ってあるのかなという感じがあるので、そういうことについてどうなのでしょうか。

[田口教育部参事]

日野市内をはじめ、東京都全体の中で校長先生、教員全員が今、一生懸命教育活動に取取り組んでいると思います。実際、本市でも数多くの課題について、どの学校もどの先生も必死に取り組んでいると認識しています。

そういう中でのまず統括校長、主任教諭のいわゆる基準ということでの話になりますと、この制度自体は制度が出されてきた過程の中で、給与を改定するということに結びつくことになろうかと思います。そうしますと、来年4月1日で進めていく中で、東京都教育委員会が東京都人事委員会に給与について上程しなければいけないという問題が出てきます。そういう中で、基準については現在、東京都が一定の中で基準づくりをしています。そして私どもと各区市の実態に合わせた基準を策定していくと考えています。

困難度等、特に統括校長という話ですが、公立学校の課題として、現在、教育改革を進めてきている中で、学力向上や規範意識の育成、地域に根ざした学校、そして本市で言えば特色ある学校づくりを進めてきています。その中で、対外的・対内的に困難を抱えて立て直しが必要な学校というのはあろうかと思っています。そして研究開発校や小中一貫校、それから本市でも統廃合がございますし、児童、生徒数が激増して、なおかつ教員数が職員室いっぱいになっている学校等があります。そういった学校が対象になっていくのではないかと考えています。

[田口委員長]

渡辺委員。

[渡辺委員]

先ほど質問したことと関連するのですが、都の検討委員会には校長会の代表の方も参加されて議論されたということですが、日野市ではこの議案を出す前に、校長会や副校長会との意見の交流等はあったのですか。

[田口教育部参事]

このような話が出てくる過程の中で、校長会には情報提供という形ではお渡ししました。今回教育委員会に諮る中で、自主校長会等がございますから、そこで本日この改正案を上程するという話をしています。校長先生方は主幹の時もそうですが、都の人事に係る、服務に係る制度として考えておりますので、そういう制度になった時にどう学校でその人たちを伸ばして、または生かしていけるかという話で終りました。

[渡辺委員]

特段、意見等はなかったのですか。こういう制度は前向きで良い、逆に、こんなことされたら現場は混乱する等、そういう具体的な話ではなくて、説明で終わったということですか。

[田口教育部参事]

管理運営規則に係るものですから、そういう公の席の中では私はお聞きしておりません。制度として、都教委が定めていく制度と受け取っていると思います。

[田口委員長]

馬場委員。

[馬場委員長職務代理者]

重要かつ困難な職責と捉えた時には、逆に言えば、重要かつ困難な学校があるという前提があるわけです。そうすると、この統括校長というのはどのように決めて、これがその場限りの、そういう学校に行った時にそういう統括校長というのがあるのか、それとも統括校長になったならば、常にそのような学校を訪ね歩くというような形になるのか。さっき、給与改定のためにという話がありましたけれども、給与改定というのはこの後からくる話かなと思っているんですけれども。実際、重要かつ困難な仕事をするならば、やはり報酬の面でも多少有利である必要はあるかと思います。まず、どのようにして統括校長を決めるのか、あるいはこの統括校長は固定されていくのか、そういう点についてどのようになっていくのですか。

[田口教育部参事]

まず、どの学校も重要かつ困難な学校、いろいろな課題を抱えているということはどこの学校も事実だと思います。その中でとりわけ区市の学校において、とりわけ重要なかつ困難である学校と捉えています。どのように決めていくかということですが、教員はご存知のとおりあくまで東京都が任命権者です。そして東京都が採用、選考も行ってまいります。その観点においては東京都が一定の選考の流れをつくっているかと思いますが、あくまでも統括校長については、配置されているのは区市に配置されていますので、区市教育委員会と相談しながら決定していくものと考えています。どのようにという点では現在、選考や方法等については東京都で検討中かと考えています。常に訪ね歩くかということについては、都教委の説明においては、統括校長になった校長は退職まで統括校長だということで回答は得ています。いわゆる統括校長になっていく方は、そういう中で数校経験して、ご自身が校長としての力をつけて、なおかつ多くの課題に対応されてきた方が最終的な学校に、年齢的に言えばそのような方がなるのかなと考えています。

[渡辺委員]

