平成20年度決算を公表 平成20年度は、秋以降の世界同時不況の影響を受け、大変厳しい財政状況の中、高齢者対策や子育て施策などの市民サービスを 最優先に効率的な行政運営に取り組み、事業を展開してきました。広報ひの今号では、この事業について、 @持続可能な社会の実現に向けた地球温暖化対策A市民の健康のためのさまざまな取り組み B子育て支援サービスの充実(保育園等改革プランの推進)C格差是正、という4つの視点から、その概要をお知らせします。 問合せ先 財政課 1 持続可能な社会の実現に向けた地球温暖化対策…総額5億8,575万円 CO2削減への取り組み ☆「ふだん着でCO2をへらそう」宣言の獲得 市内の官公署、法人会、商工会、大学及び市民団体などと連携して、CO2削減に向けての宣言をしてもらいました。 →宣言者数は一般世帯が6,438世帯、団体・事業所が141事業所で、宣言に伴うCO2削減換算値は3,165トン、針葉樹226,097本相当です。 エコひいきな街づくりモデル街区の推進 ☆栄町の市営住宅跡地に環境配慮のモデル街区を設定 エコ住宅にソーラーシステムを設置、生ごみ堆肥化システムの導入、モデル街区に隣接する公園へのソーラーライトの導入などを 行いました。 →省エネ・省資源に配慮した住宅建築推進を市内に広め、環境に配慮したまちづくりが進みました。 良好な緑地の取得と保全 ☆日野緑地・百草公園東緑地の用地取得 日野市みどりの基本計画に基づき、多摩丘陵地域の緑地を保全するため、国庫補助金を導入して用地取得を行いました。 →日野緑地で667.19平方メートル、百草公園東緑地では5,879.85平方メートルを公有化し、優良な緑地の保全が実現しました。 2 市民の健康のためのさまざまな取り組み…総額45億2,528万円 市立病院の経営力強化 ☆市立病院改革プランに基づく経営改善への取り組み 良質な医療を継続して提供し、市民に信頼される地域の中核病院としての役割を果たすため、医療体制の充実や占床率アップなどに 取り組みました。 →常勤医師の確保により、小児科のチーム医療及び産科分娩が再開しました。また、救急科を開設して救急・災害医療を充実させて います。 高齢者健康施策の拡充 ☆げんき高齢者等交流の場の開設 湯沢福祉センターにげんき高齢者交流の場として「ゆざわ・ここからネット」を開設し、地域の住民や子ども、障害者との世代間交流 を図れるスペースを提供しました。 →定期的に開催する地域懇談会などでPRし、多くの方に健康づくりや仲間づくりの場として活用されています。 高齢者の見守り支援 ☆高齢者世帯を地域ぐるみで見守り、支え合い ひとり暮らし高齢者や高齢者世帯に対し、地域住民や事業所による見守り支援の実施、ふれあい交流サロンの開設、ちょっとした 困りごとの手伝いなどのさまざまなサービスを実施しました。 →対象となる高齢者は185人、見守り推進員は228人、見守り支援の登録事業所は216カ所になります。百草団地ふれあいサロンでは、 年間5,104人(1日平均27.7人、オープン日数184日)の利用者が訪れました。困りごと支援は6月から開始し、電球・蛍光灯の取替え などの作業を実施しています。 3 子育て支援サービスの充実…総額54億83万円 保育園等改革計画の推進 ☆保育園、基幹型児童館の整備 みさわ保育園耐震補強と大規模改修、もぐさ台保育園の大規模改修を行いました。また、平成21年度から地域の子育て支援の拠点と なる基幹型児童館として、あさひがおか児童館を大規模改修しました。また、栄町こうゆう館内にさかえまち児童館を新設しました。 →児童の安全・安心と保育環境を確保することが出来ました。また、基幹型児童館構想を実現するための基盤整備が進みました。 待機児解消への取り組み ☆保育所、認定子ども園の設置 多摩平に吹上多摩平保育園を開設し、京王線高幡不動駅前には京王キッズプラッツ高幡を開設しました。また、日野・多摩平幼稚園に 就学前の教育・保育を一貫して提供する認定こども園を設置しました。 →これらの取り組みにより、待機児解消につなげることが出来ました。また、就学前の子どもの子育て支援を総合的に提供することで、 幼保一元化の足がかりになりました。 ひのっ子すくすくプランの推進 ☆そだちあい事業の充実 保育園、学童クラブに通う特別な配慮を必要とする子どもについて、支援アドバイザーによる定期的な巡回、保護者との個別相談、 職員研修などを行い、総合的に支援しました。 →総合的な支援の実施により、保育者のスキルアップ及び保護者の育児不安の解消など、さまざまな効果をあげることが出来ました。 