所信表明

本日、ここにご参集されました議員各位に対し、先の日野市議会議員選挙における栄えあるご当選を心よりお祝い申し上げます。日野市のさらなる発展のため、今後のご活躍ならびにご指導をお願い申し上げる次第であります。

 それでは、平成22年第1回定例会の開会にあたり、市政への所信と新年度事業の骨子を申し述べ、議員各位ならびに市民の皆様に、一層のご理解ご協力をお願い申し上げたいと存じます。

基本姿勢

 私が幅広い市民の皆様のご信任を得て、日野市長の職を担わせていただき、14年目を迎えます。

 基本姿勢は、就任以来まったく変わっておりません。

 日本国憲法の理念のもと世界の恒久平和をめざしつつ、3つの基本、「市民参画」「環境にやさしい」「経営感覚」を貫いてまいりました。また『次の世代に美しいふるさとを渡そう』を継続するスローガンとして、市政運営に邁進しているところであります。

 なお今年の市政のテーマを「公民協働 まちの将来を見据えて」としました。一市民の枠を超え、しっかり権利を行使するとともに義務も果たす、まさに公民である皆様と協力しあって市政を進めてまいります。

 

平成22年度予算編成方針及び概要

 平成20年半ばからの経済危機による景気の落込みは、ここにきて改善の兆しは見えてきたものの、依然として高い失業率が続き雇用情勢は一段と厳しさを増しています。この状態が続けば、再び景気が失速する懸念もあり、財政を取り巻く環境は、当面、大きく好転することは期待できない状況にあります。

 この景気低迷の影響は市の財政状況を直撃し、市の財政の根幹である市民税は、法人市民税の厳しい状況に加えて、雇用の悪化や給与所得の減収により個人市民税についても大幅な減収が確実な状況となっています。市では、平成18年度に策定した第3次日野市行財政改革大綱及び集中改革プランを基調に、人件費を中心に行財政改革を推進し、新たな施策展開のための財源確保に努めてきました。

 しかし、子育て施策の推進、生活水準を維持すべき扶助費の増加、人口の20%を超える高齢者への社会保障費など、必然的な経費増加が見込まれています。加えて、教育施設等の耐震化や生活基盤の整備、温暖化対策、雇用対策など、市民を取り巻く緊急な課題にも応えていかなければなりません。

 また昨年の衆院選の結果、新たに民主党を中心とした政権が発足しました。“事業仕分け”に象徴されるように、大幅な政策転換や政権公約の実現などにより、地方自治体を取り巻く環境も大きく変わろうとしています。

 市の平成22年度の予算編成は、厳しい財政状況ではありますが、“まちの将来を見据えて”次世代に大きな負担を残さないよう最大限配慮しました。市民の皆様よりいただく税金を効果的に活用するという認識の下、当面する諸課題に的確に対応していきます。そのため、「切り詰め」「セットバック※」「創意工夫」「夢」の4つをキーワードにして、今行政が為すべき事業を重点化しつつしっかり実施してまいります。また、事業の必要性及び有効性、妥当性や費用対効果も含めた総合評価によって、事業の見直し、再構築を積極的に図ることにより、厳しい財政状況を乗り切る予算組みといたしました。

(※ セットバック :今の生活は便利になりすぎているため、少し前の生活を意識していこう、という意味で使用しています。)

 本市の平成22年度一般会計当初予算案は、499億9,000万円で、前年度当初予算に比べて3.4%の増となりました。ただし、平成22年度から開始される子ども手当の増加分約18億円を除けば、481億8,992万円となり、前年度比で約1億7,000万円、0.4%の減となります。

 歳入につきましては、市税が273億1,916万円で、3.1%の減となりました。これは、主に、前年度の法人市民税に続き、個人市民税が大幅な減収となったことによるものです。

