紙面から 特集 市長新春対談…1から3 お知らせ 平成22年度採用日野市職員募集…3 催し 大成荘・日野山荘のゴールデンウィーク期間申し込み…6 催し 日野市消防団出初式…8 催し 祝日野駅開業120周年記念行事…8 市長新春対談 公民協働〜まちの将来を見据えて〜 早稲田大学大学院教授 田勢康弘氏を迎えて 明けまして おめでとうございます 皆さま、希望を胸に新年をお迎えのことと思います。今年の市長新春対談には、早稲田大学大学院教授・田勢康弘氏をお迎えし、 これからの行政のあり方、将来の展望などを語り合っていただきました。(文中敬称略)(市長公室広報担当) 地域主権へ切り替える大きな転機 市長 新年明けましておめでとうございます。 田勢 おめでとうございます。 市長 田勢さんは、私の高校時代の同級生で、日本経済新聞記者を経て、現在、早稲田大学大学院の教授をしていらっしゃいます。 田勢さんには、日ごろ、政治評論やマスコミを通じ将来の方向づけなど、適切な御示唆をいただいています。 今回は、最悪の不況の中、政権が大きく変わり、今後どのような方向で行政を進めていくべきか御指導いただきたいと思います。 田勢 私は、いつも全国を旅していますが、最近、とみに感じる事は基礎自治体の衰弱です。そろそろ限界に来ていると思います。 日本は、国のお金は川上から川下、すなわち国から地方自治体へ流れてくる仕組みになっています。それですべてが成り立っていて、 どんな地方からも、みなが中央・東京を見ています。 交通網を例にとっても、東京に行くのに便利なことばかり考えています。その結果、私の故郷・東北の場合、青森から山形に 短時間では行きようがないのです。九州から四国も同じ。一度羽田を経由して行く、これが一番早い。こういうゆがんだ国土に なってしまった。 今回の政権交代は、疲弊し切っている地方の基礎自治体を甦(よみがえ)らせる。つまり、そこに住んでいる人たちが自分たちで 自分の住んでいるところに責任を持つ。地域主権にシフトしていく大きな転機になると思います。 国と地方のあり方を見直す大きなチャンス 田勢 政権交代で、今後の国と地方のあり方が変わっていくことになるでしょう。 これまで国は、公共事業でも何でも一度決めたことは絶対変えなかった。ところが、政権交代で、それが揺らいでくる…。 例えば、昨年のダムの問題にしてもそう。 今後、国と地方は、お互い一定の距離をとっていくことになるでしょう。今までのような固く結びついた関係はもうあり得ないと 思います。 そうすると、徐々に、「国の権限などを地方に移して欲しい」、そんな声が上がってくると思います。 そういう点では、地域主権、地方が力を持つ千載一遇のチャンスではないかと思います。 ふるさとすら愛せない人間に国を愛することは出来ない 市長 私も、昨年の政権交代は、明治維新以来の激変になったと感じています。 日野市の場合、東京にあり、企業もあり、資産をお持ちの方もいて、この変化に何とか対応出来ると思いますが、全国的に見れば、 成り立たないところも出てくる…。特にこの不況、通常ならば乗り越えられるところがうまくいかなくなってきている。日野市も 将来までは見通せない状況です。 東京は、合併には否定的な市長が非常に多いのですが、そういう状況になれば、合併などの話が出てくるのではと危(き)惧(ぐ) しています。そのあたりは、どう思われますか。 田勢 日野市は、小さな県の県庁所在地ぐらいの人口があり、疲弊した他の多くの自治体とは簡単に比較出来ませんが、基礎自治体の 財政うんぬん以前に、人々が生まれ育ったふるさとを捨て戻ってこない、これが一番問題だと思います。 〈2面へ〉