●日野の歴史と民俗(83)新選組を語る(16)  土方歳三が行商していたことで、大河ドラマでも有名になった石田散薬は、歳三の生家土方家に伝わる家伝薬である。江戸時代の文人・狂歌師大田南畝(なんぽ)(蜀山人(しょくさんじん))も、幕府の役人として多摩川巡検をしたときの日記に「石田村の農夫隼太(はやた)(土方氏)がもとにて昼の餉(げ)をくう、あるじは医をよくして、骨接(ほねつぎ)の薬をひさぐ」(『調布日記』文化6年(1809)2月22日)と記している。土方歳三と石田散薬については「新選組を語る」(6)(平成16年3月1日号広報)で故谷春雄氏が解説しておられるが、その後明らかになったことをいくつか紹介しておきたい。 ▼石田散薬の薬効  東京都薬剤師会北多摩支部と東京薬科大学では、平成15年から石田散薬プロジェクトを結成し、石田散薬の復元と成分分析を行い、その薬効の検証を試みている。昨年は日野市でも、同大学の山田健二先生とプロジェクトチームの薬剤師さんのご協力を得て、石田散薬を作ってみる体験学習会が行われた。この時次のようなご教示を受けた。  これまで、石田散薬は昭和23年(1948)、旧薬事法が改正されたおり、さしたる薬効がないということで、薬としての認可を却下され、それを機に製造が中止されたと伝えられてきたが、それは少し違うというのである。  黒焼きの薬の成分を抽出するためには、高度な性能を持つ分析器が必要で、昭和23年ころには、まだそのようなものはなかったそうである。当時の薬事行政の一環として、家伝薬として細々と家内生産されてきた黒焼きの薬全般を、薬としての認可を取り消そうという方針が立てられたというのが真相。昭和24年6月21日付『薬事日報』には、「黒焼は医薬品でない」という見出しで、「厚生省としては一般に黒焼は医学薬学上その効能効果があると考えられないので医薬品として認めない方針であり一般商品として取り扱うものである」と記されている。石田散薬に薬効がないことが、科学的に実証されたわけではなく、黒焼きの薬だからという理由で薬としての認可を得られなかったことが判明した。黒焼きの薬の薬効成分を抽出することは現在でも難しいそうである(注)。土方家に残る昭和初期の効能書きによると「新選組の常備薬」として、日清・日露戦争の兵士の携帯薬として常備されたとあり、1日分1包が20銭である。当時のたばこ1箱が7銭であることを考えると、何の効果もないものを、このような価格で買い求めたということは考えにくく、何らかの薬効はあったのではと思われる。では、石田散薬はどれくらいの範囲で販売されていたのであろうか。 ▼『村順帳』から分かること  土方家に伝わる明治16年(1883)の『村順帳』は、石田散薬の販売先が記されている資料である。当時の多くの薬がそうであったように、石田散薬も村の雑貨屋などに委託して販売されており、同書にはその委託先が426件記されている。その範囲は、多摩地域にとどまらず、都内は豊島・世田谷あたりまで、神奈川県は川崎・横浜、山梨県は大月・上野原、埼玉県は所沢などかなり広範囲にわたっている。明治期の資料であるが、江戸時代の販路もそう大きく変わるものではなかったと推察される。土方はどのあたりまで行商して歩いていたのか、興味が湧いてくる。  ここに記されている委託先を訪ねてみたら、石田散薬に関する新たな資料を見つけることが出来るかもしれないし、実際に効能があったのかどうか、服用していた人の話を聞けるかもしれない。まだまだ、研究の余地が尽きない石田散薬である。 (日野市ふるさと博物館嘱託・北村澄江) (注)(社)東京都薬剤師会北多摩支部のホームページを参照。ミゾソバの葉には、鎮痛効果があり、リュウマチの薬に用いる ●会員募集  先着順で掲載します。2度目以降の掲載は前回掲載日の3カ月後から受け付けます。 ※広報2月1日号10面に一部印刷の汚れがあり、ご迷惑をおかけしました。なお、広報今号で印刷の不鮮明な個所に掲載されていた記事を再掲載します ★英会話「ブルースカイ」 毎週木曜日午後6時45分〜8時15分/生活・保健センター/ネイティブ・スピーカーの講師あり/英検3級程度から対象/1万5千円程度(10回)/前谷(電話:583−1903) ★女声合唱団「コーロ・フィオレッティ」 毎週火曜日午前9時30分〜正午/勤労・青年会館など/月4千500円※見学歓迎/増田(電話:584−0564) ★ダンスサークル「リバティー」 毎週木曜日午後7時10分〜9時10分/湯沢福祉センターなど/スポーツダンス/中級程度対象※プロの指導あり/入会金2千円、月3千円/阪田(電話:583−9988) ★バドミントンクラブ「フェニックス」 毎週木曜日午前9時〜正午、土曜日午後1時〜5時/南平体育館など/月2千円/緒方(電話:586−2885) ★日野マジッククラブ 毎月第3水曜日午後2時30分〜4時30分/新町交流センターなど/入会金1千円、月1千500円※初心者歓迎。