第7回(仮称)日野市障害者差別解消推進条例策定検討委員会 会議録(要約) 日時:平成30年7月19日(木)午後3〜5時 会場:日野市役所5階 505会議室 出席者:妹尾委員 島委員 村木委員 佐藤委員 藤田委員 有山委員 浅野委員  石川委員 内田委員 山本委員 高橋委員 谷委員 岡田委員 根津委員 欠席者:津島委員 一ノ瀬委員 奥田委員 重山委員  ●報告事項 〇委員の交代について 事務局から商工会から選出された委員の交代について説明。 〇前回の確認 (事務局) ・配布した第6回委員会の会議録(要約)案について、修正がある場合は7月中に事務局に連絡してほしい。 〇スケジュールの確認 事務局からスケジュールの確認。 ●議題 〇条例(素案)の検討 ―「1(目的)」から「7(合理的配慮の提供)」について事務局から説明― (委員長) ・前々回の委員会で、関係団体委員から提案していただいた条例づくりの会の条文案から、差別の禁止項目のみを印刷したものを配布している。本日は、これも参考にしながら進めていきたい。というのは、私たちは、市民を代表して、この委員会に携わっているわけなので、例えば私たちよりも重度な方が、条例文に対応できるのかどうか、ほかの立場の人たちのご意見を我々がしっかり入れていけるのかどうか、そのあたりも含めて市民がつくったものも参考にしていきたいと思う。 ・前文については、これからの課題になってくるところだ。私から一点申し上げると、「障害の有無にかかわらず、様々な人が地域に共生しているのが当たり前になることを目指す」とあるが、我々障害当事者は、地域に暮らしているのは当たり前なのだが、まだまだ当たり前になることを目指さなければいけない、そんな状況が現実なのかと、感じているところではある。 (関係団体委員) ・前文について、「当たり前になることを目指す」とあるが、市民の皆さんは、意味がつかめるかどうか、不安を感じる。権利を持っていることを表すことが必要ではないかと思う。 (委員長) ・地域で暮らすという権利を誰もが持つことが、この前文の中に含めてはどうかということでよろしいか。 (関係団体委員) ・そうだ。 (委員長) ・それでは「1(目的)」について、この条例が目的とするところがうまく表現できているのか、必要なポイントが含まれているかどうか、皆さんに見ていただきたいと思う。 (市民委員) ・共生社会という言葉については、前回の委員会のときに、言葉がわかりづらいのではないかという指摘があったが、検討の結果、共生社会という単語のほうが適しているという判断なのだろうか。 (事務局) ・前回、共生社会という言葉自体が、一般の方にはわかりにくいのではないかという意見があった。今回、共生社会の前の下線部の文章として、共生社会を説明できるような文章を入れる形であらわした。 (市民委員) ・共生社会という単語の前に説明が入っているということで、確かに共生社会の雰囲気は伝わるようになっていると思うが、言葉が若干難しいというか、かたい表現という気はする。「障害の有無にかかわらず分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合う共生社会」というのが「ともに生きる地域社会」ではだめなのかとは、少し思う。ほかの方の意見も伺いたい。 (市民委員) ・私は、こういうものは、言葉としてはよく理解できるが、具体的な場面になると、応用できない。例えばつい最近、派遣会社の応募要項を見たが、精神疾患のある方は応募しないでくださいと書いてあった。これはどう考えたらいいのか。事業者の気持ちもわかる。精神疾患のある人は、例えば約束したことをドタキャンしてしまうとか、仕事の途中で体調を崩してしまうというようなことを経験したので、事業者としては、そういうふうに言ったのかもしれない。  このように公然と事業者が言ってしまうことは、精神疾患のある人というのは大変なのだということを、助長することになりはしないかと考えてしまったりするのだが、事業者の方にこの辺を教えてもらえたらありがたい。 (委員長) ・今、ここで書いてあるような、ともに生きる、そんな社会は、市民委員の経験からは、まだ見てとれないというところか。 (市民委員) ・私自身としては、どう理解したらいいのかわからないところだ。 (教育関係委員) ・前回、出席していないので、はっきりわからないところがあるのだが、前文のところに「『ともに生きるまち日野』の実現のために」と書いてあるから、そういう言葉にしたほうがわかりやすいと思った。 (委員長) ・「ともに生きるまち日野」については、前回、前々回だったか、表現自体が抽象的で、どういうことを言うのだろうという意見をいただき、今は、外してある言葉ではある。だが、まだ資料には出てきていないが、私も違うところから情報をいただいて「ともに生きるまち日野」という言葉は、1950年代ぐらいから、日野市の中では既にあった言葉だということだ。そのあたりの歴史も含めて、改めて調べていただいて、前文の中に載せることができるようであれば、この言葉もこれから使っていけると思う。共生社会、ともに生きる地域社会、それに変わるような言葉にもなり得るのかもしれないが、資料の調査を事務局にお願いしているところだ。 (産業経済団体委員) ・「ともに生きるまち日野」という言葉だが、これは委員長がおっしゃったように、歴史ある日野がつくった、ある意味では固有名詞というか、キーワードになっていると思う。私は前文にも、「1(目的)」の中にも、両方載せていいのではないかと感じる。これがいわゆる日野市らしい前文、あるいは目的の表現になるのではないかと思う。 ・ともに生きるまちというのは、どういうイメージなのかというのは、もしよりわかりやすくということであれば、定義することも一つの方法だと思う。 ・あるときは、ともに生きる社会とか、あるいは地域社会とか、今回は、共生社会という形で、同じようなニュアンスの言葉が違った表現でいろいろ出てくると、逆にわかりにくさを助長してしまうのではないかということで、私は「ともに生きるまち日野」を前文にも「1(目的)」にも、共通して入れていくことは、市民の皆さんにとってもわかりやすいのではないかと思う。 (委員長) ・「ともに生きるまち日野」、そんなキーワードを共通して使っていってはどうか、日野のオリジナリティーという部分にふさわしいのではないかということだと思う。この部分に関して、どういうふうに言葉が生まれて、これまで使われてきたのか、補足的に前文などに載せることができれば、非常に使い勝手のいい言葉になるのではないかと思う。 (市民委員) ・ともに生きるというのが言葉を濁しているイメージがある。一般の人がともに生きるということを理解するのに、もっと具体的な書き方がないのかと思った。例えばともに働く、ともに学ぶ、ともに遊ぶ、ともに歩くといったような、言葉を一つ一つ入れていけば、もっとわかりやすくなるのではないか。ほかの一般の人たちにも、そうして見ていただくと、一緒に行動をともにするといった意味で、理解されるのではないかと思うが、いかがか。 (委員長) ・恐らく最初に「ともに生きるまち日野」が出てきたときの印象に近いと思う。その中身だとか、それがどういうふうに生まれたかということがないがために、余計にイメージができない。イメージしやすくするために調べて、材料を集めていただくような時間が必要なのかもしれない。それによって、皆様の感じ方が変わってくる可能性もあるので、そのあたりで、一度、皆さんと議論したいと思う。 (市民委員) ・ちょっとわからないことがあるので、教えてほしいのだが、今朝の新聞に、小金井市で父親が40歳の息子を殺害したという事件が書いてあった。これを見て、またかと思ったのだが、こういう事件がたびたび起こっているが、こういう事件が起こらないような、救済というか・・・。これは差別条例とは関係ないのだろうか。 ・ともに生きるどころではなくて、お前は抹殺するということで、ともには生きないというメッセージを、父親はしてしまったわけだ。 ・こういうことが起こらないようにするような、差別条例とは関係がないのかもしれないが、どう考えたらいいのか。「共生社会の実現に寄与することを目的とする」と言われても、当事者にとっては、絵空事のように思ってしまう。 (関係団体委員) ・私も娘が知的障害を持っているが、家族の中で守っていかなければならない、そのためにお互いに協力して守っていくような、ともに生きる社会を目指すというのは、大切なのだと思う。ひきこもって隠していくよりも、お互いに地域の中で助け合ってやっていくことがとても大切だと感じている。 ・大阪で娘さんが食べられないで、亡くなってしまって、地域からも守られていなかったという事例があったが、地域で守っていくということが必要だと思う。 (副委員長) ・今の市民委員の家族会の立場からのご意見なのだが、差別解消に直接関係あるというより、虐待の法律に近いと思う。 ・最近は、全部の自治体ではないのだが、ご本人は、治療に行きたくないという方がいらっしゃるお宅に、保健師とか、病院のワーカーが実際に赴いて、治療に対する説得をしたりしている。 ・お隣の八王子市は、今から5年ぐらい前だったか、同じような事件があって、アウトリーチチームが新しくできて、件数は多くないが、年に何件か行っている。それは非常にユニークな活動で、いろんな病院のワーカーと保健師がチームになっていく。特定の病院ではない。輪番チームのようになって、やっていくという形の試みだ。 ・認知症関係の高齢者では、多摩市総合福祉センターの方たちは、ごみを集めてしまうお宅とか、ごみが集まっていて、火のもとが危ない、そこから発火のリスクがあるというようなところを訪問したりするチームがある。 ・差別解消法に直接関わることではないが、私の個人的な見解として捉えていただきたいのだが、そこまで追い込まれてしまったご家族は、例えば自分が助けを求めても、医療機関など福祉的なサポートが得られないと、非常に絶望された背景があるのではないかと思う。 ・そのときに、とても孤立し、不安になられて、自分で決着をつけないと、この事態は終わらないのだと、非常に絶望的な感覚になられたのではないかと思う。だから、そこの部分に、そこまで追い込まれてしまった人、SOSが出せない、発信力が失われてしまうぐらい追い込まれている方たちに、どういう支援が可能なのかとか、そうしたあたりを掘り起こしていくところまで、共生社会を目指してつなげていくのかというところは、連続した形で考えていけると思う。 ・ただ、今、私が言ったようなことを防ぐための直接的な支援は、また別の議論になってしまうと思う。基本的には、皆さんが安心して、平等で、自分らしく人権を守られて暮らす、それは家族についてもだし、孤立しない、または孤立させないことを、いろんな切り口で、差別解消法だったり、虐待防止法だったりということで、そこを一緒に考えていくという形で、お考えいただければと思う。 (委員長) ・この「1(目的)」の中を見ていただいてもわかるように、決して共生社会だけをうたっているわけではない。基本理念に基づくということで、この後「3(基本理念)」を確認するが、障害者の権利が守られて、誰もがどの場所にも参加できて、そのことが基本理念にうたわれている。そういったことも確認し、なおかつ障害者に対する差別を禁止するための施策に取り組んでいく。そして、障害の理解で、お互いに人格を尊重する、その上で共生社会を目指すといったところが書かれていると思うので、共生社会だけがふわふわ浮いているわけではなくて、そのための施策も、この中に書かれているということで、皆さんにご理解いただければと思う。 ・私もこの部分に関して意見を述べると、基本理念を定めた後に、すぐ「障害及び障害者に対する理解」ということであるが、理解については、もう少し後ろでもいいと思う。まずはそれぞれの立場を確認し、差別をなくしていくことを明確にして、その上で、皆さんとともに、障害及び障害者の理解という形でもいいのかと、個人的は思っている。 ・あと前回はなかったのだが、「寄与すること」はなくて「実現することを目的とする」これでもわかる文章ではないのかと思う。 ・次に行きたいと思う。「2(定義)」については、前回、検討事項は特になかったのだが、私もいろいろ考えながら、全体を通して、定義しなければならない言葉がこれから出てくるだろうと思っている。「2(定義)」について、皆さん、ご意見があれば、お聞きしておきたいと思うが、何かあるか。 ・「3(基本理念)」について、皆さん、お気づきになられた点、何かご意見あるか。 (市民委員) ・前回、前々回の委員会で、障害者の家族への差別について、どこかで触れてほしいということで、意見させていただいたのだが、今回、特に含まれていない。含めるのが適当でないというご判断なのか、どうなのかを伺いたい。 (事務局) ・項目を整理する中で6つに分けてあるのだが、家族についての記載の追加は、今回はしていない。今後もご意見をいただければと思う。 (委員長) ・意見が出ることによって、それがここに入るのか、別のところに入るのか、そのところの検討にも含まれるということだと思う。 ・皆さん、家族に対する差別についていかがか。 (関係団体委員) ・今の市民委員のご意見に加えて、もう一つ、意見を出したい。家族だけではなくて、重複障害も入れてほしいと思う。ここか、別のところでもいいのだが、家族に対する差別と、重複障害についても、入れてほしいと思う。 (委員長) ・重複障害者も、特に困難な状況に陥る人たちであり、そのために「3(基本理念)」に定めるべきではないかということだと思う。 ・私からだが、家族に対する差別については、家族も差別を受ける対象になっているのは事実だと思うので、含めたほうがいいのではないかと思う。なおかつ、例えば障害者が結婚すること、婚姻の自由とか、そのほかにも、出産の自由とか、そういったところも、自由に選択できることも書いてもよろしいのではないかと思う。 ・これまでの社会では、何となく障害者は結婚しない、障害者は出産しない、そんな流れがあるように思う。しかし、現実はそうではないというところが、皆さんにわかっていただければいいという意味を込めて、そんな文章が必要だと思う。 ・今回、ウが新しく加わっているが、障害者権利条約の第19条には、この部分で、並びに特定の生活施設に義務づけないといったような表現の仕方がされている。例えばこれも先ほどの婚姻と出産と同じなのだが、障害があるから、グループホームに行きましょうとか、重度の障害があるから、入所施設に入りましょうというのが、決まった考え方ではない、その生活様式を誰かに決められてしまう必要がないという部分では、表記すべき問題ではないと考えている。 ・ちなみに、ちょっと聞いてみたいところなのだが、ここには「可能な限り」という言葉があるが、どこで誰と生活するかの選択ということで、市民委員、「可能な限り」でよろしいか。 (市民委員) ・よくないと思う。 (委員長) ・その次の言語のいわゆる手話なども含む意思疎通の手段の選択の機会、情報保障という部分も「可能な限り」でよろしいか。関係団体委員、市民委員、いかがか。 (関係団体委員) ・全てでお願いしたい。 (市民委員) ・「可能な限り」というのは、逃げの言葉になるので、これはよくないと思う。 (委員長) ・私は、皆さんと同じように情報を得ることはできるが、目や、耳というところで、情報が得られない方々が、80%、70%の情報でいいかと考えたときに、それではいけないのではないかと思っている。 ・そのほか、重複障害について、関係団体委員からご指摘があったが、カの部分に関して、性別や年齢等という形で表記をしていただいている。恐らくここには、児童や高齢者なども入ってくると思うが、皆さんがこの文章を読んだときに、児童、高齢者が入ると読めるか、イメージできるかどうかを含めて、ご意見をいただきたいと思う。 (副委員長) ・今、委員長からご指摘があったところだが、一般市民の方からすると、重複障害とか、高齢者とか、障害児というふうに、具体的に挙げたほうが、読んだときにイメージがしやすいと思った。 ・ライフステージというと、学生に教えるような言葉になってしまうが、例えば子供であれば、どんどん成長していくわけで、人生のそれぞれの時点で、さまざまな選択ができるようにという、自分自身が分岐点などで選択ができるようなニュアンスが、もう少し入るといいと思った。 ・あと、先ほど委員長からご提案があった、結婚のこととか、家族のこととか、女性のことがカに含まれているので、ここをもう少し整理して、分けたほうが、すっきりすると思った。 ・性別に関しては、最近、LGBTのこともあったりするので、そういうあたりも、ニュアンスとしては、少し入れていただいたほうが、よりいいいと思う。 ・障害者の家族の件についても、私は何回か前の会議でも申し上げたが、ぜひ入れたほうがいいのではないかと思っている。もし入れるのだったら、定義のところにも入れたほうがいいと思っている。 ・人生のさまざまな時点でというのは、イに、生涯にわたってと書いてあるので、このあたりを少し整理していただいて、人生のさまざまな選択肢を、自由に、一人一人が自分の権利として選んだり、考えたりできるという文言をうまく整理していただけると、いかがかと思った。 (市民委員) ・条例の中でも、基本理念とは何なのか、何のために規定されるのか、あやふやでわかりづらい部分だと今まで思っていたが、皆さんのご意見、お話を伺っていて、ここに関しては、コンパクトに数を絞って、簡潔にということにこだわり過ぎず、丁寧に、個々の事例も含めて表記していってはどうか。例えばア、イ、ウ、エ、オ、カにおさめようと無理をしたために、わかりにくくなっているのではないかと思うので、ここに関しては、項目数をふやして、ボリューミーになっても、よいのではないかと感じた。 ・また、副委員長がおっしゃった、ライフステージという言葉などは、片仮名用語ではあるが、非常にすっと入ってくるというか、わかりやすい、イメージしやすい言葉だと感じたので、そういった言葉は、使用されてもよいのではないかと思った。 ・家族に対する差別に関して提案させていただいたが、家族が差別の対象になる場合と、家族が差別をすることもあり得るということで、家族というのは、非常にデリケート、かつ難しいものだとは思う。今までこういった条例とか、決まりなどを見ていても、家族の中で差別が行われるということは、表記されていない。事例がたくさんあって、しかも、重大な事件が起きているにもかかわらず、触れられていなさ過ぎると、私自身は感じる。それは社会がタブー視しているからではないかと思う。今までは、家族の中で、差別、虐待というものがあるということは、見てはいけないというか、社会的に認識してはいけないことだとされていたために、こういったところに出てきていないのではないか。 ・もちろん日野市として、条文をつくる際に、こだわるべきなのかということは、皆さんのご意見もあるとは思うが、私は、昨今の事件とか、世の中の流れを考えても、家族が差別の対象になることもあれば、家族が差別をすることもあるというのが、誰でもわかるように、かつそれは家族の中であっても、いけないことだということがわかるように、表記されることは、非常に重要なのではないか、その第一例になってもいいのではないかと強く思っているので、皆さんで、ご検討いただきたいと思った。 (委員長) ・家族の定義などは、今後どうしていくか、恐らく家族に対する差別などが基本理念に入った場合には、定義もされなければいけないだろうと思う。時に家族が本人の大きな壁になるケースもあるので、定義の仕方もまた考えていかないと、それが差別につながりかねないことになるので、定義をする場合には、改めて検討していきたい。 (市民委員) ・オのところだが、適切な配慮がされることとなっているが、障害者に対する性被害が結構あると聞いている。特に障害のあるお子さんの性被害というのは、とても多い。あるいは加害者にもなってしまうということを、よく聞いたりしている。年齢に応じた適切な配慮というのは、まさに性教育をしっかりやることなのではないかと思うが、現在、学校というのは、どうなっているのか、よくわからないので、教えてもらえるとありがたい。 (委員長) ・その部分に関しては、カに書かれている部分だと思うが、いかがか。例えば性別や年齢、そのほか、女性の障害者が複合的な原因によって、いわゆる障害があることによって、性的被害の被害者になりやすい。そういう状況があるので、それに対して、適切な配慮をしましょうということだと思う。 ・今回は、女性という形で、複合的な差別があると、カでは書いてあるが、例えば児童養護施設などでは、その対象者が女性や女の子に限らない、男の子もそういった状況にあるといったデータも、実際にはある。そういった部分で、しっかりとそれが防止できるような形で、条文に加えていきたいと思う。 (関係団体委員) ・「4(市の責務)」のところだが、ちょっと足りないところがあると感じている。日野市には、職員対応要領というものがある。要領を条例の中に含めていく必要があると考えている。条例づくりの会の中でつくった素案に、そのような内容があり、そういう形にしてもらいたい。前々回に配った条例づくりの会の資料の9ページに具体的に載っている。 (委員長) ・職員対応要領の作成はしているので、見直しについて、障害者当事者、家族及び障害者団体から意見を聴取するものといった文章を載せてはどうかということで、よろしいか。 (関係団体委員) ・そうだ。 (市民委員) ・前回委員会で、市が啓発をしていくということを入れてほしいと関係団体委員からのご提案があったと思うが、その際に、啓発をし続けていく、1回やって終わりではなくて、継続的にしていくことが重要だというニュアンスに、私は受け取っていたが、この文章では「計画的に実施しなければならない」となっている。この表現がいいかわからないのが、「計画的」のほかに「継続的」にやり続けていくというようなニュアンスが、どこかに入ったほうがよいのではないかと思う。 (委員長) ・その他にご意見がなければ私からだが、最後の文章について、「市は、市民及び事業者がこの条例に基づいて行う取組の支援に努めなければならない」となっているが、市民や事業者が積極的に取組をするときに、市が支援をするものが、努力義務というのはおかしいと思うので「取り組まなければならない」という、積極的な文であってもいいと思う。 ・それから、前回の提示案を見ていただくと、「また、市は、障害者の利用を想定し、環境整備等に配慮して取り組むものとする」といった形で、非常に積極的な市の取り組む姿勢を示していただいたにもかかわらず、今回の文章では、それが抜けてしまっている。恐らく「必要な施策」の中に入っているのではないかと思うのだが、積極的改善措置の意味を含むような、積極的な姿勢は、ここではないにしても、ほかのところで、どこかで表現できたらいいと思う。 ・差別解消については、恐らくソフト面が中心かと思うが、環境整備を含めてはならないということではないし、これまで日野市は、都市計画課を中心に、非常に積極的にまちづくりを担っていただいた実績もあるので、そのあたりは、積極的に表記をしていってはどうかと考えている。 (市民委員) ・委員長の言葉に反するかもしれないが、私としては「取組の支援に努めなければならない」のほうが、イメージしやすい。家族会というのは、自主的な自助グループなのだが、それなりに市民に公開されているし、市民のためにもなっていると思っている。福祉課の皆さんに支援していただいているというイメージが、非常に強い。 (委員長) ・8ページ「5(市民及び事業者の責務)」だが、文章について、「市が実施する障害を理由とする差別の解消の推進に向けて実施する施策に協力するよう努めなければならない」の「実施する」は、一つ抜いても通じるのでは。「推進に向けての施策に」でもいいと思う。 (関係団体委員) ・確認したいのだが、「事業者は、基本理念に基づき」という文章があるが、市の「施策に協力する」というのは、例えば研修をやるとか、勉強会などをやるということも、ここに含まれるのだろうか。ここは意味がつかめなくて、具体的にわからない。 (事務局) ・市が差別解消のために実施するような講演会とか、研修会とか、そういったものに協力していただくというイメージだ。 (関係団体委員) ・これを市民の皆さんが読んだとき、私と同じようにわからないと思う。事業者もきっとわからないと思うので、具体的に書いたほうが、理解しやすくなるのではないかと思う。 ・都の条例では、事業者に対して、義務づけされている。日野市の条例の場合は、どうなるか、そこを伺いたいと思う。 (事務局) ・東京都の条例で、事業者が義務化されているというのは、後に出てくる「7(合理的配慮の提供)」のところになる。こちらについては、都に合わせて、事業者の義務ということを、市の条例でも考えている。 (市民委員) ・皆さんのご意見を伺っていて思ったのだが、市民の項目に関しては、理解を深めて、市や事業者とともに努めなければならない、でいいと思うが、事業者のほうも同じように理解を深めて、市が行う施策に協力するようにというのは、事業者は自ら何かをするというのは、しなくていいということだと、受け取られてしまうと感じた。 ・日野市障害者差別解消基本方針には、障害者差別解消法第8条を遵守して、事業活動を行ってくださいという記載があるし、関係団体委員から出ていた、条例づくりの会の案でも、事業者が自ら施設を改善したり、設備や職員に対する研修をしたり努めてくださいということが記載されていた。事業者は、地域の中で、社会活動を担っているものだと思うので、できれば、市民に対しての表現よりも、一歩進んで、事業者も自ら考えて、いろいろなことを行ってくださいということが伝わる文章があればいいと思う。このままだと、一番のメインの部分が抜けてしまっている文章になっているのではないかと感じた。 (産業経済団体委員) ・今の意見に対してだが、自分もそういうふうに思っていた。啓発活動とか、そういう文言を入れるといいのではないかと思う。この検討案だと、事業者として、市がやってくださいと言ってきたものしか、やらないというイメージがすごくある。 (関係団体委員) ・「5(市民及び事業者の責務)」という項目だが、事業者の責務と市民の責務というのは、分けて書いたほうが、わかりやすいのではないかと思うので、分けたらどうかと思う。 (委員長) ・いただいた意見を含めて、修正をしてみて、どういうふうに見えるかというところも、皆さんと確認をしたいところだ。そのほか、いかがか。 ・本来であれば、紛争解決のほうにもいきたいところだが、今回は、差別の項目とか、合理的配慮のほうを優先して、紛争解決のことについては、次回、やりたいと思うので、よろしいか ・それでは、10ページにいきたいと思う。案1と案2を見ていただいて、なおかつ、差別の禁止をどういうふうにこの条文の中に記載していくか、一文で表記する、もしくは項目立てをして、整理をする。