摂食・嚥下(せっしょく・えんげ)障害

加齢や薬の副作用、病気の影響などによって、食べることや飲み込むことが困難になる状況を摂食・嚥下障害といいます。高齢者に多い嚥下障害の症状としては、咀嚼※ができない、食べこぼし、嚥下反射※が遅くなる、食道の入口の開きが悪くなる、飲み込むのに時間がかかる、唾液が少なくなる、むせた時に咳をすることが下手になる、などがあります。

※咀嚼(そしゃく):口の中で食べ物を噛み砕くこと

※嚥下反射(えんげはんしゃ):口の中でひとかたまりにした食べ物を、のどから食道まで運ぶ反射のこと

誤嚥(ごえん)

声帯を越えて気管内に唾液や食べ物が侵入することを誤嚥といいます。食べ物や唾液を誤嚥すると、食べ物や唾液を出そうとするために「むせ込み」がみられます。一方で、誤嚥してもむせず、睡眠中に無自覚に唾液とともに細菌が気管や肺に入る場合もあります。

窒息(ちっそく)

空気の道である気道に食べ物がつまり、呼吸ができなくなることを窒息といいます。窒息は命の危険に直結するために注意が必要です。特に嚥下機能が低下した高齢者においては、窒息への配慮が必要です。

脱水・低栄養

摂食・嚥下障害がある人は、十分な栄養を摂ることが難しくなり、低栄養に陥りやすくなります。また嚥下障害になると水分を摂るときにむせるようになり、知らず知らずのうちに水分摂取量が減少し、脱水につながります。  

 

食べる楽しみの消失 

摂食・嚥下障害の人は食べるものを制限されることもあります。しかし食べるものに制限があっても、食べる楽しみを味わってもらう工夫もあります。

食べること・飲み込むことの手助けのために

 

参考文献

菊谷武・田村文誉・水上美樹 編著:診療室からはじめる口腔機能へのアプローチ、医歯薬出版株式会社、2016.4.25発行

小山珠美 監修:口から食べる幸せをサポートする包括的スキル~KTバランスチャートの活用と支援~、医学書院、2015.9発行

黒田隆博・戸原玄 監修:CGと機能模型でわかる!器官の異常と誤嚥・摂食・嚥下のメカニズム、医歯薬出版株式会社、2014.8発行