掘り起こされた地域の歴史 発掘調査最前線 日野市は、多摩川と浅川に挟まれた台地と沖積地、そして多摩丘陵の一部と非常に豊かな地形を市域に含んでいることから、 昔から多くの遺跡が発見されてきました。ここ数年も、各地域でさまざまな遺跡の発見が相次いでいます。 広報今号では、西平山地区、豊田南地区、川辺堀之内地区、万願寺地区でそれぞれ発見された遺構や遺物を紹介します。 問合せ先:生涯学習課【代表電話】 (1)西平山地区 古代のものと思われる幅約2メートル、深さ約1メートルの大きな溝と縦20メートル、横11メートル、 柱と柱の間が3メートルもある大型の建物跡も発見されました。 この建物跡は周囲(四面)にぐるりと廂がついていることから「四面廂建物(しめんびさしたてもの)」と呼ばれています。 ▲四面廂建物跡(しめんびさしたてものあと) (2)豊田南地区 弥生時代末〜古墳時代前期、奈良〜平安時代の住居跡が発見されました。 中には、家の隅にカマドのある住居跡や、通常の集落からはあまり出土しない馬具などの貴重な遺物も発見されました。 ▲隅かまどの住居 (3)川辺堀之内地区 市内最古級の直径約26メートルもある「円墳」と呼ばれる古墳6基や弥生時代末〜古墳時代前期、 奈良〜平安時代の住居跡が多数発見されました。また、縄文土器や石器、土師器(はじき)や須恵器(すえき)、 金属器など豊富な遺物も出土しています。 ▲古墳群空撮写真 (4)万願寺地区 縄文時代の住居跡や配石遺構が発見されました。 配石遺構の中央に置かれた一番大きな石は「石皿」と呼ばれる木の実などをすり潰すときに使われる道具です。 ▲配石遺構