整理をするのであれば、どういったテーマが入ることによって、イメージがしやすくなるか、そんなところも含めて見ていただきたい。なおかつ、今回、条例づくりの会の項目のみを提示させていただいた。こういう書き方があると、参考にしていただくといいと思う。 ・その後の「7(合理的配慮の提供)」については、立川市の条例の合理的配慮の項目なども資料の中に載っているので、それらも参考にしていただきたい。まずは「6(差別の禁止)」のところから入っていきたいと思う。 (市民委員) ・関係団体委員にお伺いしたいのだが、条例づくりの会でつくられた資料を拝見して、障害に基づく差別の解消という形で、差別の禁止と合理的配慮の部分を表現しようとなったのは、どういった経緯があったのか。他市のものでは、合理的配慮について書かれているケースが多いと思うので、あえてそれを違う形にしたのは、どういった話し合いで、これになったのかということを伺いたい。 (関係団体委員) ・条例づくりの会では、合理的配慮というよりも、差別を解消するために、差別の禁止と解消の方法ということで、二つに分けて考えた。曖昧になってしまう面があって、どこからどこまで必要なのか、わからないという面もあるので、そこについては、解消方法としたほうがわかりやすいという話し合いがあって、このような形になった。専門家の皆さんの意見も聞いて、改めて整理して、わかりやすく、このような形に整理したということだ。わかりやすくなったという、いい面もあったと思っている。 (委員長) ・私も知っていることがあるので、お答えしたい。もともと条例づくりの会の条文案というのは、弁護士の先生につくっていただいたものをベースに、市民の皆さんにたたいていただいて、つくってきたという経過がある。その上で、関係団体委員がおっしゃったように、この中では、差別を禁止するということを明確に規定していく、そのために障害に基づく差別の解消ということで、条立てをして、このテーマでつくってきた。 ・八王子市などは、先行してつくっているが、どちらかといえば、何人も障害者に対する差別をしてはならないという一文だけで、ここまで詳しく書かれているものはなかったのを覚えている。 ・今、40自治体ぐらいで、この条例がつくられているわけだが、比較的新しい自治体が、合理的配慮の推進規定を設けている。これまで条例をつくってきた自治体は、差別の禁止項目が多かった。その流れを受けて、だんだん合理的配慮の推進規定も必要だといった流れになっている。条例づくりの会で、合理的配慮の推進規定を設けていないのは、あえて設けていないわけではなくて、まだそこまでに至っていないというところで、ご理解いただいたほうがいいと思う。必要がなくて、つくっていないというわけではない。 ・ちなみに、立川市の条例などは、差別の禁止規定と合理的配慮の推進規定が、同じ条文の中に入っている。そういった規定の仕方もあるので、日野市でどういう考え方にするかというのは自由だ。どの辺にボリュームを置いて、どの辺をポイントにするか、そのあたりを含めて、皆さんにご検討いただければと思う。 (産業経済団体委員) ・今、差別禁止と合理的配慮ということで、案1、案2という形で分けて、ご提示いただいている。私の意見としては、差別禁止に関して、項目ごとに規定する。合理的配慮に関しても、項目別にきちっと規定していくことが、よいのではないかと考えている。 ・理由として、立川市は、非常に簡潔で、一文にまとめているだけなのだが、よく考えてみると、我々事業者でも、どういうことが差別禁止に当たるのかというのは、議論になったり、あるいはその辺が曖昧であったりすることがあるので、差別禁止の項目をきちっとまとめて規定をして、より周知するような形にしたほうがいいのではないかと思う。簡潔にすることで、わかりやすくするということではなくて、項目を具体的に設定することで、よりわかりやすい形の条例になるのではないか。 ・案2では、私ども事業者の一番のポイントになるものが、13ページの「(4)雇用及び、就労・労働に関する差別的取扱い」で規定していただいているが、これも簡潔にまとめてあって、これではわかりにくいと思う。具体的に言うと、15ページにある、名張市の第13条の内容のほうが、わかりやすいと思う。具体的で、番号もきちんと振ってあるので、わかりやすいと思っている。 ・合理的配慮についても、項目ごとに規定していくことが必要だと感じているが、合理的配慮の提供に関しては、確かに非常に範囲が広い。