第5回(仮称)日野市障害者差別解消推進条例策定検討委員会 会議録(要約) 日時:平成30年5月18日(金)午後3〜5時 会場:日野市役所5階 505会議室 出席者:妹尾委員 村木委員 佐藤委員 藤田委員 有山委員 浅野委員  一ノ瀬委員 石川委員 高橋委員 谷委員 岡田委員 根津委員 欠席者:島委員 津島委員 奥田委員 堀田委員 山本委員 重山委員  ●報告事項 ○前回の確認 (事務局) ・配布した第4回委員会の会議録(要約)案について、修正がある場合は5月中に事務局に連絡してほしい ○郵便等による不在者用投票について (事務局) 選挙管理委員会事務局職員から参考資料イについて説明。 (関係団体委員) 代理記載の方法について、代理記載人の基準はなにか。家族も含まれているのか。 (選挙管理委員会事務局) 代理記載人になるものについては、選挙権を有する者であれば代理記載人として登録することができる。ただ、投票の秘密守らなければをならないことがあるため、信頼できる方を代理記載人として立てていただくことが望ましい。 (関係団体委員) もう一点、対象者について、戦傷病者手帳、介護保険は含まれているとのことだが、精神保健福祉手帳、愛の手帳を持っている方は含まれないのか。障害が重くてなかなか外に出られない方はどうしたらよいのか。 (選挙管理委員会事務局) 現在の対象者は、参考資料イの表に載っている対象者のみとなっている。 (事務局) 例えば、市民委員からあったような知的な障害が重くてなかなか外出ができないという方から、具体的にどうしたらよいかというようなご相談はないか。 (選挙管理委員会事務局) この制度の手帳の種類に見合わず、投票所に出かけられないという方からご質問等はあるが、やはり介助の方々とご一緒にお出かけしていただく、としか現状ではご説明できない。 (市民委員) ・根拠があるわけではないが、身体障害者の方々の投票率が高いのではないかと思う。 知的障害者、精神障害者のほうが投票に行かない方が多いのではないかと思う。 ・私の周りの精神障害者の家族の方に投票に行きましたか?と聞くと、ほとんどの方が行っていない。そういうことに興味が持てない、どのようにして誰に投票したらよいかという自己決定が難しい。そのような支援は今のところ全くないため、投票に行けない。 ・しかし、投票には行けないが政治はどんどん進んでしまう。自己決定ができないまま進んでいってしまう。これはなんとか投票ができるようにならないかと考えてきたが、なかなか難しい。公的にも知的障害者や精神障害者は除外されているというのは、何か根拠があるのか、あるいは歴史的なものがあるのか、何かわかれば教えてほしい。 (選挙管理委員会事務局) 特に選挙管理委員会事務局でお伝えできる情報はない。精神障害者・身体障害者の方々の投票率に関しても数値としては捉えていない。我々としてもわかりえないところである。 (事務局) 現在、障害福祉課としても選挙人名簿に障害の情報を付与しているわけではない。あくまでも選挙人として自力でその場所に足を運んでもらえるかどうかとしての基準になる。現在はこのような状況であることを認識していただければと思う。 ○スケジュールの確認 (事務局) 事務局から資料1について説明。 ●議題 ○条例(素案)の検討 (事務局) 事務局から資料2・3について説明。 (関係団体委員) ・「障害者差別解消日野市条例づくりの会」で作成した条例案を参考資料として配布したい。 ―関係団体委員より、参考資料を配布― (委員長) 第3回委員会で関係団体委員からご提案いただいて、それが今回資料として出てきたという形。参考資料として見ていただければと思う。他にご意見・ご質問はあるか。 特になければ、市の資料3【たたき台】をベースに委員の皆さんからの意見や障害者の視点で考えたものなど、多くの意見を出してもらいたい。 (市民委員) 1目的の“障害者に対する市民及び事業者の理解を深め”という一文について、「障害者」対「市民・事業者」という印象を受けてしまう。障害者であっても市民であり事業者であるので、この条例に関しては障害者を市民・事業者が守る、支えるという発想ではなく、障害者も市民の中に含まれ、事業を行う方もいるので、障害者と市民・事業者を分けるのではなく、皆が同じスタートラインに立てるように、もう少し別の表現のほうが良いのではないか。 (関係団体委員) “対する”という表現では対立するような感じにも見受けられるので、“障害者に対する”という言葉を削除してもよいのではないか。 (市職員委員) 市民委員からの意見を聞いて改めて見直すと、確かに対立感を感じる。例えば“障害に対する理解”という表現もあるのではないかと思う。 (関係団体委員) やはり対立するような感じになり、皆が同じであるということが目的なので、文章を変えたほうがよいと思う。“対する”を省けばよいのではないか。 (委員長) 例えば“対する”という言葉を省いたときに、どのような表現方法がふさわしいか。 言葉を入れ替えるのはなかなか難しいので、他にも意見があれば出してほしい。 (副委員長) ・ここまでのご意見と条例素案【たたき台】を拝見したうえで、〈目的〉の部分で最も大切にすることは何かを考える必要がある。キーワードとしては、市民委員のご意見のように皆が同じ市民であり、基本方針である「ともに生きるまち日野」を一緒に作っていくということが込められなければならないポイントであるという確認と、〈目的〉の中に障害のことをより深く理解したいという想いの一言を入れたいというニュアンスから今の文言になっている。 ・“障害に対する理解を深め”という言い方に変えることもできるし、例えば、これはもともと障害を理由とする差別の解消の推進なので、“理解を深める”というポイントを入れるか入れないかの検討、差別の解消をもっと加えていくのか、そこから地域を一緒に平等に作っていく、という3つのキーワードをすべて組み込んでいくか。 ・もしくは、日野は差別解消に力をいれるか、障害に対する理解・人権尊重に力を入れるというところに重点を置くのか。〈目的〉に込めたいキーワードが何かを抑えることが必要かと思う。同時に、文言的に違和感のある表現を修正していくという2つの作業になってくると思う。 (委員長) 副委員長からの意見のように、この条例を何のためにつくるのかが大事であり、皆さんはこの条例を何のために作りたいかを考えて意見を出してほしい。 (関係団体委員) 「条例づくりの会」としての案の中に〈目的〉が載っている。それに合わせて「ともに生きるまち日野」という言葉を修正したらどうか。 (市民委員) ・副委員長が、どのようなものを入れ込んでいきたいか、どういうふうにしてほしいのか、というところが大切だ、ということおっしゃっていて思ったが、理解を深めるということも重要ではあるが、理解を深めるにあたってお互いの対話やコミュニケーションが重要だと思っている。どちらか一方が主張するというのではなく、お互いにどうしたらみんながよりよくなれるのかということを対話しながら社会を作っていこうという方針になるような文言が入ったら良いと思う。 ・先ほど私が言った “障害者に対する”という言葉に対して、例えば“障害者差別に対する市民及び事業者の理解を深め”というふうにしてみたらどうか。 (交通関係事業者委員) 〈目的〉の後半に「ともに生きるまち日野」とあるが、この言葉の目的はあるのか。 (事務局) 参考資料ウに日野市の障害者計画の施策の体系が載っているが、こちらの“目指すべき姿”に「ともに生きるまち日野」という言葉を使っている。いわゆる共生社会を表す言葉として日野市で使っている。 (産業経済団体委員) 言葉は悪いかもしれないが少し抽象的な言葉で、〈目的〉に抽象的なものを持ってきてしまうとインパクトが少なくなってしまうのではないか。 (委員長) ・少し抽象的な表現で〈目的〉が見えにくい、ということですね。 ・今回、私も事前に【たたき台】をいただいて調べ直してみた。〈目的〉に“障害者差別解消法に基づき”という文章があるが、これは何に基づいているか皆さんわかりますか。 ・最近、小学校の先生とお会いして、障害者差別解消の条例を日野市で作っていて、これができた時には小学生にも見てもらいたいと話したが、今この文章で小学生にわかるかな?と思いながらいろいろ調べている。障害者差別解消法というのは何をベースなのかというと、障害者基本法がベースになっている。今回、皆さんの机上綴じ込みファイルに障害者基本法を資料としてファイリングしていただいているので見ていただくと、〈目的〉が書いてあり、障害者差別解消法は障害者基本法にのっとって作られている。障害者の権利を守ろう、そのうえで障害者差別をなくそう、ということが障害者差別解消法で書かれていることである。ただ、“障害者差別解消法に基づいて”という一文だけではそこまで見えてこない。 ・そして「ともに生きるまち日野」が抽象的だという意見だが、確かにまちづくりだけでは少し弱い気がして、この条例を根幹の部分で本来あるべき権利を守ることによって、差別をなくすというのが必要ではないかと感じた。そのあたりも踏まえて、意見を出してほしい。 (産業経済団体委員) 「条例づくりの会」の案を見せていただいたが、どのようなメンバーがどのくらいの討議を経て作られたのか。 (関係団体委員) 3年前にこの会が設立され、たくさん会議が開かれた。メンバーは設立時4〜5人で、その時から会長は私が務めている。