◎巽聖歌(たつみせいか)資料集販売のお知らせ ID:1015063 [お問い合わせ]郷土資料館(電話番号042・592・0981) 郷土資料館では、今年3月に刊行した『たきびの詩人巽聖歌資料集(一)野村七蔵から巽聖歌へ』(A4判120ページ)を販売しています。 [頒価]1,600円 [販売場所]郷土資料館、市政図書室 [内容]日野市が寄贈を受けた巽聖歌資料のうち、 10代後半から20代前半にかけての活動を知ることができる作品や日記類を翻刻しました。 童話は、『少年』『少女』に掲載された作品10編を再録。特に処女作「山羊と善兵衛の死」は、皆さんが初めて目にする作品です。 また、日記類も、今回初めて公開されるもので、巽聖歌を知ることができる貴重な資料です。 《写真あり》 ◎写真パネル展「豊田・多摩平の100年」 ID:1015064 [お問い合わせ]郷土資料館(電話番号042・592・0981) 昨年開催した特別展「豊田のむかし」では、市民の皆さまからご提供いただいた古い写真や映像を紹介しましたが、 まだまだ多くの紹介できなかった写真があります。 そこで、豊田・多摩平に出張して、蔵出し写真パネル展を開催します。 「また見たい!」というリクエストの多い、 2014年企画展「多摩平写真日記」と2018年企画展「ガラス乾板からよみがえる100年前の豊田の風景」からの写真も展示します。 来年2月に開業120周年を迎える豊田駅にもスポットを当てます。ぜひご覧ください。 [日時]9月2日(水)~30日(水)9時0分~21時30分(多摩平の森ふれあい館の開館時間に準ずる)※30日は14時0分まで [会場]多摩平の森ふれあい館 《写真あり》豊田駅に着いた昭和天皇・皇后両陛下(昭和46年6月) ◎みんなのふるさとこぼれ話42 たきびの詩人巽聖歌の日記から ID:1014823 巽聖歌の資料の中に5冊の日記が残されています。 これらの20歳代の日記には、作品からは見えてこない日々の暮らしや葛藤・苦悩が記されていて、 その人物像をより深く理解することができ、興味深いです。 大正13(1924)・14年の日記は、 19~20歳にかけて、最初に上京し、時事新報社の『少年』『少女』の編集部に勤務していた時の日記です。 創作ノートとしても利用されていて、『赤い鳥』で活躍していく時代の、みずみずしい作品が記されています。 未発表のものや、投稿しても採用されなかった作品もあり、 刊行物では見ることのできない作品や、推敲(すいこう)の跡を見ることができます。 代表作「水口」の草稿もありました(大正13年日記は、原本は失われ、『日本児童文学』に翻刻されている抄録のみ)。 昭和4年(1929)の日記は、二度目に上京した時のものです。 文学者として独り立ちもできず、昭和の恐慌下の東京で就職もままならず、 日々の暮らしに悪戦苦闘しながら、文学の道をわが道としていくという決心だけは揺るがない、心打たれる内容です。 やっと、北原白秋の後押しで、「アルス」という出版社に就職が決まるところまでが記されています。 昭和8(1933)・9年の日記は、「アルス」の職場日記で、経理や庶務を担当していた聖歌の奮闘が分かります。 生活は安定し家族もできますが、経営難のなか、さまざまなトラブルに見舞われ 「カミ、カミ、かみ、紙で、相変わらずの日を送る」(昭和8年2月23日)という、ため息も聞こえてきます。 『北原白秋全集』を刊行している時期なので、白秋に関する記述も散見します。 昭和9年2月16日は、「第一回宮沢賢治友の会」が新宿で開催され、 草野心平・高村光太郎・新美南吉らとともに聖歌が写っている記念写真が残っています。 この日の日記に、友の会の記述はありませんが、 税務調査があって、税務署の調査員にいろいろ叱られたことが書かれていて、 こんな仕事のあとに、会場へ駆けつけていったことが想像されます。 これらの日記は、新刊『たきびの詩人巽聖歌資料集一野村七蔵から巽聖歌へ』に全文が翻刻されています(8月発売)。 [お問い合わせ]郷土資料館(電話番号042・592・0981) 《写真あり》昭和4年の日記