4 格差是正のために…総額1億135万円 生活不安者へのサポート事業の実施 ☆ひとり親家庭を総合的に支援 ひとり親家庭への相談・情報提供の充実、住宅支援、就労支援などを実施しました。 →「ひとり親家庭のしおり」の配布、ひとり親家庭専属の相談員の配置、市営住宅への優先入居、支援セミナーと相談会の開催、 パソコンスキルアップ講座、母子自立支援プログラムなど、ニーズに合った支援サービスを提供しました。 ☆障害児放課後クラブの開設 学童クラブやひのっちでは対応出来ない障害児に放課後の活動の場を提供し、創作活動、見守りなどのサービスを提供しました。 →登録者数は25人、延べ利用者数は1,688人(実施日数181日)となり、障害児の放課後活動の充実、保護者の一時的な休息が図れました。 一般会計 平成20年度の一般会計の歳入は、540億2,715万円で前年度比1.8%(9億6,851万円)減、歳出は522億633万円で 前年度比2.9%(15億7,245万円)減となり、差引18億2,082万円を平成21年度に繰り越しました。 歳入 540億2715万円 歳入の柱となる市税は、納税義務者の増加によって個人市民税が増加し、法人市民税も増加したため、全体では引き続き増収と なっています。ただし、法人市民税は、企業収益減の影響で翌年度の各企業の決算状況により一部を返還する場合があります。 市債借入は、臨時財政対策債が増加したものの、小学校改築工事が終了したことなどにより、ほぼ前年度並みとなっています。 国からの地方交付税は、普通交付税が5年連続で不交付となりました。 市税 301億8992万円(55.9%) <2.7%> 国庫出資金 49億9006万円(9.2%) <△11.9%> 都支出金 57億3964万円(10.6%) <5.9%> 市債 33億1590万円(6.1%) <0.9%> 地方消費税交付金 17億1557万円(3.2%) <△5.7%> 地方譲与税 3億7172万円(0.7%) <△1.7%> その他 77億 434万円(14.3%) <△14.6%> ()内は構成比、<>内は対前年度比 歳出 522億633万円 総務費は、平山季(すえ)重(しげ)ふれあい館の建設工事の終了などにより、7億5,594万円の減となりました。 教育費は、平山小学校の改築工事の終了などにより、9億6,392万円の減となりました。 衛生費は、市立病院経営健全化のための財政支援などにより、3億9,746万円の増となりました。 公債費は、教育債や土木債の償還額の減少などにより、1,559万円の減となりました。 民生費 202億 448万円(38.7%) <0.4%> 総務費 72億7492万円(13.9%) <△9.4%> 教育費 81億89万円(15.5%) <5.9%> 土木費 51億7084万円(9.9%) <△4.6%> 衛生費 50億9487万円(9.8%) <8.5%> 公債費 31億8187万円(6.1%) <△0.5%> 消防費 20億4672万円(3.9%) <△0.6%> その他 11億3174万円(2.2%) <△3.7%> ()内は構成比、<>内は対前年度比 特別会計 平成20年度の特別会計は、歳入総額が439億7,869万円で前年度比12.1%(60億6,077万円)の減、歳出は441億8,135万円で 前年度比12.1%(60億9,339万円)の減となりました。 会計 歳入 対前年度比 歳出 対前年度比 国民健康保険特別会計 153億8,209万円 2.4% 152億8,375万円 2.4% 土地区画整理事業特別会計 39億2,452万円 1.2% 38億6,249万円 4.4% 下水道事業特別会計 61億9,845万円 13.0% 61億6,436万円 12.5% 受託水道事業特別会計 4億4,354万円 △51.5% 4億4,354万円 △51.5% 老人保健特別会計 10億 558万円 △90.0% 9億9,608万円 △90.1% 介護保険特別会計 86億4,146万円 3.8% 82億7,072万円 1.0% 後期高齢者医療特別会計 22億8,040万円 - 22億6,327万円    - 市立病院事業会計 61億 265万円 △3.9% 68億9,714万円 △2.1% 合計 439億7,869万円 △12.1% 441億8,135万円 △12.1% 経常収支比率 経常収支比率とは、人件費・扶助費など容易に縮減出来ない固定的な経費に、市税などがどの程度使われているかを示す指標です。 