日野市の当事者団体の皆さん、知的障害者、精神障害者の方、市民の方にもお集まりいただいて進めてきた。この案も5次案まできている。会議を積み重ねてさらにいいものを、ということで作り続けている。こちらの案をぜひ皆さんにお示ししたいと思って持ってきた。 (産業経済団体委員) ・ありがとうございます。初めて拝見したので、個々の文言についてはよくわからないが、印象としては3年間でこれだけのものを作られたことに敬意を表したい。きちんと関係法令と基本的な考え方が示されているので、この会のこれからの進捗に際して参考になると思う。 ・今回の条例は、それぞれの条文・目的・前文について、日野市らしさ、日野市ならではなどを、様々な委員の皆さんの意見に基づいてこの策定委員会の場で作り上げていくことが大切だと思う。【たたき台】としてだけではなく、内容についてもしっかり読んだうえでそれをどういう形で条文の中に組み込んでいくかは、今回以降の会議の中で常に並行して、意見を言っていくことが必要だと感じている。これをただ参考とするのではなく、これも一つの並行した【たたき台】として見ていきながら、条例を検討していけばよいのではないか。 (委員長) ・以前も、日野市らしさをどこに表現するかという意見があったが、まだまだ平均的な文章かと思うので、そのあたりでも日野市らしさを皆さんとともに作っていきたい。 ・「条例づくりの会」の条文については、ここに参加できない市民の方もそちらで参加していただいて、ご意見をいただいた案ということで、ここにいない市民の方も含めてご意見を頂戴して日野市の条文を作っていく、という形で皆さんご理解いただいていると思う。 ・では、特に〈目的〉の文章をこの場で決めるわけではないので先に進みたいと思う。次は〈定義〉について。日野市障害者差別解消基本方針はこの委員会が立ち上がる前に作られていたものだが、これをそのまま使うのではなく、もちろんそのままでもよいが、ご意見いただいて修正をかけていきたいと思う。 (産業経済団体委員) ・少し議事が戻るが、資料2にアンケートの結果を分野ごとにまとめ、さらに最終的に“まとめ”として載っている。私は事業者なので、例えば労働分野のアンケートは2ページにわたって36項目あったが2行にまとめられており、元々のアンケートの意見がそのまま書いてあり、結果がどこから出てきたのかわからない。最終的にすべての分野の意見を5点にまとめられていることについて、どのように討議されたのか経緯がわからないとアンケートの意見がぼやけてしまうのではないか。 ・また、資料3【たたき台】の前文は“必要性も含め検討する”となっているが、前文をどうするか、委員のみなさんの意見も確認したい。事務局の考え方も教えてほしい。 ・前年度まで立川市の条例策定に関わっていたが、立川市は前文に力を入れており、前文だけで3回にわたって討議を重ねた。委員の皆さんの総意を前文に盛り込んでいきたい、という考え方を話し、くみ取ってもらえたのではないかと思っている。 (委員長) 差別解消のアンケート結果をまとめた経緯について事務局からお願いします。 (事務局) 書き方がわかりにくかったかもしれないが、資料2は、アンケートの結果をまとめたものではなく、委員の皆さんから出たご意見をまとめたもの。その意見を5つに集約したものとなっている。 (委員長) 産業経済団体委員からも意見をいただいたので、前文については少し必要性も含めて今後のスケジュールの中でも検討していこうかと考えている。そのあたりも含めてご意見をいただければと思う。 (市民委員) ・先ほどの話から、皆さん前文に力を入れていることがわかり勉強になった。私自身も前文があったほうがよいと思う。 ・「ともに生きるまち日野」が抽象的であるという意見も、最もだと思う。であれば、抽象的だが理念として大事にしたいという文言を前文にもっていって、〈目的〉に関しては、例えば「条例づくりの会」の案にあるように“障害を理由とする差別を解消するための措置を定めることを目的とする”というように、少し印象としては硬いと思うが、文言としてはわかりやすいと思う。〈目的〉の最後を理論的でわかりやすい文言に変えて、そのかわり「ともに生きるまち日野」の実現に寄与する、という理念としては豊かな表現だと思うので、前文に持ってくることを検討してはどうか。 (委員長) その他にご意見はありますか。なければ〈定義〉のほうを進めていきたいと思います。 (副委員長) (1)障害者の定義の内容は一般的に見られる文言なので特に不適切というわけではないが、立川市の話を聞かせていただき、条例を見せていただいた中で、社会の障壁が相互作用の中である、という意味合いが少し入るといいのではないか。