●市長コラム  私は毎年目標を決めて1年をスタートする習いです。今年は「初心忘るべからず」。  昨年の暮れに還暦を迎えました。新たな気持ちで二周り目に入りたい。市長として8年が経過し、原点を思い返したい。さらに三位一体改革により、いよいよ地方分権が進みます。この際、若いころ学んだ自治の基本を捉(とら)え直したいとも思うのです。  ある教育関係者から、この言葉は能楽を完成させた世阿弥が最初に書いている、と教えられました。調べてみたら彼の著書「花鏡」の中にありました。「花鏡」は、世阿弥の中年から老年に至るまでの芸に対する思いを書きまとめたものです。  彼は言います。当流に万能一徳の一句あり。初心不可忘。  この句、三カ条の口伝あり。  是非、初心不可忘。  時々、初心不可忘。  老後、初心不可忘。  この三つ、よくよく口伝すべし、と。  まず、始めたころの未熟さを忘れてはならない。  上達したら、その時期ごとの初心芸を忘れてはならない。  老後を迎え似つかわしい風体を習うのも、また初心である。老後をすら初心と心得よ。  このように、初心を一生涯貫いて行けば、最後まで芸は退歩しない。これが観世流の奥義であり秘伝である、と。  私もあらためて世阿弥の使った言葉の深い意味を噛(か)みしめ、初心を忘れず市政運営に当たりたいと思います。 ●「障害者保健福祉ひの5か年プラン」(素案)にご意見をお聴かせください  市では、公募市民、障害者、支援機関、福祉関係者など市民参画により策定委員会・ワーキングチームを組織し、障害者福祉に関する素案の策定を行ってきました。このほど素案ができましたので、皆さんのご意見をお聴かせください。 支援と協働を軸にした、ともに生きるまち日野 ◎障害者福祉の質を転換させるための知恵を出し合います(障害のある市民が社会参加の主体となれるよう、「保護」から「支援」へと施策の転換を図ります) ◎障害のある市民を生涯にわたって支援するしくみをつくります(障害のある市民を生涯にわたって継続的に支援できるよう、安全・安心のシステムをつくります) ◎障害のある市民と一般市民、企業、NPOなどが協働し、共生社会をめざします(障害のある市民と一般市民、企業、NPOなどが力を合わせ、共生社会をつくります) ○この計画は  市は、障害者の現状等を把握し、国及び東京都の関連計画と整合性を図りながら、市の障害者の施策に関する事項を策定します。 ○計画の期間  平成17〜21年度の5年間とします。計画期間において定期的に進行管理と検証を行い、関連する諸制度や法令の改正、社会情勢の変化等必要に応じて見直します。 ○計画の基本理念(案)  支援と協働を軸にした、ともに生きるまち 日野  「共助」と「自助」を主体に、これに「公助」を加えた三位一体の施策展開により「障害の有無を問わない、ともに生きるまち・日野」を実現することを目指します。計画の目標は、ライフステージ別に考えて7つの基本目標(上図参照)を設定しました。 ○素案の内容を見るには  市役所2階障害福祉課、七生支所、豊田駅連絡所、市政図書室及び市内各図書館で閲覧できます。また、市のホームページにも掲載しています。 ○市民説明会を行います ▽日時=3月5日<(土)午前10時から ▽会場=市役所5階505会議室 ○ご意見をお寄せください  この素案に対するご意見・ご提案は、3月15日<(火)(必着)までに「障害者保健福祉ひの5か年プラン提案」と記入し、次のいずれかの方法でお寄せください。説明会でもご意見を伺います。 ▽郵送=〒191・8686日野市役所障害福祉課「ひの5か年プラン」係 ▽FAX=583・0294 ▽Eメール=syogaif@city.hino.tokyo.jp ▽問合せ先=障害福祉課 [基本目標] 育つ 個別支援プログラムに基づく一貫した支援体制のもとで、乳幼児期から学齢期、青年期の健やかな成長を見守ります[施策の方向]子どもの成長を支援する、子どもの「共育」の場を拡充する 学ぶ 乳幼児期から学齢期、卒業後の全生涯にわたり、学びの場をつくります[施策の方向]子どもの学びを支援する、交流を通して理解を深め合う、一緒に活動できる場をつくる 働く 地域の活性化にもつながる仕事の場をつくり、仕事を通して社会貢献と収入確保がともに図れるしくみをつくります[施策の方向]生活支援と就労支援を一体的に行う 経済的に自立し、社会に貢献する つながる 行政、自治会、企業、社会福祉法人、NPOなどの社会資源を横につなぐ連携のしくみをつくり、力を合わせて支えます[施策の方向]社会資源のネットワーク化を推進する 生きる 障害者の生命と権利を守ります[施策の方向]医療機関の支援体制を整える、災害時の安全・安心を確保する、一時保護制度を充実させる、親なき後を支援する 暮らす 地域で豊かな生活が送れるようにします[施策の方向]行動しやすいまちにする、生命、身体、財産の権利を守る、生活に必要なサービスを整える 家族を支援する 障害者を介助する家族の健康と暮らしを支えます[施策の方向]家族がリフレッシュできる、家族も自己実現を図れる