第２回日野市障害者差別解消検討委員会議事録（要点録）


開催日時	平成２８年１０月４日(火)　午後６時～午後８時２０分
開催場所	市役所本庁舎　６階　全員協議会室
次第	開　会
議　題
1.	基本方針(案)に盛り込む内容の検討①
　　　　定義、基本理念、市の役割、不当な差別的取扱い　ほか
2.	その他
出席者
(敬称略)	［委　員］ 藤田博文(委員長)、吉川かおり(副委員長)、津島恭子、
川原井信吾、結一純、有山一博、熊澤地域協働課長、
金子財産管理課長、仲田市民窓口課長、平緑と清流課長、
岡田都市計画課長、秦文化スポーツ課長、中田子育て課長、
兼子庶務課長、飯倉図書館長、根津障害福祉課長
［事務局］髙橋福祉係長、東援護係長、横山主事

［開　会］
・出欠確認（委員過半数以上の出席があり、設置要綱第６条第３項の規定により成立）
・コンサルタント紹介
・検討委員会のルール確認
・前回議事録の確認・修正

［議　題］
１．基本方針(案)に盛り込む内容の検討①
・基本方針策定の目的、基本理念について説明
〇　「ひの６か年プラン」の基本理念「ともに生きるまち日野」をこの会場の方がきちんと理解していないと理念がぶれてしまうと思うので、この場での共通認識にしておきたい。
事務局　「障害者保健福祉ひの６か年プラン」は平成17年から継続して策定しているもので、当初から「支援と協働を軸にした、ともに生きるまち日野」を基本理念としてきた。障害者差別解消法などに入っている「共生社会」という表現にも通じるので、過去の経緯もふまえてこのように提案したところである。
〇　共生社会の実現を目指すには大学等の教育機関も重要だが、「事業者等」の｢等｣の中に教育機関は含まれているのか。
事 務 局　国の基本方針では、事業者は「商業その他の事業を行う者。目的の営利・非営利、個人・法人の別を問わず、同種の行為を反復継続する意思をもって行う者」とされているので、学校等も含まれると考えられる。ただ、地方公共団体が設置している学校等については、地方公共団体の関係機関として、行政機関に位置づけられると思われる。
〇　「事業者」という言葉には教育機関は入っていないが、文章の主語である｢市｣、または｢事業者等｣の｢等｣には入っているということか。障害で通学継続が困難になるなど困っている子どももいると思うので、｢等｣の中に教育機関も入っていることをきちんと示したほうが良いのではないか。
事 務 局　ここでは「市民」「事業者等」という概念を広く捉えており、様々な主体が入ってくることを想定している。「等」という言葉に何が入るのかについては、今後説明の中に明記していきたい。
〇　「『ともに生きるまち日野』の実現に向け｣｢共生社会の実現を目指す｣という二つの表現が別な意味なのであれば言い回しを考えていただきたい。同じ意味なのであれば、もう少し表現を考えた方が良いのではないか。
事 務 局　持ち帰って修正し、次回以降に結果をお示ししたい。

