◎日野の歴史と民俗112 ■宗印寺の開基・中山照守  平山城址公園駅近くに宗印寺という曹洞宗の古刹がある。多摩丘陵を背にして堂々とした風格を示している。明治17年(1884)に平 山季重(すえしげ)の墓所である大福寺を併合して、季重(すえしげ)の墓碑をはじめ木像地蔵菩薩像等が移され、明治に陸稲(おか ぼ)平山を創った土地の林丈太郎の記念碑も見られる。この宗印寺の開基は中山照守という江戸幕府の旗本で、宗印寺という寺号も照 守の「宗印」という法名からとったものという。この中山照守とはどのような人であったのであろうか。 ▼八王子城を死守した中山勘解由の嫡男  天正18年(1590)、豊臣秀吉の小田原攻めのとき、6月23日に八王子城の攻防戦が激しく展開された。前田利家勢1万8千と上杉景勝 勢1万を主力とし、八王子城は3千人で、城主北条氏照の留守を預かる横地監物(よこちけんもつ)をはじめ中山勘解由(かげゆ)家範、 狩野一庵、近藤綱秀らが死守した。中でも中山勘解由の活躍は寄せ手からも注目を浴び、前田利家は中山の助命を伝えたが、中山は自 刃したといわれている。  中山勘解由には嫡男照守と次男の信吉がいた。照守の「照」は主君氏照の「照」を賜ったもので、「照守」の意味は主君氏照を守る という意味であろうか。北条氏が関東に勢力を拡大する中で、筑波山で小田勢・真壁勢と戦ったときに、中山勘解由と照守父子が高名 を立てたという記録もある。 ▼八王子城落城後、家康の恩恵で旗本として平山村に  八王子城落城のとき22歳であった照守は、落城後、郷里中山村(飯能市)にいたが、中山勘解由の活躍を知る家康の恩恵で、弟信吉 とともに徳川家に仕えることになり、照守は旗本として初めて平山村に知行地を与えられた。慶長5年(1600)9月、関が原の合戦のと き、照守は徳川秀忠に仕えていたが、秀忠が信濃上田城を攻めたとき、照守は「上田の七本槍」の一人として活躍した。照守は3千 500石を知行し、御旗奉行を勤め、八条流の馬術をよくしたという。父の名を継ぎ、勘解由を名乗った。 ▼宗印寺を設立  八王子千人同心の碩学(せきがく)・植田孟縉(もうしん)は、照守の晩年について「武蔵名勝図会」に「宗印と号してこの地(平 山村)に住居し、則ち穏宅を以て一寺となし宗印寺」と書いている。宗印寺は中山照守によって設立されたのであり、まさに宗印寺の 起源はここに始まる。照守は寛永11年(1634)正月21日に65歳で他界し、戒名を宗印とした。  「武蔵名勝図会」と同じ時代に書かれた「新編武蔵風土記稿」はその後の宗印寺に触れ、建立された宗印寺は「わずかの庵」で尊号 もなかったが、第三世大本恵立(たいほうけいりゅう)のときに寺山号が出来、寺院としての形が整備されたという。  現在、私たちが見る宗印寺の原点は、戦国時代を生き抜いた一武士が、苦難を乗り越え、晩年に到達した境地として捉えることが出 来よう。その道は、かつての主君氏照や父勘解由(かげゆ)がたどった道であった。氏照は八王子城下に牛頭山寺(ごずさんじ)を再 興し、父勘解由(かげゆ)は能仁寺(のうにんじ)(飯能市)を創建した。照守の墓は中山家の菩提寺能任寺にある。 (日野市古文書等歴史資料整理編集委員会委員 沼謙吉) ◎まちの話題 ■市内在住の渡辺岳志さんが全日本けん玉道選手権大会で優勝  昨年9月23日に立命館大学で行われた第5回全日本クラス別けん玉道選手権大会で渡辺岳志さんが日本タイトルを手にしました。今回 は、学生選手権に続く優勝です。   ■市内在住の吉村正さんがシニア健康スポーツフェスティバルテニス大会で優勝  昨年10月16日に有明テニスの森公園で行われた第12回シニア健康スポーツフェスティバルテニス大会男子ダブルス(64歳以上)で吉 村正さんが優勝しました。また、10月6日から名古屋市で行われた第69回テイジン全日本ベテランテニス選手権大会で3位になりました。 今年は「ねんりんピック鹿児島」への出場を予定しているそうです。 ■市内中学生が「全国中学生人権作文コンテスト東京都大会」で入賞  東京都人権擁護委員連合会・東京法務局主催の平成19年度全国中学生人権作文東京都大会で都内中学生254校、3万1千78編の中から 三沢中2年黒木翼さんが「優しい人」で奨励賞を、七生中3年田中亜未さんが「心のバリアフリー」で、三沢中1年和田光央さんが「犯 罪被害者・遺族の悲しみ」でいずれも作文委員会賞を受賞しました。  