財政の弾力性を示すものであり、この数値が低いほど新たな住民ニーズに対応出来る余地が大きくなります。 平成20年度の日野市の普通会計決算でみた経常収支比率は90.6%と前年度94.0%から3.4%改善しました。これは、退職者数の減少や 職員定数削減などによる人件費の大幅な減少によって支出が抑えられたことによります。また、大手企業の予定申告納税によって 法人市民税が一時的に増収となったことや、固定資産税が増収となったことが主な要因です。 しかし、今回の改善は一時的であり、財政構造的な改善を示す結果とは言えません。経常収支比率の根本的な改善には、更なる 経常経費の抑制が必要不可欠です。 経常収支比率(類似団体との比較) 多摩地区の類似団体平均 89.9% 小平市 96.3% 調布市 92.2% 西東京市 92.0% 日野市 90.6% 立川市 89.4% 三鷹市 88.8% 町田市 88.1% 八王子市 86.8% 府中市 84.8% 平成21年度上半期予算執行状況 一般会計の当初予算は、483億6,000万円でしたが、6回の補正を行い、39億1,139万円増の522億7,139万円となりました。予算額に 対する収入率及び執行率は下記のとおりです。 ●補正予算による主要な事業 豊田駅「たきび」音源作製 1,500万円 女性特有のがん検診推進事業 2,440万円 太陽光発電システム設置助成 2,530万円 魅力ある都市農業育成対策事業 3,814万円 学童クラブ新設・増築・改修 1億 547万円 緊急雇用創出事業 1億3,055万円 浅川スポーツ公園用地取得 1億5,149万円 学校ICT教育環境整備事業 1億8,125万円 豊田駅バリアフリー化事業 2億 600万円 (仮称)市民の森ふれあいホール建設工事 3億5,774万円 ●各会計別予算執行状況(平成21年9月30日現在) 会計名 予算現額 収入済額 収入率(%) 支出済額 執行率(%) 一般会計 522億7,139万円 269億6,245万円 51.6 247億4,997万円 47.3 国民健康保険特別会計 154億413万円 65億9,545万円 42.8 66億2,408万円 43.0 土地区画整理事業特別会計 42億6,664万円 1億6,869万円 4.0 8,279万円 1.9 下水道事業特別会計 53億3,169万円 19億1,853万円 36.0 19億1,711万円 36.0 老人保健特別会計 5,560万円 2,473万円 44.5 142万円 2.6 介護保険特別会計 91億5,549万円 44億3,614万円 48.5 36億 471万円 39.4 後期高齢者医療特別会計 25億3,424万円 10億4,841万円 41.4 8億1,833万円 32.3 市立病院事業特別会計(収入) 73億8,508万円 24億8,670万円 33.7 - - 市立病院事業会計(支出) 73億8,508万円 - - 30億4,113万円 41.2 ※一般会計の予算現額には、繰越明許費を含む 人件費比率 人件費比率とは、歳出総額に占める人件費の割合を示します。平成20年度は第3次行財政改革に基づく職員数の減少に加え、 前年度にピークを迎えた退職者数の大幅な減少などにより、19.0%と、過去10年間で最も低い数値に抑えられました。 基金・市有財産 基金とは、将来に備えた積立金で、家計における「預貯金」にあたります。このうち、財政調整基金は、いざというときに 備えるための基金で、20年度末残高は前年度より2億8,531万円増の18億4,022万円となりました。 (平成21年3月31日現在) 土地 161万8,893平方メートル 建物 32万3,641平方メートル 基金 財政調整基金 18億4,022万円 基金 減債基金 2億8,254万円 基金 その他特定目的基金 96億4,411万円 合計 117億6,687万円 各会計の市債借入状況 市債とは、単年度予算ではまかないきれない多額の資金を必要とする事業を実施するために行う長期の借入金で、家計における 「ローン」にあたります。学校耐震化事業や将来にわたって広く市民に利用される公共施設、道路の建設など、各年度の負担を均等に すべき事業に充てられます。豊かな市民生活を支えるために必要なものですが、残高が大きくなると、将来の世代に負担を残すことに なります。 実質公債費比率(単年度における借入金の返済額の大きさを示す指標。25%未満であれば適正値)は、1.0%となり、適正値内となって います。