社会からだけ一方的にということではなく本人たちもアプローチをしたが社会との関係性の中で新たな障壁を生んだり、小さくなってしまったりということもあるので、障壁のほうに入れたほうがよいのか、または障害者の定義・差別のどこかにそのニュアンスを入れると、深まるのではないかと思う。 (市民委員) 「条例づくりの会」の案には障害者の家族等についての定義あるが、これはあったほうがよいのか。 (関係団体委員) 障害者だけでなく、周りの環境、周りからの支援、家族からの支援も当然必要となってくるので、例えば、成年後見人などそれを含めて幅広く対応できるように、ということで定義の中に含めた。 (委員長) 障害者の家族の定義は、市民委員がおっしゃったように幅広く対応ができるということ、差別を受ける対象が障害者本人だけではないことが、実情面であるということ。 これまで障害を持っている方の家族が周りからどのような対応をされてきたか、どのように見られてきたか、を含めた定義だったかと思う。 (市民委員) そうであれば、ぜひ入れたほうがよいのではと思う。 (副委員長) 私も家族の定義をぜひ入れたらいかがかと思う。精神障害の方もなかなか厳しい実情があって、周りに相談できなくて家族全体も困ってしまうという話を聞く機会も多く、それが厳しい状況や地域全体の問題に発展しかねない場合もあることが事実である。事務局からいただいた資料を見ると、家族の定義をきちんと入れている自治体はそんなにないので、委員の家族会の方にも毎回参加していただいていますし、その方々のご意見も踏まえてですが、まさにそこが日野らしさというところにつながっていくと良いのではないかと思う。 (委員長) 家族の立場からいかがですか。 (市民委員) ・ありがとうございます。まさに家族会というのは、家族が苦しんでいるから自助グループで集まっている。家族に対する支援がないために、大阪府や兵庫県で事件も起こっている。おそらく家族が苦しんで、近所に迷惑をかけてはいけないという気持ちがあったのだと思う。 ・家族会に集まる人たちも、とうとうこんな家族会に入ることになってしまったと言って入る方もいる。自分の人生がみじめで仕方がない、家族会に入っても名前を出すことはやめてほしい、近くに精神障害者が住んでいると噂になるのではないか、ということを恐れている。何事もなかったように生活したい、というのが本音だと思う。 ・家族まるごとサポートすることが必要だが、なかなかできない。家族自身が病院に通っている、うつ状態だという方もたくさんいらっしゃる。家が荒れている、ゴミが散らかっているという理由で、噂になることもあり、家族は悩んでいる。悩みながら生活しているのが実情です。家族にも目を向けてほしいというご意見があったのは大変嬉しく思う。 (産業経済団体委員) ・定義の中に障害者の家族を含めるのは賛成です。 ・もう一点確認だが、合理的配慮については権利条約に基づいて定義されていて、文言自体の内容が他と違った形になっているようだが、どういう意図で権利条約に基づいて定義されたのか聞きたい。 (事務局) 合理的配慮については、日野市障害者差別解消基本方針の中ではとくに定義をしていなかった。何に基づいて定義をするかというところで、差別解消法には合理的配慮の定義は入っていないので権利条約に基づいて定義をした、ということ。今後、皆さんのご意見をいただいて内容を検討したい。 (市民委員) 日野市障害者差別解消基本方針のほうに合理的配慮の基本的な考え方という文章があるが、これはまた別の定義なのか。 (事務局) 日野市障害者差別解消基本方針では、合理的配慮の基本的な考え方として記載されているが、これは定義ではなくあくまで考え方を書いてあるものなので、このまま定義に持ってくるというのは難しい。 (市民委員) 確かにそのままでは、と思うが、ほぼ同じではないか。それであれば、日野市障害者差別解消基本方針の基本的な考え方の内容を要約するような感じで合理的配慮の文章をまとめたほうが良かったのではないか。 (交通関係事業者委員) 「条例づくりの会」の案にある定義が非常に細かくてわかりやすい。資料3にある定義の中での市の行政について、「条例づくりの会」の案では明確に表されているが、日野市の条例にも入れ込んだほうがよいのではないか。見比べてみて、それぞれ必要なものは入れていったほうがよいのではないかと思う。 (関係団体委員) 合理的配慮について簡単に終わりすぎているので、日野市障害者差別解消基本方針7ページの考え方のほうがわかりやすい。文章が長いと思うが、そちらのほうがわかりやすい。合理的配慮とは何かということと、その合理的配慮について過重な負担がないようにという文章があるが、その過重な負担についても定義に入れたほうがよいと思う。 (委員長) 定義の中で、副委員長から出していただいた相互作用を入れたらどうかということ、障害者の家族の定義、市の定義、過重な負担の定義、合理的配慮の表現のしかたをもう少し基本方針にならってわかりやすくしたらどうか、というご意見が出ています。 (産業経済団体委員) 立川市の策定委員会でも合理的配慮については多くの議論があったが、その中で権利条約以外のところで、社会的障壁を取り除くためにその性別・年齢・障害の状態に応じて配慮を行うこと、という文言を加えた。合理的配慮を行うにあたって、事業者と障害当事者との相互理解を通じて配慮を行うこと、ということを提案したが立川市では盛り込まれなかった。そのようなことも入れることを提案したい。 (委員長) では、定義については進めていく中で必要なものが出てきたらご意見をいただきたい。 次の〈基本理念〉については、条例全体の考え方、視点を定めるということ。障害者保健福祉ひの6か年プランの基本理念も参考に出ているが、これに合わせるわけではなく、そもそも日野市のまちづくりをしていくなかでその根幹をこの条例で定めていくので、最終的には整合性はとれていくはず。そのうえで、今回お示しいただいた【たたき台】基本理念について皆さんからご意見をいただきたい。 (市民委員) 基本理念の中の、“社会全体の問題として認識され、理解が深められる”という文章の意味がわからないので教えてほしい。 (事務局) 確かに接続詞がわかりにくくなっている。内容としては、障害というのが本人の体の機能の問題からだけで生じるのではなく、社会的障壁と相対することによって生じるものだという社会モデルの考え方を入れたいと思った。さらにその考え方が障害の有無にかかわらず、すべての市民の方の問題だと認識されて障害に対する理解が深められること、というような意味で書いたつもりだったが、わかりにくかった。申し訳ありません。 (市民委員) 市民及び社会全体が理解を深めること、というのは〈目的〉ではなく〈基本理念〉なのか、よくわからない。 (関係団体委員) 資料3の4ページに参考で載っている立川市の第3条3の文章がとても良いと思う。社会的障壁や合理的配慮が障害を持っている方のためだけでなく、すべての市民にとって暮らしやすいまちを作ることにつながっていくということを、広く皆さんに知ってもらいたいと思っていた。この文章が基本理念に必要なのか、定義のほうで合理的配慮の中に入れてもよいのか、いろいろあると思うが、日野でも取り入れたらよいのではないかと思った。 (委員長) 確かにこの【たたき台】の中で、これで十分か、足りないのか、比較が難しいと思う。 障害者基本法の基本理念はどうなっているのか、そのあたりも参考に見てもらいたい。 (関係団体委員) 市で作ったものが、誰でも、皆さんがこれを読んで理解できるのか心配です。誰でも読んで理解できることが大切だと思う。 (委員長) このあたりは、この条例の中心となってくる大事な考え方なので急いで決めなくてよいが、そろそろ予定時間になるので、最後に発言いただかなかった委員の方、いかがですか。 (教育関係委員) 様々な部分で考えていかなければならないことが浮き彫りになっていると思う。特に、基本的な考え方の対象がどうなっているのか、範囲がどうなっているのか、が今日の議論の中でかなり意見交換がされていたと思う。形になるうえで、意見交換が必要なことと何を対象にどう進めていくのかが必要だと感じた。 (市職員委員) 障害福祉課の代表で出ているので、【たたき台】も含めて少しは考えてきたつもりだが、委員の方から色々なご意見をいただき、次回の【たたき台】に向けてできるだけ多くの意見を反映していきながら、皆さんとの合意形成がはかれるような形で進めていきたい。また次回、様々なご意見、法律を見ながら考えていきたいと改めて思っている。 (市職員委員) ・今日の議論の中で“障害者の家族”という定義がないのは今後、条文の中に“家族”という文言出てくるか出てこないかによって、定義に書くか書かないかというところになってくる。定義に“家族”があったほうがよいというご意見は、その後の条文の中でも“家族”に関して触れたほうがよいというご意見だと思う。 ・これまでも他の条例づくりに携わってきたが、我々行政側からいうと当たり前のことで、“市”という定義が条例の中に入ってこないのだが、確かに市民の方にわかりやすくするためには、“市”というのはどこまでなのかがあったほうがよいと改めて思った。とてもいい議論だった。事務局は、出たご意見を参考にして今後の条文づくりに役立てていただければと思う。 (委員長) 今回予定していた内容がすべて終わったわけではありません。次回も引き続きこの検討を進めていきたいと思う。 〇その他 (事務局) 次回の委員会日程について事務局から説明。