日常の体験から得た身近な人への感謝の気持ちや人との間に生じている諸事情を真剣に考えている作品でした。 (市長公室市民相談担当) ■小正月の伝統行事「どんど焼き」が行われる  1月14日、滝合小で「平山どんど焼き保存会」のもとで行われました。  当日、この行事の実行委員会として携わった籏野治男さんによると、多くの参加者が見守る中、お炊き上げの「どんど」に火が入る とまたたく間に火は勢いを増し、その後火勢が衰えると、参加者はまゆ玉とみかんをあぶり、今年1年の無病息災などを祈願したそう です。 ◎みんなのメモ帳 原稿締め切り日 4月1日号……3月7日(金) 4月15日号……3月24日(月) 原稿は郵送かご持参、または市ホームページから電子申請で受け付け/政治・宗教・営利に関するものは掲載不可/問い合わせは各文 末の代表者へ。市は関与していません/特に記載のないものは原則無料/掲載後に苦情があったものは、今後の掲載を見合わせていた だきます/掲載された記事は、市ホームページで広報ひのPDF版・テキスト版にも掲載されます **会員募集**  先着順で掲載します。2度目以降の掲載は前回掲載日の3カ月後から受け付けます。 ★社交ダンス「南平ソシアル」 毎週火曜日午後7時15分から9時/新町交流センターなど/入会金500円、月2千500円※プロの指導あ り/佐久間(電話:090-8581-3972) ★日野市還暦野球部 毎月水曜・土曜・日曜日/多摩川グラウンドなど/試合/58歳以上の方対象/年1万5千円/戸羽(電話:042- 592-0738) ★財政サークル 毎月第1・第3金曜日午後6時から/中央公民館など/日野市の財政分析を決算カードを用いて行う/月500円※指導あ り/電卓、決算カード(市政図書室でコピー)持参/大石(電話:042-592-1532) ★表千家・裏千家茶道研究会 月2回月曜・火曜日午後1時から5時/新町交流センターなど/初心者・中高年者歓迎/1回2千円(茶菓 子代ほか)/大村(電話:042-581-2450) ★パソコンステップアップ・レベルアップ講座 4月からの月3回土曜日午前9時45分から11時45分/豊田駅北交流センターなど/18歳 以上の方対象※主婦・中高年者歓迎/月2千円/日野パソコンファミリー(石田電話:042-584-2228) ★ひこばえ短歌会 毎月第4金曜日午前10時から/中央公民館高幡台分室など/月1千円/御子柴(電話:042-581-0990午後7時から9時 ) ★黎明(れいめい)太極会 月3回土曜日午前10時から正午/中央福祉センターなど/初心者歓迎/月1千500円※指導あり/岩下(電 話:042-582-0680) ★日野極真カラテクラブ 毎週水曜日午後3時から5時南平体育館、木曜日午後6時から7時東部会館、金曜日午後6時から7時ひの社会教 育センター、土曜日午前10時30分から11時30分新町交流センターなど/4歳以上の児童対象/月3千円/倉成(電話:090-8598-5463) ★楊名時太極拳同好会豊田教室 毎週日曜日午前10時から11時/勤労・青年会館など/楊名時気功八段錦ほか/入会金1千円、月2千円 /動きやすい服装で/河原(電話:042-586-7352) ★陶芸サークル「土楽」 毎月第2・第4水曜日午前9時30分から正午/中央公民館など/初心者歓迎/月5千円/岩谷(電話:042-591- 1060) ★ルンルン 毎週木曜日午後6時30分から7時30分/中央福祉センターなど /ヨガ、ピラティス、ストレッチ/初心者歓迎/1回500円/タオル、水持参※動きやすい服装で/重城(電話:042-585-4741) ★アートピノチオ 毎月第2・第4木曜日午後1時から5時/生活・保健センターなど/絵画/入会金1千円、月2千500円/山崎(電話: 042-583-0810) ★アメリカ人の先生の子供英語サークル「ピーカブー」 月4回金曜日午前10時から10時45分2から3歳児、午前11時から11時45分1から 2歳児対象※幼稚園児クラスあり/四ツ谷地区センターなど/遊びながら英語を学ぶ/入会金3千円、月4千500円※2回3千円/保谷(電 話・FAX:042-587-7981) ★中国語学習会 月2回日曜日午前9時30分から11時30分/市民会館会議室など/中級程度の文法・作文練習。教科書使用※見学歓迎/ 若干人/2カ月5千円※指導あり/澤池(電話:042-591-3275)