・「障害者」「障害を理由とする差別」「社会的障壁」の定義について説明
事 務 局　「社会的障壁」の定義の中にさらに「障壁」という言葉を使用するとわかりにくいので、「妨げ」に変えたいと考えている。ご意見を伺いたい。
〇　障害の定義に「（高次脳機能障害や難病も含まれる）。」と付け足した意味をお聞きしたい。
事 務 局　障害者手帳のある障害に加え、高次脳機能障害や難病が新たに障害の定義に加わってきたため、カッコ書きで説明を入れた。正式な形になるときには、カッコ書きではなく、本文の中に落とし込む形にしていきたいと考えている。
〇　障害者の定義にあまり「～を含む」と入れてしまうと、漏れているものがあるのではないかと考えてしまうのではないか。あまり列記しない方が範囲が狭まらなくて良いのではないか。
◎　挙げればきりがないので、私の障害は含まれないということになると新たな差別につながる恐れがある。「その他の障害」とすることで、全ての障害者が網羅されるようにした方が良いのではないか。
〇　国の基本方針の「障害者基本法における『障害者』の定義と同じ。」という記載が全てを網羅しているのではないかと思うので、そのような記載も入れておいた方が良いのではないか。
〇　国の基本方針には「なお、高次脳機能障害は精神障害に含まれる。」と書いてある。高次脳機能障害が当然に障害に含まれているのであれば今の議論で良いと思うが、国が敢えてここで付け加えているということは、高次脳機能障害は精神障害であると見なして良いということなのか。そうでなければ、事務局のカッコ書きにも意味があるのではないか。
事 務 局　発達障害も精神障害に含まれると書かれており、｢その他｣には全て含まれることになる。障害者総合支援法でも同様である。それらを加味しながら、全ての障害のある方を網羅できるような形で記載していきたい。
〇　障害者手帳を取れなかった障害を障害の範囲に入れて福祉サービスの対象にしていこうという方向で国は動いてきている。発達障害で精神障害者保健福祉手帳を取得している方もいるが、発達障害は精神疾患ではない。認知症や知的障害なども医学上は広範囲の精神障害に含まれるが、既に福祉法に存在しているものは除くということで定義しているので、高次脳機能障害はどうなのかといった問題が生じてくる。手帳の発想からは離れて、シンプルに「心身機能の障害」と｢難病｣だけで良いのではないか。
〇　障害者の定義の中で、「相当な制限を受ける状態にある者」とあるのはどのようなことか。軽微な制限の場合は対象ではないということか。
事 務 局　「相当な制限」という表現は障害者基本法と障害者差別解消法に書かれているために加えたものである。障害者手帳を取得するような場合などを想定しているのではないか。
〇　難病なども含めるのであれば、「相当な」という言葉を除いて、障害者手帳の有無の関わらず「制限を受ける状態にある者」とすれば、列挙しなくても良いし、軽い、重いも関係なくなるのではないか。
◎　定義の二段目は一段目を受けたものなので、障害者基本法のように一文にしても良いのではないか。
〇　障害を理由とする差別の定義は、読んでも内容がわかりにくい。障害者権利条約の文章のような内容の方がわかりやすいのではないか。
◎　市の提案は障害者基本法の第４条に基づいていると思うが、第４条は定義ではないので、定義として書くのであれば、ご意見にあったように障害者権利条約の定義を使う方がすっきりするのではないか。
〇　「正当な理由なく｣という但し書きはあるが、｢異なる取り扱いをすること」を差別とすると、合理的配慮では「異なる取り扱い」が生じるので、合理的配慮にふみきりにくくなるのではないか。
◎　差別の定義は今後全ての基になる大事な定義だと思う。先ほどの障害者権利条約の定義を使うという意見についてはいかがか。
〇　障害のある子どもも対象に含まれるのであれば、障害に基づくあらゆる区別がいけないというのが障害者権利条約なので、特別支援学校も差別にあたる可能性がある。私は障害者権利条約の定義で良いと思うが、「あらゆる差別」ということについてはしっかり考えておいた方が良い。
〇　障害者権利条約の定義には「（合理的配慮の否定も含む。）」という文言があるので、条約の定義をそのまま使うのであれば、市の基本方針の中で合理的配慮についての説明が必要ではないか。
事 務 局　合理的配慮については次回の検討項目になっているので、その中で市の基本方針にどこまで盛り込むのかについても検討していただきたいと考えている。
◎　説明中の「障壁」を「妨げ」に変更するという事務局の提案については、それでよろしいか。

・市の役割（責務）について説明
〇　説明に少し物足りないところがある。市は職員に対して、施策推進と差別禁止の啓発の二本立てでやっていくとしている。市の組織・機関が障害者差別をなくしていくということを追加して記載すべきではないか。
〇　今の案は法律の条文の横引きだが、市が基本方針を定めるのであれば、何か特徴的なことや市の決意のようなものがあった方が良いのではないか。
〇　障害者差別解消法は、差別を禁止するだけではなく、解消することが特徴であり、解消を妨げている諸要因の解消まで啓発活動の目的に含まれている。案の文章はあっさりし過ぎているので、市の姿勢がもう一歩現れても良いのではないか。
〇　市としての決意を表すためには、市民や民間企業にも啓発していくことがわかるようにすることに意味があるのではないか。

・市民の役割について説明
事 務 局　｢市民の役割｣としているが、｢市民の責務｣に変えた方が良いのではないかと考えている。
◎　日野市に住所のある方だけでなく、市内に通勤・通学している方や買い物に来る方なども含まれるので、「等」を追加して「市民等の責務」としてはどうか。
〇　「責務」だと「～しなければならない」という表現になるのではないかと思うが、ここでは「～努めなければならない」と努力義務の表現になっている。この表現であれば「役割」くらいで良いのではないか。