指導あり/小倉(電話:586−0367) ★朗読の会「たんぽぽ」 毎月第2・第4木曜日午前11時〜正午/福祉支援センターなど/発声・童話・詩など/入会金1千円、月3千円※指導あり/若杉(電話:583−1243) ★手編みサークル 毎週木曜日午後1時〜4時/新町交流センターなど/初心者歓迎/1回1千円/鈴木(電話:584−9133) ★囲碁クラブ「井目(せいもく)会」 毎週水曜日午後1時〜5時/中央公民館など/月1千500円※女性・初心者歓迎。指導あり/村上(電話:586−0863) ★テラコッタの会 毎月第1〜第3火曜日午前10時〜正午/中央公民館など/入会金2千円、月4千円※初心者歓迎。指導あり/成島(電話:583−5293) ★ジャズ・ポピュラーピアノを弾く会「アド・リブ」 毎月第4土曜日午後1時〜5時、6時〜9時30分/五小、南平小など/月1千500円/内田(電話:592−7152) ★幼児クラブ「コッコ」「ピヨピヨ」 週1〜2回/生活・保健センターなど/1〜2歳児は親子で遊ぶ、2歳6カ月〜4歳児は子どものみ※有資格者が指導/入会金3千円ほか実費/広瀬(電話:585−5626午後5時以降) ★多摩舞踏研究会(社交ダンス) (1)入門コース…毎週日曜日午後1時15分から(2)初級コース…毎週日曜日午後2時10分から/湯沢福祉センターなど/月(1)2千円(2)3千円※指導あり/松田(電話:593−2182) ★アメリカ人の先生と英語で遊ぶ会「ピーカブー」 4月からの金曜日午前10時〜10時45分(2〜3歳児)、11時〜11時45分(1〜2歳児)/四ツ谷地区センターなど/英語の歌でリトミック、工作ほか/費用等、詳細は問い合わせを/保谷(電話:・FAX:587−7981) ★囲碁と俳句のサークル 南平駅西交流センターなど/詳細は問い合わせを/森(電話:592−0059) ★幼児サークル「ひよこの会」 毎週木曜日/東部会館など/リズム遊び(1〜3歳児)、子どものみのクラス(3〜4歳児)/月3千円/塚本(電話:586−3780) ★いにしえ体操会 毎週水曜日午前9時〜10時45分/ひの社会教育センター/中高年女性向けストレッチ体操とフォークダンス/年6千円(保険料など)/葛野(くずの)(電話:581−4047) ★社交ダンス「ひまわり」 4月からの毎週金曜日午後1時〜3時/湯沢会館など/新設のため初心者対象/入会金1千円、月3千円※プロの指導あり/横野(電話:080−1171−1239) ★自彊(じきょう)術 毎週水曜日午前9時30分〜11時/平山地区センターなど/呼吸法と関節を動かす健康体操/月2千500円/衛藤(電話:591−7280) ★バドミントンクラブ「ルディ」 毎週月曜日午前9時〜正午、毎月第1木曜日・第2〜第4火曜日午後1時〜5時/南平体育館など/入会金2千円、月2千円※指導あり/小暮(電話:592−6346) ●スマトラ島沖地震災害救援街頭募金ご協力ありがとうございます  市では、1月26日から2月11日まで日野駅、豊田駅、高幡不動駅及び百草園で募金活動を行いました。救援金は108万7千197円になり、この救援金は日本赤十字社に送金しました。皆さんのご支援・ご協力ありがとうございました。  日野市と日野市国際交流協会では災害復興のための救援金を募っています。市役所1階市民相談窓口・4階総務課、七生支所、豊田駅連絡所、日野市国際交流協会(生活・保健センター内)に3月31日(木)まで救援金の受付窓口を設置しています。  なお、直接送金される場合は、振替用紙の通信欄にスマトラ島沖地震と記入し、郵便振替で「口座番号・00110−2−5606、口座名義・日本赤十字社」へお振り込みください。 [問合せ先]総務課 ●一小で新潟県中越地震復興義援金活動  去る1月29日に一小で、昨年10月23日に発生した新潟県中越地震被災地支援のための復興義援金活動が行われました。当日は400人を超える方の参加があり、軽食販売の売上金やフリーマーケットの寄付金等が被災地へ届けられました。一日も早い復興をお祈りします。