 交付金等につきましては、地方譲与税及び景気連動型交付金の減額により3.9%の減となりました。

 国庫支出金及び都支出金は、子ども手当及び小・中学校の屋内運動場耐震補強工事等の実施により、それぞれ40.9%、14.7%増加しています。

 基金からの繰入金は、市税の落込みによる財源不足を補うため、38.2%の大幅増となっています。

 しかしながら市債は、将来の財政負担及び残高を抑制していくという方針により、16億9,200万円で、28.2%の大幅な減といたしました。

 歳出につきましては、「公民協働」~まちの将来を見据えて~をメインテーマとして、「公民協働」のまちづくりを目指した取り組みを推進してまいります。とりわけ、日野市第5次基本構想・基本計画及び第4次日野市行財政改革大綱につきましては、公民協働のまちづくりの指針となるような計画の策定を進めてまいります。そして、寄附財源を活用して実施していく市民・行政コラボレーション事業にも、新たに取り組んでまいります。

 また、緊急課題への対応として、子どもの安全な生活・学習環境を整備する小・中学校屋内運動場耐震化事業、高齢者及び障害者にきめ細かな支援体制を推進する高齢者・障害者支援事業、いつまでも「市民のための病院」であるために市立病院改革プランの実行支援、生活道路の改良や駅のバリアフリー化など、計画的な生活基盤整備などに積極的に取り組んでまいります。

 他にも、地域と連携した活力ある学校づくりプロジェクト、子ども一人ひとりに応じて支援を行う「さりげない育ち」支援事業、生活・環境セットバック事業、あんしん生活推進事業、(仮称)市民の森ふれあいホールの建設など、当面の行政課題に向き合い、市民ニーズに即した予算となっております。

 特別会計につきましては、総額434億9,042万円で、前年度当初予算に比べて1.1%の減となりました。これは、後期高齢者医療特別会計が広域連合負担金の大幅増(14.6%増)により3億6,870万円の増となったものの、国民健康保険特別会計が共同事業拠出金の大幅減に伴い4億7,417万円の減、土地区画整理事業特別会計が国の負担金等の減収に伴い4億7,472万円の減となったこと等によるものでございます。

 

当面する行政課題への取り組み

 

「公民協働」まちの将来を見据えて

 平成22年度のメインテーマ、「公民協働 まちの将来を見据えて」の考え方に基づき、主要な行政課題を大きく7つの分野にまとめさせていただきました。

 まちづくりの担い手である公民と行政の協働により、公共サービスにおけるそれぞれの役割を明らかにするとともに、真に行政が手を差し伸べなければならない「社会的弱者」に対するセーフティネットを充実し、将来を見据えた持続可能なまちづくりを進めてまいります。

 公民協働の視点から各分野の当面する行政課題への取り組みについてご紹介します。

 

1 ともに創る参画と協働のまち

(1)まちの将来を見据えた計画づくり

 日野市を取り巻く社会情勢が大きく変化する中、現在の「2010プラン」が最終年度を迎え、次の10年に向けた、第5次日野市基本構想・基本計画「(仮称)2020プラン」を策定します。また、持続可能な日野市の行財政を確立するために、第4次日野市行財政改革大綱を策定します。

 これらのプランの策定にあたっては、将来を見据えた公民協働の考え方に基づき、財政計画とも連動した計画としていきます。また、環境基本計画の改定を行い環境自治体としてもさらに前進していきます。

(2)健全な行政運営・財源確保に向けて

(1) 日野市立病院の自立的な経営改善に向けた取り組みを進め、病院関係者のみならず、多数の市民の皆様の応援もいただきながら、しっかりと支えて行きます。公立病院として、市民の生命を守る「市民のための病院」であるために改革プランに基づき、病床利用率の更なる向上を図り、目標達成に向けた取り組みを強化してまいります。

(2) 今後の市政運営には、これまで以上に積極的な財源確保への取り組みが重要となります。政権交代に伴い、国の補助金に対する考え方が変化していますが、事業を進める上で必要な補助金は国や都に対し積極的に働きかけ確保してまいります。また、自主財源確保の取り組みについても、処分可能な市有地や区画整理保留地等の積極的な売却や処分可能な土地開発公社用地の売却を進めます。併せて、寄附財源を活用する事業にも取り組みます。これは事業のすべてを税金で行うのではなく、公共財に寄附財を加えて、行政運営していくという新しい取り組みであり、例えば年末に市民プラザで行っているイルミネーション事業や中学校の古くて使用できない楽器の買い替えなど、公共財と寄附財を融合して事業を実施してまいります。