・事業者の役割について説明
◎　全ての方が対象なのであれば、ここでも「事業者等」とした方が良い。
〇　障害を理由とする差別の禁止と社会的障壁の除去がキーワードになるが、案では差別の解消の話しか出てこないので、社会的障壁の除去についても役割や責務の中に入れておいた方が良いのではないか。障害者権利条約の障害を理由とする差別の定義には、社会的障壁の除去のことは出てこない。
〇　定義の変更で社会的障壁の除去についての記載がなくなるので、事業者等の責務の中に付け加えた方が良いのではないかというご意見だと思う。
〇　事業者等の責務の中に市が実施する施策への協力を入れるのであれば、市民の責務にも同様の文言を入れた方が良いのではないか。

・基本方針に係る対象分野について説明
事 務 局　前回の資料では「（雇用分野を除く）」としていたが、雇用分野についても入れてほしいというご意見をいただいたので、規定する法律は違うが、雇用分野についても追加したいと思う。
◎　関連する法律は異なるが、日野市の姿勢としては、雇用を分けないで考えるということだと思う。「（雇用分野を除く）」という表記がなくなるのであれば、説明二段目の「雇用分野における～」という文章はなくても良いのではないか。一段目には「～分野を広く対象とする」とあるが、「広く」という言葉はない方がすっきりしてわかりやすいのではないか。
〇　具体的な分野の例として、「医療保健」や「福祉」などが列記してあるが、ここにも「雇用」を入れた方が良いのではないか。
◎　確かに｢雇用｣も入れた方が良いと思う。一つ気をつけていただきたいのは、何の分野を入れるか、入れないかという問題ではないということである。全ての分野が対象なので、例はあくまでも考えやすいように書いてあるだけであり、当然ここに書いていない分野もある。基本方針として出すときに、具体的な分野を載せるかどうかということはあるが、障害者の日常生活や社会生活に関わらない分野はないはずである。挙げきれないので「その他」という表記は当然必要だが、付け加えるのであれば「公民権」なども検討していただきたい。

・不当な差別的取扱いについて説明
〇　説明中に「障害者でない方と不当な差別的取扱いをすることにより、」という表現があるが、誤りではないか。
〇　障害のない人に認めたことを、障害を理由として障害のある人に認めないのはいけないというのが元の趣旨である。「障害のない人と比べて」といった意味だが、この表現が良いとは思わないので検討していただきたい。
〇　「市及び事業者等」は禁止というのは、法律でも｢等｣が入っているのか。ここで「等」は必要なのか。「何人も」ということであれば、市民も含めて全て挙げても良いのではないか。
事 務 局　障害者差別解消法では、不当な差別的取扱いは国や行政、事業者については禁止とされている。市民については禁止とまでは謳われていない。
〇　そうであれば、「事業者等」の「等」にどこまでが含まれるのかをはっきりさせておかなければならないのではないか。
◎　「事業者等」の定義にどの範囲が含まれるかということだと思う。｢事業者｣の定義が定められていないと対象範囲がわからないことになるので、今後のスケジュールの中で検討していきたいと思うがそれでよろしいか。
事 務 局　今後事務局でも検討したい。　
◎　差別の類型に挙げられている事例は障害者政策委員会等のものだが、今後日野市の事例も挙がってくるので、今後それをなくしていくための検討ができればと思う。

・不当な差別とならない正当な理由の判断について説明
◎　説明一段目の「具体的場合」は「具体的場面」、二段目の「個別の事業」は「個別の事案」が正しい。
〇　前段で「市」「事業者等」だったものが、ここでは「行政機関」「事業者」になっている。基本方針に載せるのであれば、文言は合わせた方が良い。
◎　説明一段目で「客観的に判断することが必要である」とあるが、誰の視点で客観的な判断をするのかがわかりにくいので、補足説明を追記した方が良い。各省庁の対応指針には補足があるので、そうしたものを参考にしていただきたい。
〇　説明二段目の「理解を得るよう努めることが望ましい」という表現には違和感がある。
◎　今日検討した内容をふまえて、事務局に新たな提案をしていただいて、それを皆さんにご覧いただければと思う。本日決定という訳ではないので、また戻って検討して、さらに良いものができればと思う。今、日野市内で起きている差別をなくすためにこの委員会が立ち上がっているので、その事例が集まってはじめて日野市がどのような状況にあるのかがわかると思う。次回以降しっかり検討できればと思う。
事 務 局　いただいたご意見については、事務局で十分検討した上で次回以降お示しするので、また皆様にご議論いただきながら、より良いものをつくっていきたい。引き続きご協力をお願いしたい。

２．その他
・次回の日程について説明

【終了】