そうすると、A市でBという学校が、「非常に困難を抱えているので統括校長としてやって下さい」とします。交流がありますから市の中で異動する場合もあるだろうし、他市町村に異動する場合もあるでしょうけれど、そうすると、先ほどのお話では統括校長という肩書きは持ったまま異動するのですね。

[田口教育部参事]

はい。

[渡辺委員]

そうすると、また、他の市町村でも困難なところに行かざるを得ないわけですね。退職まで困難を背負っていかれることになるのですか。

[田口教育部参事]

統括校長自体が一度統括校長になると、服務的な問題が生じない限りは最後まで統括校長ということです。例えば日野市でひとつの学校が解消し、統括校長を配置するような課題が解決して、次なるこういう学校が日野市になかったとする場合に違う地区へ行って統括校長を引き受けるという形になると思います。

[渡辺委員]

頭が整理できないのだけれども、困難な学校がなければ、統括校長というのは存在できなくなってしまうから、何か主客転倒するような気もするのですが、いかがなものなのでしょうか。

[田口教育部参事]

先ほどお話したとおり、各学校いろいろな課題を抱えています。その中で日野市としても、例えば統合校の問題、人数の多い問題、生活指導の困難な問題、そういうものを総合していく中で、ここには長けた校長先生を配置したいという人事構想があるかと思います。そういう中で配置していき、ひとつ解消したら他の地区で、もしも本市でない場合に、他市で統括校長を配置したいという学校があれば、異動とすることはあり得ると思います。

[田口委員長]

馬場委員。

[馬場委員長職務代理者]

こういう学校は固定的じゃないわけですよね。非常に流動的なものだと思うのです。現段階で、都のあり方検討委員会では現状の段階でこういう学校がどのくらいあると、要するに統括校長が何名ぐらい必要だと想定しているのですか。

[田口教育部参事]

説明の中での話ですが、15%から20%と考えています。それはいわゆる全都的な中での話です。

[加島教育長]

小中学校合わせて20%だと、5、6校ということでしょうか。

[渡辺委員]

そうすると、どこでも困難を抱えてない学校はないということだと思います。何%かという話になれば日野市はいくつで、5つなら5つ、どこの学校なんだろうと逆に数字に合わせていくようなことにもなりかねないので、そういう趣旨ではないのでしょうか。

[田口教育部参事]

いわゆる15%、20%位あるのではないかということですから、あとは区市教育委員会で定める部分になるかと思います。

[渡辺委員]

名称が問題のある名称でもあると思います。統括というのは辞書によれば、統一して管轄することとなっていますけれども、この場合の統括校長は幾つかの学校を統一して管轄するという意味ではないのですよね。何で統括と言うのですか。

[加島教育長]

東京都の教員の話なのですけれども、東京都の一般職の行政系の職に課長職があるのですが、その課長が2つに分かれているのです。1つが統括課長と言います。もう1つは普通の課長です。東京都の課長職の場合は、統括課長の方が困難度が高いということになっているのです。その辺を引用してきたのではないかと想定しています。

[田口委員長]

その東京都の統括課長というのは、ずっと統括課長ですか。

[加島教育長]

統括課長の次にまだ上の階層がありますので、ある一定期間統括課長を経験し、そのあと部長職に上がっていくという場合が多いです。

[田口委員長]

他にはございますか。山畑委員。

[山畑委員]

私は主任教諭について幾つか質問します。確認の意味も含めてですけれども、この主任教諭についてもう少し具体的に、どういう形で選んでいくのか説明して下さい。

[田口教育部参事]

主任教諭という件ですが、教諭自体は現在85%いますので、東京都の説明の中でも選抜ということは使っておりません。あくまでもある程度、9年、10年、2つの学校程度を経験して、学年や分掌を経験した方が自ら手を挙げていただいて、この選考を受けていくという形になっております。そういう形から考えると、一定のラインで85%からすると、論文のような形で選考が行われるのではないかと考えられます。いわゆるある一定の基準に沿って受けていった過程の中で、より多くの方がなるということもあり得るということで、生活指導主任や進路指導主任、教務主任とは違いますので、ポスト職ではございませんで、資格のようなものとして自分が目指していくもの、一生懸命ここまでやると主任になるという意欲づけに使っていくという説明できていますので、そういった点からすると、落としていく試験ではなく上げていくものと考えています。

