多摩川編 ■多摩川を歩こう!上流コース(約5.5キロ)  日野駅からモノレール甲州街道駅までの多摩川を下るコースです。  日野用水に沿って東光寺地域を目指し、多摩川に出ます。中央線の鉄橋下をくぐり、立日橋、日野渡船場跡などを通って甲州街道駅 までの史跡と清流を訪ねるコースです。 ●1 日野駅  明治23年(1890)1月6日地元有志の寄付により甲武鉄道の駅として開業、昭和12年(1937)6月複線化に伴い300メートルほど北の現 在地に移動しました。入母屋造りの民家調の駅舎は、かって日野が「八丁田圃」と呼ばれ稲作地帯だったことを物語っています。   ●2 よそう森公園  日野用水に沿って歩くと、水田の中に小さな公園が現れます。よそう森公園です。現在は、森は見当たりませんが、昔は小高い丘と 杉林があったとのことです。その森には稲荷が祀られていて、人々は祠の前でその年の収穫高を予想したことから、よそう(予想)森 と呼んだとのことです。実は、当時建っていた祠は移設されて公園内にはありませんでした。どこに移設されたのでしょう?この祠を 探してみるのも面白いですね。   ●3 成就院薬師堂  水車堀公園から多摩川方面に150メートルほど行くと、成就院というお寺があります。その境内に時代を感じさせるお堂が建ってい ます。薬師堂です。本尊は"運慶"作と伝えられる秘仏です。ここにも意味ありげな言い伝えが記されています。是非現地で確認してく ださい。「なるほど!」と納得させられますよ。   ●4 四ツ谷下公園(日野宮神社)  中央線の鉄橋の手前をちょっと日野駅に向かうと、小さな公園があります。そう、ここに地元で有名な「うなぎ伝説」の云われが書 かれていますよ。「むかしむかし大洪水が発生したとき、多摩川の堤にぽっかり開いた穴を・・・」この先は現地で確かめましょう。 うなぎは近くの日野宮神社に祀られている虚空蔵菩薩の使わしめだと伝えられています。   ●5 中央線鉄橋下 鉄道好きにはたまらない場所です。上り線の鉄橋の橋脚には、日野煉瓦の橋脚が今も残っています。落書き防止のため大半が白く塗ら れてしまいましたが、これは甲武鉄道開業当時(1889年)に作られたもので、赤レンガは日野煉瓦(現在は廃業)製で当時のまま残って います。なんとなくレトロな風情がいいですね。 ●6 日野渡船場跡  「つれて〜逃げてよ〜…」矢切の渡しならぬ「日野の渡し」があった場所です。なんと大正15年まで現役だったそうです。ここにも 説明書きがあり、「江戸時代初期の甲州街道は現在の場所よりもっと下流だった」などのうんちくを仕入れることができます。   ■多摩川を歩こう!下流コース(約5キロ)  甲州街道駅から万願寺駅までの多摩川を下るコースです。  日野橋を右に整備された堤防の遊歩道を行き、万願寺渡船場跡を見て、多摩川と浅川との合流点まで行き、浅川をさかのぼって新井 橋に出ます。石田寺や安養寺など史跡と自然観察のコースです。   ▲1 日野橋(下流)  多摩川の堤に大きな犬が遠くに見える。近くに行くと何と馬(ポニー)が2頭、静かに草を食んでいるではありませんか。「ポニー はサラブレッドと違って気性が大変おとなしく、1人で2頭を散歩させても大丈夫なのですよ」とのこと。近所の介護老人ホームで4〜 5年前から飼われており、お年寄りはポニーとふれあうことで、自然と会話が弾み、笑顔になるそうです。意外なアニマルセラピーな のでした。皆さんも上手くすると会えるかもしれませんよ!!   ▲2 万願寺渡船場跡  ベンチが1脚あり、ちょっと休憩出来ます。江戸時代初期の甲州街道の渡船場で、渡船場が日野に移ってからも使われていました。 