(3) 財源の確保と併せ、その適正な執行を図り、協働のパートナーである公民の信頼度を高めて行くために、入札及び契約等監視委員会の充実に取り組み、公正な入札・契約制度を構築して行きます。 

 

2 ずっとこのまちで生きる 健康・福祉政策の充実

健康・福祉政策の課題について公民協働の視点から、真に行政の支えを必要としている「社会的弱者」に対する施策を充実して行きます。

(1)高齢者施策の充実

 認知症高齢者を抱える家族の深刻な悩みに向き合い、家族を支える仕組みとして、認知症に対する専門相談会や、家族の悩みをフォローする交流会を実施します。また、認知症高齢者が徘徊等により行方不明になった場合の早期発見のための体制づくりを進めます。また、特別養護老人ホームの待機者の不安解消に向けた取り組みとして、特別養護老人ホームあすなろの増改築を実施し、8床増床します。

(2)障害者施策の充実

 発達に不安のある子どもたちとそのご家族の支えを充実し、継続的な支援体制を構築するために、(仮称)発達支援センターの開設準備に向け、担当職員を配置し、当面は、平成23年度の準備室設置に向けた作業に入ります。

  また、これら高齢・障害福祉サービスを支える人材不足の解消を図り、支援を必要とする市民に対して、質の高いサービスを提供するために、福祉人材の育成にも取り組みます。

(3)市民の健康増進を見据えた取り組み

(1) 市民の健康増進を図るために、国民健康保険特定健診の推進や保健指導の充実など各種予防策に取り組みます。

(2) 市民の健康・体力づくりやスポーツ活動の中心の場として、また公民館機能、福祉機能、子育て支援機能を備えた地域のコミュニティ施設として、多くの市民の皆様の応援をいただきながら「(仮称)市民の森ふれあいホール」の整備を進めます。 

 

3 子どもと子育て世代が輝くまちづくり

(1)保育園待機児ゼロを目指す取り組み

 子育て世代が安心して生活することができるよう、保育園待機児ゼロを目指す具体的な取り組みとして、(仮称)芝原保育園及び(仮称)栄光豊田駅前保育園の2園を開設します。併せて、たまだいら保育園の本設準備及び多摩平地区の民間保育園3園の開設準備を進めます。また、放課後子どもプラン「ひのっち」では、引き続き、地域の皆様の子育てマンパワーを活かした、取り組みを行ってまいります。

(2)きめ細かな支援体制の拡充

 保育園や学童クラブに通う「気になる子」の育ちの支援として、「そだちあい事業」を充実していきます。また、子ども一人ひとりに応じたきめ細かな子育て支援として、保育困難クラスへの補助保育士の配置及び臨床心理士等による巡回・個別相談を実施します。

 

4 安全・安心な子どもの学び環境の整備

(1)子どもの安全・安心を見据えた取り組み

(1) 災害時における児童・生徒等の安全確保を図るため、小・中学校の校舎及び屋内運動場の耐震化を進めます。これにより屋内運動場の耐震化率は100%になります。

(2) しんさかした保育園及びたかはた台保育園の耐震化及び大規模改修を実施します。

(3) 校庭芝生化事業及び学校のトイレ改修工事を推進し、より安全で安心な子どもの学び環境の整備に取り組みます。

(2)魅力ある学習環境の整備

(1) 学区内の人口減少等により小規模化している第三中学校において、活力ある学校づくりを推進するために、学校、地域、行政によるプロジェクトチームを発足しました。具体的には、英語教育の強化、きめ細かな補習授業の実施、高幡不動駅からのバス通学費補助など、魅力ある第三中学校づくりプロジェクトを推進します。

(2) 発達障害等により授業を受けることが困難な児童・生徒への教育支援として、リソースルームティーチャーを配置します。

(3) 児童・生徒一人ひとりの確かな学力と生きる力を育成するため、学級支援員及び学力向上支援員を配置します。また、小・中学校全校に配置した電子黒板を活用した分かりやすい魅力ある授業を実施し、日本一のICT活用教育を推進します。 

 

5 ともに進める環境にやさしいまち

  地球環境の危機的状況は喫緊の課題です。現代の生活のあり方を根本的に見直し、次の世代に誇れるような地域を残すために、私たち一人ひとりが考え行動して行かなければなりません。日野市はこれまでもごみ改革で多くの協働の実績を積んでまいりましたが、引き続き、公民とともに自治体が先頭に立ち、都、国を変えて行く、こうした取り組みを進めます。