[田口委員長]

すいません、私語はやめて下さい。

[山畑委員]

例えば選ぶということではなくて、そこまでのレベルに達した者という考え方でしょうか。その数は、何パーセントくらいの教員が該当するのでしょうか。

[田口教育部参事]

そのことについては明確には言われていませんけれども、7割から8割ということで聞いております。

[田口委員長]

教員全体のですか。

[田口教育部参事]

85%中です。これについては、あくまでもご自身の希望もありますから、全員の方が受けるというわけではございません。受けない意思と受ける意思があるとご理解していただければと思います。

[田口委員長]

渡辺委員。

[渡辺委員]

主任教諭のところに入りますけれども、第7条の4には、特に高度の知識又は経験を必要とする教諭の職としてという、経験というのはある程度年数で計ることはできると思うんですけれども、10年なら10年、15年なら15年と。特に高度の知識というのは、これはどういう概念なのでしょうか。

[田口教育部参事]

特に高度ということで、教育活動と校務分掌という2つが学校では大きな仕事かなと思っています。教育活動で言えば、例えば教科指導、学級担任という2つの大きなものがあるのかなと思っています。教科指導で言えば専門的な高度な知識を備えて、いわゆる教科指導の時に幅広い視野に立った実践的な、効果的な指導ができるかということがあると思っていますし、学級担任とすれば、豊かな人間性や健全育成において、子どもの心を育て、人間関係づくりをしていくうえでの適格な見とりをできる方かと考えています。

また、校務分掌では、主任の役割でも出てくるのですが、主幹の補佐や若手を指導、育成する時の指導力があるか等ということになろうかと思っています。

[田口委員長]

渡辺委員。

[渡辺委員]

となりますと、希望した方が受けて、論文でかなり多くの方がその資格を得たいということになると、特に高度の知識というのとどういう関わりになってくるのか、非常に疑問が出てくると思うのです。

[田口教育部参事]

そういう基準のもとで先生方が2校程度、または3校の方もいらっしゃるかもしれませんけれども、そういう経験を踏んでいって主任になるために高度の知識を得ていくという、意欲づけの一つにつながるのかなと考えています。

[田口委員長]

教育長。

[加島教育長]

高度がどのくらいのものなのかというところがポイントになっているわけですけれども、平たく考えて、東京都の中堅教員が現在持っている程度の力、これを高度の知識と言って良いのではないかと思っています。ですから、校内で主幹が分担する主任ではなく、その他の学年主任や研究主任等、そういうようなことができる程度の力という考え方で説明できるのではないかと思っています。

[田口委員長]

馬場委員。

[馬場委員長職務代理者]

この経験というのは、教職についての経験だと思うのです。直に生徒や児童に接して得た知識なり、いろいろな心の問題であるとか、あるいは子どもに対する対応の仕方だとか、これは経験を通して得るものなのです。だから高度の知識と言った時に何を指すのか。経験を必要とする教諭というと、ある程度経験を積まないと当然主任にはなれないと解釈できるのですけれども、経験というのは単なる経験じゃなくて、そういう指導の裏づけや教師自身としての教養を身に付ける。本等から得た知識も、もちろん大事ですけれども、それはあくまでも自分の経験との関連で得るものであるから、論文や高度の知識というのはどうなのでしょうか。

それともう一つは、私の体験ですけれども、わりと早く子どもとの関係を非常にうまく機敏に掴む人と、なかなか掴めない人がいると思います。掴めない人は40代、50代になっても掴めないままでいるというのが現状ではないでしょうか。ですから、こういうことを普通の先生と主任の先生とに分けることが可能なのかどうかということが、本質的に考えた時に私は大変疑問に思います。形骸化しないだろうかと感じています。

それからもう一点、行政のシステムを借りてきたような気がしてならないのですが、学校の場合には対象は人間であり、教育なのです。ですから、保護者から見た時に、そういう先生の仕分けはどう映るのかということも非常に気になるところです。

[田口教育部参事]

