■施設の整備・充実について  これまで懸案とされてきた多くの事業について、施設の完成を含め推進することができました。 (1)新市立病院のオープン  平成14年6月に開院し、地域の中核的病院として十分な医療サービスを提供することができるようになりました。病院経営については問題点が山積みしていますが、これからも市民の健康づくりの拠点、いやしのサロンとして機能を充実させていきます。 (2)土地区画整理事業の完成  市施行、組合施行を合わせ8地区で完成することができました。市民の皆さんには、長い期間にわたりご不便をおかけしましたが、多くの地域で住みやすい環境が整いました。  今後も、現在施行中の地区について、国、東京都への要請も行いながら積極的に推進していきます。 (3)日野駅、高幡不動駅前整備事業   日野駅については、駅前ロータリーのバリアフリー化による整備を行い、歩行者優先の駅前空間を創出しました。また、高幡不動駅前については、高幡不動尊参道等を市外から来る方にも気持ちよく歩いていただけるように、電線の地中化やバリアフリー化による道路整備を行いました。 (4)石田大橋開通と国道20号バイパス国立府中インターまでの開通  石田大橋から国立府中インターまでの区間が開通したことにより、甲州街道の交通混雑が緩和し、万願寺地区はもちろん市内の経済・産業の振興にはずみがつきました。今後も、活力ある地域社会の形成のため、未開通区間の早期整備促進に向け、国、都に要望していきます。 (5)高齢者福祉施設の拡充・整備  「待機者ゼロ」を目指し、民間活力を生かした施設の拡充・整備を進め、老人保健施設や療養型医療施設、グループホームを開設しました。 (6)新たな交流センターの開設  地域の拠点となる機能を持たせた交流センター6館を開設しました。とくに多摩平の森ふれあい館は、交流センターのほかに図書館、子ども家庭支援センターの機能を持たせた複合施設として、また新町交流センターは、多目的な活動ができる小ホールを備えており、利用しやすい施設となりました。 (7)小・中学校施設整備事業  新たに学校施設整備基金を設置し、子どもたちの安全と快適な教育環境を確保するため、耐震補強工事、老朽化した校舎や屋内運動場の大規模改修、トイレの改修工事等を実施しました。引き続き小・中学校施設整備計画に基づき、整備事業を進めていきます。 ■新たな事業などについて (1)子育て環境の整備  東西2つの子ども家庭支援センターの開設に加え、「待機児ゼロ」を目指して保育園の定員増と保育時間の延長を推進しました。さらに、民間活力の導入により、民間保育園の設置や認証保育所の開設を推進するとともに、児童館・学童クラブの増設、改修等充実を図りました。また、4歳未満の乳幼児医療費を所得に関係なく無料にしました。 (2)健康事業の大幅な推進  市民参画により策定された「日野人(ひのびと)げんき!」プランに基づいた各種の健康施策を展開してきました。「健康寿命」を延ばすための取り組みとして、地域での「さわやか健康体操」、「パワーリハビリテーション事業」を進めています。また高齢者の誕生月健診に加え、女性特有の検査としてマンモグラフィによる乳がん検診や「女性なんでも健康相談」を、男性では前立腺がん検査を実施してきました。 (3)市民窓口サービスの拡充(土曜開庁・ワンストップサービス等)  平成14年11月から市役所本庁、七生支所、豊田駅連絡所の土曜開庁による窓口業務の拡充に取り組み、その後、税証明の総合窓口化を進めてきました。現在では税、福祉総合窓口化に向けたさらなる体制づくりを進めています。 (4)気軽に出かけられるまちづくり  高齢者の皆さんも気軽に外出できるよう、また公共施設へのアクセスの利便性を高めるために、丘陵地など路線バスが通れない地区に、2路線の「丘陵地ワゴンタクシー」の運行を開始しました。また、市内の交通不便地区を解消するため、ミニバス路線を6路線に拡充しました。 (5)特色ある学校づくりを支援  選べる学校制度のもと、「ひのっ子教育21」による特色ある学校づくりを目指す教育委員会の方針を積極的に支援。また学校週5日制への対応や小学校に教育補助者を配置し、少人数教育を推進してきました。 「平成17年度予算」 【一般会計】  462億4千300万円 前年度比7・0%減  前年度当初予算に比べて7・0%の減となりましたが、前年度は、減税補てん債の借換分としての46億円が含まれており、実質2・5%増となります。 ▼歳入  市税は、253億3千665万円で、前年度に比べ1・0%の減となり、平成10年度から8年連続のマイナスとなりました。法人市民税は増となりましたが、主に個人市民税、固定資産税の減によるものです。  地方譲与税につきましては、9億6千600万円で、前年度に比べ大幅な増となりました。三位一体改革に伴う暫定的措置として税源移譲される、所得譲与税の増によるものです。  地方交付税につきましては、前年度同様、特別交付税のみ見込んでいます。  基金の繰入金につきましては、15億257万円で、前年度に比べこれも大幅な増となりました。これは、財政調整基金などを取り崩し、財源の調整をしたためです。  市債については、29億6千880万円で、前年度に比べ61・7%の減となりました。これは、減税補てん債の借換分が減になったことによるものです。 ▼歳出  行財政改革遂行型予算を基調にしています。  緊急課題として、安全・安心のまちづくり、待機児及び子育て・子育ち不安ゼロ、高齢者の待機者及び寝たきりゼロ施策、商店街の活性化事業、小・中学校施設整備及び特色ある学校づくりなどを最優先施策とした予算となっています。  なお、改選を控えているため、本予算には予備費3億円を留保しました。 【特別会計】   480億2千871万円    前年度比1・8%増  土地区画整理事業、下水道事業会計などが減になる一方で、国民健康保険、介護保険会計などの増によるものです。 当面する行政課題への取り組み  地方分権・地域主権を目指す三位一体改革がいよいよ始まります。自治体運営は一層厳しくなっていきます。しかし、これまで培ってきた市民参画の手法を基本に、環境にやさしい、経営感覚をもった市政運営を引き続き進め、最小の経費で最大の効果をあげる市民サービスの提供を目指します。 1 安全・安心のまちづくり  ▽市民参画による地域防災計画の見直しとハザードマップの策定  ▽自主防災組織の拡充  ▽市内安全パトロール、ひのっ子安全パトロール隊の充実  ▽地域防犯活動の拡充  ▽小・中学校の校舎等の耐震補強及び老朽化校舎の改築  ▽小・中学校内の緊急通報システムの検討・整備 2 「日野人(ひのびと)げんき!」プラン 「健康増進、高齢者寝たきりゼロ」を目指して  ▽「保健師を1万人に1人!」で地域の健康のアンテナづくり  ▽万病のもと・ストレスコントロール事業の実施  ▽「げんきになろう!」日野人運動4大事業の展開  ▽小児初期救急医療の充実  ▽各種健診の充実 3 ひのっ子すくすくプラン 「待機児ゼロ、子育て・子育ち不安ゼロ」を目指して  ▽待機児の解消  ▽子ども家庭支援センターの機能の充実  ▽子育てパートナー事業及びファミリーサポートセンター事業の充実  ▽幼保一元化への取り組み  ▽特色ある開かれた学校づくり 4 さらなる行財政改革  ▽行政の効率化と市民サービスの向上を目指した「第3次行財政改革大綱」への新たな取り組み