これは雇用とか、労働の取扱いに関するものだけでも、さまざまな具体的な事例がある。逆に言うと、さまざまな事例があるがゆえに、日野市として、このことについては、きちっと条例の中にうたうべきではないかということを討議して、コンセンサスを得て、規定していくことが、必要なのではないかと思う。合理的配慮に関しては、網羅的というより、他の事業主の皆様のコンセンサスもとって、これだけは条例に盛り込むべきではないかということを話し合って、盛り込むべきではないかと思う。 ・案1、案2、いずれでもないので、作業としては、大変になるかと思うが、あえて案3として、項目ごとに、差別禁止も合理的配慮も規定していく、そのための話し合いが、この場ではないかと思っている。 (委員長) ・私も関係団体委員の意見に賛成で、とにかくたくさんの意見を皆さんに出していただいて、その後、どれが不必要かではなくて、どのポイントにするかということで、書き切れないものをどうしても削除しなければならないことは、当然出てくると思うが、今後、時代とともに、ポイントが変わっていく、見直して新たに加えるものがあってもいい、そういうふうにお考えいただければ、議論の材料として、皆さんには、たくさんのご意見を提供いただけると思う。 (関係団体委員) ・個人的な見解なのだが、こういう資料とか、条文を読んでいると、ここまで細かく読むのは難しいと思ってしまって、だんだん眠くなってきてしまうとか、普通の市民の方に、これを読んで、差別について考えてくれといっても、なかなか難しいという思いがある。 ・今までの皆さんの意見にもあるように、差別の禁止も、合理的配慮も、細かく書いたほうがいいと思っているが、同じように条文の中に書かれていると、ついつい読み飛ばしてしまって、ちゃんと読まない気がする。例えば、表にして、見やすく、読みやすくするとか、そういった工夫があったら読みやすいと思う。 (委員長) ・難しい言葉が並ぶだろうというイメージも、当然あると思う。例えばさいたま市などは、パンフレットなどをつくって、入り口を入りやすくするような工夫をされていたと思う。そういったものも必要だという意見かと思う。 ・市職員委員は、終了前に退席されるということなので、(5)不特定多数の者が利用する施設及び公共交通機関の提供という書き方になっているが、そのあたりはいかがか。 (市職員委員) ・ユニバーサルデザイン推進条例という市の条例についても、同様に、公共施設と交通機関を合わせて公共施設ということで、くくってやっている。一般の方には、交通は交通、建物は建物と分けたほうが、わかりやすいと思う。 (委員長) ・どうしても、民間のものと、公共のものとがあるわけだが、我々が使うのは、どちらかだけというわけではないので、全部含まれるわけだが、どういう表現が皆さんにとってわかりやすいかといったところを見ていただければと思う。そのほか、いかがか。 (副委員長) ・前回の会議のときに、意思決定支援を最初に持ってきた自治体があったということを、委員長からご紹介があったと思うが、個人的には、障害者の方ご自身がどうしてほしいか、何に困っているかということ、まずそれを言える状況や環境をつくっていただくことが、差別解消の第一歩になると思っている。なので、それが妨げられているということは、差別だということを、差別の禁止のほうに入れて、合理的配慮のほうにも入れたほうがいいと思う。 ・あと、前回、自治体によっては、優先順位が高いものを上の番号に持ってきているという話があったが、そのほかのものが、優先順位が低いということではないのだが、重要視したいものを具体的に見やすくするということは、あってもいいと思う。 (委員長) ・他の自治体は、一般的に福祉サービスが一番上に来ているのが、あえて福祉サービスを下げて、教育を一番上に持っていって、教育なら、皆さん、かかわる分野だということで、見てもらえるような工夫をされている自治体もある。 ・皆さん、恐らくまだご意見があるかと思うが、時間が来てしまったので、差別禁止の項目は、前回同様、今回もだが、細かく項目を定めていくほうがいいという意見もあれば、当然ながら、一文で簡潔にという意見もある。その辺も含めて、次回、またお聞きしたい ・その上で、次回、項目をつくるか否か、項目を定める前には、どんな項目を載せるか、項目ごとに恐らくキーワードになってくることがあるだろうということで、議論を続けていきたいと思うので、どうぞよろしくお願いします。 〇その他 ―次回の委員会日程について事務局から説明― 1