実際に配置しているわけではないので、その検証も未だ行っていませんので非常に答え難いところです。ただ、まず言われた高度な知識ということについては、現に日野市にいる、初任者でもすごく高度な知識を持っている方はいます。しかし、教員という立場での高度な知識というと、やはり馬場委員が言われたとおり、経験則を踏むの中での、数校の学校へ行って、いろいろな地域の実態を踏まえた中での教育活動を行っていく中での高度な知識と捉えてよろしいのではないのかなと自分では捉えています。そういった中での主任教諭として、一般の教諭の中での今度は若手指導や研究への指導助言等、リーダーシップを発揮できる方が生まれてくるだろうと考えています。そしてまた目指す方もいるだろうと考えています。形骸化ということについては、しないように、ならないように行政側も学校もしなければいけないと考えております。行政のシステムがというところでは、確かに統括という行政で使われていた名前が使われていることは事実かなと思っています。

[田口委員長]

渡辺委員。

[渡辺委員]

統括校長と普通の校長、主任教諭と一般教諭との間に賃金等の差もつくんですか。

[田口教育部参事]

このことについては、東京都は全区市で進めていくという流れの中で、統括校長、主任教諭のそれぞれの職に見合った適切な給与水準を、任命権者である東京都教育委員会から人事委員会に要望していくことを出していますので、統括校長、主任教諭は、校長と一般教諭との給与面での違いは生じることは間違いないだろうと思っています。

[山畑委員]

養護教諭についても触れてありますので、養護教諭と言えば各学校でだいたい1人配置されていると思いますけれども、この場合、主任養護教諭を置くことができるということは、学校によっては主任養護教諭、養護教諭という配置になるのですか。

[田口教育部参事]

教諭と同じように、そういう配置になるかと思います。

[山畑委員]

これ、1校で2人になるということではないですね。

[田口教育部参事]

ありません。

[田口委員長]

他にございますか。馬場委員。

[馬場委員長職務代理者]

主任教諭と普通の教諭との法的な関係はどうなるのですか。

[田口教育部参事]

命令系統になることはないと思っています。主任教諭自体が監督命令権を持っているポストではありませんので、そういう経験や高度な知識によって、主任になることでありますので、部下がいるという部分ではなくて、指導助言や支援者というところで長けている方がなっていくということです。そしてなられた方には力を発揮していただくという形になると思います。ただ、そのような状況の中で、主任教諭と縦のつながりにならないようにしなければいけないということはあると思います。

[田口委員長]

渡辺委員。

[渡辺委員]

主任教諭は具体的な役割が2つありますけれども、これは都教委の資料ですけれども、その内の1つが指導監督層である主幹を積極的にサポートする、ということになっていますが、主幹を積極的にサポートするというのは具体的にどんなことなのでしょうか。

[田口教育部参事]

教務の主幹または生活指導の主幹が小学校に配置されて、その方たちが教務の主任を担い、生活指導の主任を担うということがあるのですけれども、その中でより主幹が校内の中で動きやすいように、例えば教務主幹でしたら教務の主任はこういう方たちが主任として連絡体系をつくり、またはやらなくても、その中で様々な仕事や調整を行っていくのだと思います。主任がそれ以外にも幾つかありますから、研究主任等を必置で置かなくていい主任を引き受けていっていただいて、学校運営を円滑にするということはあると思います。

[田口委員長]

母親的な発想で、主任教諭と一般教諭がいらっしゃいますよね。それで自分の子が一般教諭のクラスになった時に、私は主任教諭の方が良かった等という心配は起きないでしょうか。

[田口教育部参事]

それは今どうでしょうと言われると、起きないと言って起きることもあるでしょうし、絶対大丈夫だということも言えませんが、現在、日野市の場合も各市においても、校長職や副校長職や主幹、担任とに関わりなく、苦情や評価がそれぞれの職に関わりなく出ていることから考えると、確かに一般教諭と主任教諭については、意見が出ると思いますが、職と評価とは関係ないのではないかと考えるところがあります。

[田口委員長]

私も見ていて、若くても子どもをどんどん引っ張っていってくださる、そういう先生を見ていると頼もしいなと思うのですけれども、その点で主任という名前が年齢的に中堅どころということで心配しているところです。

[加島教育長]