(1)ごみゼロ運動事業

 ペットボトルやトレー類などの店頭回収を促進する、「容器包装お返し大作戦」を展開し、総ごみ量の削減を図ります。

(2)ふだん着でCO2をへらそう事業

 地球温暖化防止の実現に向けた取り組みとして、引き続き、「ふだん着でCO2をへらそう」の取り組みを推進します。また、市役所自らの環境負荷軽減の取り組みとして、市の庁用車11台の減車にあわせ、電動自転車10台を増やします。

(3)水の郷/日野の地域活性化プロジェクト事業

 水辺環境保全への取り組みとして、法政大学との連携による水の郷/日野の地域活性化プロジェクト事業を推進し、市民とともに、用水路を活かしたまちづくりを進めます。 

 

6 快適で安全に暮らせるまちづくり

(1)一人ひとりの生活を守る

 公民協働のまちづくりを進める上で、真に行政の支援を必要としている「社会的弱者」に対するセーフティネットを行政の根本的な守備範囲として取り組まなければなりません。市民が安心して暮らすことができるよう、生活相談や就業支援を始め、さまざまな困り事に対し、きめ細かな支援を行うため、あんしん生活総合相談事業の推進などセーフティネット事業を充実します。また、災害時における要援護者の避難支援プランをもとにした、モデル事業の試行・検証を進め、地域で支えあう仕組みづくりを進めます。

 さらに、引き続き、緊急雇用対策として国・都の補助金を積極的に活用し、各種事業における雇用創出の取り組みを促進します。

(2)安全・安心な基盤整備

(1) 区画整理や道路整備、駅前の整備、交通体系の整備など、現政権の動向を注視しながら、将来を見据えた安全安心な基盤整備を進めます。

(2) 豊田駅につきましては、これまで地域の皆様と将来を見据えたまちづくりについて協議してきましたが、北口のエレベータに加え、自由通路南口にエレベータを設置します。

(3) 京王線百草園駅、平山城址公園駅、南平駅の3駅につきましても、地域の皆様と駅周辺のまちづくりについて協議を重ねてきましたが、更に利用しやすい施設としてバリアフリー化工事を推進します。

(4)   一番橋通り、緑橋通りの供用開始に向けて街路築造工事等を推進します。

(5) 駅前の放置自転車対策の充実や市内各所の生活道路の舗装補修にきめ細かく対応して行きます。

(6)   交通空白地の解消とアクセス向上のために、利用しやすい交通網づくりを進めます。 

 

7 地域の魅力を活かした活気のあるまちづくり

(1)農業・商工業の振興

(1) まちの将来を見据えて、地域の魅力を活かした活気のあるまちづくりを進めます。農業の支援については、「東光寺上地区における都市と農業が共生するまちづくりプラン」に基づき、ファーマーズセンターの設置及び七ツ塚周辺整備に向けた実施設計を行います。

(2) 依然として厳しい状況にある小規模事業者に対して、公共施設小規模修繕事業により育成、支援を図ります。更に、市内ものづくり企業の活性化を図るため、工業振興条例策定に向けた準備を進めます。

(2)地域の魅力を活かしたまちづくり

 引き続き、藝術文化の薫るまちコンサートや薪能など、藝術文化関連事業を推進します。また、日野市の50年を振り返る資料を調査し、新聞記事などを活用した特別展を皮切りに、平成25年の市制施行50周年に向けた取り組みを開始します。 

 なお、平成22年度の主要事業につきましては、別紙「平成22年度の主要事業」にてご確認いただきたいと存じます。 

 以上、基本姿勢、平成22年度予算編成方針及び概要、当面する行政課題への取り組みについて、申し上げました。

 厳しい時代が続きますが、市民の皆様と「ともに創りあげるまち」の原点を忘れることなく、質の高い市民サービスを提供するため、あらゆる可能性を探りつつ、柔軟にチャレンジしてまいります。

 市議会議員各位ならびに全ての市民の皆様に、かさねてご理解ご協力をお願い申し上げ、平成22年度所信とさせていただきます。