多摩川橋の近くに飲料水の自販機と最近めずらしい「公衆電話ボックス」があります。   ▲3 多摩川グラウンド  東京都還暦軟式野球連盟所属の日野オークスが今季初の練習を行っていました。伊藤監督と鳥羽幹事に話をお聞きすると、全員60歳 以上の43人で構成され、平均年齢66歳。今年創部18年目、優勝経験のある強豪チームでした。   ▲4 石田大橋  国立・府中と日野市を結んでいます。晴れていれば、日野・八王子方向の正面遠くに富士山が眺望出来ます。名称は「イシダオオハ シ」です。   ▲5 石田寺  「セキデンジ」と読みます。寺の名前は音読みが通常だそうです。土方歳三の墓があり、命日の5月11日に歳三忌が行われます。ま た、樹齢400年以上のカヤの木(日野市の指定天然記念物)があります。   ▲6 とうかん森  樹齢250年と推定されるカヤやムクノキの大木があります。とうかんの呼称は稲荷、あるいは十家(土方一族の十家余)の音読みに 由来するとも言われています。   ▲7安養寺  この地域の町名は万願寺ですが、現在「万願寺」というお寺は存在しません。 安養寺の石黒忠雅住職によると、「万願寺は四小跡か山門あたりにあったようで、安養寺の本尊は600年前は万願寺にあり、400年前に 安養寺に移設された」(地頭文、古老への聞き取りや過去帳)。安養寺の本尊の阿弥陀如来坐像は平安時代の様式を持ち、東京都の文 化財に、毘沙門天は鎌倉時代初期の作といわれ日野市の文化財に指定されています。 ▲8 ちょっと寄り道 北川原公園  トイレがとてもきれいです。グラウンドの周りに12基のベンチがあり、ゆったり休憩出来ます。グラウンドの下は浄水施設になって おり、「浅川浄水センター」に隣接しています。 ●市民記者の編集後記  今回この企画で日野市内を散策して、区画整理が進み新しい住宅や道路が整備され、町が大きく発展しようとしていると感じました。 そんな中にも、ぶどうや梨、ブルーベリーなどの果樹園や、趣と歴史を感じる木造の倉庫も共存しており、市民の皆さんが市内の歴史 や自然を愛し、大切にされていると感じました。今回はコニカミノルタビジネスエキスパート鰍フメンバーが企業ボランティアとして 取材に参加させて頂きましたが、日野市に大きな拠点を抱える企業の一員として、町の発展と歴史や自然の保護の両立に、少しでもお 手伝いが出来ればとの思いを新たにいたしました。 ・田中三雄さん(南平在住)  今回、私は南平から百草までの浅川コースを取材しました。  このコースは、春の桜、夏の市民プールと対岸を往来する渡し舟、秋の紅葉など季節ごとに楽しむことが出来ます。また、川面には 鯉が時折顔を出し、堤ではスズメ、キジバド、ゴマハト、ニビキシマアオジ、ジョウビタキ、モズなどさまざまな鳥の姿も見られます。  日野の自然を手軽に楽しめるこのコースを満喫してください。 ・土方憲司さん(南平在住)  浅川の水辺で気持ちよく、楽しい思い出作りの出来るコースを選定いたしました。橋からは、朝焼け、夕焼けがよく見え、元旦のご 来光に大勢の人々で賑わいます。また、鮎や鯉に見とれます。どうぞ、足を地球にしっかり着けてコースを歩いて、健康づくりに励ま れることを祈念いたします。 ●ウオーキングの運動効果 1日1万歩のウオーキングで300Kcalを消費  運動をするとき、体の中のエネルギーを燃やして体を動かしますが、エネルギー源には糖質と脂肪があります。ウオーキングは、最 初は糖質が使われ、そのあと脂肪が燃焼をはじめます。呼吸をしながら長く歩けば体の中の脂肪が消費されます。ウオーキングは、メ タボリックシンドロームの解消や、病気の予防にも効果的な誰もが出来る運動です。 表面は… 浅川を歩こう!上流・下流コースです