五感を意識して毎日の暮らしに彩りを 「見る」「聴く」「嗅ぐ」「味わう」「触る」、私たちはこのような手段で常に外界からの情報を得て生活しています。 時には危険を回避するために、時には他者とコミュニケーションをはかるために、五感を全開にしているのです。 また、人間にとって五感は単に生活のための道具ではなく、美しいものを見て感動したり、心地よい音楽に癒やされたりと、 生活機能以上の役割を果たしています。 五感の働きを高めることは、暮らしに彩りを添え、心身の健康を維持・向上する秘訣です。 今号では、とある町をめぐってそんな五感にまつわる体の不思議を特集します。 ◎五感マップ 音や光などの外界からの刺激に対する反応を「感覚」と言います。 この感覚のうち、代表的な視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚(皮フ感覚)をまとめて五感と言います。 目・耳・鼻・舌・皮フはこの五感を認識するための「感覚器」です。 私たちは普段あまり意識せずにこれらの感覚器を使って生活していますが、 それぞれがどんな働きをしているのかをもっとよく知ると、五つの感覚器に磨きをかけることができます。 ◆日脳市・五感センター この町のすべての感覚器はここにつながっています ◆嗅覚 1万種類の香りを楽しめる鼻畑 鼻の中には嗅覚受容体というセンサーがあり、 このセンサーが空気中のにおい分子と結合し、脳に信号を伝えてにおいの感覚が生まれます。 この嗅覚受容体は複数のにおい分子と結合しますが、 人の場合約400種類あって、なんと1万種類ものにおいを嗅ぎ分けることができると言われています。 ◆視覚 眠らない都市の目インストリート スマートフォンやテレビなどを深夜まで見続ける人が増え、まさに「眠らない都市」のような目。 しかし、目を使い過ぎて、疲れ目や視力の低下に悩む人が増えています。 視覚は五感の中で最も人間の行動に影響を与えている感覚なので、大切にしていかなければいけません。 ◆味覚 グルメの聖地舌町 舌には甘味・塩味・酸味・苦味・うま味の五つの味を感じる味覚があります。 これは本来、食べ物に害がないかを判断するための機能ですが、 安全な食べ物が流通している現代では、舌は食事を楽しむためにも必要な器官と言えるでしょう。 ◆聴覚 のどかに音を楽しむヴィレッ耳 私たちが普段耳と呼んでいる顔の外側の部分は、「外耳」と呼ばれる耳の一部分です。 実は耳の構造は非常に複雑かつ繊細で、空気の振動を鼓膜などの「中耳」、さらに奥の「内耳」へと伝えることで音を認識しています。 また、耳は聴覚だけでなく平衡感覚などもつかさどっています。 ◆触覚 触れ合いの皮フス・ストリート 全身を覆う皮フには、触れた感覚を感じる触覚をはじめ、痛みを感じる痛覚や、温度を感じる温覚などの神経が満ちています。 特に手には神経が密集しており、 人や動物と触れ合うことで安らぎを得られたり、指先を刺激することで脳へよい影響をもたらしたりします。