無秩序に建物が建ち並んだり、幅の狭い道路や木造老朽家屋が密集している街では、災害が発生したときに避難が難しかったり、消防車や救急車が入りにくかったりして、危険な状態にあります。

 そこで土地区画整理事業では、道路、公園などの公共施設の整備と同時に、個々の宅地の条件を考慮しながら宅地の再配置を行うことで、安心で安全なまちづくりを行っていきます。

土地区画整理事業のしくみの図
  出典公益財団法人東京都都市づくり公社ホームページ (別ウィンドウ)

 

区画整理によるまちづくり

 区画整理は都市を面的に整備するため地区内にある建物は原則移転していただくことになります。ここで建物移転を中心に区画整理の事業手法を簡単に紹介します。

1 幅の狭い道路では緊急車両の通過に支障があり、このまま街が形成されていくと、無秩序な密集地になりかねません。

現況の図


2 そこで幅員が広く、見通しのよい道路を計画します。

幅の広い道路を設計の図


3 同時に既存の建物が計画道路にかかる場合は、照応の原則に従い換地設計に基づく建物移転をおこないます。

建物移転計画の図


4 建物移転が完了し、安心・安全な街ができあがりました。

移転完了の図

 
 このように区画整理によるまちづくりとは、買収方式のまちづくりと違い、そこに住む人々がそのまま、たちのき先の心配もなく、その地域に居ながらにして、環境が整備され、まちづくりが行われることに特徴があります。

 広い地域にわたり一つの事業で面的整備を行うため、単に道路や公園の整備のみならず、換地方式と呼ばれる手法により土地の入れ替えや、割りなおしにより使い勝手のよい土地となり、一体的かつ効率的なまちづくりが可能となります。

区画整理による効果 

  区画整理は、まちを『面的に整備する事業』と呼ばれております。これは道路のみの整備を『線の事業』、ミニ開発などを『点の事業』と呼ぶことから広い地域を総合的に整備する区画整理などをそれらに比較してこう呼んでいます。

 1 面として整備することにより、道路や公園などの施設を将来の土地利用計画に応じて計画的に配置することが可能となります。

 2 道路は人が専用で歩く道や自動車が安全に行きちがうことのできる道など、その用途に応じて設置することにより安全性を高めることができます。その上せまい道路は原則として4メートル以上の道路に変わり、行き止まり道路なども解消されることになります。

 3 宅地は必ずそれらの道路に接して配置され、その形状も整えられることから、日照や通風が改善されるとともにその利用価値は大きくあがることになります。

 4 道路とともに排水のための側溝が整備され、また水道・ガス・下水などの管を埋設することができるため、衛生的な居住環境となります。

区画整理のことば

 ○換地

 将来のまちづくりの方向が決まり、設計図(道路・公園などの配置図)ができると工事が始まります。

 そのため大部分の土地の組み換えや区画割りが行われ、土地や建物が移動することになります。この組み替えられた後の土地を『換地』といいます。

 換地の位置は通常現在の土地の近くに定められますが、場合によっては離れた位置に定められることもあります。

 換地は一筆ごとにその位置、面積、形状、利用状況、環境などを考慮して定められます。また所有者が同一の場合等、合筆して換地することもできます。

 換地にはこれまでの土地についていた所有権、抵当権などすべての権利がそのまま換地へ移ります。

 
 ○仮換地

 換地が決まるまでの間、建物の移転や工事などのために仮の換地を定めます。これを『仮換地』といいます。

 仮換地は建物を移転する場合等その行き先、つまり換地が決まらなくては移転することができないことから、換地を前提として仮の換地を指定し、その土地を使用することができる(=使用収益)ようにする区画整理の手法の一つです。

 そのため仮換地が指定され使用収益が開始されると、今までの土地の使用収益権は停止されることになります。

 
 ○減歩

 区画整理を行う地域は、道路、公園などの整備がされていないのがふつうです。そこで区画整理ではそれらをつくるために皆さんから少しずつ土地を出し合っていただきます。これを『減歩』といいます。

 減歩には『公共減歩』と『保留地減歩』の2種類があります。この2つを合わせたものを『合算減歩』といいます。通常減歩という場合この合算減歩をさし、面積ではなく、整理前の宅地との比率で『何パーセント』という呼び方をしています。

 
 ○清算金

 換地は各筆ごとに整理前の状況と整理後の状況とを比較して決められます。これを換地設計といいます。

 換地設計は土地の状況を数字に置き換えて計算を行います。しかし計算上算出された数字を土地にまったく同じに置き換えることは物理的に不可能なため若干の差が生じることになります。

 そこでこの不均衡を換地が確定した段階で金額により是正する目的で設けられたのが『清算金』です。清算金は計算上よりも多くの土地を換地された場合は徴収となり、少なければ交付となります。