この主任教諭、一般教諭、その間には力の差があるのだという発想です。力のある先生と一般の先生とを比べてみると、できれば力のある先生に教えてほしいなという考えはあり得ると思います。ただ、参事が言いましたように、父母はいろいろな考え方を持っていて、できれば男の先生に担任をやってもらいたい、できれば女の先生に担任をやってもらいたい、年配の人が良い、若い人が良い等要望はあると考えられます。その中の一つになってくる可能性も絶対にないとは言えないのではないかと思います。

[馬場委員長職務代理者]

字づらで読むと、優秀な先生と一般的な先生と、非常に優秀な先生をつくるというふうに読んでしまいます。

以前、非常に優秀な先生がいました。親も子どもも、校長の評価も高かった。転任してきてその学級を持ったとたん学級が荒れて、親から苦情が殺到して、1年間収拾がつかなかったということがありました。そのくらい教育の仕事というのはどんな優秀な教員でも、やはり学級崩壊を招くようなことがあるし、今まであまり発揮しなかったけれども、後になって評価が高いという先生もいます。ですから、私は固定化していくということは大変難しいのではないかなと思います。要するに子どもに対する指導力というのではなくて、学年主任や教科主任、あるいは図書主任である等、そういう主任としての明確な役割があるなら分かりやすいなと思っています。

[加島教育長]

校務分掌では、そういう役割が期待されていると思います。今でも中堅の先生方はそういうポストについていくのではないかと思っておりますから、そういうことでは今の実態を踏まえた職になるのかなと、校務分掌についてはそんなふうにも理解していますが。

[馬場委員長職務代理者]

7条の4を読むと指導力と読み替えてしまうのですが、そういうふうに解釈されると問題だなと思っています。

[加島教育長]

教員として10年ぐらい経ってから主任教諭という資格が出てくるということで、その間の10年間教員として努力する。それからまた、経験を積んで、ある程度の力を持ってくるということです。その力を持っていることを評価しましょうということが主任教諭だと思います。それで、評価するだけではなくて、給与的な待遇もついてくるということですので、原則的な考え方で言えば、中堅職員が一定の責任を負って、しかもそれなりの待遇を受けるということが主任教諭の設置の狙いであると考えています。

[田口委員長]

他にご質問ございますか。山畑委員。

[山畑委員]

今は請願も含めて一括審議ということですので、せっかく請願者が幾つかこれについて疑念を投げかけています。それが請願理由になっているのですけれども、例えばこういう制度ができると、学校の中で教員間に主任になった者となれない者との優越感、劣等感が出てくるんじゃないか、教員の間がぎくしゃくするんじゃないかということが出ていますけれども、それはどうですか。

[田口教育部参事]

このことにつきましては、学校は様々な教育課題、子どものニーズ、保護者のニーズ等に迅速に応えていくという使命があると思います。その中での拠りどころは、校長の学校経営方針を具現化していくというところが学校だと思います。請願者と違うかもしれませんけれども、学校というのは、校長の学校経営を下にそれぞれの教員が進めていくという中で進めていきますので、主任教諭には担当や対応を組織的に行うことができるような方がなっていってくださればより学校は円滑に動くと思います。仕事としてやっていますので劣等感や優越感ということはないのではないかと考えています。また、あってはいけないと思っています。

[田口委員長]

始まってから約1時間経ちましたけれども、休憩をとりますか。引き続き審議よろしいですか。

[田口委員長]

では、このまま質問を続けます。ご質問がなければご意見になりますけれども、他にご質問ございましたら、お願いします。

[馬場委員長職務代理者]

学校には教育目標があって、その目標を達成するために校長はじめ職員が有機体として動いています。そのために校長には職員に対して校務分掌権があります。要するに教育目標を達成するために適材適所に教員を配置して、その重要な一つとして担任を決めるということがあります。そう考えた時に、主任がいるともう決まっちゃっている感があります。例えば主任教諭という名前がついて、主任に相当する職を何もしてないで、指導力も大して違わないとなったらどういうことになるのかなと。そういうところから、やはりまた新たな問題が生ずるのではないか。ある意味では細かく決めてしまうことによって、校長の裁量権というのがどうなるのでしょうか。狭くなってくるのではないかと思います。ただ上から命令するには都合が良いかもしれませんけれども。

