■市民行動計画「7つのプロジェクト」の活動報告  市では第4次基本構想・基本計画「日野いいプラン2010」に基づき、市民と行政との協働のもとで着実なまちづくりを進めています。ここで紹介する7つの「市民行動計画プロジェクト」は、日野いいプラン2010が策定された平成13年に発足して以来、これまでに市民の自主と協働に基づく様々な活動を展開してきました。今後も市民と行政との協働の経験を積み重ね、それぞれが主体的に活動できる環境づくりを一層進めていきます。「住みいい・ここちいい・いきいきのまち 日野」をともに創りあげましょう!(企画調整課) ★健全財政を考える会(事務局・財政課) ◎「健全財政を考える会」とは?  長引く不況の中で深刻化している日野市の財政の状況や在り方について市民が自発的に分析・検討し、多くの市民への説明を通じて、私たちの将来や子孫の未来のため、極力、負の遺産(借金)を残さないように、市民と行政とが協働して行財政改革を推進していくことを目的としています。 ◎これまでの活動は?  平成13年9月に発足し、翌年5月には市広報に「市民が作った財政レポート」を掲載しました。その後も、平成15年に市民説明会を開催し、平成16年には市役所の部課長を対象にした市民研究発表会を開催しました。 ◎ところで日野市の財政状況はそんなに悪いの?  日野市の借金は平成15年度末で約984億円(市民1人当たり58万円)で、これ以上借金が増えるとその返済で十分な市民サービスができなくなってしまいます。この借金の多くは私たちが豊かで安全な生活を送るため、病院の建設や下水道の整備を積極的に推進したためのものです。しかし今後は高齢化社会の到来により、多額の医療・福祉のための財政支出がますます増える一方、現役世代の減少や地価の下落により、税収の大幅な伸びは期待できない状況にあります。 ◎それでは私たち市民は何を協力したらよいのか?  財政を健全化するには、「収入を増やし支出の無駄をなくすこと」が必要です。まず私たちは自分が納めた税金が適切に使われているかを、「自分の家計と同じくらいの関心を持って調べること」が必要です。また行政からのサービスは私たちの税金で支えられていることを再認識し、行政サービスの抜本的見直しを進めたり、ごみの減量化に協力するなど「自分ができることは自分でやる」という意識を持つことが大切です。さらに、税収増加のため、税金をきちんと納めることはもとより、「なるべく市内で買い物をする」等を心がけ、市民一人ひとりが日野市というチームのメンバーとして活動することが重要です。 ◎これからの「健全財政を考える会」の活動は?  今後私たちは、「日野市財政白書」の発行や市民説明会等を通じて、市民と行政とが協働で「市税収入確保に向けたまちの活性化」、「公共事業の在り方」、「コスト負担を意識した市民サービスの在り方」等について検討していきます。 ★防災まちづくりを考える会(事務局・防災課) 私たちは、平成13年9月の発足以来、市民の防災意識を高める観点から、(1)防災マップの作成(2)防災学習(3)防災ボランティア研究の3つの視点から意見交換を続け、「高めよう防災行動力・守ろうわがまち」をスローガンに掲げて活動を展開してきました。 ◎今までの主な活動 (1)防災に関する講演会の開催(2)日野市総合防災訓練への参画(3)各種防災講習会への参加(4)防災マップ作成に向けた市内モデル地区の実地調査(5)平成14年度中間報告書の作成及び配布 ◎今後の活動  大規模災害から私たちのいのち、くらし、まちを守るためには、「災害に強いまちづくり」の実現が必要です。そのためには、市民、事業者及び行政の3者がそれぞれの役割を理解し、相互に協力・補完することが大切です。また、災害に対しては、「予防対策」から「応急対策」及び「復興対策」に至るまでを総合的な防災対策としてとらえ、各対策において市民、事業者及び行政の3者が役割を理解し、相互に協力、補完することが必要です。現在、私たちは最終報告書の作成に向けて意見交換を行い、「自助・共助・公助」を行動規範とした「災害に強いまちづくり」の実現を目指し、その根幹となる「日野市防災基本条例」の制定に向けて検討を進めています。 ★交流センターの市民運営を考える会(事務局・地域協働課) この会は、日野いいプラン2010「地域の自主運営を前提としたふれあいの場づくりをみんなで進めていこう」に基づき、地域コミュニティの核となる交流センターの運営を、市民による運営委員会方式で実施することについて検討してきました。交流センターは、日野市における新しいタイプのコミュニティ施設で、既に自治会や地域の皆さんの活動で利用されているところですが、この会では、もう一歩踏み込んで「もっと気軽に立ち寄って、市民同士のふれあいをもてる場所」にしたいと考えています。 ◎3つのキーワード  交流センターの在り方について検討するなかで、3つのキーワードを設定しました。私たちは、この3つのキーワードを地域の方と交流センターの利用者に伝えるために活動してきました。 ◎南平駅西交流センターでの取り組み  平成15年5月に開設した南平駅西交流センターでは、自主運営委員会の立ち上げを手伝い、「気軽に立ち寄れるたまり場」としてのルールづくりを一緒にしてきました。また、実際に自主運営委員会の役員に参加し、「ふれあいの場」として交流センターを使った事業の企画に関わりました。今後は、「なかまづくりの場」としていくために、メンバーが個々の特技や経験を生かした自主事業の企画・運営を考えています。 ◎今後について  会では、私たちが思い描いていることを少しでも伝えることができるように、これまでの活動と交流センターの市民運営の在り方について、報告書・提言書の形でまとめ、市民の皆さんにお知らせしたいと考えています。 ★高齢者の健康づくりを考える会(事務局・健康課)  この会では、「高齢者がいつまでも健やかでいられるまち」を目指して活動しています。目的達成のひとつの方法として、まず自分の健康状態を把握するきっかけとなる「高齢者誕生月健康診査」の受診率の向上を目指すことを考え、次のような活動をしてきました。(1)日野市老人クラブ連合会の協力により、老人クラブ会員約3千人を対象にアンケート調査を実施し、高齢者の生活の様子や健診受診状況の把握、健診に対する要望等を集計し、報告書を作成しました。(2)老人クラブ連合会の保健委員や2つの老人クラブとの懇談会を実施し、健康づくりのための取り組みや現状での課題、今後の計画等について意見交換を行いました。(3)「自分の健康は自分で守る」ために、講師を招いて「健康づくりふれあい講演会」を開催しました。 現在、私たちは、ご協力いただいた皆さんからの貴重な意見等を参考にして、平成17年3月をめどに、高齢者の健康づくりを考える「市民行動計画書」の作成に向けて取り組んでいるところです。 ★公園探検隊(事務局・緑と清流課)  公園探検隊は、日野いいプラン2010「特徴のある公園づくりを進めよう」に位置づけられた市民行動計画として、平成13年8月に発足しました。この会の目的は、地域の特性を生かした市民が利用しやすい「特徴ある公園づくり」を市民参画で推進することにあります。昭和40年ころからの宅地化に伴い整備された公園の多くは、画一的なあまり特徴のないつくりのものが多く、バリアフリーの面からも車いすで入れない等の問題があります。これらの現状を見直していくために、平成13年度から、市内に約200カ所あるすべての公園を市民と市職員がともに見て回り「公園探検シート」に記録していきました。その後、各公園の現状やリニューアルの際の目標等を記入した「公園カルテ」の作成に取り組み、現在はその最終チェック段階に入っています。また、この作業と並行して、平成16年4月には、公園カルテをもとに、子どものためのおすすめ公園の選定作業を行い、「こどもと楽しむ公園マップ」を発行しました。このマップの作成にあたっては、多摩美術大学の学生さんの協力により、たくさんのイラストで仕上げることができ、すでに3千部が配布されています。今後は、市民の目で見た「公園カルテ」を完成させ、公園のリニューアルに伴う提言や市民がより公園を快適に活用できる仕組みづくりを行う予定です。以下に、これまでのその他の活動について報告します。○多摩平第一公園バリアフリー化工事に参画○公園管理について他市を視察○講演会「市民の手づくり公園」を開催○「公園探検隊」活動発表会の開催 ★ごみゼロ推進プロジェクト(事務局・ごみゼロ推進課) このプロジェクトの目的は、日野いいプラン2010「ごみゼロ社会をつくろう」のなかで位置づけられた「ごみ処理基本計画」を市民・企業・行政の協働により策定し、実践することにあります。「日野市ごみ減量推進市民会議」では、ごみ情報誌「エコー」と「ごみ・資源分別カレンダー」の編集を通して、ごみ減量の最重要課題である「Refuse」(家の中へごみを取り込まない発生回避)の啓発に取り組んでいます。また昨年、分別の精度を高めるために「分別だめリスト」を作成し、これまでに1万部以上が市民に配布されました。 レジ袋を削減するために、平成15年から市民・事業者・行政が協働でマイバッグ運動に取り組んでいます。レジ袋は使い捨てのシンボル的な存在で、その削減には、ごみになるものを家庭に持ち込まないライフスタイルが求められます。また、ごみになるものを消費者に渡さない生産・流通システムの転換のきっかけをつくるという意味が「マイバッグ運動」に込められています。マイバッグ持参率の伸びは緩やかですが、意識が飛躍的に向上しています。この高い意識を行動に結びつけるため、今後の展開を検討しています。 プロジェクト年表 平成13年6月「日野市ごみ市民会議」発足 平成14年3月「日野市ごみゼロプラン」策定 平成14年8月「日野市ごみゼロプラン」の推進母体として「日野市ごみ減量推進市民会議」が発足 平成15年7月〜17年6月(予定)市内13スーパーの店頭で毎月1回マイバッグ運動の呼びかけを実施 ごみ減量の「4R」優先順位 優先順位(1)Refuse(発生回避)ごみになるものを持ち込まない 優先順位(2)Reduce(発生抑制)家庭内で出るごみを減らす 優先順位(3)Reuse(再使用)使えるものは何度も使う 優先順位(4)Recycle(再生利用)いったん素材に戻して資源として使う ★DV(ドメスティック・バイオレンス)をなくそう会(事務局・男女平等課)  この会は、男女平等社会を実現するために、女性に対する暴力の根絶を図り、すべての女性が自分らしく生きることができる社会を目指して、平成13年11月に発足しました。折りしも、同年10月13日の「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律」施行直後となり、タイミングの良い発足となりました。DVとは親密な関係にある男性から女性への「暴力」をいいます。殴る、蹴るの身体的暴力はもちろんのこと、「誰のおかげで食べられるんだ!」等の精神的暴力、望まない性行為を強要する等の性的暴力、これらすべてがDVなのです。会の行動目標は、「日野市におけるDVをなくすための担い手」となり、「DV相談窓口を立ち上げる」ことにあります。私たちは、DVを受けていつもビクビクしている女性に向けて、「悩んでいないで、はじめの一歩を踏み出しましょう!」という呼びかけのパンフレットを平成14年から15年にかけて2種類作成し、公共施設等に配布しました。また、平成15年にはDVに関する連続講座を開催し、平成16年にはDV学習会を実施、会のメンバー自らがDV相談員としての基礎知識を学習しました。