本当はもう少し自由度がある方が私は、教育のためには良いと思いますが、自由度を逆に強く出してしまって学校がばらばらになってきたという現状もあります。新卒の先生も校長先生も同じ一票だと言われて、それは教員の積み上げた経験等を全く無視した考え方、みんなで一緒につくろうというのはいい考えなのだけれども、そこには当然経験を積んでかなり力を持っている人と、まだある程度経験が乏しいと。そういった面で組織の中でそういう人を大事にしながらやっていくということがですね。私がやっていた頃には欠けていたんじゃないかなということは確かにありますね。そういうことでこういう制度が出てきたのかなというふうには考えるのですけれどもね。

[田口教育部参事]

他にご質問ございますか。

ないようでしたらご意見を伺います。

[馬場委員長職務代理者]

意見と言っても、資料不足なのです。まだ本当にイメージとして統括校長にしたって、どうして統括校長を置かなきゃいけないのかということが十分に飲み込めていないんです。それに対して意見を言うには、その根拠があまりないんです。

私は、渡辺委員が言ったように、都のあり方検討委員会等でいろいろな話し合いがなされた細かい資料もあるのではないかと思います。もう少し、どういう意図で、どういう考えで、また先行きこれがどのような形になるのか、例えば任命の仕方なり、そういうものを決める手続きである等、例えば親から「主任教諭の先生のところにお願いします」と言ってきた時にどうするのか等細かいことなのですけれども、いろいろ気になることがありますので、今、決められないですね。

ですから、できればもうちょっと時間をおいて、ここで良いとも悪いとも結論を出さないで、継続審議という形でいきたいなと思っています。私はこれ以上意見が言えないです。もう少し根拠がほしいです。

[田口委員長]

渡辺委員。

[渡辺委員]

だいたい同じ意見なのですが、例えば、今も出ました都のあり方検討委員会の報告の資料もできたら目を通したいし、今日質問したことで答弁があったことももう一回咀嚼してみたいから、できればもう少し事務局も論点整理をしていただいて、議論を深めた方が良いのではないでしょうか。今日は他にも重要な議案や報告もあり、この議案だけ議論して終わるというわけにもいかないと思うので、別途もう一回開いて、そこで決めても良いんじゃないかと思います。消化不良で何となく決まってしまったというのは良くないと思いますから、そうしていただければと思います。

[田口委員長]

山畑委員。

[山畑委員]

私もそういう方向で良いと思います。話をしながらだんだんイメージは多少固まってきましたけれども、やはり重要なことなので、もう少し議論を深めて、できれば共通の理解、できないかもしれないですけれども、もう一回は必要ではないかと思います。

[田口委員長]

教育長はよろしいでしょうか。

[加島教育長]

今のお話で少しぼんやり見えてきたかもしれないけれども、消化不良の中では良くないのではないかと思います。私どもも情報提供が十分ではなかったということもあります。教育長会等で説明を受けたり、あるいは指導室長会で説明を受けた資料は折りに触れてお渡ししていましたが、資料としてお渡ししていただけで十分ご説明はできていなかったかもしれませんので、我々の説明というか、もう少し論理を深めていただいて、その上で整理した方が良いのかなと思います。今日、請願者から論点を提示もしていただいていますので、私としては、請願ということもありますけれども、この議案についてもう少し論議を深めてもらった方が良いのかなと思います。

[田口委員長]

4人の方から一応継続というご意見が出ております。ご質問、ご意見がなければここでお諮りしたいと思います。

それでは、1件ずつお諮りします。議案第11号・日野市公立学校の管理運営に関する規則の一部を改正する規則の制定については、十分に審議するために、継続とのご意見が多く出ておりますので、継続したいと思いますけれども、よろしいでしょうか。

(「異議なし」の声あり)

[田口委員長]

では、議案第11号は継続審議とすることといたします。

次に、請願につきましては、議案第11号が継続審議になったことにより、請願第19-3号についても継続審査をすることに異議ございませんか。

(「異議なし」の声あり)

[田口委員長]

異議なしとのことですので、請願第19-3号については継続審査とすることに決しました。なお、ここで休憩をとりますが、次回の臨時会につきましては、休み時間に日程調整をして、ご連絡するようにいたします。

ここで議事の都合上、休憩をとりたいと思います。25分から始めます。

(10分間休憩)

休憩 午後3時15分

再開 午後3時25分

平成19年度第5回定例会(2)に続きます。

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